乙妻山 北信州の早春の景観
長野県 2,318m 2018年3月25日
(山スキー・ガイド)
293
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主稜線に立つと、すぐ南に高妻山。先行者のアイゼン・トレースはなんと高妻山に向かっている。たぶんここから高妻山まで往復し、スキーで下ったのだろう。すごいことだ。そして北に、初めて乙妻山を見る。切り立った鋭峰の高妻山に対し、乙妻山はなだらかな白い優しい山に見えた。よし、もうすぐだ。
乙妻山への最後の登り。真っ白な丸い頂上が現われ、遂に頂上に到達して久しぶりに雄叫びを上げる。感激。西には北アルプスが連なり、北には頸城三山に雨飾山に前日登った横長頂上の大渚山。東には黒姫山が大きく、南には鋭峰の高妻山。ここから見る高妻山は実に迫力がある。この景色を見るのは二度目だが、前回は12年前の夏山だった。距離8㎞、標高差1,300mの今回ツアーは私にとってはだいぶきついプランだと思っていた。こんな快晴の日に登れたのは本当に良かった。
後はもう滑るだけ、丸い頂上から豪快に滑走。だが、快調に滑れたのはここだけだった。少し滑ったところで、スキーが少しひっかかることに気づく。
2,297m下の往路合流点から沢筋へ滑走開始。上部のアイスバーンは体力があればショートターンを試みたかもしれないが、へばっていたので広めにターン。沢筋まで降りたら滑りやすくなるかな、と思ったのはまるで期待外れで、夕刻になって気温が下がったためかモナカ雪がひっかかってターンしずらい。結局、長い沢筋滑走を最後までチンタラ・ブツ切り滑走となる。
林道まで降りると、林道はたくさんのトレースや踏み跡で圧雪されていてよく滑り、快調。朝の佐渡山コルからのアイスバーン滑走にも劣らぬ快調な滑り。途中の林道分岐で1回停止したのみで、約2㎞を快適滑走。スピードが出過ぎるので少しターンして減速。なんとか日暮れ前に戸隠大橋に帰着。
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4時のアラームで起き、ホットレモンを沸かし、パンを食べて5時過ぎに道の駅を出る。雪はだいぶ融けているが、風が冷たい。夜は星はほとんど見えていなかったが、夜明け前の空には黒姫山や高妻山のシルエットが浮かび、快晴の予感。これなら、なんとか登れるだろう。
戸隠大橋に着くと、先客3台、一人準備中。更に1台二人がやってくる。シールを貼って元気に歩き始める。右足小指が少し痛いが、問題なし。まだ夜明け前で寒く、上着を着込んでいくが、最後まで脱がなかった。林道を調子よく歩いていると、後からすごいスピードの長靴の男性が追い抜いて行った。私も前を行くスキーの男性に追いつきそうだったが、直前で林道分岐。男性は黒姫山方面へ、私は佐渡山方面。昨年1月は雪が少なく、水の出ている小沢をきわどく渡ったが、今回はその手前で先行トレースが斜面に上がっていて、それを辿る。広い雪原の中のトレースは何本もあり、右斜面に取付くトレースは佐渡山に向かうのだろう。私は斜面を左に向かうトレースをたどり、そして斜面をつづら折りに登る。朝の雪は硬く、シールでは登りにくい。アイゼンにしようか迷いながらもシールで登る。たぶん一度滑ったらアイゼンにしただろうが、新しいシールは滑らなかった。
佐渡山コルへは沢筋を2度越えたが、最初の斜面には作業道らしき道がたくさんあり、その一つをたどって沢を西にわたる。そこの斜面は更に登りにくく、シールで登っている先行トレースがなかったらアイゼンにしていただろう。先行トレースに従い、もう一度沢筋を渡ると、雪は柔らかくて登りやすかった。トレースを辿って斜面を斜めに登っていくと傾斜がなくなり、コルにむかってやや下り気味となったので、シールを外して滑走開始。最初は少し漕いで行く。そのあたりが佐渡山南コル。その前に、二つ目の斜面を登ってくる人影を見る。やはり乙妻山に登る人はいるようだ。
佐渡山南コルからはガリガリのアイスバーン滑走で、帰りのモナカ滑走に比べると、このときの滑走の方がはるかに楽だった。高度を落とさぬよう、氷沢川右岸を滑っていく。これでだいぶ距離を稼げるが、帰りの登り返しがやや憂鬱。GPSに入力しておいた渡渉地点のあたりで、東からの深い沢筋が行く手をはばんでおり、そこで氷沢川に下る。すると先行トレースがあり、それに従って岸に下り、スノーブリッジを渡る。だいぶ狭いスノーブリッジだったが、対岸にピンクリボンあり。そこでシールを貼って最初の休憩。パンを食べる。寒いのでホットレモンを飲むが、まだ熱い。今日はポカリを2本もってきたが、2,297m峰と帰りで1本飲んだ。
先行トレースは乙妻山の北東斜面に向かわず、2,297m峰の東尾根をアイゼンで登っていく。トレースを離れて北東斜面に向かおうとしたが、地形は複雑そうでやや不安。ここはやはり先行トレースに頼ることにする。アイゼンで先行踏み跡をたどるが、雪が靴裏につくので登りにくい。もう雪が柔らかいのでシールの方がいいだろう。背後に二人が登ってくるのが見えた頃、シールに変える。高度が上がると次第に視界が広がり、妙高山や黒姫山が見えてくる。壮観。頭上に見えていた1,912m峰に着く。細尾根は木々に覆われていて行く手が見えないが、南西方向の高い尾根は高妻山だった。豪快。細尾根を進むとピークを越え、広い雪原尾根に出る。その広い雪原尾根の上が2,297m峰。そこまで約1㎞、高低差400m、乙妻山まで1.5㎞。通常なら2時間だが、だいぶへばっていて休み休みなのでもっとかかるだろう。北の東沢の沢筋にスキー滑走トレースが見える。たぶんアイゼンの先行トレースの主が、スキーで下っていったのだろう。
この広い雪原尾根は意外に手ごわく、林を抜けるとクラストしてきてシールが滑るようになる。だが、柔らかい所もあるので、ストックで柔らかいところを確かめ、何度もキックターンを繰り返してシールで登る。どこかでアイゼンに変えておけば楽だったかもしれないが、傾斜がきつくなりすぎていて、タイミングを逸した。それに、柔らかいところもあり、アイゼンでも歩きにくかったかもしれない。何度も休んで背後を見下ろすと、もう眼下になった黒姫山が青空に優美に浮かんでいる。その手前に佐渡山と越えてきた1,912m峰。やがて先行トレースは2,297m峰頂上のやや南側で尾根に上がるが、その手前に雪庇の下の平坦なスペースがあり、そこでザックを下ろして休憩。やっと横になれた。
立ち上がり、主稜線に立つと、すぐ南に高妻山。アイゼン・トレースはなんと高妻山に向かっている。たぶんここから高妻山まで往復し、スキーで下ったのだろう。すごいことだ。そして北に、初めて乙妻山を見る。切り立った鋭峰の高妻山に対し、乙妻山はなだらかな白い優しい山に見えた。よし、もうすぐだ。乙妻山との間には2,240mコルまで緩いが長い下りがあり、シールで大きくターンして下る。フリーライドではシールで何度もジャンプターンしたことがあるが、ディナフィット・ビンディングで連続ターンしたのは初めてかもしれない。スキーは外れず、無事にコルに到達。
乙妻山への最後の登り。東側が切れ落ちた尾根の途中に灌木が出ており、やや西側を登る。最後に真っ白な丸い頂上が現われ、遂に頂上に到達して久しぶりに雄叫びを上げる。感激。西には北アルプスが連なり、北には頸城三山に雨飾山に前日登った横長頂上の大渚山。東には黒姫山が大きく、南には鋭峰の高妻山。ここから見る高妻山は実に迫力がある。この景色を見るのは二度目だが、前回は12年前の夏山だった。距離8㎞、標高差1,300mの今回ツアーは私にとってはだいぶきついプランだと思っていた。サプリメントや減量で少し体力が昔に戻ったのかもしれない。乙妻山へのスキー登山はだいぶ前から計画し、山中泊プランも考えていたので、こんな快晴の日に登れたのは本当に良かった。
後はもう滑るだけ、丸い頂上から豪快に滑走。だが、快調に滑れたのはここだけだった。少し滑ったところで、スキーが少しひっかかることに気づく。冷たい風でモナカ気味になっているようだ。この雪では狭い尾根をショートターンは無理なので、西側をトラバース滑走。そこから2,297m峰の東側をトラバースして往路に戻る。2,297m峰の東斜面はガリガリのアイスバーンで、スキーなので楽にトラバースできたが、シールやアイゼンでは相当にきついだろう。登るのはやはり往路の尾根沿いだろう。広い斜面にぽつんとガケカンバ。2,297m下の往路合流点から沢筋へ滑走開始。途中まで私の後にいた二人は、どうやら1,912m峰の上あたりから沢筋を滑走したらしく、滑走トレースが増えていた。上部のアイスバーンは体力があればショートターンを試みたかもしれないが、へばっていたので広めにターン。ガリガリだが、ターンしないとスピードがどんどん出る。沢筋まで降りたら滑りやすくなるかな、と思ったのはまるで期待外れで、夕刻になって気温が下がったためかモナカ雪がひっかかってターンしずらい。結局、長い沢筋滑走を最後までチンタラ・ブツ切り滑走となる。情けない。ついでに、振動のために首から下げたデジカメ(イクシー3)が何度かケースから落っこち、ついに動かなくなる。タフに持ち替えたが、やっぱり使い方がラフすぎるのだろうか。(翌日にイクシー3は回復。よかった)
ようやく尾根取付き点に到達し、氷沢川左岸のあたりで休憩し、シールを貼る。3人分のトレースが佐渡山南コルに向かっており、それを辿ればよかったので楽だった。ピンクリボンのところを過ぎて更に左岸を東に歩き、往路とは違う広いスノーブリッジを渡る。佐渡山南コルへは全く歩きやすい緩いトレースが続いており、のんびり歩くが、背後の夕日が山影に隠れるころ、コルに到達。それよりもやや高い地点のピンクリボンのところまで登り、シールを外して最後の休憩。そこからは二つ目の沢筋はほとんどギャップなしに越えられ、佐渡山頂上からと思われる滑走トレースもたくさんついていた。
佐渡山南コルからは少しは滑りやすくなるかと期待したが、状況は好転せず、あいかわらずターンしずらい。沢筋2と沢筋1の間の尾根を広めのターンで下っていて、GPS軌跡から外れだしたので、往路の作業道のところまで少し登り返し、沢筋1を渡る。林道まで降りると、林道はたくさんのトレースや踏み跡で圧雪されていてよく滑り、快調。朝の佐渡山コルからのアイスバーン滑走にも劣らぬ快調な滑り。途中の林道分岐で1回停止したのみで、約2㎞を快適滑走。スピードが出過ぎるので少しターンして減速。なんとか日暮れ前に戸隠大橋に帰着。もう残っていたのは私の車のみ。
駐車場の雪が融けて土が出ていたので、スキーはそのまま積み込み、着替えをして車に乗り込む。カーナビ・セットして車を出したときはもう薄暗くなっていた。まず南へ、戸隠温泉に行く。昨年以来の戸隠温泉は空いていて、先客一人のみ。湯につかり、冷えた体を温める。その後、店を探すのにうろうろしたが、妙高高原SAで至福の夕食。
道の駅しなの
4時のアラームで起き、ホットレモンを沸かし、パンを食べて5時過ぎに道の駅を出る。雪はだいぶ融けているが、風が冷たい。夜は星はほとんど見えていなかったが、夜明け前の空には黒姫山や高妻山のシルエットが浮かび、快晴の予感。これなら、なんとか登れるだろう。
戸隠大橋・駐車場
戸隠大橋に着くと、先客3台、一人準備中。更に1台二人がやってくる。シールを貼って元気に歩き始める。右足小指が少し痛いが、問題なし。まだ夜明け前で寒く、上着を着込んでいくが、最後まで脱がなかった。林道を調子よく歩いていると、後からすごいスピードの長靴の男性が追い抜いて行った。私も前を行くスキーの男性に追いつきそうだったが、直前で林道分岐。男性は黒姫山方面へ、私は佐渡山方面。
日の出
昨年1月は雪が少なく、水の出ている小沢をきわどく渡ったが、今回はその手前で先行トレースが斜面に上がっていて、それを辿る。広い雪原の中のトレースは何本もあり、右斜面に取付くトレースは佐渡山に向かうのだろう。私は斜面を左に向かうトレースをたどり、そして斜面をつづら折りに登る。朝の雪は硬く、シールでは登りにくい。アイゼンにしようか迷いながらもシールで登る。たぶん一度滑ったらアイゼンにしただろうが、新しいシールは滑らなかった。
林道分岐
最初の沢筋横断
二つ目の沢筋横断
佐渡山南コル
佐渡山コルへは沢筋を2度越えたが、最初の斜面には作業道らしき道がたくさんあり、その一つをたどって沢を西にわたる。そこの斜面は更に登りにくく、シールで登っている先行トレースがなかったらアイゼンにしていただろう。先行トレースに従い、もう一度沢筋を渡ると、雪は柔らかくて登りやすかった。トレースを辿って斜面を斜めに登っていくと傾斜がなくなり、コルにむかってやや下り気味となったので、シールを外して滑走開始。最初は少し漕いで行く。そのあたりが佐渡山南コル。その前に、二つ目の斜面を登ってくる人影を見る。やはり乙妻山に登る人はいるようだ。
氷沢川の渡渉(往路)
佐渡山南コルからはガリガリのアイスバーン滑走で、帰りのモナカ滑走に比べると、このときの滑走の方がはるかに楽だった。高度を落とさぬよう、氷沢川右岸を滑っていく。これでだいぶ距離を稼げるが、帰りの登り返しがやや憂鬱。GPSに入力しておいた渡渉地点のあたりで、東からの深い沢筋が行く手をはばんでおり、そこで氷沢川に下る。すると先行トレースがあり、それに従って岸に下り、スノーブリッジを渡る。だいぶ狭いスノーブリッジだったが、対岸にピンクリボンあり。そこでシールを貼って最初の休憩。パンを食べる。寒いのでホットレモンを飲むが、まだ熱い。今日はポカリを2本もってきたが、2,297m峰と帰りで1本飲んだ。
2,297m峰・東尾根起点と東沢出合
高妻山の稜線と1,912m峰
1,912m峰と佐渡山と黒姫山
先行トレースは乙妻山の北東斜面に向かわず、2,297m峰の東尾根をアイゼンで登っていく。トレースを離れて北東斜面に向かおうとしたが、地形は複雑そうでやや不安。ここはやはり先行トレースに頼ることにする。アイゼンで先行踏み跡をたどるが、雪が靴裏につくので登りにくい。もう雪が柔らかいのでシールの方がいいだろう。背後に二人が登ってくるのが見えた頃、シールに変える。
高妻山と2,297m峰
つむじ風
高度が上がると次第に視界が広がり、妙高山や黒姫山が見えてくる。壮観。頭上に見えていた1,912m峰に着く。細尾根は木々に覆われていて行く手が見えないが、南西方向の高い尾根は高妻山だった。豪快。細尾根を進むとピークを越え、広い雪原尾根に出る。その広い雪原尾根の上が2,297m峰。そこまで約1㎞、高低差400m、乙妻山まで1.5㎞。通常なら2時間だが、だいぶへばっていて休み休みなのでもっとかかるだろう。北の東沢の沢筋にスキー滑走トレースが見える。たぶんアイゼンの先行トレースの主が、スキーで下っていったのだろう。
黒姫山
広い雪原斜面
この広い雪原尾根は意外に手ごわく、林を抜けるとクラストしてきてシールが滑るようになる。だが、柔らかい所もあるので、ストックで柔らかいところを確かめ、何度もキックターンを繰り返してシールで登る。どこかでアイゼンに変えておけば楽だったかもしれないが、傾斜がきつくなりすぎていて、タイミングを逸した。それに、柔らかいところもあり、アイゼンでも歩きにくかったかもしれない。
高妻山
何度も休んで背後を見下ろすと、もう眼下になった黒姫山が青空に優美に浮かんでいる。その手前に佐渡山と越えてきた1,912m峰。やがて先行トレースは2,297m峰頂上のやや南側で尾根に上がるが、その手前に雪庇の下の平坦なスペースがあり、そこでザックを下ろして休憩。やっと横になれた。
主稜線の雪庇の下の休憩スペース
2,297m峰からの景観: (左から)乙妻山、頚城三山、高妻山
乙妻山
立ち上がり、主稜線に立つと、すぐ南に高妻山。アイゼン・トレースはなんと高妻山に向かっている。たぶんここから高妻山まで往復し、スキーで下ったのだろう。すごいことだ。そして北に、初めて乙妻山を見る。切り立った鋭峰の高妻山に対し、乙妻山はなだらかな白い優しい山に見えた。よし、もうすぐだ。乙妻山との間には2,240mコルまで緩いが長い下りがあり、シールで大きくターンして下る。フリーライドではシールで何度もジャンプターンしたことがあるが、ディナフィット・ビンディングで連続ターンしたのは初めてかもしれない。スキーは外れず、無事にコルに到達。
乙妻山
シール滑走
乙妻山
乙妻山・北東斜面
2,297m峰と高妻山
高妻山
乙妻山
乙妻山への最後の登り。東側が切れ落ちた尾根の途中に灌木が出ており、やや西側を登る。最後に真っ白な丸い頂上が現われ、遂に頂上に到達して久しぶりに雄叫びを上げる。感激。西には北アルプスが連なり、北には頸城三山に雨飾山に前日登った横長頂上の大渚山。東には黒姫山が大きく、南には鋭峰の高妻山。ここから見る高妻山は実に迫力がある。この景色を見るのは二度目だが、前回は12年前の夏山だった。
乙妻山頂上から火打山
距離8㎞、標高差1,300mの今回ツアーは私にとってはだいぶきついプランだと思っていた。サプリメントや減量で少し体力が昔に戻ったのかもしれない。乙妻山へのスキー登山はだいぶ前から計画し、山中泊プランも考えていたので、こんな快晴の日に登れたのは本当に良かった。
雨飾山
大渚山
乙妻山から西の景観: (左から)高妻山、西岳、北アルプス、雨飾山
乙妻山から四周の景観: (左から)西岳、白馬岳、大渚山、雨飾山、焼山、火打山、妙高山、黒姫山、高妻山
頂上からの滑走
後はもう滑るだけ、丸い頂上から豪快に滑走。だが、快調に滑れたのはここだけだった。少し滑ったところで、スキーが少しひっかかることに気づく。冷たい風でモナカ気味になっているようだ。この雪では狭い尾根をショートターンは無理なので、西側をトラバース滑走。そこから2,297m峰の東側をトラバースして往路に戻る。2,297m峰の東斜面はガリガリのアイスバーンで、スキーなので楽にトラバースできたが、シールやアイゼンでは相当にきついだろう。登るのはやはり往路の尾根沿いだろう。
乙妻山・北東斜面と妙高山
広い斜面にぽつんとガケカンバ。2,297m下の往路合流点から沢筋へ滑走開始。途中まで私の後にいた二人は、どうやら1,912m峰の上あたりから沢筋を滑走したらしく、滑走トレースが増えていた。上部のアイスバーンは体力があればショートターンを試みたかもしれないが、へばっていたので広めにターン。ガリガリだが、ターンしないとスピードがどんどん出る。
ダケカンバ
沢筋まで降りたら滑りやすくなるかな、と思ったのはまるで期待外れで、夕刻になって気温が下がったためかモナカ雪がひっかかってターンしずらい。結局、長い沢筋滑走を最後までチンタラ・ブツ切り滑走となる。情けない。ついでに、振動のために首から下げたデジカメ(イクシー3)が何度かケースから落っこち、ついに動かなくなる。タフに持ち替えたが、やっぱり使い方がラフすぎるのだろうか。(翌日にイクシー3は回復。よかった)
トラバース滑走
2,297m峰直下
2,297m峰直下からの滑走・・・・・眼下は東沢、氷沢川、佐渡山、黒姫山
東沢の滑走・・・・・滑走トレースは先行者
東沢下部の滑走
ようやく尾根取付き点に到達し、氷沢川左岸のあたりで休憩し、シールを貼る。3人分のトレースが佐渡山南コルに向かっており、それを辿ればよかったので楽だった。ピンクリボンのところを過ぎて更に左岸を東に歩き、往路とは違う広いスノーブリッジを渡る。佐渡山南コルへは全く歩きやすい緩いトレースが続いており、のんびり歩くが、背後の夕日が山影に隠れるころ、コルに到達。それよりもやや高い地点のピンクリボンのところまで登り、シールを外して最後の休憩。そこからは二つ目の沢筋はほとんどギャップなしに越えられ、佐渡山頂上からと思われる滑走トレースもたくさんついていた。
氷沢川のスノーブリッジ渡渉(復路)
佐渡山南コルからは少しは滑りやすくなるかと期待したが、状況は好転せず、あいかわらずターンしずらい。沢筋2と沢筋1の間の尾根を広めのターンで下っていて、GPS軌跡から外れだしたので、往路の作業道のところまで少し登り返し、沢筋1を渡る。林道まで降りると、林道はたくさんのトレースや踏み跡で圧雪されていてよく滑り、快調。朝の佐渡山コルからのアイスバーン滑走にも劣らぬ快調な滑り。途中の林道分岐で1回停止したのみで、約2㎞を快適滑走。スピードが出過ぎるので少しターンして減速。なんとか日暮れ前に戸隠大橋に帰着。もう残っていたのは私の車のみ。
翌日の日本海(道の駅あつみ)
駐車場の雪が融けて土が出ていたので、スキーはそのまま積み込み、着替えをして車に乗り込む。カーナビ・セットして車を出したときはもう薄暗くなっていた。まず南へ、戸隠温泉に行く。昨年以来の戸隠温泉は空いていて、先客一人のみ。湯につかり、冷えた体を温める。その後、店を探すのにうろうろしたが、妙高高原SAで至福の夕食。