内発的モチベーション、外発的モチベーション:パワフルなのは
モチベーションには内発的モチベーションと外発的モチベーションがあります。
内発的モチベーションは、「おもしろそうだ」などの動因(内的動機)によります。好奇心・探求心、自律性欲求、有能性欲求、関係性欲求などが動機となります。
ダニエル・ピンク※は「モチベーション3.0」と呼び創発型組織の原動力とし、創造的発見的業務(ヒューリスティック業務)に対応しています。
※『モチベーション3.0』ダニエル・ピンク著、大前研一訳、講談社、2015
また、心理学者ダグラス・マクレガーのY理論に対応します。Y理論は、人は放っておいてもやりがいを求めて仕事をするという人間観です。
内発的モチベーションは、心理的ずれが好奇心を通して興味を活性化し学習を引き起こすというのが認知的動機付け理論です。適度な心理的ズレが好奇心探究心をもとに、その人の特定の興味を魅力的な設定も手伝い、興味関心を活性化し学習を引き起こすという説です。
図 認知的動機付け理論
適度な心理的ズレ⇒好奇心・探求心⇒ 特定興味 × 状況性質⇒興味(動因)⇒動機づけ
(例)
ありそうなミステリー⇒くすぐられる⇒ミステリー好き×魅力的展示⇒活性化 ⇒読もう
外発的モチベーションは「こうすれば報酬がある」など誘因(外的動機)によります。報酬や罰などの動機がきっかけです。
ダニエル・ピンクは「モチベーション2.0」と呼び、アメとムチのインセンティブシステムの根拠、ルーティーン業務に効果があります。
ダグラス・マクレガーのX理論に対応します。X理論は、人は怠ける動物でありアメとムチで動かさなければ動かないという人間観です。
どちらがパワフルと思いますか。
結論から言えば、内発的モチベーションです。
例を見てみましょう。
葛飾北斎やミケランジェロは絵を描きたいモチベーション、イチロー選手は野球が好きで続けたいというモチベーション等々で長くパフォーマンスを続けましたし、類例は枚挙にいとまがありません。
偉業を成し遂げた例は概ね内発的モチベーションです。報酬目当てに事を成し遂げた人物は上げられません。
外発は報酬などの誘因がある限り続くものの、アンダーマイニング効果もあり次第にモチベーションが下がっていきます。対して内発的は活動自体が動機になり続けるので持続力やエネルギーの増幅があるからです。