ゼミルール

ゼミは少人数で大学教育の中でアクティブラーニング、交流学習などができる大事な機会です。ゼミの中では リラックスし、盛り上がり、健全な議論ができるように 次のようなルールを 共有しています。

1.肯定語しばり⇒リラックスして考え発言できる「安全空間」

2.Not Why, But How(なぜはほどほど、どうしたらよいか)⇒「挑戦空間」

3.発表に対しフィードバック(良い点、改善点・疑問)

4.テーマは自分たちで決める

5.テーマごとにグループ分けし、リーダーシップ実践のため、 1回はリーダー(司会)、サブリーダー(書記)

1.肯定語しばり⇒リラックスして考え発言できる「安全空間」

肯定語しばりの理論的背景は「認知行動療法」です。簡便に言えば「認知=言葉が感情を決める」ので「肯定語を使うと、肯定的感情空間になる」というものです。認知スタイルを肯定的にして肯定語を使うと、発言しやすい場になることはゼミ生も実感しています。

2.Not Why, But How(なぜはほどほど、どうしたらよいか)⇒「挑戦空間」

別項でも書きましたが、「なぜ」は分析に向き、鋭利な言葉です。理由・原因を探りますが、「なぜ」と問われると、何か責められている感じがしませんか。「過去」と「言い訳」へエネルギーを向けるリスクがあります。

対して「どうするか」は問題解決に向き、前向きな言葉です。問題や課題に対し「未来」と「解決策」へのエネルギーになります。

別項「ベストプラクティス」に記したように、モチベーションの高い職場の上司は「どうするか」を口癖にしますし、ドイツのコミュニケーションの一例は、トラブルが起こると、まずは対策(How)を考える会議をし、その後原因(Why)を探るという順番だそうです。

このルールに従うと、案が出やすくなり課題解決が進み会議時間も短くなります。

3.発表に対しフィードバック(良い点、改善点・疑問)

発表の機会にはフィードバックを行うようにしています。聞く側は、積極的に発表を聞きますし、発表側は内容や方法への改善点を知るきっかけになります。PDCAのCAに当たります。やりっぱなしでなく常に改善の場づくりです。

4.テーマは自ら決める

別項「モチベーション理論入門」でふれたように「自己決定理論」によると、「自ら決めるとモチベーションになり、決められるとやらされ感」になります。ゼミでは、選択肢の例示は教員がするものの、学生がテーマや課題を決めるように場づくりしています。例えば、プロジェクト活動では「女子大生の・・・・」という制約だけ設け、学生がテーマを決めます。

過去の例では「女子大生が車づくりに参加すると」「女子大生の飲みたいビール」「女子大生のダイエットプログラム」「女子大生のパーソナル研究」「コロナ禍での女子大生の過ごし方・商品開発」です。

5.テーマごとにグループ分けし、リーダーシップ実践のため、 1回はリーダー(司会)、サブリーダー(書記)

年間4つのテーマでゼミを行っていますが、それごとにグループを変え、かつ、リーダー(司会・まとめ)、サブリーダー(書記)を変えます。狙いは、なるべく多くのゼミ生が知り合うこと、発言できること、リーダーシップを実践することです。特にリーダー経験は良い経験になっているとのリポートがあります。

コロナ禍において皮肉にも学生のDX力が向上したので、2021年度はプレゼンテーションは動画を作成して行うようにしました。おかげで作品としても残り、広く発表できるようになりました。