EQ、コンピテンシー、マインドセット

EQ

EQ(感情指数)とはEmotional Quotientの略、感情の安定感や他者の感情に共感できる力を指数化したものです。知識・スキル・技能の高さを指数化したIQ(知能指数、Intelligence Quotient)と対をなします。

 EQの高い人の特徴は、トラブルに動じず、人間関係がスムーズであり、感じが良い印象を持たれる、自分と違う感情や考え方も受け入れやすく、柔軟性に優れている、粘り強く物事に取り組み成し遂げる、などがあります。

EQが低い人の例がさらにビビッドです。怒りに任せ激しくののしる、落ち込んで立ち直れない、いつもピリピリ、イライラして場を凍らせる、などです。

IQとEQのどちらが仕事の遂行力に関わるかについては、経営学者ウォーレン・ベニスによると、EQはIQや専門知識よりも重要で、仕事の成功理由の85%から90%はEQによるものだとしています。また、ゴールマン『ビジネスEQ』によると企業120社調査では、従業員が優れた業績を上げるために、雇用主の67%がEQが重要であると答えたとのことです。EQの貢献度が6〜9割と言えそうです。

 EQには自分EQと他者EQがあります。

自分EQは「感情管理力」と「モチベーション管理力」です。柔軟に自分の感情を管理し、落ち込んでもレジリエントで平静に戻す力があるということです。

他者EQは「共感力」と「コミュニケーション力」です。他者の気持ちを察し、距離感を保ち寄り添い、表情や言葉で冷静にやりとりできる力です。

 EQは後天的に獲得できます。経験や反省、訓練を通し培うものです。若い頃は短気でも、経験を経て穏やかになって来るなどです。共感力やコミュニケーション力も積み重ねで養われます。


コンピテンシーはハイパフォーマーの思考・行動特性です。EQの高さがその一例です。私の研究ではコア・コンピテンシーは、主体性、創意工夫力、協調性でした。コアとは幹となるという意味です。奇しくも社会人基礎力とほぼ一致しています。

マインドセットは思考・行動特性の束です。

コンピテンシー(含む・高EQ)=ハイパフォーマーのマインドセット と書いても良いと思います。