茂来山(もらい)、四方原山(よもはら) クラシック縦走路

長野県  茂来山1,718m、四方原山(よもはら、よもっぱら)1,632m  2018年10月7日

(茂来山)信州百名山

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茂来山・四方原山の縦走路のことを知ったのは山と渓谷の地図のガイド(M21)で、メモには「クラシックルート:霧久保橋駐車場、茂来、四方原(往復8時間)」とある。しかしネット記録は多くない。片道10㎞、標高差1,000mに片道6時間、往復12時間と計画。

3時に起きて真っ暗な道を霧久保に向かう。R299(武州街道)を東に向かうと、脇道に右折する地点に「茂来山」の道標があった。暗い道を辛抱して走り、広い駐車場に到着。

「コブ太郎まで中間点」という標識のあたりから夜が明け始め、そのコブ太郎のところに着く。幹にコブのある大きなトチの巨木。パワーをもらいに幹にタッチして先に進む。

そして尾根の先に頂上の三角点が見え、四方が開けた茂来山の頂上に到達。三角点に祠に数種類の頂上標識。残念ながら浅間山や北アルプスは雲をかぶっていたが、南に見える男山のごつごつした姿は強烈。立ち並ぶ諸峰をひとわたり撮影し、祠の前でお参りしようとすると、ナデシコが一輪咲いていた。真っ赤に咲き残った可憐な花。「四方原山、5㎞」とある古い道標のところからアキノキリンソウに見送られて縦走路に進む。

P4・1,660mの先に茂来山頂上以来の展望所があった。垂直に切れ落ちた細尾根の上の展望所で、スリル満点。灌木が無ければ怖くて近寄れまい。そこから見る茂来山は青空を背景に緑色の三角形の巨体が見事。

細尾根の終点、P5・1,662mには思いがけず四等三角点があった。やや南西に下ったところに古い祠が二つあり、そこからは男山と天狗山を再び見る。ごつごつした同じ尾根の上に二つ並ぶ岩峰は見事な景観。これは、二つとも登っておかなくてはいけないだろう。

大きくコル1,600mまで下り、次のP13・1,660mの手前で南側をトラバースするルートをたどる。いいかげんに疲れていた。このあたりからカラマツの林となる。

平坦なカラマツの林の尾根を歩いていて、突然左(北)に四方原山の頂上が現われた。周囲が高い木々に囲まれた林の中の小さな平地に大きな頂上標識と大きな一等三角点が構えている。正面には巨大な木が立ち、それ以外にも巨木に囲まれた平坦な頂上。その上の青空に流れる白い雲。茂来山とはずいぶん雰囲気が違う山。

下山後、佐久の市街地に入っていく頃、青空の下にすっかり姿を現わした浅間を見る。

 垂直に切れ落ちた細尾根の上の展望所で、スリル満点。灌木が無ければ怖くて近寄れまい。そこから見る茂来山は青空を背景に緑色の三角形の巨体が見事。
 平坦なカラマツの林の尾根を歩いていて、突然左(北)に四方原山の頂上が現われた。周囲が高い木々に囲まれた林の中の小さな平地に大きな頂上標識と大きな一等三角点が構えている。
 男山のごつごつした姿は強烈。
 御座山: 東西にピークを連ねた尾根の上にひときわ高いピーク
 下山後、青空の下にすっかり姿を現わした浅間を見る。
 細尾根の終点、P5・1,662mには思いがけず四等三角点があり、やや南西に下ったところに古い祠が二つ
 四方原山の上の青空に流れる白い雲。
 アキノキリンソウに見送られて縦走路に進む。
  4:42 霧久保駐車場発  5:34 コブ太郎  6:35 茂来山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り1時間53分  6:41 茂来山発  7:31 P5・四等三角点1,662m  8:24 P10・三等三角点1,690m  9:58 四方原山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・茂来山から3時間17分                                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・霧久保駐車場から5時間16分10:16 四方原山発12:12 P10・三等三角点13:01 P5・四等三角点14:06 茂来山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・四方原山から3時間50分14:58 コブ太郎15:38 霧久保駐車場・・・・・・・・・・・・・・・茂来山から1時間20分                                                 ・・・・・・・・・・・・・・四方原山から5時間22分                                                  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復10時間56分

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茂来山・四方原山の縦走路のことを知ったのは山と渓谷の地図のガイド(M21)で、メモには「クラシックルート:霧久保橋駐車場、茂来、四方原(往復8時間)」とある。しかしネット記録は多くない。片道10㎞、標高差1,000mに片道6時間、往復12時間と計画。ネットに出ていた2004年11月の霧久保Pから四方原まで5時間、往復8.5時間という記録はずいぶん早いが、当時の縦走路はどんなだったのだろう。3時に起きて真っ暗な道を霧久保に向かう。R299(武州街道)を東に向かうと、脇道に右折する地点に「茂来山」の道標があった。そこからの林道の状態が心配だったが、登山口まで4㎞弱の約半分が舗装路、砂利道の途中に停めて歩いても大差ないが、暗い道を辛抱して走り、広い駐車場に到着。予想通りに大きな案内表示もあり、スティックを出して歩き始める。

駐車場の近くに沢の音が大きく聞こえていたが、「渡渉できない場合は林道」という注意書きがあった。駐車場から右(西)に向かうと大きな音で流れる沢があり、コンクリの堤防の上に3本並べた丸木橋がかかっている。こういうのも含め、渡渉のときはスティックが便利。バランスをとってさっさと渡るともう一つ丸木橋。沢沿いの暗い林の中を進み、もう一回渡渉した先で登りとなる。駐車場の左(東)に続いていた林道に出会うが、林道には入らずにさらに南に向かう。傾斜はやや増すが、基本的に広くて歩きやすい道。「コブ太郎まで中間点」という標識のあたりから夜が明け始め、そのコブ太郎のところに着く。幹にコブのある大きなトチの巨木。このくらいの大きさのトチなら見たことがあるような気もするが、そのコブとやや黄色がかった色は珍しいのかもしれない。パワーをもらいに幹にタッチして先に進む。沢沿いに少し登った先にコブ太郎と同じくらいの大きさのトチの木があった。コブがあったが、色は黒っぽかった。「水源」という表示は水場のこと、それとも源頭?この先で登山道はザレの多い急な道となるが、なおもペースを落とさずに登るが、登りにくい。ザレ斜面から尾根に上がると分岐標示があり、そこから歩きやすい尾根道となる。

そして尾根の先に頂上の三角点が見え、四方が開けた茂来山の頂上に到達。岩場の端に白いヨメナ。三角点に祠に数種類の頂上標識。残念ながら浅間山や北アルプスは雲をかぶっていたが、南に見える男山のごつごつした姿は強烈。その右奥の平坦な山は、右端のギザギザが天狗岳だとすると、八ヶ岳なのだろう。南八ヶ岳の鋭鋒が目立たない姿。男山の左の尾根続きに天狗山の釣鐘があるが、それは奥秩父の大きな山塊と重なっている。その右端のギザギザは瑞牆山、大きな丸い山は金峰山。頂上の五丈石が目印。東には縦走路が深い林に続いており、その入口に登山記念署名箱。北東方面に見える平らな山は荒船山、その奥に見える鋭鋒の連なりは鹿岳と四ツ又山のようだ。立ち並ぶ諸峰をひとわたり撮影し、祠の前でお参りしようとすると、ナデシコが一輪咲いていた。真っ赤に咲き残った可憐な花。頂上から東に縦走路に下り、登山記念署名箱の中のノートに書き込んでいく。「これから四方原。台風直後とは思えない天気。高い山には雲。ナデシコにヨメナ」。穴のあいた丸いのはホコリタケ。つまんでみると確かにホコリが出る。「四方原山、5㎞」とある古い道標のところからアキノキリンソウに見送られて縦走路に進む。

尾根通しの道は踏み跡はやや怪しく、リボンもほとんどないが、まだ迷うほどではない。茂来山から下って少し登り返し、岩峰P2・1,670mのところから南側をトラバース下降。細尾根手前で最初の難場に遭遇。コル手前にP2同様の岩峰があり、その先が岩壁になっていて降りられない。結局、左(北)側を大きく下ってコルに登り返したが、実は順路は右(南)側にあり、復路のときは簡単に通過できた。岩峰の手前から右(南)にくだる地点に目印があれば、迷うことなく通過できていただろう。小さなピークP3・1,610mから細尾根。それにしても、せっかく尾根を歩いているのに木々が大きく育っていて景色はさっぱり見えない。細尾根のところで背後の茂来山の雄姿が樹間に見え、P4・1,660mの先に茂来山頂上以来の展望所があった。垂直に切れ落ちた細尾根の上の展望所で、スリル満点。灌木が無ければ怖くて近寄れまい。そこから見る茂来山は青空を背景に緑色の三角形の巨体が見事。

細尾根の終点、P5・1,662mには思いがけず四等三角点があった。やや南西に下ったところに古い祠が二つあり、そこからは男山と天狗山を再び見る。男山から東に延びるごつごつした尾根の先の、ひときわ高いピークが天狗山。ごつごつした同じ尾根の上に二つ並ぶ岩峰は見事な景観。これは、二つとも登っておかなくてはいけないだろう。そして、天狗山の左の背後には奥秩父の瑞牆山や金峰山。P5の少し先で、今度は御座山の全景を見る。これは茂来山からも、縦走路の樹間にも一部見えていた。これも東西にピークを連ねた尾根の上にひときわ高いピーク。黒々とした丸みのある鋭鋒はこれまた個性的ですごみがある。この山に登ったのは9年前。そのときは霧で御座山の姿も見ておらず、御座山を間近に見るのは今回が初めてかもしれない。こんなにも多くの山。P7手前で最初の休憩。縦走路の1/3くらいの地点。パンを食べ、ポカリを半分飲む。冷たい風が吹いていたのでレインウェアの上を着込んだが、この後、風は止む。トリカブトのような紫の花がちらほら。正面にP8の高いピークがそそり立つ。その斜面に枯草ヤブが密集していて、一瞬、歩みが止まるが、GPSルートはここを直進。枯草ヤブに踏み込むと、確かに微かな踏み跡があった。納得して急坂を登る。次のマイナーピークP8・1,660mからルートは左に鋭角に曲がるが、ピークに踏み跡は見当たらない。左に下ると、P8の北側をトラバースしてきた踏み跡に遭遇。

P9・1,680mには四角い金属製の小海町・図根三角点。この図根三角点はこの後、たくさん現われ、いちいち写さなかった。P9・1,680mからいったん下り、立ちはだかるP10への急坂を登り切ると、三等三角点があった。P10・三角点峰からの下りでは、尾根がまっすぐ伸びているが、コースは左斜面の急な下り。ここはたまたまGPSを見たので気づいたが、そうでなければ直進しただろう。コルから登り返したP11から北に見えていたのはたぶん1,663m峰。緑のゆったりした山。P11の北に下る尾根の先にテープが見えていてまぎらわしいが、たぶん伐採の目印だろう。東につづく縦走路には古い赤テープ。平坦な尾根の先のP12から南の樹間に見えたのはたぶん御座山。このあたりはドングリがポツポツ落ちていて、ミズナラが多かったと思う。大きくコル1,600mまで下り、次のP13・1,660mの手前で南側をトラバースするルートをたどる。いいかげんに疲れていた。このあたりからカラマツの林となる。トラバースの踏み跡は尾根に戻る気配がないので、頃合いで斜面を登って尾根に上がる。尾根にも踏み跡あり。P14からの下りの途中に赤テープが道幅いっぱいに左右に貼ってあった。ここへは入るなと言われても困るが、向こうからこっちに入るなということか?その先に「←茂来山、→四方原山」の汚れた道標。道標を見るのは茂来山の頂上以来。

P15の先で北の斜面に新しい林道と車両を見る。この日は作業していなかったが、伐採された樹木、プレハブ小屋、ショベルやトラックなど、尾根の北側の広い斜面の伐採をしているようだ。林道はこの先で登山道に迫り、最後には登山道が南に少しルート変更していた。林道の近くの登山道に古い地蔵尊。積み重ねられた材木のそばに花を開いたオヤマノリンドウ。紫色の花はトリカブトばかりで、オヤマノリンドウを見たのはここだけだったと思う。道標が三つほどあり、「←地蔵・茂来線、→四方原山・三角点」「↑茂来山、↙東山線」「←白岩、→茂来山」とあった。「地蔵・茂来線」と「東山線」は林道だろうが、「日岩」というのは四方原山の南にある集落の地名。そこから四方原山はどんなふうに見えるのだろう。平坦なカラマツの林の尾根を歩いていて、突然左(北)に四方原山の頂上が現われた。周囲が高い木々に囲まれた林の中の小さな平地に大きな頂上標識と大きな一等三角点が構えている。さんざん写真を撮り、ザックを下ろして本日二度目の休憩。バナナを食べ、ポカリ1本目を飲み干して横になる。疲れた。正面には巨大な木が立ち、それ以外にも巨木に囲まれた平坦な頂上。その上の青空に流れる白い雲。茂来山とはずいぶん雰囲気が違う山。

帰路につき、分岐標識のところで「白岩」を少し探してみるが、これは地名なので、そんな岩はない。往路でトラバースしてきた尾根を、帰りは尾根をたどり、P13・1,660mに登ってみる。平坦な丸い頂上。大きく下り、P12に登り返したところで3度目の休憩。寝転がって空を見上げ、流れる雲を見つめる。エネルギー補給にナッツを出すが、袋が大きいので歩きながら食べる。P10・三角点峰に登り返して四度目の休憩。帰りはこまめに休憩。腰も肩も痛い。P9の先で尾根を西に直進していて、たまたまルート確認にGPSを見て、ルートを大きくそれているのに気づき、引き返す。危ない所だった。P5・四等三角点に着き、5度目の休憩。南の御座山から天狗・男山、八ヶ岳の山々を再び遠望。二つの古い祠にお参り。細尾根に上がってから茂来山を見るが、やはり展望所から見た姿が一番すばらしい。日があたって緑が青空に映えている。

P3を下って細尾根が終わった先に最初の難場。右(北)はものすごい下り斜面になっていて、往路ではそこを登ってきたとは信じられない。どうみてもルートは左で、そこに向かうと確かに微かな踏み跡があり、岩峰を回り込んで尾根に上がる。だが、西側から見るとそこを抜けられるかは分からない。やはり目印がいるだろう。上がったところで6度目の休憩。P2の脇を過ぎ、アキノキリンソウが咲いていて、その先に古い道標、そして登山記念署名箱。またホコリタケのホコリを出してみる。そして茂来山に着く。もう一度ナデシコの祠にお参り。縦走できたことに感謝。さあ、あとはもう下るのみ。疲れた足を動かし、スティックで足への負担を減らし、尾根を下り、ガレ斜面を下る。石ころの多いガレの急斜面は歩きにくい。ようやくコブ太郎に着き、ベンチに横になって休憩。このあたりは朝は暗くて見えなかったので、見るのは初めて。すぐ脇を水量の多くなった霧久保沢が流れている。ようやく駐車場に着き、ゆっくり着替える。こんなに天気なのに誰もこなかったのだろうか。それとも私が縦走している間に誰かが来たのだろうか。佐久の市街地に入っていく頃、青空の下にすっかり姿を現わした浅間を見る。

R299(武州街道)の道標

茂来山・四方原山の縦走路のことを知ったのは山と渓谷の地図のガイド(M21)で、メモには「クラシックルート:霧久保橋駐車場、茂来、四方原(往復8時間)」とある。しかしネット記録は多くない。片道10㎞、標高差1,000mに片道6時間、往復12時間と計画。ネットに出ていた2004年11月の霧久保Pから四方原まで5時間、往復8.5時間という記録はずいぶん早いが、当時の縦走路はどんなだったのだろう。

登山口の案内(午後の写真)

3時に起きて真っ暗な道を霧久保に向かう。R299(武州街道)を東に向かうと、脇道に右折する地点に「茂来山」の道標があった。そこからの林道の状態が心配だったが、登山口まで4㎞弱の約半分が舗装路、砂利道の途中に停めて歩いても大差ないが、暗い道を辛抱して走り、広い駐車場に到着。予想通りに大きな案内表示もあり、スティックを出して歩き始める。

アカツメクサ(午後の写真)

一つ目の木橋(午後の写真)

二つ目の木橋(午後の写真)

広い道(午後の写真)

三つ目の木橋(午後の写真)

林道出会い(午後の写真)

夜明け

コブ太郎(午後の写真)

駐車場の近くに沢の音が大きく聞こえていたが、「渡渉できない場合は林道」という注意書きがあった。駐車場から右(西)に向かうと大きな音で流れる沢があり、コンクリの堤防の上に3本並べた丸木橋がかかっている。こういうのも含め、渡渉のときはスティックが便利。バランスをとってさっさと渡るともう一つ丸木橋。沢沿いの暗い林の中を進み、もう一回渡渉した先で登りとなる。

コブ太郎の説明1(午後の写真)

駐車場の左(東)に続いていた林道に出会うが、林道には入らずにさらに南に向かう。傾斜はやや増すが、基本的に広くて歩きやすい道。「コブ太郎まで中間点」という標識のあたりから夜が明け始め、そのコブ太郎のところに着く。幹にコブのある大きなトチの巨木。このくらいの大きさのトチなら見たことがあるような気もするが、そのコブとやや黄色がかった色は珍しいのかもしれない。パワーをもらいに幹にタッチして先に進む。

コブ太郎の説明2(午後の写真)

沢沿いに少し登った先にコブ太郎と同じくらいの大きさのトチの木があった。コブがあったが、色は黒っぽかった。「水源」という表示は水場のこと、それとも源頭?この先で登山道はザレの多い急な道となるが、なおもペースを落とさずに登るが、登りにくい。ザレ斜面から尾根に上がると分岐標示があり、そこから歩きやすい尾根道となる。

登りにくい斜面(午後の写真)

尾根分岐

朝日

茂来山頂上

そして尾根の先に頂上の三角点が見え、四方が開けた茂来山の頂上に到達。岩場の端に白いヨメナ。三角点に祠に数種類の頂上標識。残念ながら浅間山や北アルプスは雲をかぶっていたが、南に見える男山のごつごつした姿は強烈。その右奥の平坦な山は、右端のギザギザが天狗岳だとすると、八ヶ岳なのだろう。南八ヶ岳の鋭鋒が目立たない姿。男山の左の尾根続きに天狗山の釣鐘があるが、それは奥秩父の大きな山塊と重なっている。

ナデシコと頂上標識

その右端のギザギザは瑞牆山、大きな丸い山は金峰山。頂上の五丈石が目印。東には縦走路が深い林に続いており、その入口に登山記念署名箱。北東方面に見える平らな山は荒船山、その奥に見える鋭鋒の連なりは鹿岳と四ツ又山のようだ。

雲をかぶった浅間山

立ち並ぶ諸峰をひとわたり撮影し、祠の前でお参りしようとすると、ナデシコが一輪咲いていた。真っ赤に咲き残った可憐な花。頂上から東に縦走路に下り、登山記念署名箱の中のノートに書き込んでいく。「これから四方原。台風直後とは思えない天気。高い山には雲。ナデシコにヨメナ」。穴のあいた丸いのはホコリタケ。つまんでみると確かにホコリが出る。「四方原山、5㎞」とある古い道標のところからアキノキリンソウに見送られて縦走路に進む。

浅間山の西の景観

男山

八ヶ岳?

奥秩父

瑞牆山と天狗山(上記の拡大)

登山記念署名箱と縦走路入口

御座山

荒船山

鹿岳と四ツ又山

ヨメナ

ヨメナ

登山記念署名箱

ホコリタケ

縦走路入口の標識「四方原山へ5km

アキノキリンソウ

アキノキリンソウ

P2・1,630mの岩峰

最初の難所

P4・1,660m

樹間の茂来山

尾根通しの道は踏み跡はやや怪しく、リボンもほとんどないが、まだ迷うほどではない。茂来山から下って少し登り返し、岩峰P2・1,670mのところから南側をトラバース下降。細尾根手前で最初の難場に遭遇。コル手前にP2同様の岩峰があり、その先が岩壁になっていて降りられない。結局、左(北)側を大きく下ってコルに登り返したが、実は順路は右(南)側にあり、復路のときは簡単に通過できた。

茂来山

岩峰の手前から右(南)にくだる地点に目印があれば、迷うことなく通過できていただろう。小さなピークP3・1,610mから細尾根。それにしても、せっかく尾根を歩いているのに木々が大きく育っていて景色はさっぱり見えない。細尾根のところで背後の茂来山の雄姿が樹間に見え、P4・1,660mの先に茂来山頂上以来の展望所があった。垂直に切れ落ちた細尾根の上の展望所で、スリル満点。灌木が無ければ怖くて近寄れまい。そこから見る茂来山は青空を背景に緑色の三角形の巨体が見事。

P5・四等三角点1,662m

古い祠

細尾根の終点、P5・1,662mには思いがけず四等三角点があった。やや南西に下ったところに古い祠が二つあり、そこからは男山と天狗山を再び見る。男山から東に延びるごつごつした尾根の先の、ひときわ高いピークが天狗山。ごつごつした同じ尾根の上に二つ並ぶ岩峰は見事な景観。これは、二つとも登っておかなくてはいけないだろう。そして、天狗山の左の背後には奥秩父の瑞牆山や金峰山。P5の少し先で、今度は御座山の全景を見る。

天狗山と男山

これは茂来山からも、縦走路の樹間にも一部見えていた。これも東西にピークを連ねた尾根の上にひときわ高いピーク。黒々とした丸みのある鋭鋒はこれまた個性的ですごみがある。この山に登ったのは9年前。そのときは霧で御座山の姿も見ておらず、御座山を間近に見るのは今回が初めてかもしれない。こんなにも多くの山。

金峰山と五丈石

P7手前で最初の休憩。縦走路の1/3くらいの地点。パンを食べ、ポカリを半分飲む。冷たい風が吹いていたのでレインウェアの上を着込んだが、この後、風は止む。トリカブトのような紫の花がちらほら。正面にP8の高いピークがそそり立つ。その斜面に枯草ヤブが密集していて、一瞬、歩みが止まるが、GPSルートはここを直進。枯草ヤブに踏み込むと、確かに微かな踏み跡があった。納得して急坂を登る。

御座山

次のマイナーピークP8・1,660mからルートは左に鋭角に曲がるが、ピークに踏み跡は見当たらない。左に下ると、P8の北側をトラバースしてきた踏み跡に遭遇。

御座山

P10・三等三角点1,690m

小海町の図根点

1,663m峰

ピンクの花(ナギナタコウジュ?)

ドングリ

トリカブト

カラマツ林

P9・1,680mには四角い金属製の小海町・図根三角点。この図根三角点はこの後、たくさん現われ、いちいち写さなかった。P9・1,680mからいったん下り、立ちはだかるP10への急坂を登り切ると、三等三角点があった。P10・三角点峰からの下りでは、尾根がまっすぐ伸びているが、コースは左斜面の急な下り。ここはたまたまGPSを見たので気づいたが、そうでなければ直進しただろう。

カラマツ林のトラバース路

コルから登り返したP11から北に見えていたのはたぶん1,663m峰。緑のゆったりした山。P11の北に下る尾根の先にテープが見えていてまぎらわしいが、たぶん伐採の目印だろう。東につづく縦走路には古い赤テープ。平坦な尾根の先のP12から南の樹間に見えたのはたぶん御座山。このあたりはドングリがポツポツ落ちていて、ミズナラが多かったと思う。

古い地蔵尊

大きくコル1,600mまで下り、次のP13・1,660mの手前で南側をトラバースするルートをたどる。いいかげんに疲れていた。このあたりからカラマツの林となる。トラバースの踏み跡は尾根に戻る気配がないので、頃合いで斜面を登って尾根に上がる。尾根にも踏み跡あり。P14からの下りの途中に赤テープが道幅いっぱいに左右に貼ってあった。ここへは入るなと言われても困るが、向こうからこっちに入るなというここか?その先に「←茂来山、→四方原山」の汚れた道標。道標を見るのは茂来山の頂上以来。

汚れた道標「←茂来山、→四方原山」

紅葉(ハウチワカエデ?)

紅葉(オオイタヤメイゲツ?)

積み重ねられた木材

アキノキリンソウ

オヤマノリンドウ

P15の先で北の斜面に新しい林道と車両を見る。この日は作業していなかったが、伐採された樹木、プレハブ小屋、ショベルやトラックなど、尾根の北側の広い斜面の伐採をしているようだ。林道はこの先で登山道に迫り、最後には登山道が南に少しルート変更していた。林道の近くの登山道に古い地蔵尊。積み重ねられた材木のそばに花を開いたオヤマノリンドウ。紫色の花はトリカブトばかりで、オヤマノリンドウを見たのはここだけだったと思う。

ヨメナ

道標が三つほどあり、「←地蔵・茂来線、→四方原山・三角点」「↑茂来山、↙東山線」「←白岩、→茂来山」とあった。「地蔵・茂来線」と「東山線」は林道だろうが、「日岩」というのは四方原山の南にある集落の地名。そこから四方原山はどんなふうに見えるのだろう。

四方原山頂上

平坦なカラマツの林の尾根を歩いていて、突然左(北)に四方原山の頂上が現われた。周囲が高い木々に囲まれた林の中の小さな平地に大きな頂上標識と大きな一等三角点が構えている。さんざん写真を撮り、ザックを下ろして本日二度目の休憩。バナナを食べ、ポカリ1本目を飲み干して横になる。疲れた。正面には巨大な木が立ち、それ以外にも巨木に囲まれた平坦な頂上。その上の青空に流れる白い雲。茂来山とはずいぶん雰囲気が違う山。

一等三角点

巨大な広葉樹(ブナ?)

帰路につき、分岐標識のところで「白岩」を少し探してみるが、これは地名なので、そんな岩はない。往路でトラバースしてきた尾根を、帰りは尾根をたどり、P13・1,660mに登ってみる。平坦な丸い頂上。大きく下り、P12に登り返したところで3度目の休憩。寝転がって空を見上げ、流れる雲を見つめる。エネルギー補給にナッツを出すが、袋が大きいので歩きながら食べる。P10・三角点峰に登り返して四度目の休憩。帰りはこまめに休憩。腰も肩も痛い。P9の先で尾根を西に直進していて、たまたまルート確認にGPSを見て、ルートを大きくそれているのに気づき、引き返す。危ない所だった。P5・四等三角点に着き、5度目の休憩。南の御座山から天狗・男山、八ヶ岳の山々を再び遠望。二つの古い祠にお参り。細尾根に上がってから茂来山を見るが、やはり展望所から見た姿が一番すばらしい。日があたって緑が青空に映えている。

秋の青空

P3を下って細尾根が終わった先に最初の難場。右(北)はものすごい下り斜面になっていて、往路ではそこを登ってきたとは信じられない。どうみてもルートは左で、そこに向かうと確かに微かな踏み跡があり、岩峰を回り込んで尾根に上がる。だが、西側から見るとそこを抜けられるかは分からない。やはり目印がいるだろう。上がったところで6度目の休憩。

晴れた空の浅間山(R299からR141に入る直前)

P2の脇を過ぎ、アキノキリンソウが咲いていて、その先に古い道標、そして登山記念署名箱。またホコリタケのホコリを出してみる。そして茂来山に着く。もう一度ナデシコの祠にお参り。縦走できたことに感謝。さあ、あとはもう下るのみ。疲れた足を動かし、スティックで足への負担を減らし、尾根を下り、ガレ斜面を下る。石ころの多いガレの急斜面は歩きにくい。

茂来山(翌日、R141より)

ようやくコブ太郎に着き、ベンチに横になって休憩。このあたりは朝は暗くて見えなかったので、見るのは初めて。すぐ脇を水量の多くなった霧久保沢が流れている。ようやく駐車場に着き、ゆっくり着替える。こんなに天気なのに誰もこなかったのだろうか。それとも私が縦走している間に誰かが来たのだろうか。佐久の市街地に入っていく頃、青空の下にすっかり姿を現わした浅間を見る。