22章 会議・ミーティングの工夫:リーダーシップとモチベーション

○テーマ設定の工夫

 話し合うテーマはとても大事です。たとえば、自分にあまり関係の無い話に興味は沸かないし、あまりに難しいか簡単な話にも興味・関心は沸かないですよね。参加者が興味を持てる、話せるテーマ設定の工夫があります。関係・関心の有無でいえば、「仕事の進め方」は誰でも関係があり、かつ苦労しているテーマですね。そういったテーマを選ぶことです。また、仕事の中で得てきた「知恵の紹介」や「職場を良くする工夫」なども関心をそそるテーマです。また、業務が忙しい中でどう過ごすか、ということで「ストレスマネジメント法」などもあると思います。

 ポイントは、皆に関係し、日常的に発生し、成長に関わり、難易度も丁度良いものを設定することです。

 また、テーマを誰が決めるか、工夫もあります。その会議で決定、検討することの中核メンバーがテーマを決めることです。というのも、テーマを与えられると「やらされ感」を持つからです。あくまで、「自己決定感」を持つことがその推進力になります。

○人数の工夫

 筆者がファシリテーションをしてきた経験からすると、最大7名です。それ以上増えると、全く話さない人が出てきます。全く話せない人は、意見があっても、人数の多さに気おされて言い出しにくいのです。そういう人は次第に閉塞感を感じ、参加意欲が落ちてきます。小じんまりしながらも、あまり濃くなりすぎない人数として、4~7名がベストだと感じます。

○発表者への配慮の工夫

 その会議・ミーティングが続くためのポイントの一つは、発表者、参加者に負荷をかけない、という配慮です。毎回準備が大変になると、それは励みでもありますが、次第の負担になり、心が後ろ向きになりかねません。

 工夫としては、「資料無しと、板書して発表する」、資料があるとしても「A4 1ページのレジュメとする」、または、新しく作らず「ありものの活用」などです。

話し合いの目的はアイデアを高めることとすれば、きれいな資料は必要がありませんし、逆に、出来上がった資料というのはケチを付けにくいもの。手作り感のある素材のほうが盛り上がります。

○まとめと振り返りの工夫

 議論したことを記録することは、振り返りのためにとても大事です。しかし、それ自体が負荷になりがちです。その負荷を下げるという観点でいうと、「参加者の一人がまとめ役として、A4 1枚程度にまとめる」という役目の人を作ります。ポイントは、「A4 1枚程度」という短さです。まとめるわけですから、エッセンスにするという知的作業が入り、学びになります。多く書かなくてよいので負荷がさがります。最終的に、そのまとめを積み上げることで「報告レポート」になります。前回のまとめを用い、毎回、最初に振り返るブリーフィングをすると、とてもよい復習になります。

○頻度の工夫

 頻度は大事です。多すぎても、間隔が開きすぎても良く有りません。経験知は、「月1回、または、2週間に1回程度」です。週1回だと、準備が大変です。月1回だと、間が長く、内容を忘れるぎりぎりでしょう。2週間に1回程度がベストでしょうか。

○場所の工夫-気軽に話し合える打合せスペース

 「場作り」には、「物理的な場」と「心理的な場」があります。「物理的な場」は、「オープンスペースでの打ち合わせ」です。執務室の一角に、テーブルと椅子をおき、気軽に打合せや会議のできる工夫をしているケースです。スペースの余裕のない職場では「ハイテーブル」を利用するという事例もあります。

 メリットは、通常の会議室をとる打合せ・会議と異なり、?思いついた時(アイデアが熱い時)にすぐ打合せができること、時間を決めなくてもよいこと、?資料が近くにあってすぐにとりに行けること、?関連のことを聞きたい時に、周辺にいる専門家や詳しい人に声をかけやすいこと、?まわりから聞かれているということもあり、感情的になりにくく、大人の雰囲気ですすめられること、です。「ハイテーブル」のメリットは、省スペースに加え、立っているので眠くならない、短時間で済む傾向、があります。

 「心理的な場」については、No17「盛り上がる会議・職場のルール」を参照してください。一言で言えば、発言しやすさのルール徹底です。

○その他の工夫

 他には、「昼食時などに合わせ、食事を用意する」と参加者が増えます。人間とてもゲンキンなものです。