21章 生き方のヒント:ありーやりー持つ:リーダーシップとモチベーション

○生き方のヒント:Be(ある)、Do(やる)、Have(持つ)の3要素

 生き方のヒントとして、Be(ある)、Do(やる)、Have(持つ)の3要素があります。「Be(ある)」は「心のあり方」。「Do(する)」は「行動」。「Have(持つ)」は「所有」です。この3つを、どういう順番で意識するか、という選択がある訳です。

○Be(ある)は無限、Have(持つ)は有限

 この「Be(ある)」は無限です。あり方は自由であり、如何様にでも変化できます。「あり方」は宇宙のように無限に広がることができます。また、意識や心の世界ですので、無料です。どのようにも意識や心の中で自由に遊び、変え、得ることができます。

 それに対し、「Have(持つ)」は有限です。そして、「Do(やる)」はその中間の位置づけです。

 No13 「モチベーションとスキル、どっちが大事」で記しましたように、「スキルの成長は有限、心の成長は無限」です。心は無限に広がり、成長することができます。

○Do-Have-Be(するー持つーある)

 この生き方をしている人は、いつもアグレッシブに何かに「チャレンジ」します(Do)。そして、営業成績や資格なども得ることができます(Have)。ただ、何かをしていないと不安になり、あくせく取り組みます。この人たちの口癖は「時間が無い」です。やっても、やっても心の平安が得られません。かつての高度成長期の「エコノミックアニマル」と酷評された団塊の世代のサラリーマンのようでもあります。旅行で南の島に行っても、きっちりとスケジュールを入れておかないと不安になります。ゆっくり、無計画に浜辺で寝ていることができないタイプです。余生の為に一生懸命に働き(Do)、生活は豊かになるものの(Have)、時間が無く、プライベートがない(Be)。身の回りにいそうですね。

○Have-Do-Be(持ちーやりーある)

 一つの生き方は、Have-Do-Be(持ちーやりーある)です。例えば、最初に、「資格を取る、お金を貯める」など、何かを所有(Have)して初めて、何らかの仕事に取り組み、何かを成し遂げ(Do)、幸せな自分になる(Be)、という人生観です。

 この生き方は、何かが無いと不安でならない生き方です。いつまでも何かを持とうとする「青い鳥症候」になりがちです。資格やお金、ブランド品など目に見えるものを持たないと自信をもって行動できない人たちです。「良い大学」「良い会社」があって「幸せ」がある、という生き方です。

○Be-Do-Have(ありーやリー持つ)

 最後の生き方は、Be-Do-Have(ありーやリー持つ)です。今の自分を受け入れて、あるがままに、生きる(Be)。「今の自分でいいのだ。自分らしく生きればいいのだ」という自己肯定感からスタートします。そして、何かにチャレンジ(Do)し、結果的に所有(Have)する。そういう生き方です。

 自分らしく、生活は苦しくとも好きなこと(Be)、にトライし(Do)、結果として実力が認められて、生活の糧が手に入る(Have)、というあり方です。何もなくても「心、モチベーション」があれば(Be)、好奇心やチャレンジ精神の赴くままチャレンジし(Do)、一生懸命取り組んだ結果、成果を手にする(Have)。フロー状態の用語でいうと「心持ち(Be)」⇒「一生懸命でフローになる(Do)」⇒「スキル、幸せ(Have)」という流れです。一生懸命状態は「フロー状態」です。常に「幸せ」を感じながら生きることが出来るわけです。

 歴史上の人物では、レオナルド・ダビンチが代表です。氏は、「あるがまま」を観察しました。「レオナルドダビンチの手紙」にその観察記録が残っています。他人の受け売りを排し、「あるがまま(Be)」を「観察・記録(Do)」し、そこから読み取れる真実や本質を解釈し残し(Have)しました。それが約600年を経ても色褪せない「レオナルドダビンチの手紙」の内容なのです。