XTAR WP2s Li-ion充電器

投稿日: Jan 04, 2014 4:18:48 PM

※2013年モデルにおいてUSB電源出力でiPadを充電する際にWP2sの内部回路が焼損する故障の事例がありました、

    • 最新型のiPad Airが特に大電流充電が可能なためWP2sの内部回路に負荷をかけるようです

    • 2013年モデルのWP2sでも搭載されているパーツの個体差によりiPadの2.1A充電に対応できない個体があるようです

    • iPad Airの発売がWP2sの後だったためWP2sの完全対応は2014年モデル以降となります

    • 2013年モデルに置いて大電流充電がiPadを充電する際にはWP2sは耐火耐熱性の高い物の上でお使いいただき、時々高温になっていないかご確認ください、もしWP2sが高温になっていた場合は使用を中止し当店までご連絡ください、ご返金や交換をさせていただきます。

  • Android機の充電には問題は起きません。

0V activation機能 最初に販売したのは結構前の話になりますが、

当時はXTARの7周年記念の特別品ということだったので定番にはならないだろうなぁと思って特に説明書も作らず一回限りの仕入れのつもりだったのですが、

その後定番化しちゃいました(^_^;)

ただ、その後もXTARからは続々新商品が出てくるので現在の在庫がはけたら仕入れはもうしないかも・・・

でもその前にちょっと気になる機能があったのでそれを調べながら説明書を作ってみたのですが、

予想をはるかに上回る性能で驚きました。

さて、その「ちょっと気になる機能」ですが、

それは「0V activation Repair over discharged batteries」です。

直訳すると「過放電して0Vになったバッテリーの活性化」・・・

う~ん・・・怪しさ満載です(^_^;)

我々は過放電したLi-ion充電池は危険と教えられてきて、それを忠実に守ってきたわけですが、

しかし例えば過放電しても性能は劣化するけど安全性は高いマンガン系のIMR Li-ion充電池とか、たとえコバルト系のLi-ion充電池でも過放電したからといってすぐに使えなくなるわけでは無いことは経験しています。

そこでメーカーに危険性とかその辺は大丈夫なの?とやりとりしたわけですが、なにせ英語が苦手なので詳細な部分はかなり難儀しました。

それでもメーカーから教えてもらった有名どころのレビューページを介し概ね肝心な部分はわかったかなぁといった感じです、

というわけで「0V activation Repair over discharged batteries」の概要説明です。

一番心配なのはバッテリーを逆に入れたり、Ni-MH充電池を入れた時に充電状態になってしまわないか?ということです、

それまでの機種はバッテリーの開放電圧をチェックし、一定の電圧以下の場合は有無を言わさず電流をカットし充電しなかったわけですが、

0V activation機能がついていれば電圧に関係なく充電してしまうということになるからです、

しかし、結果から言うと、すぐに気がつけば充電器にも充電池にも特に問題はありませんでした。

もちろんメーカーも最初からそう言っているのですが、心配症なので自分で試してみました。

まずはNi-MH充電池を入れてみます。

LEDは赤色で点滅します、赤色の点滅は2.5mAの電流が流れていることになりますが、バッテリー両端の電圧を測ってもバッテリーの開放電圧と同じでしたので、短時間で気がつけば特に問題は無いでしょう、2.5mAという電流も充電と呼ぶにはとても微小な電流です。

次にLi-ion充電池を逆入れしてみます。

LEDは緑色の点灯状態で、電圧はバッテリーの開放電圧と同じでした、バッテリーが逆入れになっているのでテスターではマイナス表示になっています。

電圧だけでは心配なので電流も測ってみます

基本的に電流は流れませんでした、ただ、周期的に瞬間的に10mAレベルの電流が流れていました、これはバッテリーチェックと思われます。

なのでこれもまた、短時間で気がつけば問題はないでしょう。

というわけで「過放電したバッテリーを活性化する機能」と「Ni-MH充電池等のバッテリー間違いやバッテリーの逆入れでも充電しない安全性」は従来機並に両立していると言ってもよいでしょう。

0V activation機能の詳細

そこであらためてメーカーから示されたレビューサイトとメーカーの説明を読んでいきます

0V activation機能のポイントは

    • 0Vというのはマイナスじゃないということ、

    • それは開放電圧が0V以上、つまりプラスだということを明示するための0V表記だということ、なので過放電が危険な領域に入って極性が反転しているバッテリーには充電しないし、もちろんバッテリーを逆に入れても充電しない。

    • 開放電圧に応じ電流を細かく制御しバッテリーの内部抵抗との兼ね合いで充電できるかできないかを判断している、

    • まずは装着したバッテリーの開放電圧ごとに電流がきまります、電圧で過放電の度合いを判断し過放電の度合いが大きい場合は無理に電流を流さず非常に微弱な電流を流し様子を見ます、電圧はバッテリーの開放電圧に合わせている成り行きです、この状態で電圧が上がっていけばバッテリーは回復の可能性がある事になります。

      • ~1.0V:●緑点灯、2.5mA

      • 1V~2V:●赤点滅、2mA

      • 2V~2.9V:●赤点灯、60~100mA

      • 2.9V~:●赤点灯、通常充電

0V activation機能でやりたかったこと、

プロテクト機能付きのLi-ion充電池を長期間放っておくと自然放電で電圧が下がり、それが過放電プロテクト電圧以下に下がると基本的に二度と充電できなくなります。

例えば、懐中電灯で使用中に過放電プロテクトが働いた場合、それは高負荷状態で電圧が下がっている状態なので負荷がなくなれば電圧は上がります、

したがってプロテクトを解除してやれば普通に充電できます、

しかし、自然放電で電圧が下がった場合、いくらプロテクトを解除しても電圧は低いままなので充電器に過放電したバッテリーに充電しない機能が付いている一般的な充電器では充電できないのです。

そのような自然放電で電圧が下がったLi-ion充電池の場合、内部の劣化はごくわずかで充電さえできれば再使用できる可能性が高いことは知られています、

もちろんいきなり高電圧大電流で充電すると内部で急速な化学反応を起こし劣化が進むことも考えられます、

そのような自然放電で電圧が下がって充電ができなくなったLi-ion充電池を再充電して使いたい、

それがこの0V activation機能でやりたかったことです。

具体的に言えば、

仕事部屋には数回のテストに使用したきり殆ど使われない18650Li-ion充電池というのがゴロゴロしています、

そんななかに電圧が計測できない18650Li-ion充電池が時々あります、もちろん従来の充電器では充電不可能です、

これがもしプロテクト回路なしのLi-ion充電池で電圧が0Vならあきらめも付くのですが、プロテクト回路付きの場合本当にセル自体が0Vになってしまったのか?

それとも過放電プロテクト回路のせいなのか?判断ができません、

もしほんのちょっと過放電プロテクト電圧以下になっただけならなんとか再充電して使いたいというのが性です。

そこで登場したのがXTAR WP2sであり、0V activation機能です、

電圧の出ないEagleTac 3100mAh Li-ion充電池をWP2sに差し込んでみます、

もちろんLEDは緑色点灯、待機状態と変わりありません、

しかしここで諦めてはいけません、2.5mAというとても微弱な電流が流れてバッテリーの活性化を行っているはずです、

もし電圧が上がるとしても2.5mAでは充電とは呼べない電圧なのでいつ電圧が上がるか予測がつきません、もしセル自体の劣化が激しく内部抵抗が高くなっていればまったく充電は進まない電流です。

この段階でユーザーが出来るのはひたすら待つだけです、

しかももし万が一発火などの異常事態が起こらないように目を離すわけにも行きません、充電器に入れている限り常に同じ部屋にいることを余儀なくされます(^_^;)

部屋を離れるときはいったん充電器からバッテリーを外します、

時々バッテリーを触って熱くなっていないか確認も必要です。

そうこうしながら数時間から半日程度は経ったと思います、なんと、充電器のLED表示が緑色点灯から赤色点滅に切り替わっているではないですか!

赤色点滅はバッテリーの開放電圧が1V~2Vの範囲で起こります、

つまりいくらか活性化して電圧が上がってきているんですね、(ということは自然放電で1.0V以下に下がっていたわけで(^_^;))

この時点でテスターで電圧を測ろうとしてもすぐにプロテクト回路が働くのでテスターでの電圧計速はまだ無理です。

そのまま充電を進めることにします、

夜寝るときや部屋を離れるときはいったん充電器からバッテリーを外し、充電中も時々バッテリーを触って熱くなっていないか確認、

そんなことしながら二日目にはLEDが赤点滅から赤点灯に切り替わりました、

どうやらこのまま行けば再度フル充電まで持っていけそうです。