長野県 岩菅山2,295m、裏岩菅山2,337m、寺子屋峰2,125m 2006年3月18日
(岩菅山)日本二百名山
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初めて訪れた志賀高原、
賑やかなリゾート地から雪尾根へ、
丸い頭の岩菅山は盟主の風格。
そして、その背後に裏岩菅山、
寺子屋峰からは四周に名峰が勢ぞろい。
北アルプスに北信五岳
志賀の横手山、赤石山、志賀山、
辛いが至福の稜線歩き
そして感激の岩菅山頂上到達。
雪が全てを覆った頂上
銀色の煙突の先端、
もう一つのピークに向かう。
裏岩菅山は平らな頭、
広大な頂上北端に頂上標識発見して感激ひとしお
信越国境にずっと見えていた鳥甲山、
初めて見えた烏帽子岳と苗場山。
岩菅山から豪快に滑走、
ノッキリからも沢筋に滑走。
これまた豪快だったが、お楽しみはここまで、
沢底は傾斜がなく、シールを貼って延々歩く。
薄暗くなり、橋を見つけて林道歩き、
日が暮れてスキー場はナイター、
その脇を歩いて車にたどり着く。
左足のくるぶしが痛い。
******
感激の名峰到達に豪快滑走、景色も最高だったが、なんとも反省の多い山旅。復路のコース取りが良くなく、岩菅山の南斜面でなく、西斜面を滑走し、林道を歩かずに焼額スキー場に出るのが正解だったようだ。
ともあれ
雄大な旅に滑走、見渡す限りの山また山、反省のルート取り。限りなく心に残る山旅だった。
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下記は当時のメモで、復路での苦労話ばかり細かいが、志賀の名峰・岩菅山頂上に立った時の感激、無理かと思った裏岩菅山に到達し、頂上標識を見たときの感激は忘れられない。岩菅山からの滑走も記載が少ないが、急傾斜にパウダーやアイスバーンありの豪快な滑走だったと思う。だが、滑り降りた先に問題があり、傾斜がなかった。
シールや滑走の技術も今一つの頃で、リフトを待たず、早朝からゲレンデを登るのがよかったかもしれないが、とにかく復路のルート取りが良くなかった。地図は大雑把でGPSも古いタイプ。山では思いもよらぬ複雑な地形に出くわすもの。今では高性能となったGPSを手放せない。
因みに、岩菅山は山スキーのクラシック・コースだが、木々が成長して昔のコースは滑りにくくなり、今では岩菅山の西斜面を滑走し、林道を歩かず、焼額スキー場に行くのが正解のようだ。
ともあれ、雄大な旅に滑走、見渡す限りの山また山、反省のルート取り。限りなく心に残る山旅だった。
SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS
まわりに車が集まりはじめ、8時半頃準備して出発。一日券を5,500円(1,000円トークン込み)で買い、一ノ瀬リフト2本に乗る。寺子屋リフトへはいったん下りだが、ここで丸い岩菅山が正面に見える。なるほど風格あり。その背後に峰続きで裏岩菅。ここから見ると2時間くらいで行けそうだ。
寺子屋リフトは9時からのようで、他のスキーヤー多数と待つ。開店しようと除雪している店に行き、トイレを借り、水を汲む。動き出したリフト最上部からは北アルプス、頸城三山・五岳がきれいに見える。シールを着けてさっそく出発。しかしトレースは無い。まず寺子屋峰の頂上認定。笠ヶ岳に横手山が見える。遠くには四阿山らしき山。寺子屋からはいったん鞍部へ下り、別のピークに向かうが、その先も下りなので北西面をトラバース。木が多くてたいへん。その先にもピークが二つ見えるがどちらがノッキリだろう(二つ目の先のコルのことを言うらしい)。足取りが重いのは夜通しのドライブのせいか。スタミナなし。岩菅の丸い頭はなかなか近づいてこない。滑降対象の西斜面にいかにもなだれそうな斜面が見えてくる。その昔、雪崩の起こったところかもしれない。ノッキリよりも手前。向こう側を滑ればよいだろう。
三つ目のピーク(四つ目?)からは雪崩そうな東斜面を豪快にシールのまま滑る。雪庇が張り出してはいるが、尾根の上や西斜面トラバースばかりもしていられない。3時間弱でやっとノッキリ手前のピークに取り付く。登っている途中で振り返ると、すぐ後にパーティが迫っている。かなりゆっくり登ってきたし、後続パーティはラッセル・トレースを使えばペースも速まるだろうから、追いつかれるのはあたりまえとしても、この天気がよいのに登る人は意外に少ないようだ。
ピークまで登ってもどうせ鞍部まで降りることになるので、途中で東斜面を滑り降りる。滑り降りた鞍部がノッキリだったようだ。そこから最後の登り。ペースを落として休まないように登る。斜面の左側に林、右側は雪庇状の崖になっている。傾斜がきつくなり、キックターンになるが、なにしろラッセルなのでペースが落ちる。ふと気付くと後続組は左側の林の中を追い越して行く。確かに雪崩のことを考えると林の中が正解。さっそくトレースを使わせてもらう。三人パーティの後からもう一人登ってきている。
13時半頃頂上着。頂上手前に石板があったが、頂上は雪で全て埋もれていて、煙突の先端が見えているのみ。三人パーティはここには来ていない。左手の林に行ったのだろう。14時過ぎたら戻ろうと思っていたので、休まず直ちに裏岩菅へ向かう。心なしかだいぶ遠くに見える。往復2時間で15時半。もう尾根を戻る気はしないので、ノッキリのあたりから焼額めざして滑るのみ。こちらから見ると尾根と沢筋は焼額のスキー場に続いているように見える。まっすぐ滑ってゆけば林道にぶつかるだろう。
さて、裏岩菅は岩菅より100mくらい高いが、印象的な丸い頭ではなく、平らな頭をしており、岩菅から見ると左右に二つのピークがあるように見える(実際の頂上は右ピークの更に奥)。3回下降し、3回登り返すが、岩菅への最後の登りのようなのはなく、約45分で右ピークに到達。ただし、広い雪原を更に進んだ先が頂上だった。まっ平な頂上なので夏は湿原かもしれない。
北端の頂上に岩菅には無かった頂上標識があった。風で雪が着かないのだろう。北東に尾根が伸びており、大きな背びれのように見える。北東の視界が広がったが、佐武流山のピークが分からない。たぶん背びれ尾根の向こうのやや平凡なピークが佐武流山で、その右手の頂上が白くややくねっているのが白砂山なのかなあ。左右に嵓ピークを従えた鳥甲山はスキー場からずっと見えている。風が強くなり、時々雪まじり(霰が顔に痛い)なのでマップ照合もせず引き返す。裏岩菅から見る岩菅はひどく低く見える。
左右に嵓ピークを従えた鳥甲山はスキー場からずっと見えている。北東の視界が広がったが、佐武流山のピークが分からない。たぶん背びれ尾根の向こうのやや平凡なピークが佐武流山で、その右手の頂上が白くややくねっているのが白砂山なのかなあ。
15時過ぎ岩菅着。誰もいない。他のパーティはどっちへ滑っていったのだろう。13時半なら尾根を戻ったとも考えられるが、岩菅の南斜面を滑った跡は無かった。やはり岩菅の西斜面の林の中を下りたのかな。
頂上でシールを外しているうちに突然吹雪となる。視界が悪くなり、焼額も霞んでいる。これはまずいと準備を急ぎ、ノッキリに向かって滑降。ノッキリから西斜面に向かう。木々をトラバースしているとどんどん沢へ降りていってしまう。夏道ルートだとノッキリの尾根の南側に出ないといけないので、少し無理をして登り返し、尾根を越える。
これでもう大丈夫と羽目を外して滑っていて転ぶ。ベタ雪にスキーを取られたらしい。沢が二手に分かれているところに出て初めてGPSを使う。左の沢筋に降りる。すると傾斜がなくなってしまい、止む無くシールを取り出す。頂上であわてて外したシールには雪が付いていて貼り付かない。去年の吾妻のときと同じ。シールが貼れないと行動が限定される。この時のために持っていたグルー(ダイン)を取り出すが、寒さのためか出てこない。爪楊枝をさしてもダメ。困ったと思いながらも、もう一方のスキーにシールを貼るとき、タオルでスキー面を拭くとシールの雪もついでに取れた。これで良いのだ!最初のスキーのシールに付いた雪をタオルではたくと雪が取れ、しっかりスキーに貼り付く!去年もこれで良かったのだ。
沢底をしばらく歩くがどうも不安なので左岸に登って行く。ずっとトラバースしながら歩いていくと、いったん急な斜面に出て滑り降りる。後には岩菅頂上がしっかり見えているが、行く先の焼額は全く見えない。滑り降りたところから少し登り返し、沢沿いにトラバースしていると、正面に尾根が見えてきた。マップにある沢の右折地点のようだ。せっかくのトラバースだが、下まで滑り降りる。GPSによると思ったより進んでいないようだ。もう16時半を回り、18時になったら雪洞を掘らなければいけないだろう。ビバークは良いとしても(ツエルトも非常食も水もバーナーもあり)、ホテルのキャンセル料が痛い。ともかくトラバースはもう止めてひたすら沢底を歩く。夏道は最後に左岸に登って駐車場に着くようになっているので、そのポイントを逃したくない。
17時を回り、ヘッドランプを取り出す。まだ明るいので点けない。左岸がだいぶ低くなり、手頃な登り斜面があったので登ってしまう。更に左の尾根まで登れば向かいに焼額が見えるかも、と思って登ってみたが何も見えず。仕方ないなあと思って沢の方を見下ろすと何やら道路のような黒い棒状のものが見える。ついに見つけた!と思って滑り降りて行くと、どうも橋のようである。林道は除雪されていないが、橋桁が黒く見えている。とにかく林道はそこから続いているはずなので、そちらに滑り降りる。
これでもうビバークは無し。予約したホテルへも行ける訳だ。ところが除雪されていない林道はスキーで歩いても沈み、すごく歩きにくい。ひとつスキーの跡があったが、北へ降りていってしまっていた(プリンスホテル方面かな)。少し進むと焼額のナイターの明かりが見えてきた。美しい。デジカメに撮る。しかしいくら歩いてもナイターへは近づかない。マップをみるとどうもこの林道は焼額へは行かないようだ。引き返してプリンスホテルへ向かうか迷ったが、1時間かけて歩くことにする(実際は2時間)。
15分も行くとスノーシューのトレースが左手土手から現れ、更に除雪された箇所に出て、だいぶ楽になる。30分くらいのところでナイター方面への分岐があり、誘惑に負けてそちらに進む。結局これはプリンスホテルの方へ向かっているようで、途中で引き返す。約30分のロス。何回が休んで水を飲み、ペースを守って進む。ヘッドライトが明るい。やがて一ノ瀬の西側スキー場のナイターが見えてきた。まだだいぶ遠い。
ついに一ノ瀬のバス停のところへ出て、そこにスキーとザックを置き、歩いて車を取りに歩く。ナイターをやっている人が見える。朝、スキーで降りてきた斜面を登り(失敗。車道を行くべきだった)、車にたどり着いたのは19時半頃。車の雪を払い、スキーとザックを取りに戻る。歩き通しで左足くるぶしが痛い。
朝の志賀高原
まわりに車が集まりはじめ、8時半頃準備して出発。一日券を5,500円(1,000円トークン込み)で買い、一ノ瀬リフト2本に乗る。
一ノ瀬スキー場
焼額山
寺子屋リフトへはいったん下りだが、ここで丸い岩菅山が正面に見える。なるほど風格あり。その背後に峰続きで裏岩菅。ここから見ると2時間くらいで行けそうだ。
丸い頭の岩菅山
鳥甲山
妙高山
寺子屋リフトは9時からのようで、他のスキーヤー多数と待つ。開店しようと除雪している店に行き、トイレを借り、水を汲む。動き出したリフト最上部からは北アルプス、頸城三山・五岳がきれいに見える。シールを着けてさっそく出発。しかしトレースは無い。
黒姫山
高妻山
寺子屋スキー場・・・・・一ノ瀬スキー場の上にある
まず寺子屋峰の頂上認定。笠ヶ岳に横手山が見える。遠くには四阿山らしき山。寺子屋からはいったん鞍部へ下り、別のピークに向かうが、その先も下りなので北西面をトラバース。木が多くてたいへん。その先にもピークが二つ見えるがどちらがノッキリだろう(二つ目の先のコルのことを言うらしい)。足取りが重いのは夜通しのドライブのせいか。スタミナなし。岩菅の丸い頭はなかなか近づいてこない。滑降対象の西斜面にいかにもなだれそうな斜面が見えてくる。その昔、雪崩の起こったところかもしれない。ノッキリよりも手前。向こう側を滑ればよいだろう。
高社山
裏岩菅山(左)と岩菅山
岩菅山への稜線
三つ目のピーク(四つ目?)からは雪崩そうな東斜面を豪快にシールのまま滑る。雪庇が張り出してはいるが、尾根の上や西斜面トラバースばかりもしていられない。3時間弱でやっとノッキリ手前のピークに取り付く。登っている途中で振り返ると、すぐ後にパーティが迫っている。かなりゆっくり登ってきたし、後続パーティはラッセル・トレースを使えばペースも速まるだろうから、追いつかれるのはあたりまえとしても、この天気がよいのに登る人は意外に少ないようだ。
横手山
赤石山
金山沢ノ頭(寺子屋峰の東峰)
志賀山の二つのピーク
大高山
佐武流山
真下から見る岩菅山
ピークまで登ってもどうせ鞍部まで降りることになるので、途中で東斜面を滑り降りる。滑り降りた鞍部がノッキリだったようだ。そこから最後の登り。ペースを落として休まないように登る。斜面の左側に林、右側は雪庇状の崖になっている。傾斜がきつくなり、キックターンになるが、なにしろラッセルなのでペースが落ちる。ふと気付くと後続組は左側の林の中を追い越して行く。確かに雪崩のことを考えると林の中が正解。さっそくトレースを使わせてもらう。三人パーティの後からもう一人登ってきている。
寺子屋峰・・・・・この左の稜線を辿ってきた
平らな頂上の右が三角点峰2,125m
平らな頂上の左が金山沢ノ頭2.130m
笠ヶ岳(2006年3月24日映像)
岩菅山頂上手前の石板
岩菅山頂上
13時半頃頂上着。頂上手前に石板があったが、頂上は雪で全て埋もれていて、煙突の先端が見えているのみ。三人パーティはここには来ていない。左手の林に行ったのだろう。14時過ぎたら戻ろうと思っていたので、休まず直ちに裏岩菅へ向かう。心なしかだいぶ遠くに見える。往復2時間で15時半。もう尾根を戻る気はしないので、ノッキリのあたりから焼額めざして滑るのみ。こちらから見ると尾根と沢筋は焼額のスキー場に続いているように見える。まっすぐ滑ってゆけば林道にぶつかるだろう。
裏岩菅山
さて、裏岩菅は岩菅より100mくらい高いが、印象的な丸い頭ではなく、平らな頭をしており、岩菅から見ると左右に二つのピークがあるように見える(実際の頂上は右ピークの更に奥)。3回下降し、3回登り返すが、岩菅への最後の登りのようなのはなく、約45分で右ピークに到達。ただし、広い雪原を更に進んだ先が頂上だった。まっ平な頂上なので夏は湿原かもしれない。
岩菅山と裏岩菅山への稜線
裏岩菅山頂上
北端の頂上に岩菅には無かった頂上標識があった。風で雪が着かないのだろう。北東に尾根が伸びており、大きな背びれのように見える。北東の視界が広がったが、佐武流山のピークが分からない。たぶん背びれ尾根の向こうのやや平凡なピークが佐武流山で、その右手の頂上が白くややくねっているのが白砂山なのかなあ。左右に嵓ピークを従えた鳥甲山はスキー場からずっと見えている。風が強くなり、時々雪まじり(霰が顔に痛い)なのでマップ照合もせず引き返す。裏岩菅から見る岩菅はひどく低く見える。
鳥甲山
左右に嵓ピークを従えた鳥甲山はスキー場からずっと見えている。
苗場山
烏帽子岳
北東に尾根が伸びており、大きな背びれのように見える。
佐武流山
北東の視界が広がったが、佐武流山のピークが分からない。たぶん背びれ尾根の向こうのやや平凡なピークが佐武流山で、その右手の頂上が白くややくねっているのが白砂山なのかなあ。
白砂山
カヤノ平
焼額山スキー場
草津白根山
2260m峰と岩菅山
裏岩菅山
避難小屋の煙突
15時過ぎ岩菅着。誰もいない。他のパーティはどっちへ滑っていったのだろう。13時半なら尾根を戻ったとも考えられるが、岩菅の南斜面を滑った跡は無かった。やはり岩菅の西斜面の林の中を下りたのかな。
岩菅山の滑走
頂上でシールを外しているうちに突然吹雪となる。視界が悪くなり、焼額も霞んでいる。これはまずいと準備を急ぎ、ノッキリに向かって滑降。ノッキリから西斜面に向かう。木々をトラバースしているとどんどん沢へ降りていってしまう。夏道ルートだとノッキリの尾根の南側に出ないといけないので、少し無理をして登り返し、尾根を越える。
これでもう大丈夫と羽目を外して滑っていて転ぶ。ベタ雪にスキーを取られたらしい。沢が二手に分かれているところに出て初めてGPSを使う。左の沢筋に降りる。すると傾斜がなくなってしまい、止む無くシールを取り出す。頂上であわてて外したシールには雪が付いていて貼り付かない。去年の吾妻のときと同じ。シールが貼れないと行動が限定される。この時のために持っていたグルー(ダイン)を取り出すが、寒さのためか出てこない。爪楊枝をさしてもダメ。困ったと思いながらも、もう一方のスキーにシールを貼るとき、タオルでスキー面を拭くとシールの雪もついでに取れた。これで良いのだ!最初のスキーのシールに付いた雪をタオルではたくと雪が取れ、しっかりスキーに貼り付く!去年もこれで良かったのだ。
沢底をしばらく歩くがどうも不安なので左岸に登って行く。ずっとトラバースしながら歩いていくと、いったん急な斜面に出て滑り降りる。後には岩菅頂上がしっかり見えているが、行く先の焼額は全く見えない。滑り降りたところから少し登り返し、沢沿いにトラバースしていると、正面に尾根が見えてきた。マップにある沢の右折地点のようだ。せっかくのトラバースだが、下まで滑り降りる。GPSによると思ったより進んでいないようだ。もう16時半を回り、18時になったら雪洞を掘らなければいけないだろう。ビバークは良いとしても(ツエルトも非常食も水もバーナーもあり)、ホテルのキャンセル料が痛い。ともかくトラバースはもう止めてひたすら沢底を歩く。夏道は最後に左岸に登って駐車場に着くようになっているので、そのポイントを逃したくない。
アライタ沢の橋
17時を回り、ヘッドランプを取り出す。まだ明るいので点けない。左岸がだいぶ低くなり、手頃な登り斜面があったので登ってしまう。更に左の尾根まで登れば向かいに焼額が見えるかも、と思って登ってみたが何も見えず。仕方ないなあと思って沢の方を見下ろすと何やら道路のような黒い棒状のものが見える。ついに見つけた!と思って滑り降りて行くと、どうも橋のようである。林道は除雪されていないが、橋桁が黒く見えている。とにかく林道はそこから続いているはずなので、そちらに滑り降りる。
これでもうビバークは無し。予約したホテルへも行ける訳だ。ところが除雪されていない林道はスキーで歩いても沈み、すごく歩きにくい。ひとつスキーの跡があったが、北へ降りていってしまっていた(プリンスホテル方面かな)。少し進むと焼額のナイターの明かりが見えてきた。美しい。デジカメに撮る。しかしいくら歩いてもナイターへは近づかない。マップをみるとどうもこの林道は焼額へは行かないようだ。引き返してプリンスホテルへ向かうか迷ったが、1時間かけて歩くことにする(実際は2時間)。
15分も行くとスノーシューのトレースが左手土手から現れ、更に除雪された箇所に出て、だいぶ楽になる。30分くらいのところでナイター方面への分岐があり、誘惑に負けてそちらに進む。結局これはプリンスホテルの方へ向かっているようで、途中で引き返す。約30分のロス。何回が休んで水を飲み、ペースを守って進む。ヘッドライトが明るい。やがて一ノ瀬の西側スキー場のナイターが見えてきた。まだだいぶ遠い。
ナイター・スキー場
ついに一ノ瀬のバス停のところへ出て、そこにスキーとザックを置き、歩いて車を取りに歩く。ナイターをやっている人が見える。朝、スキーで降りてきた斜面を登り(失敗。車道を行くべきだった)、車にたどり着いたのは19時半頃。車の雪を払い、スキーとザックを取りに戻る。歩き通しで左足くるぶしが痛い。