リーダーシップの多様化:

パートナーシップ、サポーターシップ、エンパワーシップ、シェアードシップ


近年のリーダーのそのあり方の多様化が見られます。

かつては、「引っ張る/率いる」あり方が典型例でした。これぞリーダーシップです。

近年は、「一緒に歩く」「支える」などが見られます。


例えば、帝京大学ラグビー部を全国大学ラグビー9連覇に導いた岩出監督。氏はその著書『常勝集団のプリンシプル』の中で、「支える」リーダーシップを説いていますし、実践し9連覇に導きました。かつては指示命令し選手をコマのように動かしていましたが、勝利を導かないばかりか、学生が社会人になり成長しないことを知り強烈な問題意識が生まれたとのことです。一人一人が考えて成長する場をつくることの大事さを認識し、支えて伸ばすに至り、学生が成長し、自分の頭で考えてゲームを差配することで勝利に導いたのでした。

星野リゾート・星野社長は、NHKプロフェッショナルで、「任せる/支える」リーダーシップを実践しリゾート再生を実現しています。買収したホテルや旅館の社員達、多くは指示命令で動いていました。ただし、彼らは「お客様を喜ばす」という同じバリューを共有しています。その一点をブラさないように、責任はすべて社長がとるので、どのような戦略・戦術も任せます、やってみてください、とすることで、はじめは恐る恐るチャレンジしてきた社員の表情が、成果が表れるたびに変わり、人の心の再生、ホテル・旅館の再生につながっています。

芸能事務所・トップコート・渡辺社長は、事務所を「実家」にして、「安全空間(心理的安全性のある場)」をつくるリーダーシップを実践して、タレントの力を引き出しています。タレントは才能の塊ですが、多くは眠っています。ドラマやバラエティーの現場は戦場です。そこで思いっきり戦い、敗れ傷ついても、事務所に帰ってくれば癒され、また元気に戦場に戻っていきます。


リーダーシップという一言ではうまく言い表せないのです。リーダーシップに、パートナーシップ(一緒に歩くリーダーシップ)などを加えてはどうでしょうか。造語を含め以下が案です。


率いる=リーダーシップ

一緒に歩く=パートナーシップ

支える=サポーターシップ

任せる=エンパワーシップ

複数人で分け合う=シェアードシップ


引き続き考えてみたいと思います。