裏岩手・曲崎山、大白森 一日中・花の旅
秋田県 曲崎山1,334m、大白森1,216m 2018年6月16日
(曲崎山)旧秋田県の山・脚注
(大白森)東北百名山
315
辛い登り
ふと見上げるとピンクの花
急ぐ足元に小さな花が咲いていて
立ち止まる
(花咲く縦走路)
✿✿✿✿✿
ようやく小白森の木道に着いて楽になる。今回はピンクのイワカガミがたくさん。ミツバオウレンの他に白い花が咲いていたが、どうやらミツガシワの花らしい。
小白森からいったん下ると、爆竹の音が聞こえ、なにやらサイレンの音がしている。登山道脇でタケノコを取っているらしい。ずいぶん賑やかだ。
大白森の頂上木柱の先にミツガシワの池があり、そこまで木道が枝分かれして伸びている。更に木道を北に進むと、木道の上まで顔を伸ばしているのはチングルマの群落。
木道の先に曲崎山らしき深緑のゆったりした山が見えている。縦位置なので近く見えるが、まだ5㎞以上のかなた。
大白森の木道末端から、未知の領域に踏み込む。最初は荒れていたが、少し下ると歩きやすくなる。これなら思ったより楽そうだ。サンカヨウの白い花が濡れて透明になっている。
1km弱下ると分岐表示があり、左の木道のすぐ先に大白森山荘があった。二階建ての整備の行き届いた山小屋で、二階には布団も干してあり、居心地よさそうだ。分岐の東側に水場もあった。
笹の切り分けの中の、山名標識が置いてあるだけの大沢森に到達。岩場の手前でもう少しと思って頑張っていると、ものすごい速さの男性が追い越していく。今度は縦走登山らしく、大きなザックをしょっていた。ツバメオモトの大きな葉と白い花。
曲崎山頂上手前まで登って、ようやく傾斜が緩くなると視界が広がり、頂上に湿原のある山が見えていて、それは大白森だと気付く。ずいぶん遠くまできたもんだ。その右奥には荷葉岳と石黒山。秋田駒はもう雲をかぶっていた。
再び林に入り、曲崎山頂上に到達。最初に簡素な頂上標識が見え、三角点はその手前にあった。ここにはツマトリソウがたくさん咲いており、ショジョウバカマもちらほら。裏岩手の最奥は静寂の中にあった。
距離11㎞を往復10時間で歩く計画だったが、結果は往復15時間。だけど花をたっぷり見れた、一日中・花の旅だった。
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6月中旬、西日本は梅雨に入り、福島も天気は悪化。日本海方面は良いようなので、曲崎山へ再挑戦。昨年はよく調べずに登って大白森で雨になって戻ったのだが、片道11㎞、標高差700mはあなどれない。時速2㎞で往復12時間はかかるだろう。夜明け前にヘッドランプで出るプランにする。
夜明け前のR46は空いていて、3時頃に鶴の湯に到着。駐車場は8分くらい入っていた。真っ暗な鶴の湯から神社の前を通り、すぐに林道となる。すると、背後から軽トラが2台やってきた。山菜とりだろう。前週に購入したモンベルのスティックは軽くて非常によい。もっていてもほとんど負担を感じない。軽トラは林道の途中の広場に駐車していて、既に5~6台が並んでいる。私は出遅れたようだ。ついでに、軽トラ駐車地点の少し手前にあった登山道入口に気づかず、林道を進んでしまう。GPSを見て間違っていることに気づき、林道を引返す。斜面を登ってトラバースも考えたが、険しそうなので止めておく。もう明るくなり、ヘッドランプを消す。
速足で登山道を登っていると、背後から追いついてくるパーティがいる。それは3人の山菜取りグループで、2度道を譲ったが、立ち止まって休んでいるので2度抜き返し、面倒なので追いつかれないようにペースを少し上げる。すると一つ前のパーティにも追いついてしまう。そのグループは林道で追い越して行った軽トラの人たちだったようで、「林道の先から登ってきたのか」と聞かれ「いや、間違えたので引き返した」と答える。背後の樹間に時々、秋田駒が見えていた。乳頭山や笊森山は頭が隠れていた。今日は曇の予報で、山は見えないと思っていた。見えるのは明け方だけかもしれないと思い、何度か立ち止まって撮影。道端にはマイヅルソウやユキザサ。
P1・1,101mの頂上直下にある乳頭山への分岐のところでヘッドランプをしまい、ガーデン手袋をはめる。下が濡れているので座って休めなかった。さっきの軽トラ・パーティともう一人が先に行く。P1の手前からぬかるみが多くなり、P1から小白森の間はぬかるみだらけ。P1から下るところに残雪があり、ぬかるみのところにも最近まで雪が残っていたのだろう。登山道は広くて傾斜も緩いのだが、広い登山道いっぱいにぬかるみがあり、靴がかなり埋まるので強硬には歩けず、端っこを歩いたり、木の枝の上をたどったり。また一人、えらく早い男性が追いついてきて先に行く。
ようやく小白森の木道に着いて楽になる。ここの湿原は、木道の両脇はだいぶ草原に変わってしまっているが、木道の奥の湿原は健在のようだ。木道の一番奥に頂上標識の木柱。今回はピンクのイワカガミがたくさん。ミツバオウレンの他に白い花が咲いていたが、どうやらイワイチョウの花らしい。因みに、地理院地図によると、小白森の最高点1,145mは南側にあり、頂上標識のある北側は1,144mとなっている。二つのピークは300mほどの距離だが、歩いているときは全く気付かなかった。小白森からいったん下ると、爆竹の音が聞こえ、なにやらサイレンの音がしている。登山道脇でタケノコを取っているらしい。ずいぶん賑やかだ。これだと、クマはもちろん他の人たちも近寄りにくいだろう。
小白森から大白森までは約1㎞だが、高低差が220mほどあり、埋まるほどではないが、滑りやすい道で歩きにくい。ここも大白森の木道に着いてほっとする。今度は最初から湿原の真っただ中。周囲の景観も撮影。イワカガミの群落、ミツバオウレンの群落、バイケイソウの白い花、まだツボミの多い赤いツツジ。そうこうしているうちに大白森の頂上木柱に着く。大白森の三角点1,216mは木道の西200mほどの丘にあり、木道からは行けない。因みに頂上木柱のあるあたりは1,210m。大白森の頂上木柱の先にイワイチョウの池があり、そこまで木道が枝分かれして伸びている。更に木道を北に進むと、木道脇から木道中央まで顔を伸ばしているのはチングルマの群落。大白森の木道は750m程度あり、500mあたりでいったん湿原が灌木で途切れるが木道は続いており、灌木を抜けると第二の湿原、更に第三の湿原がある。標高は1,210mから1,170mあたりまで緩く下っていき、木道の先に曲崎山らしき深緑のゆったりした山が見えている。縦位置なので近く見えるが、まだ5㎞以上のかなた。東の岩手山や高倉山は雲の中。
第三湿原の木道で休憩したと思う。パンを食べたかな。湿原の中に、モウセンゴケの小さな葉がたくさんある。昨年夏に来たときは木道の隙間にもモウセンゴケの葉が覗いていたが、もう花は終わっていた。今回は少し早すぎたようだ。大白森の木道末端から、未知の領域に踏み込む。最初は荒れていたが、少し下ると歩きやすくなる。これなら思ったより楽そうだ。サンカヨウの白い花が濡れて透明になっている。1km弱下ると分岐表示があり、左の木道のすぐ先に大白森山荘があった。二階建ての整備の行き届いた山小屋で、1階のストーブは壊れているようだったが、二階には布団も干してあり、居心地よさそうだ。分岐の東側に水場もあった。二階建てなのは、冬は二階を入口に使うためなのだろう。地図によると、すぐ東に姫潟があるはずだが、全く見えなかった。
最低コル950mから少し登り返したところに分岐があり、順路は右のトラバース路らしかったが、左にP4・999mに登っていく踏み跡をたどってみる。すると、踏み跡は明瞭になり、P4のあたりでトラバース路と思われる踏み跡と合流。これが順路と勘違いして更に進むと展望地があった。見えている山は大沢森だったが、大きく西から回り込むものと思って更に進む。どんどん下っていくので不安になり、GPSを見ると、なんと順路を大きく逸れて西に下っている。やれやれ、もっと早く気付くべきだった。このころはまだ元気で、急坂を淡々と登り返す。30分はロスしただろう。
P4・999mの合流点をトラバース路の方に下ると、果たして順路のもう一つの分岐に出た。地図には全く記載はないが、宝仙湖方面からの登山道のようだ。そこからなら、大白森山荘にも比較的行きやすいのだろう。大沢森への登り返しのあたりからペースがにぶりはじめる。休むべきだったが、ここまで来ていたので、曲崎山まで歩きとおすつもりだった。再びサイレンの音が聞こえたが、今度はスピーカーが登山道の木の枝に架けられていて、サイレンの音とラジオの音が交互に流れていた。これまた賑やか。人の姿は見ず。笹の切り分けの中の、山名標識が置いてあるだけの大沢森に到達。ここから曲崎山の間もコル1,080mから250mの登り返しで、途中までは緩い登りだが、その先に岩場の急傾斜があった。岩場の手前でもう少しと思って頑張っていると、ものすごい速さの男性が追い越していく。今度は縦走登山らしく、大きなザックをしょっていた。ツバメオモトの大きな葉と白い花。
岩場の登りではだいぶペースが落ち、曲崎山頂上手前まで登って、ようやく傾斜が緩くなると視界が広がり、頂上に湿原のある山が見えていて、それは大白森だと気付く。ずいぶん遠くまできたもんだ。その右奥には荷葉岳と石黒山。秋田駒はもう雲をかぶっていた。再び林に入り、曲崎山頂上に到達。最初に簡素な頂上標識が見え、三角点はその手前にあった。ザックを下ろして休憩。バナナを食べたと思う。ここにはツマトリソウがたくさん咲いており、ショジョウバカマもちらほら。裏岩手の最奥は静寂の中にあった。ここまでくればもう帰路についてよいのだが、7年前(2011年)に葛根田川から登り、縦走路に到達した東コルまで下ることにする。(そのときは東コルから八瀬森方面に向かった)。
曲崎山頂上の東に下っていくと視界が開け、八幡平・裏岩手の山々が見えたが、残念ながら雲で頭が隠れていて同定は難しい。八瀬森や関東森あたりは見えていたと思う。更に、シラネアオイの群落があり、ハクサンチドリと思われる赤い花も見た。傾斜は次第に急になり、やがて灌木帯、そして林に入り、なんとなく見覚えのある、切断された倒木のところまで到達し、引き返す。あの頃は高性能GPSを持っておらず、縦走路に出たときは歓喜の瞬間だった。そのとき、曲崎山まで登る計画だったのだが、時間の関係で登らなかった。ここまで来てよかった。曲崎山までの登り返しは、ザックを置いてきた分、多少楽だった。林を抜けて背後の視界が広がり、道端の花を写しながら登る
曲崎山からは、岩場を下ったあとは緩い下りで、割合に早いペースで歩ける。復路では、たくさん生えていたコゴミを採る。コシアブラ?(タラの芽?)を採ったのは初めて。トゲのある枯木の先に緑の芽が出ていて、まだ葉が開きかけのを採るが、たくさんあった。その後はタケノコも採り、豊作。大沢森への登り返しは緩かったが、頂上で休憩。もう山菜取りの音も人もいない。そこからも緩い下りで、比較的早く最低コル手前の宝仙湖分岐(北)に達する。宝仙湖分岐(南)には気づかず通過したが、コルからの登り返しはきつかった。なかなか大白森山荘まで着かない。
大白森山荘には寄らずに登り続ける。傾斜が次第にきつくなり、ペースが格段に落ちる。ようやく傾斜が緩み、大白森の木道末端に到達。朝は水浸しだったが、だいぶ水がひいていた。第三湿原の木道の上に横になって休む。ポツリ雨粒が落ちていた。雨が降ってくる前にタフに持ち替える。小白森に着いて再び木道の上で横になる。乳頭分岐で最後の休憩。土手に置いてあった標識の上に座り、一応、ヘッドランプを出す。結局、使わなかった。まだ暗くなる前に鶴の湯に到達。駐車場はほぼ満車。なぜかポルシェが3台ほど並んでいた。片付け、着替えている間に日が落ちる。もう19時。鶴の湯は15時までなので、スキー場の近くの水沢温泉に入る。ここの露天はすさまじく熱い。じっと我慢してあたたまる。
距離11㎞を往復10時間で歩く計画だったが、結果は往復15時間。だけど花をたっぷり見れた、一日中・花の旅だった。
ユキザサ
6月中旬、西日本は梅雨に入り、福島も天気は悪化。日本海方面は良いようなので、曲崎山へ再挑戦。昨年はよく調べずに登って大白森で雨になって戻ったのだが、片道11㎞、標高差700mはあなどれない。時速2㎞で往復12時間はかかるだろう。夜明け前にヘッドランプで出るプランにする。
白い小さな花(スダヤクシュというらしい)
夜明け前のR46は空いていて、3時頃に鶴の湯に到着。駐車場は8分くらい入っていた。真っ暗な鶴の湯から神社の前を通り、すぐに林道となる。すると、背後から軽トラが2台やってきた。山菜とりだろう。前週に購入したモンベルのスティックは軽くて非常によい。もっていてもほとんど負担を感じない。軽トラは林道の途中の広場に駐車していて、既に5~6台が並んでいる。私は出遅れたようだ。ついでに、軽トラ駐車地点の少し手前にあった登山道入口に気づかず、林道を進んでしまう。GPSを見て間違っていることに気づき、林道を引返す。斜面を登ってトラバースも考えたが、険しそうなので止めておく。もう明るくなり、ヘッドランプを消す。
夜明けの秋田駒
速足で登山道を登っていると、背後から追いついてくるパーティがいる。それは3人の山菜取りグループで、2度道を譲ったが、立ち止まって休んでいるので2度抜き返し、面倒なので追いつかれないようにペースを少し上げる。すると一つ前のパーティにも追いついてしまう。そのグループは林道で追い越して行った軽トラの人たちだったようで、「林道の先から登ってきたのか」と聞かれ「いや、間違えたので引き返した」と答える。背後の樹間に時々、秋田駒が見えていた。乳頭山や笊森山は頭が隠れていた。今日は曇の予報で、山は見えないと思っていた。見えるのは明け方だけかもしれないと思い、何度か立ち止まって撮影。道端にはマイヅルソウやユキザサ。
秋田駒ヶ岳
P1・1,101mの頂上直下にある乳頭山への分岐のところでヘッドランプをしまい、ガーデン手袋をはめる。下が濡れているので座って休めなかった。さっきの軽トラ・パーティともう一人が先に行く。P1の手前からぬかるみが多くなり、P1から小白森の間はぬかるみだらけ。P1から下るところに残雪があり、ぬかるみのところにも最近まで雪が残っていたのだろう。登山道は広くて傾斜も緩いのだが、広い登山道いっぱいにぬかるみがあり、靴がかなり埋まるので強硬には歩けず、端っこを歩いたり、木の枝の上をたどったり。また一人、えらく早い男性が追いついてきて先に行く。
ミヤマシキミ
ショウジョウバカマ
ミツバオウレン
オオカメノキ
イワカガミ
小白森の木道
ようやく小白森の木道に着いて楽になる。ここの湿原は、木道の両脇はだいぶ草原に変わってしまっているが、木道の奥の湿原は健在のようだ。木道の一番奥に頂上標識の木柱。今回はピンクのイワカガミがたくさん。ミツバオウレンの他に白い花が咲いていたが、どうやらイワイチョウの花らしい。因みに、地理院地図によると、小白森の最高点1,145mは南側にあり、頂上標識のある北側は1,144mとなっている。二つのピークは300mほどの距離だが、歩いているときは全く気付かなかった。小白森からいったん下ると、爆竹の音が聞こえ、なにやらサイレンの音がしている。登山道脇でタケノコを取っているらしい。ずいぶん賑やかだ。これだと、クマはもちろん他の人たちも近寄りにくいだろう。
イワカガミ
バイケイソウ
ツツジ
タチシオデ
イワイチョウ
小白森・頂上標識
ツツジ
小白森から見る秋田駒
イワイチョウ
小白森から大白森までは約1㎞だが、高低差が220mほどあり、埋まるほどではないが、滑りやすい道で歩きにくい。ここも大白森の木道に着いてほっとする。今度は最初から湿原の真っただ中。周囲の景観も撮影。イワカガミの群落、ミツバオウレンの群落、バイケイソウの白い花、まだツボミの多い赤いツツジ。そうこうしているうちに大白森の頂上木柱に着く。大白森の三角点1,216mは木道の西200mほどの丘にあり、木道からは行けない。因みに頂上木柱のあるあたりは1,210m。大白森の頂上木柱の先にイワイチョウの池があり、そこまで木道が枝分かれして伸びている。更に木道を北に進むと、木道脇から木道中央まで顔を伸ばしているのはチングルマの群落。大白森の木道は750m程度あり、500mあたりでいったん湿原が灌木で途切れるが木道は続いており、灌木を抜けると第二の湿原、更に第三の湿原がある。標高は1,210mから1,170mあたりまで緩く下っていき、木道の先に曲崎山らしき深緑のゆったりした山が見えている。縦位置なので近く見えるが、まだ5㎞以上のかなた。東の岩手山や高倉山は雲の中。
ツマトリソウ
ハクサンチドリ
大白森から南の景観: 乳頭山(雲の中)、笊森山、湯森山、笹森山、秋田駒ヶ岳、和賀岳、白岩山、小白森、石黒山、荷葉岳
バイケイソウ
チングルマ
ヒメシャクナゲ
チングルマ
ムシトリスミレ?
大白森から北の景観: 大白森・三角点付近、大白森・頂上標識、曲崎山、八瀬森、大深岳
大白森・頂上標識
曲崎山
イワイチョウの池
モウセンゴケ
ワタスゲ
森吉山
大白森から森吉山方面: 森吉山、内大沢森、倉沢山、大沢森、曲崎山
大白森・第二湿原のチングルマ
大白森・第二湿原のモウセンゴケ
(木道から下る)
サンカヨウ
サンカヨウ
コシアブラ?(タラの芽?)
樹間の曲崎山
大白森山荘
第三湿原の木道で休憩したと思う。パンを食べたかな。火曜日に入れた入歯を外して食べ、歯ブラシできれいにしてから戻したが、これでは何のための入歯なのかわからないと気づく。湿原の中に、モウセンゴケの小さな葉がたくさんある。昨年夏に来たときは木道の隙間にもモウセンゴケの葉が覗いていたが、もう花は終わっていた。今回は少し早すぎたようだ。大白森の木道末端から、未知の領域に踏み込む。最初は荒れていたが、少し下ると歩きやすくなる。これなら思ったより楽そうだ。サンカヨウの白い花が濡れて透明になっている。1km弱下ると分岐表示があり、左の木道のすぐ先に大白森山荘があった。二階建ての整備の行き届いた山小屋で、1階のストーブは壊れているようだったが、二階には布団も干してあり、居心地よさそうだ。分岐の東側に水場もあった。二階建てなのは、冬は二階を入口に使うためなのだろう。地図によると、すぐ東に姫潟があるはずだが、全く見えなかった。
整然とした山荘内部
エンレイソウ
999m峰頂上標識
最低コル950mから少し登り返したところに分岐があり、順路は右のトラバース路らしかったが、左にP4・999mに登っていく踏み跡をたどってみる。すると、踏み跡は明瞭になり、P4のあたりでトラバース路と思われる踏み跡と合流。これが順路と勘違いして更に進むと展望地があった。見えている山は大沢森だったが、大きく西から回り込むものと思って更に進む。どんどん下っていくので不安になり、GPSを見ると、なんと順路を大きく逸れて西に下っている。やれやれ、もっと早く気付くべきだった。このころはまだ元気で、急坂を淡々と登り返す。30分はロスしただろう。
宝仙湖方面下山路から見る大沢森方面
ユキザサ
白い花のツボミ(アマドコロ?)
ツバメオモト
P4・999mの合流点をトラバース路の方に下ると、果たして順路のもう一つの分岐に出た。地図には全く記載はないが、宝仙湖方面からの登山道のようだ。そこからなら、大白森山荘にも比較的行きやすいのだろう。大沢森への登り返しのあたりからペースがにぶりはじめる。休むべきだったが、ここまで来ていたので、曲崎山まで歩きとおすつもりだった。再びサイレンの音が聞こえたが、今度はスピーカーが登山道の木の枝に架けられていて、サイレンの音とラジオの音が交互に流れていた。これまた賑やか。人の姿は見ず。笹の切り分けの中の、山名標識が置いてあるだけの大沢森に到達。ここから曲崎山の間もコル1,080mから250mの登り返しで、途中までは緩い登りだが、その先に岩場の急傾斜があった。岩場の手前でもう少しと思って頑張っていると、ものすごい速さの男性が追い越していく。今度は縦走登山らしく、大きなザックをしょっていた。ツバメオモトの大きな葉と白い花。
大沢森頂上標識
ツバメオモト
ミツバオウレン
曲崎山
ミズバショウ
ミズバショウの湿地
シラネアオイ
キスミレ
シラネアオイ
ツマトリソウ
大白森(曲崎山・頂上付近より)
岩場の登りではだいぶペースが落ち、曲崎山頂上手前まで登って、ようやく傾斜が緩くなると視界が広がり、頂上に湿原のある山が見えていて、それは大白森だと気付く。ずいぶん遠くまできたもんだ。その右奥には荷葉岳と石黒山。秋田駒はもう雲をかぶっていた。再び林に入り、曲崎山頂上に到達。最初に簡素な頂上標識が見え、三角点はその手前にあった。ザックを下ろして休憩。バナナを食べたと思う。またまた入歯を外して食べた。(このときはチャク付ビニル小袋に入れたが、)入歯の容器があれば、もう少し機動的に使えるだろう(数日後、小さなプラスチック容器を入手)。ここにはツマトリソウがたくさん咲いており、ショジョウバカマもちらほら。裏岩手の最奥は静寂の中にあった。ここまでくればもう帰路についてよいのだが、7年前(2011年)に葛根田川から登り、縦走路に到達した東コルまで下ることにする。(そのときは東コルから八瀬森方面に向かった)。
曲崎山・頂上付近から南の景観: 秋田駒ヶ岳、大白森、荷葉岳
曲崎山の二等三角点
曲崎山・頂上標識
ショウジョウバカマ
曲崎山の東尾根を見下ろす
曲崎山頂上の東に下っていくと視界が開け、八幡平・裏岩手の山々が見えたが、残念ながら雲で頭が隠れていて同定は難しい。八瀬森や関東森あたりは見えていたと思う。更に、シラネアオイの群落があり、ハクサンチドリと思われる赤い花も見た。傾斜は次第に急になり、やがて灌木帯、そして林に入り、なんとなく見覚えのある、切断された倒木のところまで到達し、引き返す。あの頃は高性能GPSを持っておらず、縦走路に出たときは歓喜の瞬間だった。そのとき、曲崎山まで登る計画だったのだが、時間の関係で登らなかった。ここまで来てよかった。曲崎山までの登り返しは、ザックを置いてきた分、多少楽だった。林を抜けて背後の視界が広がり、道端の花を写しながら登る
曲崎山から東の景観
ショウジョウバカマ
引返し点
白いイワカガミ
ハクサンチドリ
ゴゼンタチバナ
カラマツソウ
ツマトリソウ
ミズバショウ
曲崎山からは、岩場を下ったあとは緩い下りで、割合に早いペースで歩ける。復路では、往路で自粛していた山菜取りに取組む。コンビニ袋をウェストバッグの端にぶらさげ、たくさん生えていたコゴミを採る。コシアブラ?(タラの芽?)を採ったのは初めて。トゲのある枯木の先に緑の芽が出ていて、まだ葉が開きかけのを採るが、たくさんあった。その後はタケノコも採り、豊作。大沢森への登り返しは緩かったが、頂上で休憩。もう山菜取りの音も人もいない。そこからも緩い下りで、比較的早く最低コル手前の宝仙湖分岐(北)に達する。宝仙湖分岐(南)には気づかず通過したが、コルからの登り返しはきつかった。なかなか大白森山荘まで着かない。
ツバメオモト
サンカヨウ
スダヤクシュ
(大白森の木道)
モウセンゴケ
大白森山荘には寄らずに登り続ける。傾斜が次第にきつくなり、ペースが格段に落ちる。ようやく傾斜が緩み、大白森の木道末端に到達。朝は水浸しだったが、だいぶ水がひいていた。第三湿原の木道の上に横になって休む。ポツリ雨粒が落ちていた。雨が降ってくる前にタフに持ち替える。小白森に着いて再び木道の上で横になる。乳頭分岐で最後の休憩。土手に置いてあった標識の上に座り、一応、ヘッドランプを出す。結局、使わなかった。まだ暗くなる前に鶴の湯に到達。駐車場はほぼ満車。なぜかポルシェが3台ほど並んでいた。片付け、着替えている間に日が落ちる。もう19時。鶴の湯は15時までなので、スキー場の近くの水沢温泉に入る。ここの露天はすさまじく熱い。じっと我慢してあたたまる。
チングルマ
ワタスゲ
ヒメシャクナゲ
イワイチョウの池
(鶴の湯神社付近)
タニウツギ
鶴ノ湯神社・門標
鶴ノ湯神社
登山口の鳥居
鳥居の門標
距離11㎞を往復10時間で歩く計画だったが、結果は往復15時間。だけど花をたっぷり見れた、一日中・花の旅だった。
問合せ・コメント等、メール宛先: kawabe.goro@meizan-hitoritabi.com