寒いとバッテリーの容量が減る

投稿日: Dec 02, 2012 4:59:43 AM

昔はプラレール、今だったらデジカメや携帯、スマホなど、

電池を使った機器を使っていると身にしみて知っていることがあります、

それは「寒いとバッテリーの持ちが悪い」

化学変化で電気を発生させているのがバッテリー(電池)なので、冬など寒い時は化学変化がニブくバッテリーの容量が減ることは既知の事実です。

夏に3100mAhのLi-ion充電池の容量チェックを行なっていた時はちょうど日に日に暑くなって行くタイミングと重なりバッテリー容量も日に日に増えて行きました(^_^;)

逆に今は気温が0度、しかも長時間かかるローレート放電のチェックは特に寒い夜中に寝ている時に行うようにしているので特に条件が悪いです(´・ω・`)

そこで発生する問題が・・・

理論的には同じ温度で比較すると、ハイレート放電(大電流での放電)はローレート放電(小電流での放電)より、バッテリーから取り出せる容量は少なくなります、

しかし、

ハイレート放電をするとバッテリー自身がより発熱しバッテリーがより活性化します、

逆に発熱の少ないローレート放電の時はあまり活性化しません、

するとどうなるか?

ハイレート放電とローレート放電で容量の差が少なくなってしまうんですね、

というわけで、冬場のバッテリーチェックはハイレート放電とローレート放電で容量の差が少ないという

5A放電とかするとバッテリーはかなり熱くなって危険度も高まるので扇風機などで冷やしながら行うことになると思うのですが、それはそれで活性度合いに変化が起きて容量の比較が難しくなるかも・・・

まあ、研究機関とかでもなければ正確な比較はできないと思うので(^_^;)

当店の比較も季節等を前提に参考程度に見てください。

とりあえず試しに行ったEagleTac 3100mAh 18650Li-ion充電池の容量チェックです。

以下のグラフは横軸の値が違うのでご注意ください。

まずは1A放電

フル充電の4.2Vで測定開始ですが、1Aの負荷でほぼ3.9Vからのスタート内部抵抗は114mΩ、放電容量は2792mAhでした

次に3A放電

フル充電の4.2Vで測定開始ですが、3Aの負荷でほぼ3.5Vからのスタート、放電直後少し下がった電圧が微妙に盛り返しているのは発熱によりバッテリーが活性化したものと思われます、

その直後に内部抵抗を計測しているせいか1Aの時より内部抵抗が下がって100mΩ、放電容量は2898mAhでした

1Aは夜中に暖房器具のない部屋で計測したので気温は0度近いはずです、それに対し3Aの方は普通に暖房の効いている時に計りました、

発熱量の違いに加え部屋の気温も違ったためか1A放電と3A放電で本来容量が多いはずのローレート放電の方が容量が少ないという逆転の結果に(^_^;)

※追記

5A放電のグラフを追加、

5A放電だとバッテリーがかなりの高温になるので小形の扇風機でバッテリーに風を当てながら計測で2767mAh

やっぱり冷やしながらだと容量は減るみたい、5Aの負荷で3.3V位でスタートして内部抵抗は84mΩ

3A放電の時にみられた電圧の盛り返しがないので空冷が効いたと思われます。

※2012.12.3、更に追記

0.5A放電で計測、暖房のない部屋でかなり寒い深夜に計測していたのでバッテリーの活性化は期待できなかったけどそれでも2904mAhの容量、やっぱり放電電流が小さいと容量が増える、

とりあえず今回の四つの放電を比べると、

    • 放電電電流が少ないと内部抵抗が大きく計測された

    • 過放電プロテクトは負荷がかかった状態の電圧を見ているのではないらしい、

    • グラフでは負荷がかかった状態では2.1~2.4Vとかなり低い数値まで放電している、ただし負荷が外れると3Vを超える電圧に戻っているのがわかる、もちろん負荷が無くなった状態で放置すると電圧は更に僅かだけど上がるので例えば下のグラフで放電を終えて数時間後だけど開放電圧が3.332Vまで上がっている、

    • 何らかの仕組みがあって負荷のかかっている時の電圧ではない電圧で過放電プロテクトをかけていると思われる。