祖母山  滝巡りから縦走路の眺望

大分県  1,756m  2013年8月22日

日本百名山

208

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簡単な沢登りコースとして、北谷登山口から大谷川を登って祖母山に至るルートを辿る。平凡な河原歩き、とガイドにあったが、それなりの淵や滝があり、胸まで浸かり、水をかぶり、一生懸命に登る。猛暑なので水は心地よい。

徒渉点から入渓。近くに「大野川起点」という標識が立っていた。ゴーロの河原に赤テープが数十メートルおきに現われる。

最初の滝(F1・7m)が出現。右岸を比較的楽に高巻きできそうだったが、水流左のホールドで直登する。

水流が三つある立派なF3・10m滝には朝日が射して実に美しい。左壁に固定ロープがあったが、ロープを使わずに楽に登れる。滝上から見下ろす滝と滝壺の情景は圧巻。

水が涸れて源頭となり、緊張から解放されるが、登山道までの長いツメの登りは辛い。

縦走路に出る20分ほど前に、樹間に初めて祖母山を見る。9年前に見た特徴のある丸い岩峰は一目で分かった。懐かしい思い出の風景。この岩峰に垂直に付けられたハシゴも強烈な思い出だったが、今回は取り外され、ルートが付け替えられていた。

縦走路に出ると一気に視界が開け、傾・祖母の長大な稜線が目の前にあった。時を忘れて眺める。そして再訪した祖母の頂上は雲に包まれていたが、思い出たっぷりの感動があった。

祖母山から流れ出す大谷川(おおたにがわ)は下流で大野川となり、大分港で瀬戸内海に注いでいる。大谷川・本谷は大野川の源流ということのようだ。

 縦走路に出る20分ほど前に、樹間に初めて祖母山を見る。9年前に見た特徴のある丸い岩峰は一目で分かった。懐かしい思い出の風景。
 F3・10m: 水流が三つある立派な10m滝。ここにも朝日が射して実に美しい。左壁に固定ロープがあったが、ロープを使わずに楽に登れる。滝上から見下ろす滝と滝壺の情景は圧巻。
 源頭にある「大野川源流」標識
 国見峠の地蔵尊
 ママコナ?
  7:04 北谷駐車場発  7:11 黒岳登山口  7:17 入渓、大谷川・本谷  9:04 F1・7m  9:52 F3・10m10:47 源流標識12:16 縦走路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・縦走路まで5時間12分12:59 裏谷岩鼻14:02 裏谷第二岩鼻15:29 祖母山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・縦走路から3時間13分(含む休憩)                                        ・・・・・・・・・・・・・・・・・登り合計8時間25分15:43 祖母山発16:27 国見峠17:51 四等三角点18:53 北谷駐車場・・・・・・・・・・・・・・・周回11時間49分

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簡単な沢登りコースとして、北谷登山口から大谷川を登って祖母山に至るルートを辿る。平凡な河原歩き、とガイドにあったが、それなりの淵や滝があり、胸まで浸かり、水をかぶり、一生懸命に登る。猛暑なので水は心地よい。

アラームを4時半にセットし、5時前に起床、5時過ぎに道の駅を出発。えらく大きな立体交差の道路があり、その立体交差から下って五ヶ所高原への分岐点に向かう。9年前にはこんな立体交差はあっただろうか。夜明けの山並みの上に岩峰ピークが浮かんでいる。筒ヶ峰だろうか。二日前に黒岳の稜線にあった北谷へのルートの、北谷側の入口があった。二日目に比べて林道が舗装されていない分時間がかかり、北谷駐車場着は6時半前。

「大野川源流の碑」というのが立っている。祖母山から流れ出す大谷川(おおたにがわ)は下流で大野川となり、大分港で瀬戸内海に注いでいる。大谷川・本谷は大野川の源流ということのようだ。

トイレに寄り、登山名簿に記入してから出発。北谷駐車場から林道を少し戻り、黒岳登山道の標識を沢に下り、徒渉点から入渓。近くに「大野川起点」という標識が立っていた。ゴーロの河原に赤テープが数十メートルおきに現われる。心強い。簡素な鉄枠の砂防ダムを右岸から越えると、右岸の笹ヤブの中に踏跡を発見。ダムから沢に下るときの砂の上に人の足跡。最近のもののようだ。淵1は左巻き。淵2は淵に浸かって小滝の水流の中を直登。淵3は大岩の間の狭い淵を腰までつかって突破。淵4は右岸を歩き、淵5は右岸を歩き、淵6は左岸を歩く。大岩ゴルジュは、右岸笹ヤブの踏跡を高巻く。トイ滝は直登。トイの上は岩のナメ。二俣で最初の休憩。赤テープの貼ってある右俣に進む。次の二俣2は赤テープに従い左俣へ。淵7は右岸を巻く。最初の滝(F1・7m)が出現。右岸を比較的楽に高巻きできそうだったが、水流左のホールドで直登する。しかし、登っている途中で右のスティックの先が抜け落ちてしまう。中段より上まで登っていたところから下り、滝の落ち口の反対側にも回って探したがスティックの先は見つからなかった。残念。これも運命と諦める。

淵8は淵に浸かって直登し、岩の間の小滝を直登。三つ目の二俣3を右俣へ。淵9は大岩の手前の深い淵。左を巻けないこともないと思ったが、左岸からロープが下がっているので、淵に胸のあたりまで浸かり、ロープを使って登る。大きな岩の両側にあった斜滝1は普通に歩く。倒木が架かっている斜滝2も直登したと思う。ナメに近い斜滝(斜滝3)は岩肌はザラザラで、ナメの右を歩ける。

大きな倒木が手前に架かる広い釜の先に大きな滝(F2・7m)が現われ、倒木の左側の壁を直登。F2の上にあった水流が三つある立派なF3・10m滝には朝日が射して実に美しい。左壁に固定ロープがあったが、ロープを使わずに楽に登れる。滝上から見下ろす滝と滝壺の情景は圧巻。

淵10は淵が深く、左岸を巻く。淵11は右岸を歩く。右足を写しているのは、たぶん岩かコケに滑ったのだろう。背中から倒れた記憶。二俣4は右俣に進み、二俣5では荒れた沢に忽然と「大野川源流」の標識が立っていて、赤リボンに従い、右俣に進む。ガレ沢の水が涸れて源頭となり、緊張から解放されるが、登山道までの長いツメの登りは辛い。

二俣6(三俣?)を左俣に進む。そっちには赤リボンがあり、大岩の下に水も現われる。二俣7を左俣に進み、2度目の休憩をとり、パンを食べる。二俣8を右俣に進むと、大きな岩の下が岩屋になっている場所。ガイドにあった岩屋と思われる。縦走路に出る20分ほど前に、岩屋の大岩の上まで登ると、樹間に初めて祖母山を見る。9年前に見た特徴のある丸い岩峰は一目で分かった。懐かしい思い出の風景。この岩峰に垂直に付けられたハシゴも強烈な思い出だったが、今回は取り外され、ルートが付け替えられていた。

この先で赤テープを見失うが、本流と思われるガレ沢を登る。左の笹ヤブに踏跡があり、赤リボンはその先に続いていたのかもしれない。二俣9を広い左俣に進む。岩間にまだ水。ついに笹ヤブの道となるが、ガラス瓶が数個落ちていた。沢筋も絶え、沢ヤブの中の踏跡を登る。そして笹ヤブの中に作られた縦走路に出る。樹間に祖母山が見えるが、縦走路のコルよりもずいぶん高いところまで登っていて、そこからは下りとなる。岩屋から左に進んでおけば、縦走路のもっと低いところに出られたのだろう。

縦走路に出ると一気に視界が開け、傾・祖母の長大な稜線が目の前にあった。少し先で休憩し(休憩3)、時を忘れて眺める。タフからイクシーに持ち替え、樹間から見える阿蘇山を12倍で写す。右に岩峰の根子岳、中央に高岳。背後には傾から本谷山の主稜線、古祖母、障子岳に天狗岩。左手には登ってきた大谷川の林斜面、その林に立つ岩峰。そして、大谷川の岩屋あたりと思われる部分が樹間に見える。

裏谷岩鼻というのは縦走路から少し外れた展望所。背後には傾から本谷山の主稜線、古祖母、障子岳に天狗岩。傾のすぐ左には、尾平の谷を隔てて障子岩尾根がすぐ近くにある。傾、本谷の奥の大崩は雲に隠れている。眼下には登ってきた大谷川の林斜面、その林に立つ岩峰、そして、大谷川の岩屋あたりと思われる部分が樹間に見える。どうしようもない疲れを感じ、裏谷岩鼻の岩の上に横になって仮眠。心地よい。40分くらい眠った。

傾のすぐ左には、尾平の谷を隔てて障子岩尾根がすぐ近くにある。傾、本谷の奥の大崩は雲に隠れている。登山道に戻り、背の高い笹のトンネルを進むと展望台(一つ目)への分岐表示。今度は縦走路の南側。裏谷岩鼻のひとつ上にある裏谷第二岩鼻という岩峰を通過し、祖母頂上のほぼ真下の二つ目の展望台に出る。だが、ハシゴが見えない。もう無いのだろうか。いつの間にか雲が広がり、障子と古祖母の頂上が隠れてきている。稜線の南側から北側に乗り越える(標高1,700m地点)。9年前はここから稜線を登り、天国へのハシゴに達していた。

9年前は祖母山頂上の下にほぼ垂直のハシゴがあり、標高1,700m地点から稜線をまっすぐ登り、そのハシゴを恐る恐る登ったが、今回はハシゴが取り外され、稜線の東側を巻く道に付け替えられていた。東側の巻き道をロープとハシゴを使って進み、稜線の道に戻る。合流点を左に行くと大きな岩の展望台があり、その端にかつてハシゴを掛けてあった金具と、大岩の下に置かれたハシゴを見つける。しかし、周りにはガスがたちこめ、視界はゼロになっている。祖母への最後の登りに岩場があり、その途中で左のスティックの先が落ち、下まで取りに下る。

そして9年ぶりの祖母山頂に到達。再訪した祖母の頂上は雲に包まれていたが、思い出たっぷりの感動があった。なつかしい。眺望は全くなくなってしまったが、古い祠に大きな一等三角点に立派な頂上標識。今回九州ツアーのハイライトはやはりここかな。下山のとき、最初西にある踏跡に下るが、9年前はここではなかったと気づき、引き返す。南側には北谷と尾平への表示があったが、その北谷は風穴コース。よって、尾平へのコースに進む。ここに案内はないが、国観峠で北谷への分岐があるはず。その先は滑りやすく、歩きにくい道で、笹をつかんで慎重に降りる。スピードは出せない。途中に9合目小屋への分岐があったが、たぶん頂上西の降り口からの合流点もあったと思われる。

9合目、8合目の標識を過ぎ、国観峠に着く。広い空地で、入口に赤い頭巾をかぶった地蔵が立っている。尾平に下る道と、北谷に下る道の分岐。振り返ると、祖母の頂上部分が地蔵の上にそびえている。5度目の休憩。国観峠からは緩い登りもあり、7合目、6合目を過ぎた先で三県境界に着く。越敷岳、緩木山への分岐点にもなっているが、この縦走路を通る人はどのくらいいるのだろう。約2時間30分とあるが、どこまでのことを指しているのだろう。登山道の南側の草地に踏跡がついていて、そこから形を変えた祖母と、まだ雲をかぶっている親父・黒岳の稜線が見える。祖母は重なった丸いピーク。その右手に天狗岩。コルから少し登り返し、5合目を過ぎ、千間平に着く。緩いピークで6回目の休憩。千間平からの下りの途中に分岐があり、右手に登ると稜線に出て、四等三角点があった。北の眼下に尾根が低く見えていて、その中に越敷岳が見えていた。その右手に見える三角ピークは祖母からの縦走路のピークで、その右奥に見える三角ピークが緩木山かもしれない。その向こうに九重が見えているが、ガスに霞んでいる。

分岐からは植林帯の九十九折りの下りで、4合目から1合目、そして駐車場まで淡々と下る。暗くなってきて、もう夕暮れ時になっていることが分かる。まだ17時頃のつもりだったが、19時になっていた。片付けしている間に真っ暗になる。スティックを手に入れるため、翌日は越敷・緩木に登り、午後に大分に向かうことにし、この日は竹田に泊ることにする。竹田までの道は意外に細く、時間がかかる。ようやく辿りついたときはもう21時で、温泉も閉まっていた。コンビニで夕食を買い、道の駅竹田に入り、トイレで体を拭く。道の駅竹田は小さな道の駅で、泊りの車は他になし。

簡単な沢登りコースとして、北谷登山口から大谷川を登って祖母山に至るルートを辿る。平凡な河原歩き、とガイドにあったが、それなりの淵や滝があり、胸まで浸かり、水をかぶり、一生懸命に登る。猛暑なので水は心地よい。縦走路に出て、傾から障子岩までの雄大な眺めを満喫。祖母の頂上直下にあったハシゴは取り払われ、北側をトラバースするルートになっていた。そして再訪した祖母の頂上は雲に包まれていたが、思い出たっぷりの感動があった。

祖母山から流れ出す大谷川(おおたにがわ)は下流で大野川となり、大分港で瀬戸内海に注いでいる。大谷川・本谷は大野川の源流ということのようだ。

筒ヶ岳

アラームを4時半にセットし、5時前に起床、5時過ぎに道の駅を出発。えらく大きな立体交差の道路があり、その立体交差から下って五ヶ所高原への分岐点に向かう。9年前にはこんな立体交差はあっただろうか。夜明けの山並みの上に岩峰ピークが浮かんでいる。筒ヶ峰だろうか。二日前に黒岳の稜線にあった北谷へのルートの、北谷側の入口があった。二日目に比べて林道が舗装されていない分時間がかかり、北谷駐車場着は6時半前。

北谷駐車場

「大野川源流の碑」というのが立っている。祖母山から流れ出す大谷川(おおたにがわ)は下流で大野川となり、大分港で瀬戸内海に注いでいる。大谷川・本谷は大野川の源流ということのようだ。

黒岳・登山口

入渓地点

「大野川起点」の標識

トイレに寄り、登山名簿に記入してから出発。北谷駐車場から林道を少し戻り、黒岳登山道の標識を沢に下り、徒渉点から入渓。近くに「大野川起点」という標識が立っていた。ゴーロの河原に赤テープが数十メートルおきに現われる。心強い。

砂防ダム

簡素な鉄枠の砂防ダムを右岸から越えると、右岸の笹ヤブの中に踏跡を発見。ダムから沢に下るときの砂の上に人の足跡。最近のもののようだ。

淵1

淵1は左巻き。

淵2

淵2は淵に浸かって小滝の水流の中を直登。

淵3

淵3は大岩の間の狭い淵を腰までつかって突破。淵4は右岸を歩き、淵5は右岸を歩き、淵6は左岸を歩く。大岩ゴルジュは、右岸笹ヤブの踏跡を高巻く。

トイ滝・直登

トイ滝は直登。トイの上は岩のナメ。二俣で最初の休憩。赤テープの貼ってある右俣に進む。

二つ目の二俣付近

次の二俣2は赤テープに従い左俣へ。淵7は右岸を巻く。

F1・7m: 水流左を登る

最初の滝(F1・7m)が出現。右岸を比較的楽に高巻きできそうだったが、水流左のホールドで直登する。しかし、登っている途中で右のスティックの先が抜け落ちてしまう。中段より上まで登っていたところから下り、滝の落ち口の反対側にも回って探したがスティックの先は見つからなかった。残念。これも運命と諦める。

淵8

淵8は淵に浸かって直登し、岩の間の小滝を直登。三つ目の二俣3を右俣へ。

淵9

淵9は大岩の手前の深い淵。左を巻けないこともないと思ったが、左岸からロープが下がっているので、淵に胸のあたりまで浸かり、ロープを使って登る。

斜滝1

大きな岩の両側にあった斜滝1は普通に歩く。倒木が架かっている斜滝2も直登したと思う。

斜滝3

ナメに近い斜滝(斜滝3)は岩肌はザラザラで、ナメの右を歩ける。

F2・7m

大きな倒木が手前に架かる広い釜の先に大きな滝(F2・7m)が現われ、倒木の左側の壁を直登。

F3・10m:左壁を登る

F2の上にあった水流が三つある立派なF3・10m滝には朝日が射して実に美しい。左壁に固定ロープがあったが、ロープを使わずに楽に登れる。滝上から見下ろす滝と滝壺の情景は圧巻。

淵10は淵が深く、左岸を巻く。淵11は右岸を歩く。右足を写しているのは、たぶん岩かコケに滑ったのだろう。背中から倒れた記憶。

F3を上から見下ろす

「大野川源流」標識

二俣4は右俣に進み、二俣5では荒れた沢に忽然と「大野川源流」の標識が立っていて、赤リボンに従い、右俣に進む。ガレ沢の水が涸れて源頭となり、緊張から解放されるが、登山道までの長いツメの登りは辛い。

源流標識付近

二俣6(三俣?)を左俣に進む。そっちには赤リボンがあり、大岩の下に水も現われる。二俣7を左俣に進み、2度目の休憩をとり、パンを食べる。

岩屋?

二俣8を右俣に進むと、大きな岩の下が岩屋になっている場所。ガイドにあった岩屋と思われる。

初めて見えた祖母山

縦走路に出る20分ほど前に、岩屋の大岩の上まで登ると、樹間に初めて祖母山を見る。9年前に見た特徴のある丸い岩峰は一目で分かった。懐かしい思い出の風景。この岩峰に垂直に付けられたハシゴも強烈な思い出だったが、今回は取り外され、ルートが付け替えられていた。

縦走路

この先で赤テープを見失うが、本流と思われるガレ沢を登る。左の笹ヤブに踏跡があり、赤リボンはその先に続いていたのかもしれない。二俣9を広い左俣に進む。岩間にまだ水。ついに笹ヤブの道となるが、ガラス瓶が数個落ちていた。沢筋も絶え、沢ヤブの中の踏跡を登る。そして笹ヤブの中に作られた縦走路に出る。樹間に祖母山が見えるが、縦走路のコルよりもずいぶん高いところまで登っていて、そこからは下りとなる。岩屋から左に進んでおけば、縦走路のもっと低いところに出られたのだろう。

阿蘇山: 烏帽子岳、中岳、高岳、根子岳

天狗岩

縦走路に出ると一気に視界が開け、傾・祖母の長大な稜線が目の前にあった。少し先で休憩し(休憩3)、時を忘れて眺める。タフからイクシーに持ち替え、樹間から見える阿蘇山を12倍で写す。右に岩峰の根子岳、中央に高岳。背後には傾から本谷山の主稜線、古祖母、障子岳に天狗岩。左手には登ってきた大谷川の林斜面、その林に立つ岩峰。そして、大谷川の岩屋あたりと思われる部分が樹間に見える。

縦走路から東の情景: 傾山、笠松山、本谷山、五葉岳、大崩山、天狗岩

 裏谷岩鼻からの情景: 障子岩、大障子岩、傾山、本谷山、大崩山、古祖母山、天狗岩

裏谷岩鼻の標識

裏谷岩鼻というのは縦走路から少し外れた展望所。背後には傾から本谷山の主稜線、古祖母、障子岳に天狗岩。傾のすぐ左には、尾平の谷を隔てて障子岩尾根がすぐ近くにある。傾、本谷の奥の大崩は雲に隠れている。眼下には登ってきた大谷川の林斜面、その林に立つ岩峰、そして、大谷川の岩屋あたりと思われる部分が樹間に見える。どうしようもない疲れを感じ、裏谷岩鼻の岩の上に横になって仮眠。心地よい。40分くらい眠った。

 展望台から南の情景: 古祖母山、天狗岩、障子岳、阿蘇山、祖母山

登山道に戻り、背の高い笹のトンネルを進むと展望台への分岐表示。今度は縦走路の南側。

祖母山・頂上直下

傾のすぐ左には、尾平の谷を隔てて障子岩尾根がすぐ近くにある。傾、本谷の奥の大崩は雲に隠れている。登山道に戻り、背の高い笹のトンネルを進むと展望台(一つ目)への分岐表示。今度は縦走路の南側。裏谷岩鼻のひとつ上にある裏谷第二岩鼻という岩峰を通過し、祖母頂上のほぼ真下の二つ目の展望台に出る。だが、ハシゴが見えない。もう無いのだろうか。いつの間にか雲が広がり、障子と古祖母の頂上が隠れてきている。稜線の南側から北側に乗り越える(標高1,700m地点)。9年前はここから稜線を登り、天国へのハシゴに達していた。

9年前の祖母山・頂上直下のハシゴ(2004年6月)

9年前は祖母山頂上の下にほぼ垂直のハシゴがあり、標高1,700m地点から稜線をまっすぐ登り、そのハシゴを恐る恐る登ったが、今回はハシゴが取り外され、稜線の北側を巻く道に付け替えられていた。北側の巻き道をロープとハシゴを使って進み、稜線の道に戻る。合流点を左に行くと大きな岩の展望台があり、その端にかつてハシゴを掛けてあった金具と、大岩の下に置かれたハシゴを見つける。しかし、周りにはガスがたちこめ、視界はゼロになっている。

紫の花・・・・・ママコナ?

 天狗岩から祖母山

祖母山頂上へ北側を登る道

9年前(2004年)にハシゴのあった場所

しかし、周りにはガスがたちこめ、視界はゼロになっている。祖母への最後の登りに岩場があり、その途中で左のスティックの先が落ち、下まで取りに下る。

祖母山頂上

そして9年ぶりの祖母山頂に到達。再訪した祖母の頂上は雲に包まれていたが、思い出たっぷりの感動があった。なつかしい。眺望は全くなくなってしまったが、古い祠に大きな一等三角点に立派な頂上標識。今回九州ツアーのハイライトはやはりここかな。下山のとき、最初西にある踏跡に下るが、9年前はここではなかったと気づき、引き返す。南側には北谷と尾平への表示があったが、その北谷は風穴コース。よって、尾平へのコースに進む。ここに案内はないが、国観峠で北谷への分岐があるはず。その先は滑りやすく、歩きにくい道で、笹をつかんで慎重に降りる。スピードは出せない。途中に9合目小屋への分岐があったが、たぶん頂上西の降り口からの合流点もあったと思われる。

一等三角点と祠

国見峠の地蔵尊

9合目、8合目の標識を過ぎ、国観峠に着く。広い空地で、入口に赤い頭巾をかぶった地蔵が立っている。尾平に下る道と、北谷に下る道の分岐。振り返ると、祖母の頂上部分が地蔵の上にそびえている。5度目の休憩。

国見峠と祖母山

三県境界

国観峠からは緩い登りもあり、7合目、6合目を過ぎた先で三県境界に着く。越敷岳、緩木山への分岐点にもなっているが、この縦走路を通る人はどのくらいいるのだろう。約2時間30分とあるが、どこまでのことを指しているのだろう。登山道の南側の草地に踏跡がついていて、そこから形を変えた祖母と、まだ雲をかぶっている親父・黒岳の稜線が見える。祖母は重なった丸いピーク。その右手に天狗岩。

 越敷岳、緩木山: 越敷岳、1,296m峰、緩木山

四等三角点

コルから少し登り返し、5合目を過ぎ、千間平に着く。緩いピークで6回目の休憩。千間平からの下りの途中に分岐があり、右手に登ると稜線に出て、四等三角点があった。北の眼下に尾根が低く見えていて、その中に越敷岳が見えていた。その右手に見える三角ピークは祖母からの縦走路のピークで、その右奥に見える三角ピークが緩木山かもしれない。その向こうに九重が見えているが、ガスに霞んでいる。

越敷岳

分岐からは植林帯の九十九折りの下りで、4合目から1合目、そして駐車場まで淡々と下る。暗くなってきて、もう夕暮れ時になっていることが分かる。まだ17時頃のつもりだったが、19時になっていた。片付けしている間に真っ暗になる。スティックを手に入れるため、翌日は越敷・緩木に登り、午後に大分に向かうことにし、この日は竹田に泊ることにする。竹田までの道は意外に細く、時間がかかる。ようやく辿りついたときはもう21時で、温泉も閉まっていた。コンビニで夕食を買い、道の駅竹田に入り、トイレで体を拭く。道の駅竹田は小さな道の駅で、泊りの車は他になし。

鹿

簡単な沢登りコースとして、北谷登山口から大谷川を登って祖母山に至るルートを辿る。平凡な河原歩き、とガイドにあったが、それなりの淵や滝があり、胸まで浸かり、水をかぶり、一生懸命に登る。猛暑なので水は心地よい。縦走路に出て、傾から障子岩までの雄大な眺めを満喫。祖母の頂上直下にあったハシゴは取り払われ、北側をトラバースするルートになっていた。そして再訪した祖母の頂上は雲に包まれていたが、思い出たっぷりの感動があった。

問合せ・コメント等、メール宛先: kawabe.goro@meizan-hitoritabi.com