動機とモチベーション:認知がコントローラー

〇動機とモチベーションとは

動機(モーティブ)とは、行動の原因・きっかけです。動因と誘因があります

動因は内から行動を起こすきっかけです。欲求や要求がそれにあたります。

例えば、食事のきっかけである食欲が動因です。

誘因は外から行動が引き起こすきっかけです。刺激・出来事にあたります。

例えば、食欲が満たされているのに、デザートを見せられ食べたくなるデザートが誘因です。

モチベーション(動機づけ)は動機がきっかけとなり生まれる、目標への方向、活動エネルギーです。動因による内発的モチベーションと誘因による外発的モチベーションがあります(内発的モチベーション、外発的モチベーション、どっちがパワフル)。

〇動機とモチベーションの関係式と事例

次のような関係があります。「認知」とは言葉の選択・解釈と言い換えられます。

「動機⇒認知(言語選択)⇒感情」はA.T.ベックが創始した「認知行動療法」理論から来ています。

      動機     ⇒認知(言語選択)⇒感情⇒モチベーション⇒目標へ行動       

 動因(内的きっかけ=欲求)           

 誘因(外的きっかけ=刺激)

事例は以下です。

誘因          ⇒ 認知    ⇒ 感情  ⇒モチベーション⇒行動

音楽番組を見る     ⇒ 歌手あこがれ⇒ 楽しい ⇒拡張     ⇒歌手を目指す


動因と誘因の違い見るため「動機⇒モチベーション」に限ると以下のような事例があります。

空腹でも番組を見ても同じ食事行動になることがわかります。                                

動機                ⇒モチベーション ⇒行動     

空腹(欲求、動因)         ⇒解消      ⇒食事

グルメ番組を見る(刺激、誘因)   ⇒拡張      ⇒食事

寒い(欲求、動因)         ⇒解消      ⇒暖房器購入

通販番組で暖房機宣伝(刺激、誘因) ⇒拡張      ⇒暖房器購入

有名になりたい(欲求、動因)    ⇒拡張      ⇒タレント活動

演劇を見た(刺激、誘因)      ⇒拡張      ⇒タレント活動  

「認知」「感情」も含めた関係性の事例は以下です。

同じ動機でも認知によって感情、モチベーション、行動が変わることがわかります。

動機   ⇒ 認知(解釈)⇒  感情   ⇒ モチベーション ⇒  行動   

ある失敗 ⇒ だめ人間  ⇒ ネガティブ ⇒ 回避      ⇒ひきこもる

     ⇒ 学ぼう   ⇒ ポジティブ ⇒ 学習      ⇒学習・改善

空腹   ⇒ 〇〇楽しい ⇒ ポジティブ ⇒ 拡張      ⇒〇〇を続ける 

     ⇒ 我慢できない⇒ ネガティブ ⇒ 解消      ⇒食事に行く

軽いけが ⇒ 長引くか  ⇒ 嫌な気分  ⇒ 解消      ⇒病院へ行こう

     ⇒ 切り替え  ⇒ 平静    ⇒ 拡張      ⇒何かに打ち込む

音楽番組 ⇒ 歌手あこがれ⇒ 楽しい   ⇒ 拡張      ⇒目指す

     ⇒ 自分には無理⇒ 妬み    ⇒ 無動機     ⇒何もしない   

〇認知がコントローラー

よって、上記「ある失敗」といったネガティブ刺激でも、失敗から学ぼうという「認知」(認知スタイルとモチベーション)によって、ポジティブ感情に転換し学習や拡張モチベーションになりえるわけです。

認知は感情やモチベーションコントローラー、動機は事実なのですが、それをどう解釈し言葉を選ぶかで以後の動機づけの質や量が変わるのです。認知が世界を変える力を持っています。