白馬岳 峻厳なる白峰、長大なる雪渓

富山県  2,932m  2017年4月30日

日本百名山

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猿倉駐車場に着くと、正面に白馬岳が待ち構えていた。遠目には左右に稜線を広げた華麗な姿だが、近くから見るとごつごつした岩で鎧われていて、近寄りがたい峻厳な存在に見える。しかも高い。あそこまで標高差1,700m。

雪の林道を進むと白馬岳の頂上は見えなくなるが、白馬大雪渓が現われる。青い空の下、白馬岳の岩の裾野を巻くように白い雪渓が伸びている。

雪渓のずっと先では杓子岳の上で雲が舞っている。稜線付近は風が強そうだ。今のうちにネックウォーマーをかぶり、手袋も替える。

稜線が近づくと傾斜がきつく、風が強くなり、シールからアイゼンに変更。大勢登ってきた人たちはまだ下、上から降りてきた3人に会う。

頂上宿舎を越えて稜線に上がると視界が広がり、隣の旭岳と背後の杓子岳が印象的。だが、風が強くて歩いている人は少ない。

白馬山荘を越え、ようやく白馬岳頂上に着く。東側は切れ落ちた崖、大きな方位盤に一等三角点は13年前と同じ。懐かしいものに再会し、無性に嬉しかった。疲れ切っていたが、頂上の周りをうろうろ歩きまわる。しかし、風が強くて座って休むことはできず、すぐにスキーを降ろして滑走。

稜線では雪を拾いながら滑り、頂上宿舎のところから大雪渓に向かって連続ターン滑走開始。上部の硬くて滑らかな急斜面の滑走がハイライト。登りの疲れも忘れて滑走。爽快。次第に柔らかい雪となり、大きなターンで滑走。林道手前では右岸のトラバース・トレースを辿る。

林道のところで徒歩で下る人たちに追いつき、林道をショートカットして駐車場にゴール。登っただけ滑り降りる雄大かつ痛快なロング滑走だった。

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猿倉駐車場に着くと、正面に白馬岳が待ち構えていた。近くから見るとごつごつした岩で鎧われていて、近寄りがたい峻厳な存在に見える
雪の林道を進むと白馬岳の頂上は見えなくなるが、白馬大雪渓が現われる。青い空の下、白馬岳の岩の裾野を巻くように白い雪渓が伸びている

(遠目に見た優雅な白馬岳)

火打山より(2004年4月29日)
高妻山より(2006年9月2日)
八方尾根より(2005年4月30日)
三田原山より(2013年1月13日)
5:50 猿倉P発 6:53 大雪渓末端 9:58 アイゼンに切替12:55 頂上宿舎13:59 白馬山荘14:44 白馬岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り8時間54分15:02 白馬岳発、滑走15:15 白馬山荘15:22 縦走路から大雪渓16:31 林道16:51 猿倉P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復11時間1分

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猿倉駐車場に着くと、正面に白馬岳が待ち構えていた。遠目には左右に稜線を広げた華麗な姿だが、近くから見るとごつごつした岩で鎧われていて、近寄りがたい峻厳な存在に見える。しかも高い。あそこまで標高差1,700m。猿倉駐車場は1/3くらい埋まっていた。駐車場からシールで出かけている人もいたが、準備しているうちに係の人たちが来たので、いったん猿倉荘に入山届を出しに行く。そこから林道まではわずかだが、スキーを肩に担いでいくには結構、距離も高さもあった。

林道をショートカットし、片傾斜の林道を進む。二人連れが先に行き、えらく速いシールの男性が行く。雪の林道を進むと白馬岳の頂上は見えなくなるが、白馬大雪渓が現われる。青い空の下、白馬岳の岩の裾野を巻くように白い雪渓が伸びている。雪渓末端に着くが林道よりもだいぶ下。右岸の土手に上がり、その先で雪渓に入る。猿倉荘で準備していた大パーティが雪渓を下から登ってくる。あっちの方が安全だ。雪渓の上にテントのあったあたりが白馬尻小屋だろうか。テントのあたりで休んだ二人の先に行き、デブリを越えて右岸側に渡り、大きな荷物の男性に追いつき、最初の休憩。まだ標高は1,900m。大きな荷物の男性は唐松岳の方に縦走するという。明日は雨だと思うが、大丈夫なのだろうか。雪渓のずっと先では杓子岳の上で雲が舞っている。稜線付近は風が強そうだ。今のうちにネックウォーマーをかぶり、手袋も替える。

稜線が近づくと傾斜がきつく、風が強くなり、右岸を大きな雪片が転がってくる。風でバランスを保つのが難しくなってきたので、シールからアイゼンに変更。大勢登ってきた人たちはまだ下、上から降りてきた3人に会う。一人はピッケルをもって後ろ向きに降りてきて、「登りの踏跡を使わせてもらうが、代わりに下りの踏跡を使え」という。なるほど。後の二人は過激にシリセードで降りて行った。雪渓上端は右に曲がり、土と灌木の出ているところで2回目の休憩。ここでGPSマーキングの杓子岳コースから外れるが、杓子に向かう踏跡はない。スキーの男性が下っていくが、風が吹くと倒れていた。大丈夫かな。

ようやく頂上宿舎が見えてくる。小屋の傍らにテントを張っている二人。小屋脇でトイレタイム。小屋裏の壁を登り、縦走路に出ると雪が飛んで地肌が見えている。西には丸い旭岳。強風なので登りにくそうだが、その丸い壁を登っている3人がいた。大丈夫かなと思っていると、やがて一人が下り、3人とも下っていった。それが正解だろう。私にしても、杓子岳頂上に登るのは難しいと思った。今日は白馬に登る日なのだ。

頂上宿舎を越えて稜線に上がると視界が広がり、隣の旭岳と背後の杓子岳が印象的。だが、風が強くて歩いている人は少ない。稜線は風が強いが傾斜がなく、実に歩きやすい。白馬頂上からスキーで滑れるだろうか、雪の具合を見ながら行く。白馬山荘の中を通り、夏道沿いに頂上に向かう。山荘では作業している人が一人。白馬山荘を越え、最後の夏道で下ってくる3人に会い、そして最後までシールで登り、ようやく2度目の白馬岳頂上に着く。東側は切れ落ちた崖、大きな方位盤に一等三角点は13年前と同じ。懐かしいものに再会し、無性に嬉しかった。ザックを降ろしてシールを外し、それから北と西の景色を写す。疲れ切っていたが、頂上の周りをうろうろ歩きまわる。しかし、風が強くて座って休むことはできず、すぐにスキーを降ろして滑走。

滑り止めストラップを付けて滑走開始。稜線では雪を拾いながら滑り、夏道沿いに雪を拾って滑走。何度か岩をこすってしまう。山荘の中に滑り込み、そして滑り出る。縦走路ではまた岩をこすり、最後はスキーを外して雪原に出る。雪原を大きく右に回って滑走。そこにはえぐれた沢筋があり、右に回ったのは正解。頂上宿舎のところから大雪渓に向かって連続ターン滑走開始。この沢筋の右岸から雪渓上部の硬くて滑らかな急斜面の滑走がハイライト。登りの疲れも忘れて滑走。爽快。滑らかな部分を選んでショートターンしていく。だが、トレースはよく見えない。2回目の休憩地点にテントが張ってあった。あの大きなザックの男性だろうか。その上を一人が登っていく。

次第に柔らかい雪となり、大きなターンで滑走。デブリの中を右岸側から左岸側に渡る。デブリは柔らかいので渡りやすかったが、雪渓の雪も柔らかく、もうショートターンは不可。大きくターンしていく。傾斜が緩くなった最初の休憩地点付近で最後の休憩。ホットレモンを飲む。雪渓下部では右岸沿いのトレースを滑走。林道手前では右岸のトラバース・トレースを辿る。雪が溶けてブッシュが出ている箇所があり、やや危険。大きな支沢(長走沢?)に出て、豪快に大きく滑る。

林道のところで、はるか下に見えていた徒歩の人たちについに追いつき、右岸の土手から林道に滑り降りるが、バランスを崩して転倒!かっこ悪い。大人しく滑る。林道が平坦になり、滑らないので、ビンディングを回してかかとを上げて歩く。林道の下に駐車場が見え、急斜面をショートカットするトレースがあったので、ビンディングをはめ、林道をショートカットして駐車場にゴール。今度は転ばずに着地。ご苦労さん。登っただけ滑り降りる雄大かつ痛快なロング滑走だった。駐車場にはまだ車がだいぶあり、ドローンを飛ばしている人もいた。ゆっくり片付け。帰ってきた徒歩の人たちよりも後から駐車場を出る

調べておいた最初の温泉は終了、二つ目は存在せず、困っていると、八方の湯があった。思い出した。ここに寄ったのはたぶん唐松岳に登った時で、12年前かな。当時のメモに「人の割にシャワーが少なく、頭を洗うのを断念」とあるが、今回はそんなことはなかった。有磯海SAは暖かく、夏服のまま、ダウンも不要だった。ここはもう夏。

猿倉駐車場からの白馬岳

猿倉駐車場に着くと、正面に白馬岳が待ち構えていた。遠目には左右に稜線を広げた華麗な姿だが、近くから見るとごつごつした岩で鎧われていて、近寄りがたい峻厳な存在に見える。しかも高い。あそこまで標高差1,700m。猿倉駐車場は1/3くらい埋まっていた。駐車場からシールで出かけている人もいたが、準備しているうちに係の人たちが来たので、いったん猿倉荘に入山届を出しに行く。そこから林道まではわずかだが、スキーを肩に担いでいくには結構、距離も高さもあった。

雪の林道の先の白馬岳

大雪渓末端

林道をショートカットし、片傾斜の林道を進む。二人連れが先に行き、えらく速いシールの男性が行く。雪の林道を進むと白馬岳の頂上は見えなくなるが、白馬大雪渓が現われる。青い空の下、白馬岳の岩の裾野を巻くように白い雪渓が伸びている。雪渓末端に着くが林道よりもだいぶ下。右岸の土手に上がり、その先で雪渓に入る。猿倉荘で準備していた大パーティが雪渓を下から登ってくる。あっちの方が安全だ。

雪渓のテント

雪渓下部を登るパーティ

白馬大雪渓・中間部

雪渓の上にテントのあったあたりが白馬尻小屋だろうか。テントのあたりで休んだ二人の先に行き、デブリを越えて右岸側に渡り、大きな荷物の男性に追いつき、最初の休憩。まだ標高は1,900m。大きな荷物の男性は唐松岳の方に縦走するという。明日は雨だと思うが、大丈夫なのだろうか。雪渓のずっと先では杓子岳の上で雲が舞っている。稜線付近は風が強そうだ。今のうちにネックウォーマーをかぶり、手袋も替える。

風が舞う稜線

稜線が近づくと傾斜がきつく、風が強くなり、右岸を大きな雪片が転がってくる。風でバランスを保つのが難しくなってきたので、シールからアイゼンに変更。大勢登ってきた人たちはまだ下、上から降りてきた3人に会う。一人はピッケルをもって後ろ向きに降りてきて、「登りの踏跡を使わせてもらうが、代わりに下りの踏跡を使え」という。なるほど。後の二人は過激にシリセードで降りて行った。雪渓上端は右に曲がり、土と灌木の出ているところで2回目の休憩。ここでGPSマーキングの杓子岳コースから外れるが、杓子に向かう踏跡はない。スキーの男性が下っていくが、風が吹くと倒れていた。大丈夫かな。

杓子岳と白馬鑓

ようやく頂上宿舎が見えてくる。小屋の傍らにテントを張っている二人。小屋脇でトイレタイム。小屋裏の壁を登り、縦走路に出ると雪が飛んで地肌が見えている。西には丸い旭岳。強風なので登りにくそうだが、その丸い壁を登っている3人がいた。大丈夫かなと思っていると、やがて一人が下り、3人とも下っていった。それが正解だろう。私にしても、杓子岳頂上に登るのは難しいと思った。今日は白馬に登る日なのだ。

頂上宿舎を越えて稜線に上がると視界が広がり、隣の旭岳と背後の杓子岳が印象的。だが、風が強くて歩いている人は少ない。稜線は風が強いが傾斜がなく、実に歩きやすい。白馬頂上からスキーで滑れるだろうか、雪の具合を見ながら行く。白馬山荘の中を通り、夏道沿いに頂上に向かう。山荘では作業している人が一人。

白馬岳頂上

稜線と白馬岳山荘と頂上

旭岳

中央の尾根沿いを登っている3人がいたが、強風のためか途中で引き返していた

白馬岳頂上

白馬山荘を越え、最後の夏道で下ってくる3人に会い、そして最後までシールで登り、ようやく2度目の白馬岳頂上に着く。東側は切れ落ちた崖、大きな方位盤に一等三角点は13年前と同じ。懐かしいものに再会し、無性に嬉しかった。ザックを降ろしてシールを外し、それから北と西の景色を写す。疲れ切っていたが、頂上の周りをうろうろ歩きまわる。しかし、風が強くて座って休むことはできず、すぐにスキーを降ろして滑走。

念」とあるが、今回はそんなことはなかった。有磯海SAは暖かく、夏服のまま、ダウンも不要だった。ここはもう夏。

頂上から西と北の情景: 左から、白馬岳頂上、旭岳、雪倉岳・鉢ヶ岳、小蓮華山

白馬岳頂上の雪庇(背後は杓子岳と白馬鑓)

夏道沿いに雪を拾って滑走

滑り止めストラップを付けて滑走開始。稜線では雪を拾いながら滑り、夏道沿いに雪を拾って滑走。何度か岩をこすってしまう。山荘の中に滑り込み、そして滑り出る。縦走路ではまた岩をこすり、最後はスキーを外して雪原に出る。雪原を大きく右に回って滑走。そこにはえぐれた沢筋があり、右に回ったのは正解。

杓子岳と白馬鑓

白馬山荘下のえぐれた沢筋

中央左奥の左白馬山荘から左に回り、左端の滑らかな斜面を滑走

鋭鋒の姿の杓子岳

頂上宿舎のところから大雪渓に向かって連続ターン滑走開始。この沢筋の右岸から雪渓上部の硬くて滑らかな急斜面の滑走がハイライト。登りの疲れも忘れて滑走。爽快。滑らかな部分を選んでショートターンしていく。だが、トレースはよく見えない。2回目の休憩地点にテントが張ってあった。あの大きなザックの男性だろうか。その上を一人が登っていく。

雪渓上部の滑走

薄い滑走トレースと夕日

大雪渓を見下ろす

杓子岳の北岩峰

雪渓下部の滑走、右岸沿い

次第に柔らかい雪となり、大きなターンで滑走。デブリの中を右岸側から左岸側に渡る。デブリは柔らかいので渡りやすかったが、雪渓の雪も柔らかく、もうショートターンは不可。大きくターンしていく。傾斜が緩くなった最初の休憩地点付近で最後の休憩。ホットレモンを飲む。雪渓下部では右岸沿いのトレースを滑走。林道手前では右岸のトラバース・トレースを辿る。雪が溶けてブッシュが出ている箇所があり、やや危険。大きな支沢(長走沢?)に出て、豪快に大きく滑る。

雪渓下部の滑走、長走沢

林道のところで、はるか下に見えていた徒歩の人たちについに追いつき、右岸の土手から林道に滑り降りるが、バランスを崩して転倒!かっこ悪い。大人しく滑る。林道が平坦になり、滑らないので、ビンディングを回してかかとを上げて歩く。林道の下に駐車場が見え、急斜面をショートカットするトレースがあったので、ビンディングをはめ、林道をショートカットして駐車場にゴール。今度は転ばずに着地。ご苦労さん。登っただけ滑り降りる雄大かつ痛快なロング滑走だった。

猿倉駐車場の林道入口

駐車場にはまだ車がだいぶあり、ドローンを飛ばしている人もいた。ゆっくり片付け。帰ってきた徒歩の人たちよりも後から駐車場を出る

調べておいた最初の温泉は終了、二つ目は存在せず、困っていると、八方の湯があった。思い出した。ここに寄ったのはたぶん唐松岳に登った時で、12年前かな。当時のメモに「人の割にシャワーが少なく、頭を洗うのを断念」とあるが、今回はそんなことはなかった。有磯海SAは暖かく、夏服のまま、ダウンも不要だった。ここはもう夏。