丹後山 越後の展望尾根

新潟県  丹後山1,809m、大水上山1,831m  2017年10月8日

(丹後山)新潟百名山

(大水上山)日本の山1,000

256

すっかり涼しくなって、朝は肌寒いほど

澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込み

もう紅葉の山道を登る

秋の抜けるような青空が広がれば

心は山野を駆け巡る

(秋の山旅)

☁☁☁☁☁

最初に見えた南の山はどうやらネコブと下津川山。今度は北の山が見えてきて、これは日向山らしい。その後、941m地点あたりで視界が大きく開け、中ノ岳が見えてきた。これはすごい。しばらく見つめ、何度も何枚も何回も写す。

北の主稜線は広くて緩い快適な縦走路。のんびり歩いていくと避難小屋が見えてきた。だだっ広い笹原の頂上の一角に建つ小さな建物。近づくと、最初に会った二人が帰り支度をしていた。「ごくろうさま」。避難小屋のすぐ先の丘の上に丹後山の頂上があった。三角点と頂上標識。南東には尾瀬の平ヶ岳や至仏山、北に中ノ岳に至る縦走路、大パノラマの頂上。

霧の中でまったく視界なしの次のピークには利根川水源碑があった。実はそこの標高1834mは大水上山1831mよりも高いらしい。大水上山が日本の山1,000に選ばれている理由が利根川水源であるなら、この利根川水源峰も大水上山の一角ということなのだろう。

緩いアップダウンの先で大水上山頂上に到達。疲れたが、目標達成。今度はザックを下ろし、横になって休む。

途中で見つけた温泉に寄って男性を下ろす。そこは日帰り入浴をやっていなかったので、私はすぐに出たが、男性はそこでタクシーに連絡がついたとのこと。無事に帰れただろうか。東京から土曜に越後駒ヶ岳に登り、中ノ岳を越えて十字峡に下ったらしいが、土曜は雨だったから、大変だったろう。ここにも山の猛者が一人。

日曜は晴れて大展望が広がり、本当に良かった。丹後山への山旅は、格別の越後の展望尾根だった。

北の主稜線は広くて緩い快適な縦走路。のんびり歩いていくと避難小屋が見えてきた。だだっ広い笹原の頂上の一角に建つ小さな建物。避難小屋のすぐ先の丘の上に丹後山の頂上があった。
941m地点あたりで視界が大きく開け、中ノ岳が見えてきた。これはすごい。しばらく見つめ、何度も何枚も何回も写す。
ネコブ山
日の出
咲き残りの大きなフウロ
利根川水源碑
5:08  十字峡P発 5:13  ゲート 6:01  登山口 8:22  標高941m地点10:21  八合目・1,470m岩峰10:54  丹後山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り5時間46分11:26  利根川水源峰11:40  大水上山・・・・・・・・・・・・・・・・・丹後山から46分         ・・・・・・・・・・・・十字峡Pから登り6時間32分11:50  大水上山発12:00  利根川水源峰12:28  丹後山12:53  八合目・1,470m岩峰14:02  標高941m地点15:45  登山口16:37  ゲート16:42  十字峡P・・・・・・・・・・・・丹後山から4時間14分        ・・・・・・・・・・・・大水上山から4時間52分        ・・・・・・・・・・・・・往復11時間34分

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堀之内インターで降りたのはあまり正解ではなかった。狭い道。小出インターでも金額はそう変わるまい。カーナビ3000円が割引2500円くらい。JAで現金会員券を申し込んで給油。リッター120円。道の駅ゆのたには大きな道の駅で、停まっている車も多かった。撮りためたNFLとMLBを見ながら食事。ダルと田中はレギュラー最終戦は勝利。眠くなり、21時頃就寝。寒くないので、上下のダウンのみでシュラフなし。夜明けは寒かった。やっぱり風邪気味だったか。

3時アラームで起きられなかったが、4時前に道の駅を出る。準備をしていて、コールマン・スティックの中段が1本ないことに気づく。茫然。スティック1本で大水上まで登れるだろうか。十字峡の南ルートはトンネルが通行止め。一瞬、面食らうが、北ルートは通じていた。なんだ。たどり着いた十字峡駐車場は満車寸前の大入りで、ヘッドランプがうろうろしている。スペースに停め、スティック1本を持って歩き始める。靴はコネロ。車に置いていたヘッドランプを使用。蝙蝠で長時間使ったブラックダイヤモンドのヘッドランプを予備に持っていく。

真っ暗な舗装路を歩いてトンネル入口。今度はGPSの地図が出ない。悪いことは続くものだ。トンネル脇の駐車場にも数台駐車してあり、その先のゲートに丹後山方面の道標。登山届ボックスもあったが、用紙がない。諦めて進もうとすると、ヘッドランプの二人がやってきた。丹後山に登る人もいるのか、と思う。後の二人は早そうなので、途中で先に行ってもらう。登山口まで三国川沿いの林道を2.4㎞ほど。音はすれど川の姿は見えず。背後には更なるヘッドランプ。次第に明るくなるが、小雨が降っている。登山口のところでヘッドランプをしまい、タフに持ち替える。タフのバッテリーが切れていて、システムもリセットされてしまっていて、現在時刻をインプット。画像ナンバーもリセットされてしまった。その間に背後の4人組も先に行く。

最初からすごい急登で、「急ですねえ」と言いながらすたすたと登っていく人。その人のほかにもたくさん私を抜いていく。やっと傾斜が緩くなったと思ったら一合目で、ここで二人に追いつく。だが、一生懸命登っても、二人はぴったり後にいる。のろい方のペースメーカーにされてしまったか。樹間に風景が見え、立ち止まって写すが、二人は先に行ってくれない。オーバーペースで疲れてきたので、二合目のところで休憩。二人は「三合目まで行こうか」と言っている。雨は上がり、霧も晴れてきたので、再びイクシーを取り出す。

最初に見えた南の山はどうやら下津川山とネコブ山。まだ登っていない中越の名峰が私を呼んでいる。今度は北の山が見えてきて、これは日向山らしい。その後、941m地点あたりで視界が大きく開け、中ノ岳が見えてきた。これはすごい。しばらく見つめ、何度も何枚も何回も写す。四合目で休憩する前後で、三人組が先に行く。「ストックの傘を落としませんでしたか」と声をかけられ、それは確かに私の1本だけのスティックの傘だった。「ありがとうございます」と受け取るが、ゴムも無くなっていた。ショック。これでコールマンのゴムを無くすのは何度目だろう。布をかぶせるとかすべきか。

六合目付近で休憩場所がなく、七合目まで登る。途中でさっきの三人組に追いつくが、すぐに抜き返される。このあたりから視界が大きく開ける。今度は学生グループが先に行き、その後から岩場を登ると八合目ピーク。完全に視界が開け、すばらしいパノラマ。休んでいる学生グループを残して先に行く。行く手の稜線の道を行く登山者が数人、見える。あの大きな丸いのが丹後山、その先の、中ノ岳に続く稜線の緩いピークが大水上山だろう。あの緩いアップダウンなら行けそうだ、と思う。

南には、下津川山に続く稜線が伸びていたが、その上の登山道が見当たらない。無いのかな、と思ったが、稜線の九合目に分岐標識があり、巻機山、と表示されていた。だが、笹の中に切り分けは見当たらない。微かに残っているのだろうか。北の主稜線は広くて緩い快適な縦走路。のんびり歩いていくと避難小屋が見えてきた。だだっ広い笹原の頂上の一角に建つ小さな建物。近づくと、最初に会った二人が帰り支度をしていた。「ごくろうさま」。避難小屋のすぐ先の丘の上に丹後山の頂上があった。三角点と頂上標識。南東には尾瀬の平ヶ岳や至仏山、北に中ノ岳に至る縦走路、大パノラマの頂上。

時刻は11時前。すぐに大水上山に向かう。人もいなくなり、ウォークマンを起動して音楽鑑賞。下りは登りほどかからないだろうが、一応、ヘッドランプ覚悟。稜線の右下に池塘があるなあ。ところが、この頃から霧がかかり始める。霧の中でまったく視界なしの次のピークには利根川水源碑があった。実はそこの標高1834mは大水上山1831mよりも高いらしい。大水上山が日本の山1,000に選ばれている理由が利根川水源であるなら、この利根川水源峰も大水上山の一角ということなのだろう。緩いアップダウンの先で大水上山頂上に到達。疲れたが、目標達成。今度はザックを下ろし、横になって休む。

うとうとして(少し夢を見たかも)起き上がると、なんと人がやってきた。その人は兎岳まで行くか迷っていたようだ。「兎まで1㎞ですね、見えていたら登ったかもしれないが、この霧ではねえ」と私。

丹後山に戻るまでに、避難小屋から来たらしい空身の数人、大きなザックの縦走の数人に会う。ここから中ノ岳の避難小屋までは相当につらいだろう。利根川水源の先でさっきの男性が追いつき、先に下って行った。ところが丹後山頂上が近づくと、なんと霧が晴れだし、中ノ岳や兎が見えてきた。それを写しているカメラマン。下りの途中までは左右の大パノラマを何度も写しながら下る。最初はピョンピョン飛び降りながらだったが、少しづつ痛くなりそうだった左足の痛みが次第に耐えられなくなってくる。

休まないで五合目まで下ったのも良くなかったかもしれないが、それより、ダブルスティックでないのが致命的だったと思う。足だけで衝撃を受け続けると、すぐに足が痛くなる。左足をかばっていて、今度は右足が痛くなってきた。最初は、下りの休憩は2度、五合目と登山口、と威勢がよかったが、五合目の先で耐えられなくなり、三合目からは連続して休憩。学生グループが先に下っていく。

2011年に買ったコネロは下りで足が痛むので使いづらかったが、靴ひもの結び方を変えてから痛まなくなっていた。だが最近、左足首自体の具合が悪く、途中から痛くなりそうな前兆があり、何度もアキレス腱を伸ばしたり、足首を回したりしていた。蝙蝠の時はなんとか最後までもったが、丹後ではダメだった。重い靴の影響もあるだろうが、ダブルスティックだとだいぶカバーできただろう。

水は、ポカリは多めに(5本プラス前回飲み残し半分)持って行ったが、4本と半分を飲み干す。多めで正解だった。冬用の厚手上着に秋用の厚手ズボン。レインウェア上下を着ていき、上は7合目あたりで脱ぐ。下を脱いだのは下りの登山口でだったかな。ようやく登山口に着くと、学生グループが歩き始めるところ。彼等が去った後、横になって休む。1本スティックをザックに収納し、ゆっくり歩く。平地だとほとんど痛くないが、早くは歩けない。ここでも一人が先に行く。

数十メートル下を豪快に流れている三国川を写しながら歩く。大きな岩の間の急流、青い淵、山腹を流れ落ちる細い滝。そして紅葉。ようやく駐車地点に着き、着替えようとしていると、男性が話しかけてきて、「タクシーを呼ぼうとしたがスマホがつながらない。つながるところまで乗せてほしい」と頼まれる。最近は助手席が機材でふさがっているので、荷台ならいい、着替えるまで待ってくれ、と答える。

タクシーに連絡できるところまで、男性には荷台に乗ってもらったが、やはり助手席を空けて乗ってもらうべきだったと思う。機材をすぐにどけられるよう工夫しよう。(最初にあったはずの畔地温泉というのに気づかず、)途中で見つけた温泉に寄って男性を下ろす。そこは日帰り入浴をやっていなかったので、私はすぐに出たが、男性はそこでタクシーに連絡がついたとのこと。無事に帰れただろうか。東京から土曜に越後駒ヶ岳に登り、中ノ岳を越えて十字峡に下ったらしいが、土曜は雨だったから、大変だったろう。ここにも山の猛者が一人。

日曜は晴れて大展望が広がり、本当に良かった。大柄なネコブと鋭鋒の下津川山のコントラスト。すぐに分かった盟主、中ノ岳の雄姿。尾瀬の中央に並ぶ平ヶ岳と至仏山。丸い大きな丹後山から大水上、兎を経て中ノ岳につながる主稜線。そして下りの時に見た、中ノ岳の左に立つ入道岳の長い首。それらの上にいたときも忘れられない記憶になっている。

日帰り温泉まで男性も連れてくるべきだったかなあ、と思ったが、次に寄った温泉も日帰りなし、三つ目の温泉は見つからずだったので、下手に連れまわさなくて正解だった。岩原とガーラの温泉まで、約30㎞を南下している途中、日帰り温泉を見つける。900円はやや高かったが、露天も複数のよい温泉だった。

夜明け前の十字峡の道標

堀之内インターで降りたのはあまり正解ではなかった。狭い道。小出インターでも金額はそう変わるまい。カーナビ3000円が割引2500円くらい。JAで現金会員券を申し込んで給油。リッター120円。道の駅ゆのたには大きな道の駅で、停まっている車も多かった。撮りためたNFLとMLBを見ながら食事。ダルと田中はレギュラー最終戦は勝利。眠くなり、21時頃就寝。寒くないので、上下のダウンのみでシュラフなし。夜明けは寒かった。やっぱり風邪気味だったか。

ネコブ山

3時アラームで起きられなかったが、4時前に道の駅を出る。準備をしていて、コールマン・スティックの中段が1本ないことに気づく。茫然。スティック1本で大水上まで登れるだろうか。十字峡の南ルートはトンネルが通行止め。一瞬、面食らうが、北ルートは通じていた。なんだ。たどり着いた十字峡駐車場は満車寸前の大入りで、ヘッドランプがうろうろしている。スペースに停め、スティック1本を持って歩き始める。靴はコネロ。車に置いていたヘッドランプを使用。蝙蝠で長時間使ったブラックダイヤモンドのヘッドランプを予備に持っていく。

下津川山とネコブ山

真っ暗な舗装路を歩いてトンネル入口。今度はGPSの地図が出ない。悪いことは続くものだ。トンネル脇の駐車場にも数台駐車してあり、その先のゲートに丹後山方面の道標。登山届ボックスもあったが、用紙がない。諦めて進もうとすると、ヘッドランプの二人がやってきた。丹後山に登る人もいるのか、と思う。後の二人は早そうなので、途中で先に行ってもらう。登山口まで三国川沿いの林道を2.4㎞ほど。音はすれど川の姿は見えず。背後には更なるヘッドランプ。次第に明るくなるが、小雨が降っている。登山口のところでヘッドランプをしまい、タフに持ち替える。タフのバッテリーが切れていて、システムもリセットされてしまっていて、現在時刻をインプット。画像ナンバーもリセットされてしまった。その間に背後の4人組も先に行く。

日向山

最初からすごい急登で、「急ですねえ」と言いながらすたすたと登っていく人。その人のほかにもたくさん私を抜いていく。やっと傾斜が緩くなったと思ったら一合目で、ここで二人に追いつく。だが、一生懸命登っても、二人はぴったり後にいる。のろい方のペースメーカーにされてしまったか。樹間に風景が見え、立ち止まって写すが、二人は先に行ってくれない。オーバーペースで疲れてきたので、二合目のところで休憩。二人は「三合目まで行こうか」と言っている。雨は上がり、霧も晴れてきたので、再びイクシーを取り出す。

8時前の日の出

最初に見えた南の山はどうやら下津川山とネコブ山。まだ登っていない中越の名峰が私を呼んでいる。今度は北の山が見えてきて、これは日向山らしい。その後、941m地点あたりで視界が大きく開け、中ノ岳が見えてきた。これはすごい。しばらく見つめ、何度も何枚も何回も写す。四合目で休憩する前後で、三人組が先に行く。「ストックの傘を落としませんでしたか」と声をかけられ、それは確かに私の1本だけのスティックの傘だった。「ありがとうございます」と受け取るが、ゴムも無くなっていた。ショック。これでコールマンのゴムを無くすのは何度目だろう。布をかぶせるとかすべきか。

中ノ岳

六合目付近で休憩場所がなく、七合目まで登る。途中でさっきの三人組に追いつくが、すぐに抜き返される。このあたりから視界が大きく開ける。今度は学生グループが先に行き、その後から岩場を登ると八合目ピーク。完全に視界が開け、すばらしいパノラマ。休んでいる学生グループを残して先に行く。行く手の稜線の道を行く登山者が数人、見える。あの大きな丸いのが丹後山、その先の、中ノ岳に続く稜線の緩いピークが大水上山だろう。あの緩いアップダウンなら行けそうだ、と思う。

丹後山

南には、下津川山に続く稜線が伸びていたが、その上の登山道が見当たらない。無いのかな、と思ったが、稜線の九合目に分岐標識があり、巻機山、と表示されていた。だが、笹の中に切り分けは見当たらない。微かに残っているのだろうか。北の主稜線は広くて緩い快適な縦走路。のんびり歩いていくと避難小屋が見えてきた。だだっ広い笹原の頂上の一角に建つ小さな建物。近づくと、最初に会った二人が帰り支度をしていた。「ごくろうさま」。避難小屋のすぐ先の丘の上に丹後山の頂上があった。三角点と頂上標識。南東には尾瀬の平ヶ岳や至仏山、北に中ノ岳に至る縦走路、大パノラマの頂上。

稜線から北の眺望:中ノ岳、兎岳、大水上山、利根川水源峰、丹後山

稜線から南の眺望:平ヶ岳、至仏山、越後沢山、本谷山、小沢岳、下津川山、ネコブ山、巻機山

至仏山

時刻は11時前。すぐに大水上山に向かう。人もいなくなり、ウォークマンを起動して音楽鑑賞。下りは登りほどかからないだろうが、一応、ヘッドランプ覚悟。稜線の右下に池塘があるなあ。ところが、この頃から霧がかかり始める。霧の中でまったく視界なしの次のピークには利根川水源碑があった。実はそこの標高1834mは大水上山1831mよりも高いらしい。大水上山が日本の山1,000に選ばれている理由が利根川水源であるなら、この利根川水源峰も大水上山の一角ということなのだろう。緩いアップダウンの先で大水上山頂上に到達。疲れたが、目標達成。今度はザックを下ろし、横になって休む。

武尊山?

丹後山と避難小屋

大きなフウロ

赤い葉(イワヤツデ?)

丹後山頂上

丹後山から北と東の情景:中ノ岳、兎岳、利根川水源峰、荒沢岳、会津駒ヶ岳? 平ヶ岳

兎岳と大水上山・利根川水源峰

平ヶ岳

池塘

平ヶ岳と草黄葉

中ノ岳

利根川水源碑

大水上山

アキノキリンソウ

大水上山頂上

うとうとして(少し夢を見たかも)起き上がると、なんと人がやってきた。その人は兎岳まで行くか迷っていたようだ。「兎まで1㎞ですね、見えていたら登ったかもしれないが、この霧ではねえ」と私。

ミツバオウレン

丹後山に戻るまでに、避難小屋から来たらしい空身の数人、大きなザックの縦走の数人に会う。ここから中ノ岳の避難小屋までは相当につらいだろう。利根川水源の先でさっきの男性が追いつき、先に下って行った。ところが丹後山頂上が近づくと、なんと霧が晴れだし、中ノ岳や兎が見えてきた。それを写しているカメラマン。下りの途中までは左右の大パノラマを何度も写しながら下る。最初はピョンピョン飛び降りながらだったが、少しづつ痛くなりそうだった左足の痛みが次第に耐えられなくなってくる。

南への稜線と道標

休まないで五合目まで下ったのも良くなかったかもしれないが、それより、ダブルスティックでないのが致命的だったと思う。足だけで衝撃を受け続けると、すぐに足が痛くなる。左足をかばっていて、今度は右足が痛くなってきた。最初は、下りの休憩は2度、五合目と登山口、と威勢がよかったが、五合目の先で耐えられなくなり、三合目からは連続して休憩。学生グループが先に下っていく。

稜線から北と西の情景:越後沢山、本谷山、小沢岳、下津川山、ネコブ山、巻機山、阿寺山、入道岳、中ノ岳、丹後山

入道岳と中ノ岳

八合目・1,470m岩峰の頂上

八合目直下からの眺望:越後沢山、本谷山、下津川山、ネコブ山、巻機山、阿寺山、入道岳、中ノ岳、兎岳、大水上山、利根川水源峰、丹後山、八合目・1,470m峰

阿寺山と入道岳

2011年に買ったコネロは下りで足が痛むので使いづらかったが、靴ひもの結び方を変えてから痛まなくなっていた。だが最近、左足首自体の具合が悪く、途中から痛くなりそうな前兆があり、何度もアキレス腱を伸ばしたり、足首を回したりしていた。蝙蝠の時はなんとか最後までもったが、丹後ではダメだった。重い靴の影響もあるだろうが、ダブルスティックだとだいぶカバーできただろう。

紅葉

水は、ポカリは多めに(5本プラス前回飲み残し半分)持って行ったが、4本と半分を飲み干す。多めで正解だった。冬用の厚手上着に秋用の厚手ズボン。レインウェア上下を着ていき、上は7合目あたりで脱ぐ。下を脱いだのは下りの登山口でだったかな。ようやく登山口に着くと、学生グループが歩き始めるところ。彼等が去った後、横になって休む。1本スティックをザックに収納し、ゆっくり歩く。平地だとほとんど痛くないが、早くは歩けない。ここでも一人が先に行く。

中ノ岳

雲を引く中ノ岳

登山口

ヨメナ

三国川の狭い淵

数十メートル下を豪快に流れている三国川を写しながら歩く。大きな岩の間の急流、青い淵、山腹を流れ落ちる細い滝。そして紅葉。ようやく駐車地点に着き、着替えようとしていると、男性が話しかけてきて、「タクシーを呼ぼうとしたがスマホがつながらない。つながるところまで乗せてほしい」と頼まれる。最近は助手席が機材でふさがっているので、荷台ならいい、着替えるまで待ってくれ、と答える。

三国川の深い淵

落合橋

ゲート

十字峡の山神様

タクシーに連絡できるところまで、男性には荷台に乗ってもらったが、やはり助手席を空けて乗ってもらうべきだったと思う。機材をすぐにどけられるよう工夫しよう。(最初にあったはずの畔地温泉というのに気づかず、)途中で見つけた温泉に寄って男性を下ろす。そこは日帰り入浴をやっていなかったので、私はすぐに出たが、男性はそこでタクシーに連絡がついたとのこと。無事に帰れただろうか。東京から土曜に越後駒ヶ岳に登り、中ノ岳を越えて十字峡に下ったらしいが、土曜は雨だったから、大変だったろう。ここにも山の猛者が一人。

十字峡の駐車場

日曜は晴れて大展望が広がり、本当に良かった。大柄なネコブと鋭鋒の下津川山のコントラスト。すぐに分かった盟主、中ノ岳の雄姿。尾瀬の中央に並ぶ平ヶ岳と至仏山。丸い大きな丹後山から大水上、兎を経て中ノ岳につながる主稜線。そして下りの時に見た、中ノ岳の左に立つ入道岳の長い首。それらの上にいたときも忘れられない記憶になっている。

太平山PAの人形植木鉢

日帰り温泉まで男性も連れてくるべきだったかなあ、と思ったが、次に寄った温泉も日帰りなし、三つ目の温泉は見つからずだったので、下手に連れまわさなくて正解だった。岩原とガーラの温泉まで、約30㎞を南下している途中、日帰り温泉を見つける。900円はやや高かったが、露天も複数のよい温泉だった。