飯豊山 夏の雪渓、花の稜線、連峰の景観

山形県  飯豊本山2,105m 、 北股岳 2,025m、宝珠山1,811m  2004年8月9日~11日(テント2泊)

新潟県  大日岳 2,128m 

(飯豊連峰)日本百名山

(北股岳)東北百名山、新潟百名山

(飯豊本山)東北百名山、会津百名山、新潟百名山

(大日岳)新潟百名山

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最初の雪渓はアイゼンを着けずに登る。3ヶ所で雪渓が切れているという。次の雪渓に着き、アイゼンを着けて登る。次第に傾斜が増すが、ガスも次第に晴れてくる。正面の北股岳は出会から見えていて、「飯豊連峰の石転雪渓と北股岳」は絵になる。

テントを張ってから北股岳に登ると、キンポウゲにマツムシソウがたくさん咲いていた。北股岳は2年ぶり。ガスの中で、小さな鳥居と祠にお参り。

二日目の朝、風が強くガスも出ていて暗い。ガスで何も見えない長い尾根歩きだが、花が満開。黄色い花に白い花。ビスケットをかじりながら行く。交通量は多く、向こうから来る人に後ろから追い抜いて行く人。10時前に御西小屋。

またしても見えない大日岳に登るのか。サブザックのみで大日岳に向かい、12時前に大日岳に着き、西大日岳に向かう。最初のハイマツの中を抜け、坂を下るとあとは確かな踏跡を辿る。大きな雪渓にチングルマの草地。ガスの中をピークをいくつか越え、ついに西大日の三角点とケルンに着く。しばし感慨にひたる。岩場に咲いていたのはコゴメグサ。

本山小屋の近くにテントを張り、カレーを作って食べる。17時を回り、夕日のなかに大日岳が黒々と浮かんでいる。夜起きると満天の星。

最終日の朝、本山小屋を過ぎると、本山と駒形山が並んでいる。これもこの2年間で初めて見た。心に想像してきた姿が見れて感激。「これを夢見てきたんだ…」のフレーズが頭をよぎる。

ダイグラ尾根の岩場だらけの下り道はなかなか厳しい。千本峰を越え、休場ノ峰を過ぎると、はるか下にダム湖の白が見え、水音が聞こえてくる。


石転雪渓と北股岳: 次第に傾斜が増すが、ガスも次第に晴れてくる。正面の北股岳は出会から見えていて、「飯豊連峰の石転雪渓と北股岳」は絵になる
夕日の大日岳: 17時を回り、夕日のなかに大日岳が黒々と浮かんでいる。夜起きると満天の星。
駒形山と飯豊本山: 最終日の朝、本山小屋を過ぎると、本山と駒形山が並んでいる。これもこの2年間で初めて見た。心に想像してきた姿が見れて感激
キンポウゲ
マツムシソウ
チングルマ
D1 6:40 飯豊山荘P発10:48 石転沢出合11:24 石転雪渓13:28 雪渓終了15:25 梅花皮小屋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り8時間45分16:25 梅花皮小屋発16:55 北股岳17:22 梅花皮小屋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・北股岳往復57分
D2 5:55 梅花皮小屋発 6:25 梅花皮岳 6:53 烏帽子岳 8:10 御手洗池 8:50 天狗の庭 9:21 天狗岳 9:49 御西小屋・・・・・・・・・・・・・・・・・梅花皮小屋から3時間54分10:25 御西小屋発11:40 大日岳12:15 西大日岳12:55 大日岳14:08 御西小屋・・・・・・・・・・・・・・・・・御西小屋から西大日岳往復3時間43分14:22 御西岳15:28 駒形山16:04 飯豊本山16:25 本山小屋・・・・・・・・・・・・・・・・・御西小屋から2時間17分D2合計10時間30分
D3 5:40 本山小屋発 6:05 飯豊本山 8:16 宝珠山10:41 千本峰11:11 千本峰発12:04 休場ノ峰13:59 吊橋14:53 飯豊山荘P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下り9時間13分

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(D1)

朝の飯豊山荘には夏休みを楽しむ家族や子供たち。6時半過ぎ、駐車場出発。テントとビールを詰め込んだザックは重い。スティックを一本折ってしまったので、最初に買ったスティックを代わりに使う。型の違う2本だが、割と良かった。7時過ぎ温身平。梅花皮岳は雲で見えない。しかし雲間から日が射してきて暑い。ゆっくり登る。やはり今年は雪が少なく、昨年残雪が残っていた川辺には雪なし。11時前、石転出合。ここにも雪は残っておらず、沢を徒渉する。靴は水をはじいている。マップと比較すると、例年の8月末頃の雪しか残っていない。左岸まで再度徒渉して草のなかを登る。沢の中の石が動いて足を滑らす。草原にコゴミの大群。昼用に少し採る。最初の雪渓はアイゼンを着けずに登る。3ヶ所で雪渓が切れているという。11時半に次の雪渓に着き、アイゼンを着けて登る。6本アイゼンなので爪先は使わない。30分毎に立ったまま休憩。次第に傾斜が増すが、ガスも次第に晴れてくる。正面の北股岳は出会から見えている。「飯豊連峰の石転雪渓と北股岳」これは絵になる。

中央に大きな穴が開いているところや、ヒビ割れのあるところがある。二つ目の切れ目は短く、アイゼンを着けたまま越える。前を行く二人連れの後を辿ると、雪のヒビ割れを越えたり、大きな石のところを通ったり。一人だったら迂回しただろう。13時半、北股の真下の岸に上がり、アイゼンを外す。不安定なところでザックを背負おうとしてバランスを崩し、左手を少し切る。バンドエイドで手当。昨年と同じく雪渓に一旦戻って登り、岸に上がって最後の登り。これがつらかった。靴のヒモが切れたので帰るという男性。降りるのも大変だろう。この位置からだと北股の山頂は見えず、尖ったピークがいくつか見えている。15時半、梅花皮小屋着。テントが既に4帳くらい張ってあり、南側の石ころの多いところにザックを降ろす。とりあえず食事をし、(ゆでたコゴミはうまかった)テントを張る。すると管理人が現れて500円払えという。テントを張ってから管理人小屋へ行き、届を書いて500円払う。北股に登っていくとキンポウゲにマツムシソウがたくさん咲いている。17時前、北股岳。2年ぶり。小さな鳥居がある。食事していたとき見えていた大日岳はもはや見えず、下の雪渓を眺める。テントに戻り、風が出てきたので食材とガスコンロを小屋に持込み、1階でカレーを食べ、それからテントに戻って寝る。このテントは初めて使うが、昨年御西に泊まったときより風は強いようだ。

(D2)

風が強くガスも出ていて暗いので、5時の出発を遅らせる。ぼつぼつ回りも起き出し、テントを畳んで6時前に梅花皮小屋出発。ガスの梅花皮岳を登る。6時半、梅花皮岳。7時前、烏帽子岳。ガスで何も見えない。学生らしき3人組。ここからは長い尾根歩きだが、高山植物の花が満開。黄色い花はアキノキリンソウ、キオンやオタカラコウ。白い花はコバイケイソウ、大きなシシウドの花、ちぢれたイワイチョウ。ピンクのハクサンフウロ。ビスケットをかじりながら行く。8時過ぎ、御手洗池。このあたりが2年前に迷った場所のはずだが、今回は認識せずに過ぎる。9時前、天狗庭。この先に天狗岳と思っていたピークとなるが、(考えてみると3年ともガスで位置関係を把握できず)後日、遠くから見た天狗岳の頂上はもっと御西小屋寄りだった。交通量は多く、向こうから来る人に後ろから追い抜いて行く人。10時前、御西小屋。

小屋の回りにザックが並べてあり、たぶん大日岳に登っているのだろう。ここで食事をしてから登ることにし、ラーメンを食べる。またしても見えない大日岳に登るのか。一応、レインウェアの上下を着、タイガース・ザックのみで大日岳に向かう。この道沿いには白いハクサンイチゲ。途中、突然雨となり、タイガース・ザックの上からレインウェアを着る。11時半過ぎ、大日岳。雨の頂上に少し先に着いた人が一人。あとの大勢は下ってしまったらしく、いない。御西小屋でザックをしょって大日岳へ向かった4~5人はオンベ松を下ったのだろうか?オンベ松の方へ少し下り、どうするか悩むが、1時間ちょっとで大日岳に着いたので時間は十分あると思い、西大日岳に向かう。最初のハイ松の中を抜け、坂を下るとあとは踏み跡の確かな山道を辿る。大きな雪渓にチングルマの草地。ガスの中をピークをいくつか越え、ついに西大日。12時過ぎ。三角点とケルン。しばし感慨にひたる。岩場に咲いていたのはコゴメグサ。13時前、大日岳に戻る。ハイ松を突っ切って頂上に着くと、男性が一人。ウェストバッグがだいぶ濡れてしまった。中身を全部コンビニ袋に移す。

14時過ぎ、御西小屋。だいぶ疲れている。重いザックを背負い、ゆっくり本山に向かう。無理せずに御西小屋にテントを張ることも考えたが、この時間なら本山へ十分行けるだろう。14時半前、御西岳。一応、三角点まで行ってみる。ここから先の道沿いにマツムシソウの大群落。15時半、駒形山を過ぎた頃からガスが晴れ始める。目の前に本山が姿を現わす。感激。ヨロヨロと本山を登る。16時、本山。一年ぶりのはずだが、祠が壊れて屋根だけ残っている。ここから駒形山を見るのも初めて。しかし、本山小屋に向かっているとまたガスで隠れてしまう。ここにも黄色に少し橙色のキンポウゲ。

16時半、本山小屋。その手前で今度は大日岳が見えてくる。これも初めてのこと。本山小屋のすぐ下の裸地にテント・スペースが空いていたので迷わずそこにテントを張り、水場に向かう。水場は思ったよりも離れていて、そこの裸地にテントがたくさんあった。ここにすべきだったか。とにかく水場に降りて水を補給。ところが水量が乏しく、一本一本時間をかけて入れる。テントに戻り、風はそれほどでもないと思い、テントの入口でカレーを作って食べる。17時を回り、夕日のなかに大日岳が黒々と浮かんでいる。ロープでテントを二ヶ所抑え、レインウェア上下を着込んで寝る。夜起きると満天の星。しかし、会津方面の上空で稲妻らしき光が閃いている。風強し。気温も低下。

(D3)

この日はダイグラを降りるだけなので、5時起き、6時出発で良いとも思ったが、外が明るくなったので少し早く起きる。5時前、日の出。またしても見えている大日岳を何度も写す。本山小屋の人が水を汲みに降りていくのを尻目にテントを片づけて出発。5時半過ぎ。本山小屋を過ぎると、本山と駒形山が並んでいる。これもこの2年間心に想像してきた姿。感激。(「これを夢見てきたんだ…」のフレーズがよぎる)6時、本山。駒形、御西、大日が並んで見える。御西の右側に天狗岳。これも遠くから認識したのは初めて。

さて、ダイグラを下り始める。ビスケットをかじり、デジカメを写しながらゆっくり行くと、学生3人組に抜かれる。半袖半ズボン。ジーパンもいる。こちらはまだ上下レインウェアに軍手。(下って行くにつれて順次脱いでいく)岩場だらけの下り道はなかなか厳しい。8時過ぎ、宝珠山。この前に二つほどピークがあったが、いずれからも本山は見えなかったので、宝珠山の肩だろう。本山の見えるピークが宝珠山に違いない。この先にもうひとつピークがあるが、これは宝珠頂上よりもわずかに低く、しかも道は頂上をトラバースしている。ここまで約2時間は余り遅れていない。(それとも30分遅れ?)ここを過ぎると本山は宝珠の陰になって見えなくなる(確かに本山から千本峰は見えない)。細尾根に咲いていたのはカラマツソウやシロバナニガナ。

だいぶ下って、千本峰の前のピークをトラバースし、最初の千本峰と思われるピーク(右手の木の枝をつかんで石の壁を登る)を過ぎた先に千本峰の標識。10時半過ぎ。この先のところで食事にする。このあたりで見た白い花はウメバチソウ。雪渓で会った夫婦が追いついてきた。黄色いザックカバーが目印なんだそうだ。このあたりからガスが出始めて、朝は見えていた北股や杁差は見えなくなる。よって、下るスピードは若干増す。昨年と違い、下り道はぬかるんではいない。枯木と緑がまとわりついた気味悪い峰をトラバースし、次の峰のピークを過ぎると三角点。休場の峰。12時。思ったより千本峰に近い。はるか下にダム湖の白が見え、水音が聞こえてくる。14時前、吊橋。感覚的には昨年のときよりもそんなに長く感じなかったが、タイムをみると休場の峰から2時間かかっている。吊橋を降りたところで道をまちがえ、(左に回ったが、右に行くのが正しい。布印があった)沢沿いの道を行く。玉川の源流だが、ここではもうかなり広い。第一、第二玉川ダムを過ぎ、林道に出る。14時半前。思ったより早かった。14時半、温身平に出ると、梅花皮岳が見えている。ガスが出ていたのに幸運。15時前、駐車場着。飯豊山荘に行き、風呂に入り、それから会津若松に向かう。

石転沢と雪渓

朝の飯豊山荘には夏休みを楽しむ家族や子供たち。6時半過ぎ、駐車場出発。テントとビールを詰め込んだザックは重い。スティックを一本折ってしまったので、最初に買ったスティックを代わりに使う。型の違う2本だが、割と良かった。7時過ぎ温身平。梅花皮岳は雲で見えない。しかし雲間から日が射してきて暑い。ゆっくり登る。やはり今年は雪が少なく、昨年残雪が残っていた川辺には雪なし。11時前、石転出合。ここにも雪は残っておらず、沢を徒渉する。靴は水をはじいている。マップと比較すると、例年の8月末頃の雪しか残っていない。左岸まで再度徒渉して草のなかを登る。沢の中の石が動いて足を滑らす。草原にコゴミの大群。昼用に少し採る。

雪渓末端

最初の雪渓はアイゼンを着けずに登る。3ヶ所で雪渓が切れているという。11時半に次の雪渓に着き、アイゼンを着けて登る。6本アイゼンなので爪先は使わない。30分毎に立ったまま休憩。

北股岳

石転雪渓と北股岳

次第に傾斜が増すが、ガスも次第に晴れてくる。正面の北股岳は出会から見えている。「飯豊連峰の石転雪渓と北股岳」これは絵になる。

中央に大きな穴が開いているところや、ヒビ割れのあるところがある。二つ目の切れ目は短く、アイゼンを着けたまま越える。前を行く二人連れの後を辿ると、雪のヒビ割れを越えたり、大きな石のところを通ったり。一人だったら迂回しただろう。

キンポウゲ

13時半、北股の真下の岸に上がり、アイゼンを外す。不安定なところでザックを背負おうとしてバランスを崩し、左手を少し切る。バンドエイドで手当。昨年と同じく雪渓に一旦戻って登り、岸に上がって最後の登り。これがつらかった。靴のヒモが切れたので帰るという男性。降りるのも大変だろう。この位置からだと北股の山頂は見えず、尖ったピークがいくつか見えている。15時半、梅花皮小屋着。テントが既に4帳くらい張ってあり、南側の石ころの多いところにザックを降ろす。とりあえず食事をし、(ゆでたコゴミはうまかった)テントを張る。すると管理人が現れて500円払えという。テントを張ってから管理人小屋へ行き、届を書いて500円払う。

マツムシソウ

北股に登っていくとキンポウゲにマツムシソウがたくさん咲いている。17時前、北股岳。2年ぶり。小さな鳥居がある。食事していたとき見えていた大日岳はもはや見えず、下の雪渓を眺める。テントに戻り、風が出てきたので食材とガスコンロを小屋に持込み、1階でカレーを食べ、それからテントに戻って寝る。このテントは初めて使うが、昨年御西に泊まったときより風は強いようだ。

梅花皮小屋

北股岳頂上

アキノキリンソウ

風が強くガスも出ていて暗いので、5時の出発を遅らせる。ぼつぼつ回りも起き出し、テントを畳んで6時前に梅花皮小屋出発。ガスの梅花皮岳を登る。6時半、梅花皮岳。7時前、烏帽子岳。ガスで何も見えない。学生らしき3人組。ここからは長い尾根歩きだが、高山植物の花が満開。黄色い花はアキノキリンソウ、キオンやオタカラコウ。白い花はコバイケイソウ、大きなシシウドの花、ちぢれたイワイチョウ。ピンクのハクサンフウロ。ビスケットをかじりながら行く。8時過ぎ、御手洗池。このあたりが2年前に迷った場所のはずだが、今回は認識せずに過ぎる。9時前、天狗庭。この先に天狗岳と思っていたピークとなるが、(考えてみると3年ともガスで位置関係を把握できず)後日、遠くから見た天狗岳の頂上はもっと御西小屋寄りだった。交通量は多く、向こうから来る人に後ろから追い抜いて行く人。

シシウド

コバイケイソウ

キオン

ハクサンフウロ

オタカラコウ

イワイチョウ

ハクサンフウロ

御西小屋

10時前、御西小屋。小屋の回りにザックが並べてあり、たぶん大日岳に登っているのだろう。ここで食事をしてから登ることにし、ラーメンを食べる。またしても見えない大日岳に登るのか。一応、レインウェアの上下を着、タイガース・ザックのみで大日岳に向かう。この道沿いには白いハクサンイチゲ。途中、突然雨となり、タイガース・ザックの上からレインウェアを着る。

ハクサンイチゲ

チングルマ

大日岳頂上

11時半過ぎ、大日岳。雨の頂上に少し先に着いた人が一人。あとの大勢は下ってしまったらしく、いない。御西小屋でザックをしょって大日岳へ向かった4~5人はオンベ松を下ったのだろうか?オンベ松の方へ少し下り、どうするか悩むが、1時間ちょっとで大日岳に着いたので時間は十分あると思い、西大日岳に向かう。

西大日岳頂上

最初のハイ松の中を抜け、坂を下るとあとは踏み跡の確かな山道を辿る。大きな雪渓にチングルマの草地。ガスの中をピークをいくつか越え、ついに西大日。12時過ぎ。三角点とケルン。しばし感慨にひたる。岩場に咲いていたのはコゴメグサ。13時前、大日岳に戻る。ハイ松を突っ切って頂上に着くと、男性が一人。ウェストバッグがだいぶ濡れてしまった。中身を全部コンビニ袋に移す。

コゴメグサ

御西岳頂上

14時過ぎ、御西小屋。だいぶ疲れている。重いザックを背負い、ゆっくり本山に向かう。無理せずに御西小屋にテントを張ることも考えたが、この時間なら本山へ十分行けるだろう。14時半前、御西岳。一応、三角点まで行ってみる。ここから先の道沿いにマツムシソウの大群落。15時半、駒形山を過ぎた頃からガスが晴れ始める。目の前に本山が姿を現わす。感激。ヨロヨロと本山を登る。16時、本山。一年ぶりのはずだが、祠が壊れて屋根だけ残っている。ここから駒形山を見るのも初めて。しかし、本山小屋に向かっているとまたガスで隠れてしまう。ここにも黄色に少し橙色のキンポウゲ。

駒形山頂上から飯豊本山

飯豊本山頂上

キンポウゲ

夕日の大日岳

16時半、本山小屋。その手前で今度は大日岳が見えてくる。これも初めてのこと。本山小屋のすぐ下の裸地にテント・スペースが空いていたので迷わずそこにテントを張り、水場に向かう。水場は思ったよりも離れていて、そこの裸地にテントがたくさんあった。ここにすべきだったか。とにかく水場に降りて水を補給。ところが水量が乏しく、一本一本時間をかけて入れる。テントに戻り、風はそれほどでもないと思い、テントの入口でカレーを作って食べる。17時を回り、夕日のなかに大日岳が黒々と浮かんでいる。ロープでテントを二ヶ所抑え、レインウェア上下を着込んで寝る。夜起きると満天の星。しかし、会津方面の上空で稲妻らしき光が閃いている。風強し。気温も低下。

テントの夕食

夕日の大日岳2

夜明け

この日はダイグラを降りるだけなので、5時起き、6時出発で良いとも思ったが、外が明るくなったので少し早く起きる。5時前、日の出。またしても見えている大日岳を何度も写す。本山小屋の人が水を汲みに降りていくのを尻目にテントを片づけて出発。5時半過ぎ。

本山小屋

飯豊本山

本山小屋を過ぎると、本山と駒形山が並んでいる。これもこの2年間心に想像してきた姿。感激。(「これを夢見てきたんだ…」のフレーズがよぎる)6時、本山。駒形、御西、大日が並んで見える。御西の右側に天狗岳。これも遠くから認識したのは初めて。

飯豊本山とダイグラ尾根: 大日岳(雲の中)、御西岳、駒形山、天狗岳、飯豊本山、宝珠山、ダイグラ尾根

飯豊本山から南の景観: 飯豊山南峰、磐梯山、草履塚、疣岩山、牛首山、大日岳(雲の中)、御西岳、駒形山、天狗岳

飯豊山南峰と磐梯山

大日岳から北股岳の稜線: 駒形山、大日岳、御西岳、天狗岳、烏帽子岳(手前)、北股岳(奥)、梅花皮岳(中)

杁差岳

宝珠山

さて、ダイグラを下り始める。ビスケットをかじり、デジカメを写しながらゆっくり行くと、学生3人組に抜かれる。半袖半ズボン。ジーパンもいる。こちらはまだ上下レインウェアに軍手。(下って行くにつれて順次脱いでいく)岩場だらけの下り道はなかなか厳しい。8時過ぎ、宝珠山。この前に二つほどピークがあったが、いずれからも本山は見えなかったので、宝珠山の肩だろう。本山の見えるピークが宝珠山に違いない。この先にもうひとつピークがあるが、これは宝珠頂上よりもわずかに低く、しかも道は頂上をトラバースしている。ここまで約2時間は余り遅れていない。(それとも30分遅れ?)ここを過ぎると本山は宝珠の陰になって見えなくなる(確かに本山から千本峰は見えない)。細尾根に咲いていたのはカラマツソウやシロバナニガナ。

宝珠山頂上から飯豊本山

カラマツソウ

シロバナニガナ

千本峰

だいぶ下って、千本峰の前のピークをトラバースし、最初の千本峰と思われるピーク(右手の木の枝をつかんで石の壁を登る)を過ぎた先に千本峰の標識。10時半過ぎ。この先のところで食事にする。このあたりで見た白い花はウメバチソウ。老夫婦が追いついてきた。黄色いザックカバーが目印なんだそうだ。このあたりからガスが出始めて、朝は見えていた北股や杁差は見えなくなる。よって、下るスピードは若干増す。昨年と違い、下り道はぬかるんではいない。

ウメバチソウ

休場ノ峰の三角点

枯木と緑がまとわりついた気味悪い峰をトラバースし、次の峰のピークを過ぎると三角点。休場の峰。12時。思ったより千本峰に近い。はるか下にダム湖の白が見え、水音が聞こえてくる。

吊橋

14時前、吊橋。感覚的には昨年のときよりもそんなに長く感じなかったが、タイムをみると休場の峰から2時間かかっている。吊橋を降りたところで道をまちがえ、(左に回ったが、右に行くのが正しい。布印があった)沢沿いの道を行く。玉川の源流だが、ここではもうかなり広い。第一、第二玉川ダムを過ぎ、林道に出る。14時半前。思ったより早かった。14時半、温身平に出ると、梅花皮岳が見えている。ガスが出ていたのに幸運。15時前、駐車場着。飯豊山荘に行き、風呂に入り、それから会津若松に向かう。

問合せ・コメント等、メール宛先: kawabe.goro@meizan-hitoritabi.com