穂高岳 蒼き空、白き峰
長野県 奥穂高岳3.190m 2005年5月3日
日本百名山
183
10時半過ぎ、頂上着。一番高いところに祠があり、大勢の人がいる。へばり切って、疲労困憊だったが、あの穂高の頂上に立ち、気分は最高だった。周りでは知人に携帯や無線をかける人たちの声。「今、穂高の頂上だ・・・・・」。我にかえって周りを見る。登るときは時々あった強風も今はなく、燦燦と日が照り、青空の下に諸山が連なる。乗鞍と御岳。木曽駒らしき連嶺。甲斐駒と八ヶ岳に、あれは浅間かな。
コルからの滑走は、疲れていてしんどかったが、急な傾斜にバランスに気を付けてターンを刻んでいく。急斜面に両手を広げてジャンプターンを切ると一瞬、宙に体が浮く。鳥になった気分。
🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈
俺はただ無心に登った。はるかなる白き峰しか見ていなかった。
体は疲れ果て、太陽はまぶしく、汗がしたたり落ちた。
それでも俺は登るのを止めなかった。上がらぬ足を騙し、惰性で登った。
頂上に着いたとき、俺の頭はからっぽになった。すごく、いい気分だった。
俺は天空から下界を見下ろしていた。天空は穏やかだったが、去らねばならなかった。
そこで俺はスキー板を履き、天空から滑った。
俺は風になっていた
(はるかなる白き峰)
☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀☀
明るくなる前から目覚め、テントの煙突穴から外を見ていたが、明るくなった5時半頃に外に出て奥穂高岳を下から見上げる。頂上から滑れるというが、どうにも滑れそうもないように見える。そんな訳で出発が遅れ、涸沢発6時半過ぎ。
前後のパーティに追いついたり追い越されたり。途中で振り返ると常念が見える。初めて見たがそれと分かる。スキーを持った人はまるでいない。前日はいたそうだが、みな下の方で滑っていたらしい。
9時半過ぎ、白出コル着。右手の涸沢岳では登山訓練していて、ピッケルを持って滑り降りている。私は結局、スキーを置いて頂上へ向かう。ハシゴと鎖場の次は急な雪壁の登り。ピッケルを突き立てるのではなく、穴にはめ込んでつっかい棒にして登る。降りるのが大変そうだ。
西に笠ヶ岳と白山が見えている。笠も初めて見るのだが、すぐそれと分かる。やがて槍が見えてくる。近く見えるが、実際にはかなり遠いだろう。尾根を回ったところで西側の斜面が見えてくる。へばっていて、休み休み登る。蒼い空に白い峰、すばらしい景観!
10時半過ぎ、頂上着。一番高いところに祠があり、大勢の人がいる。へばり切って、疲労困憊だったが、あの穂高の頂上に立ち、気分は最高だった。周りでは知人に携帯や無線をかける人たちの声。「今、穂高の頂上だ・・・」。我にかえって周りを見る。登るときは時々あった強風も今はなく、燦燦と日が照り、青空の下に諸山が連なる。乗鞍と御岳。木曽駒らしき連嶺。甲斐駒と八ヶ岳に、あれは浅間かな。常念。槍。あの遠くの高いのが立山で、その左の大きいのが薬師かなあ。そして笠と白山。しばらくデジカメを撮る。そして、祠の向こう側に回ってみて愕然。雪がついていて、さっきの斜面につながっている。これが直登ルンゼか、40度あるかもしれないが、斜行していってターンすれば十分に滑れるだろう。唯一の心残り。
下りは渋滞。ピッケル穴にピッケルを差し込んで慎重に降りる。
コルでは、なんと学生が看板を前後にぶら下げて呼込みをやっている。「ビールどうですか!カレー、ラーメン、ソバどうですか!」こんなところで、こんな格好でビールを売っているとは・・・・・しばしカルチャーショックに苛まれるも、我に返り、ビール・ロング缶を750円で買い、崩れたクッキーを食べながら飲む。うまい。
コルからの滑走は、疲れていてしんどかったが、急な傾斜にバランスに気を付けてターンを刻んでいく。ジャンプターンするときに両手を広げると、一瞬、宙に体が浮く。鳥になった気分。快調に滑っていると雪が流れ落ち、下から登ってくる人に迷惑。「すみませーん」と大声で謝り、下に人のいないところに移動する。滑りにくいデブリを渡り、12時半前、テント着。テントを畳んでいる人たち。新しく来た人たち。
テントを畳む前にヒュッテに行って食事。おでんとビール。食堂は満員。テントを畳んでいると次の人がやって来る。
13時半、涸沢発。テントの証標を返し、スロープをゆるゆる降りていくと、下からは長蛇の列。16時、横尾着。河原にテントを張り、場代500円とチーズ・チクワを買う。翌日は槍ヶ岳に向かったが、この夜はまたしても満天の星空。
D1
上高地バス停
徳沢付近から見る明神岳と前穂高岳
横尾谷から見上げる涸沢カール
D2
朝の涸沢
明るくなる前から目覚め、テントの煙突穴から外を見ていたが、明るくなった5時半頃に外に出て奥穂高岳を下から見上げる。頂上から滑れるというが、どうにも滑れそうもないように見える。そんな訳で出発が遅れ、涸沢発6時半過ぎ。
常念岳とテント村
前後のパーティに追いついたり追い越されたり。途中で振り返ると常念が見える。初めて見たがそれと分かる。スキーを持った人はまるでいない。前日はいたそうだが、みな下の方で滑っていたらしい。
常念岳
直登ルンゼ入口
前穂高岳
白出コル
9時半過ぎ、白出コル着。右手の涸沢岳では登山訓練していて、ピッケルを持って滑り降りている。私は結局、スキーを置いて頂上へ向かう。ハシゴと鎖場の次は急な雪壁の登り。ピッケルを突き立てるのではなく、穴にはめ込んでつっかい棒にして登る。降りるのが大変そうだ。
涸沢岳と穂高山荘
白山
西に笠ヶ岳と白山が見えている。笠も初めて見るのだが、すぐそれと分かる。
笠ヶ岳
涸沢岳、槍ヶ岳、北穂高岳
やがて槍が見えてくる。近く見えるが、実際にはかなり遠いだろう。
直登ルンゼと奥穂高岳頂上
尾根を回ったところで西側の斜面が見えてくる。へばっていて、休み休み登る。蒼い空に白い峰、すばらしい景観!
ジャンダルム
奥穂高岳頂上
10時半過ぎ、頂上着。一番高いところに祠があり、大勢の人がいる。へばり切って、疲労困憊だったが、あの穂高の頂上に立ち、気分は最高だった。周りでは知人に携帯や無線をかける人たちの声。「今、穂高の頂上だ・・・」。我にかえって周りを見る。登るときは時々あった強風も今はなく、燦燦と日が照り、青空の下に諸山が連なる。乗鞍と御岳。木曽駒らしき連嶺。甲斐駒と八ヶ岳に、あれは浅間かな。常念。槍。あの遠くの高いのが立山で、その左の大きいのが薬師かなあ。そして笠と白山。しばらくデジカメを撮る。そして、祠の向こう側に回ってみて愕然。雪がついていて、さっきの斜面につながっている。これが直登ルンゼか、40度あるかもしれないが、斜行していってターンすれば十分に滑れるだろう。唯一の心残り。
御岳と乗鞍岳
前穂高岳
六百山と霞沢岳
奥穂高岳頂上を見上げる
下りは渋滞。ピッケル穴にピッケルを差し込んで慎重に降りる。
コルでは、なんと学生が看板を前後にぶら下げて呼込みをやっている。「ビールどうですか!カレー、ラーメン、ソバどうですか!」こんなところで、こんな格好でビールを売っているとは・・・・・しばしカルチャーショックに苛まれるも、我に返り、ビール・ロング缶を750円で買い、崩れたクッキーを食べながら飲む。うまい。
コルからの滑走1
コルからの滑走は、疲れていてしんどかったが、急な傾斜にバランスに気を付けてターンを刻んでいく。ジャンプターンするときに両手を広げると、一瞬、宙に体が浮く。鳥になった気分。快調に滑っていると雪が流れ落ち、下から登ってくる人に迷惑。「すみませーん」と大声で謝り、下に人のいないところに移動する。滑りにくいデブリを渡り、12時半前、テント着。テントを畳んでいる人たち。新しく来た人たち。
コルからの滑走2
おでん屋
テントを畳む前にヒュッテに行って食事。おでんとビール。食堂は満員。テントを畳んでいると次の人がやって来る。
涸沢に登る人々
13時半、涸沢発。テントの証標を返し、スロープをゆるゆる降りていくと、下からは長蛇の列。
横尾テントサイト
16時、横尾着。河原にテントを張り、場代500円とチーズ・チクワを買う。翌日は槍ヶ岳に向かったが、この夜はまたしても満天の星空。
四周から見る穂高岳
霞沢岳から見る両翼を広げた穂高連峰(2009年5月10日)
鏡平から見る迫力の奥穂高岳(2008年5月3日)
鏡平から見る穂高連峰(2008年5月3日)
前穂高岳から見る傾いた奥穂高岳(2012年4月29日)
槍ヶ岳から見る重厚な穂高連峰(2005年5月4日)
蝶ヶ岳から見る秀麗な穂高連峰と縦走パーティ(2008年8月2日)
常念岳から見る残雪の奥穂高岳(2008年8月2日)
乗鞍岳から見る槍ヶ岳と美しい吊尾根の穂高連峰(2006年3月25日)
鉢盛山から見る晩秋の穂高連峰と槍ヶ岳(2008年11月3日)
問合せ・コメント等、メール宛先: kawabe.goro@meizan-hitoritabi.com