第1回 モチベーション

「1:29:300 ハインリッヒの法則」「2:8 パレートの法則」「リーダーシップの3要素」など、ビジネスの世界で知られている理論や法則、コンセプト、フレームワークには、数字を使ったものが少なくありません。本稿の狙いは、そうした数字でシンボル化された理論や法則をテーマ別で解説していきます。シンボル化されたものは記憶しやすく、わかりやすいため、日常の会話の中でも引き合いに出しやすく、理解しやすいという特徴があります。

さて、まずは「モチベーション」から。

「モチベーション」とは、「動機付け」「やる気」のことです。モチベーションを高めるポイントは、以下の5点に集約できます。

①「承認」など「動機付け要因」を意識すること
②成果だけでなく、積極的に関心を示し、成長や良い点を引き出し承認すること
③ポジティブな感情を増やすこと
④「正論」よりも「納得」を引き出すこと
⑤緊張とリラックスを6:4をベースにバランスさせること

まずは、一度は耳にしたとのあるマズローの欲求段階説からスタートしましょう。

●マズローの欲求5段階説とハーズバーグの二要因理論

アブラハム・マズローは1960年代に活躍したアメリカの心理学者です。彼はモチベーションを高める理論として「欲求5段解説」を唱えました。それに対して、同時代に生きたアメリカの臨床心理学者 フレデリック・ハーズバーグは「二要因理論(動機付け要因-衛生要因)」を提唱しました。