猿ヶ馬場山 白川郷の広大な雪の頂稜

岐阜県  猿ヶ馬場山(標高点1,875m、三角点1,827m)、帰雲山1,622m  2007年3月21日

日本三百名山

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距離7km、標高差1,400mの猿ヶ馬場山へは、余裕をみて早朝5時出発。ヘッドランプを点け、九十九折の林道の硬い雪の上を登る。

次第に明るくなり、西に真っ白い山(妙法山付近らしい)が見えてくる。すっかり明るくなった頃、リボンに従い林道から沢沿いに入る。硬い雪で登りやすい。

やがて上の広い林道に出るが、まだ2時間たっていない。その林道から右の斜面に上がり、尾根に登っていくトレースに乗る。樹間から日が射してきて、その向こうに猿ヶ馬場山の頂上らしいピークも見えてきた。急坂を登り、ついに稜線となり、緩い登り下りとなる。

稜線を進むと次第に木がまばらになり、なだらかな二つのピークを正面に見る。猿ヶ馬場山は左で、右ピークは帰雲山だろう。

標高が高くなるにつれ、白山・北尾根の山々が視界に入ってくる。次いで南西に三方崩山と、ガスで霞んでいる白山が見えた。あこがれの白山。その左には日照岳などの尾根。

猿ヶ馬場・三角点峰に立ち、上半分が雲で隠れた北アルプスを見る。こんなに青空なのに北アルプスと白山は雪が降っているということか。

ゆっくりと最後の数十メートルを歩き、木陰に付けられた頂上標識に到達。まだ11時、6時間弱で着いてしまった。

シールを外して滑走開始。帰りも妙法山から野谷荘司山、三方岩岳、笈ヶ岳、大笠山の大パノラマを何度も写しながらのゆっくり滑走となる。天気がいいと仕方ない。

稜線からの最後は結構な下りで、思い切って連続ターンを決めようとして雪ダンゴ・ジャンプからの着地に失敗して転倒。雪まみれとなる。なんとも。

ここからは沢沿いの滑走。雪はややべとついてきたが、その下は固いので問題ない。小さな木にぶつかりそうになりながら林道に降り立つ。

林道を過ぎるとまた狭い沢の滑走。連続ターン。下の林道に出てからがすこしやっかい。でこぼこの林道を横滑りブレーキと小さなターンでなんとかこなしていく。

騒々しく雪道を下り、何度かスキーを外して歩き、最後の滑走で駐車地点に帰着。下りは2時間。駐車地点はだいぶ雪が溶けていた。

18時半を覚悟してたのが14時に着いてしまったのだから山登りは分からない。でも、快晴でとても良かった。

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登山道のない山、猿ヶ馬場山へはスキー・トレースや踏跡があり、登っている人は少なくないようだ。

距離と標高差の割には傾斜が緩く、スキー登山向けの山。この日は青空が広がり、北陸の名峰が輝いていた。

当時はこれらの山々の名前もよく知らなかったが、今でもまだ半分くらい登り残している。

今シーズンの雪はどうだろう

白い雪と青い空、ゆったりした猿ヶ馬場山に向かう
三方崩山と奥三方岳のものすごい岩峰、その右奥に雲に隠れた白山
はるか北に金剛堂山と白木峰
ヘッドランプで出発
登山道はないが頂上標識はある
白川郷の店
白山の北尾根の鋭鋒、笈ヶ岳
猿ヶ馬場山樹間から日が射してきて、その向こうに猿ヶ馬場山の頂上らしいピークも見えてきた。
猿ヶ馬場山からシールを外して滑走開始
パノラマ1: 稜線からの猿ヶ馬場山・・・・・猿ヶ馬場山(左)と帰雲山
パノラマ2: 南西の情景・・・・・日照岳、がおろピーク、三方崩山、奥三方岳、雲に隠れた白山
パノラマ3: 白山・北尾根の山々・・・・・妙法山、野谷荘司山、三方岩岳、笈ヶ岳、大笠山、奈良岳、見越山
パノラマ4: 北の情景・・・・・猿ヶ山、大滝山、人形山、三ヶ辻山
5:14 駐車地点発 9:09 帰雲山10:31 猿ヶ馬場山・三角点峰11:03 猿ヶ馬場山・最高点・・・・・・・・・・・・・・登り5時間49分11:50 猿ヶ馬場山発13:56 駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復8時間42分

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距離7km、標高差1,400mの猿ヶ馬場山へは、通常は7時間とみるが、直前の武尊山(北西尾根6km、標高差1,000mだが、深雪ラッセル等で7時間半でたどり着けず)の失敗を踏まえ、1.5倍の10時間半かかると見て、余裕をみて早朝5時出発する。数日前の下見でトレースが残っているのは期待できる。

名立SAでスキーにシールを貼り、ヘッドランプとサングラスを出しておく。夜空には星。天気予報の曇後晴よりも良くなりそうだ。白川郷に着くとまだ真っ暗。カーナビに登録してなかったら駐車地点に辿りつけなかっただろう。

凍りついた雪の上に駐車し、靴を履こうとしていると、もう一台やってきた。準備して出かけると、更にもう一台やってきた。ヘッドランプを点け、九十九折の林道の硬い雪の上を登る。林道の上にスキートレースと靴の跡。途中で二手に分かれたトレースを右手に行って失敗。雪が解けていてヤブの中を林道にあがる。砂防ダムに出たところでいったん雪が無くなっているが、奥には雪あり。九十九折の林道の硬い雪の上を登る。こわれたジープ。

次第に明るくなり、西に真っ白い山(妙法山付近らしい)が見えてくる。すっかり明るくなった頃、リボンに従い林道から沢沿いに入る。硬い雪で登りやすい。赤リボンあり。振り返ってデジカメを写しているとさっきの人が追いついてきた。リボンの坂を登ろうとしていきなりシールが滑り、横登りで上まで上がる。武尊山の深雪と比べると全く登りやすい硬い雪。

やがて上の広い林道に出るが、まだ2時間たっていない。事前検討では登山口からここまで標高差600m、4時間をみていた。600mを2時間というのは夏山のペースである。後の人に先に行ってもらう。でかいGPSをもっていた。その林道から右の斜面に上がり、尾根に登っていくトレースに乗る。ショートカットかなと思ったが、沢沿いのようなところを登り、このまま尾根に出ていくようだ。樹間から日が射してきて、その向こうに猿ヶ馬場の頂上らしいピークも見えてきた。急坂を登り、ついに稜線となり、緩い登り下りとなる。

稜線を進むと次第に木がまばらになり、なだらかな二つのピークを正面に見る。猿ヶ馬場山は左で、右ピークは帰雲山だろう。稜線の途中に突然アンテナ電柱。標高が高くなるにつれ、白山・北尾根の山々が視界に入ってくる。次いで南西に三方崩山と、ガスで霞んでいる白山が見えた。あこがれの白山。その左には日照岳などの尾根。妙法山1776mの北に続いている峰のなかに、野谷荘司山1797m、三方岩岳1736m、笈ヶ岳1841m、大笠山1822m、大門山1572mがあるはずであり、その右手、猿の北に位置しているのが人形山と金剛堂山だろう。いったん下りとなって帰雲への登り。

帰雲への登りで先行のトレースに入ったが、帰雲をトラバースしているので、途中で外れて帰雲に登る。帰雲の頂上からは猿ヶ馬場の本峰のみよく見えていた。東に少し行ったところにアンテナ設備らしき建物。帰雲から下って猿ヶ馬場に向かって登っていくと、南西の空に三方崩山2059mと、ガスで霞んでいる白山が見えた。あこがれの白山。大日ヶ岳でみたのと同じような形。猿ヶ馬場への途中でまた別のピークに登ってみる。ここは視界をさえぎるものがなく、今度は猿の南東につながる稜線が見える。御前岳1816mというのがあるらしい。稜線に雪はたっぷり積もっているが、木は樹氷にはなっていない。稜線上の雪は今のところ粉雪だが、気温が上がれば溶けてくるだろう。

ふたたび先行トレースに乗って頂上を目指すが、本峰を目指してトラバース気味のルートなので、途中で外れて尾根の真ん中を三角点峰へ向かう。途中で低いピークを越え、北側の雪原を左に廻りこんで猿ヶ馬場・三角点峰の最高地点に立つ。正面の本峰は間近だが、北には頂上部分が雲で隠れた北アルプスが見えている。こんなに青空なのに北アルプスと白山は雪が降っているということか。

広い雪原を渡って本峰に向かう。一番高そうなところに出て写真を撮っていると、向こうから先行の男性が戻ってきた。この先に頂上標識があるという。ゆっくりと最後の数十メートルを歩き、木陰に付けられた頂上標識に到達。なるほど、さっきのところよりも高そうだ。まだ11時、6時間弱で着いてしまった。標識とその向こうの白山を何枚も写す。

風もないのでラーメンを食べることにする。雪をいれてバーナーに火を点ける。久しぶり(昨年11月末)の山での食事。東に続く尾根をはじめ、四周の山並をくどいほど写し、帰りの準備をしようとすると、男性が一人やってきた。愛知から来たという。スコップで穴を掘り出したが、食事のためなのだろう。

シールを外して滑走開始。帰りも妙法山から野谷荘司山、三方岩岳、笈ヶ岳、大笠山の大パノラマを何度も写しながらのゆっくり滑走となる。天気がいいと仕方ない。下るにつれて視界がなくなり、ピークを右に大きく迂回してなかなか元に戻れず、少し斜めに登ってルートに戻る。やがて帰雲の横をトラバースし、谷の向こうに白川郷の町並みと高速が見える。登ってくる二人に会ったのはどのあたりだったろう。白山から笈、大笠を正面に見ながら稜線を滑り、やや登り返し、アンテナ電柱を過ぎ、林の中に入っていく。

稜線からの最後は結構な下りで、思い切って連続ターンを決めようとして雪ダンゴ・ジャンプからの着地に失敗して転倒。雪まみれとなる。なんとも。メガネとサングラスに雪をかぶり、襟から雪が入って冷たい。時間をかけて雪を払う。ここからは沢沿いの滑走。雪はややべとついてきたが、その下は固いので問題ない。小さな木にぶつかりそうになりながら林道に降り立つ。

林道を過ぎるとまた狭い沢の滑走。連続ターン。下の林道に出てからがすこしやっかい。でこぼこの林道を横滑りブレーキと小さなターンでなんとかこなしていく。

途中で赤いヤッケを着たスキーヤーに会う。こちらは騒々しく雪道を下り、ジープを過ぎ、砂防ダムのところを大きく廻ったところで雪が切れ、ストップ。砂防ダムの上に見えているのは三方崩のようだ。スキーを外して歩いていると、さっきのスキーヤーがやってきた。少し先でスキーをはいて小さな雪原を横断し、騒々しく雪道を下り、何度かスキーを外して歩き、最後の滑走で駐車地点に帰着。下りは2時間。駐車地点はだいぶ雪が溶けていた。

愛知ナンバーの車(後から来た人のだろう)と、裏手にもう一台(二人連れのかなあ)。赤いスキーヤーはそのまま下に歩いていってしまった。地元の人かなあ。とにかく、18時半を覚悟してたのが14時に着いてしまったのだから山登りは分からない。でも、快晴でとても良かった。通りに出るところに地酒の店があり、どぶろくを買っていく。観光客がたくさん。

野伏からの帰り、猿ヶ馬場を南側から見るが、猿の頭かお尻のような崩壊地が見える。その先にも同じような崩壊地があり、これが名前の由来かなあと思う。最初の崩壊地は帰雲で、昔、帰雲城というのがあったが、地震で埋まってしまったらしい。

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登山道のない山、猿ヶ馬場山へはスキー・トレースや踏跡があり、登っている人は少なくないようだ。距離と標高差の割には傾斜が緩く、スキー登山向けの山。この日は青空が広がり、北陸の名峰が輝いていた。当時はこれらの山々の名前もよく知らなかったが、今でもまだ半分くらい登り残している。今シーズンの雪はどうだろう

ヘッドランプで出発

凍りついた雪の上に駐車し、靴を履こうとしていると、もう一台やってきた。準備して出かけると、更にもう一台やってきた。林道の上にスキートレースと靴の跡。

夜景・・・・・林道から白川郷

夜空には星。天気予報の曇後晴よりも良くなりそうだ。

林道のトレース

次第に明るくなる。

武尊山の深雪と比べると全く登りやすい硬い雪。

稜線への登り

ゆっくり林道を歩いていくと、右の斜面に登っていく。ショートカットかなと思ったが、沢沿いのようなところを登り、このまま尾根に出ていくようだ。

広い稜線

樹間から日が射してきて、その向こうに猿ヶ馬場の頂上らしいピークも見えてきた。急坂を登り、ついに稜線となり、緩い登り下りとなる。

帰雲山

稜線を進むと次第に木がまばらになり、猿ヶ馬場山のなだらかな二つのピークを正面に見る。帰雲山はその右側のだろう。

猿ヶ馬場山

猿ヶ馬場山・・・・・帰雲山より

帰雲への登りで先行のトレースに入ったが、帰雲をトラバースしているので、途中で外れて帰雲に登る。帰雲の頂上からは猿ヶ馬場の本峰のみよく見えていた。

帰雲山頂上

三方崩山と奥三方岳・・・・・右奥に雲に隠れた白山

帰雲から下って猿ヶ馬場に向かって登っていくと、南西の空に三方崩山2059mと、ガスで霞んでいる白山が見えた。あこがれの白山。大日ヶ岳でみたのと同じような形。

雲に隠れた白山

日照岳とガオロ・ピーク・・・・・三方崩山の左(南)

がおろピーク

日照岳

白い雪と青い空

1,835m峰・・・・・南の尾根続き。御前岳はこの背後

猿ヶ馬場への途中でまた別のピークに登ってみる。ここは視界をさえぎるものがなく、今度は猿の南東につながる稜線が見える。御前岳1816mというのがあるらしい。

御前岳(奥の三つのピークの中央?)・・・・・猿ヶ馬場山頂上付近より

猿ヶ馬場山・三角点峰頂上

ふたたび先行トレースに乗って頂上を目指すが、本峰を目指してトラバース気味のルートなので、途中で外れて尾根の真ん中を三角点峰へ向かう。途中で低いピークを越え、北側の雪原を左に廻りこんで三角点峰の最高地点に立つ。正面の本峰は間近だが、北には頂上部分が雲で隠れた北アルプスが見えている。こんなに青空なのに北アルプスと白山は雪が降っているということか。

猿ヶ馬場山・本峰・・・・・三角点峰より

雲に隠れた北アルプス

猿ヶ馬場山頂上

広い雪原を渡って本峰に向かう。一番高そうなところに出て写真を撮っていると、向こうから先行の男性が戻ってきた。この先に頂上標識があるという。ゆっくりと最後の数十メートルを歩き、木陰に付けられた頂上標識に到達。なるほど、さっきのところよりも高そうだ。まだ11時、6時間弱で着いてしまった。標識とその向こうの白山を何枚も写す。

猿ヶ馬場山頂上標識

金剛堂山と白木峰(右)

猿ヶ馬場山からの滑走

シールを外して滑走開始。帰りも笈、大笠を何度も写しながらのゆっくり滑走となる。天気がいいと仕方ない。

野谷荘司山、三方岩岳、笈ヶ岳、大笠山

大笠山、奈良岳、見越山

妙法山

野谷荘司山

三方岩岳

笈ヶ岳

大笠山

三ヶ辻山

大滝山

猿ヶ山

白川郷の店

通りに出るところに地酒の店があり、どぶろくを買っていく。観光客がたくさん。

猿ヶ馬場山・・・・・鳩谷ダム付近より

猿ヶ馬場山・・・・・白川郷より(2007年3月23日映像)

籾糠山と猿ヶ馬場山(2007年3月23日映像)

帰雲山の崩壊地(2007年3月23日映像)

問合せ・コメント等、メール宛先: kawabe.goro@meizan-hitoritabi.com