黒沢山  春の深南

静岡県  黒沢山2,123m、シャウゾ山1,836m、奥布山1,741m、奈良代山1,624m  2018年5月26日

静岡県の山

300

白い残雪

長い林道

かなたに聳える峰

足取りはまだ軽く

冷え切った空気

☼☼☼☼☼

つづら折りの手前でゲートに遭遇。ここまでなら車で来るんだったなと思うが、1,270m付近のヘアピンのところも難所だったから、3㎞ほど手前に置いてきても正解だっただろう。ゲート到着5時。何時間で戻れるだろう。ゲートのところに黄色い花(キバナノレンリソウ)。

P4からP5に向かうと林を抜け、正面に初めて黒沢山を見る。シャウゾを下ったあたりで樹間に見えていたのはやはりこの山だったようだ。いったん下り、次のP5・1,810mに登ると、正面に黒沢山が再び現われた。黒い巨体がなだらかな稜線の向こうで静かに待っている。

標高点1,867m付近で倒木帯に遭遇。枝と笹がからみあっているのですこぶる越えにくい。辛抱強く越えていく。

1,900m付近まで順調に進むが、たどってきた切り分けの先に見えた赤テープは順路から大きく東にはずれたダミー・テープだった。切り分けはすぐに消え失せ、笹を掴んでまっすぐ斜面を登る。

2,000m付近がいちばん傾斜が強く、そこを抜けて2,050m付近の尾根筋に上がったあたりで切り分けに遭遇。そこからは楽になる。

背後には深南の雄峰が立ち並んでいた。幅広で少しハゲている不動岳、双耳に見える鎌薙ノ頭と丸盆岳、鋭角ピラミッドが美しい黒法師岳、名前のない2,100m峰。それらの手前に見えるのは六呂場山だろうか。

GPSで残り数百メートルのあたりで、頂上標識が見えた。そしてたどり着いた黒沢山の頂上の三角点はだいぶ土に埋まっていたが、「三等」のところがわずかに見えていた。木に打ち付けられた素朴な頂上標識もあった。苦労した分、格別の瞬間。

北側斜面を少し下ると南アルプスの白い山と黒い山が見えた。黒い山は光岳、その左の白い山は兎岳と聖岳だろう。その左手前にある大きな黒い山は中ノ尾根山だろうか。

ルート上には赤い「火の用心」標識がいくつもあり、黒沢山頂上にもあった。帰路で一つ一つ写したが、形や場所は違えどすべて赤だった。

この日もやすらぎの湯に入り、やっとくつろいだ気分になれる。倒木帯とダミー・テープで間違えたところ以外は、踏跡や目印テープがふんだんに見つかり、歩きやすかった。花もたくさん。

 P5・1,810mに登ると、正面に黒沢山が再び現われた。黒い巨体がなだらかな稜線の向こうで静かに待っている。
 背後には深南の雄峰が立ち並んでいた。幅広で少しハゲている不動岳、双耳に見える鎌薙ノ頭と丸盆岳、鋭角ピラミッドが美しい黒法師岳、名前のない2,100m峰。それらの手前に見えるのは六呂場山だろうか。
 ゲートのところに黄色い花(キバナノレンリソウ)。ゲートのところにたくさん咲いていたが、結局、ゲートのところにしか見なかった。
 標高点1,867m付近で倒木帯に遭遇。枝と笹がからみあっているのですこぶる越えにくい。辛抱強く越えていく。
黒い山の頂上左に見える白い斑点は光石に違いないので、黒い山は光岳だろう
 ルート上には赤い「火の用心」標識がいくつもあり、黒沢山頂上にもあった。帰路で一つ一つ写したが、形や場所は違えどすべて赤だった。
ヤクシソウ
  3:58 林道駐車地点発(標高1,140m)  5:03 ゲート1,370m  5:56 奈良代山1,624m  6:03 林道終点1,580m  6:47 奥布山1,741m  7:20 シャウゾ山1,836m  8:58 倒木帯1,867m付近10:31 尾根筋2,050m付近10:59 黒沢山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゲートから5時間56分                                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・林道駐車地点から7時間1分11:24 黒沢山発11:35 尾根筋2,050m付近12:07 倒木帯1,867m付近14:02 シャウゾ山14:39 奥布山15:00 林道終点1,580m15:40 ゲート1,370m・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゲートから黒沢山まで往復10時間37分16:33 林道駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・林道駐車地点から黒沢山まで往復12時間35分
往路13.3㎞、標高差1,151m、速度1.9㎞/h、164m/h帰路11.0㎞、標高差176m、速度2.1㎞/h

ゲートから奈良代山

シャウゾ山からP4、P5

倒木帯から黒沢山

KKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKK

前日20時過ぎ、水窪町奥領家の橋を渡り、水窪ダムに向かう林道を東に向かう。水窪ダムの上には駐車した車の隣に座っている人。釣りだろうか。水窪ダムの少し先の分岐を山側に上がる。まっすぐ川沿いを行くと黒法師や不動の登山口。山側の道は舗装されていて、難なく990m地点まで上がるが、そこからの砂利道は荒れていた。ゲートまで約13㎞のうち5㎞くらい来て、残り8㎞歩いてもいいと思ったがもうしばらく登り、平坦な駐車スペースのところに停める。ゲートまで3㎞。これなら十分だ。暖かく、夏シュラフだけで就寝。

3時のアラームで起き、ヘッドランプで歩き始める。ヘルメットにスパッツだが、暖かい(20度)のでレインジャケットはなし。道全体に広がる水たまり。途中で夜が明け始め、谷向こうの主稜線を樹間に見る。ヘッドランプをしまったときにリストバンドとナタを取り出す(結局、ナタの出番はなし)。クマ対策はウォークマン。ホールズワースとジェネシスを聞く。音のよくないブートレッグ。つづら折りの手前でゲートに遭遇。ここまでなら車で来るんだったなと思うが、1,270m付近のヘアピンのところも難所だったから、3㎞手前に置いてきても正解だっただろう。登山者カードの扉が開いていて紙がむき出しになっていたが、書き込むことはできた。記載はなし。登山開始5時。何時間で戻れるだろう。ゲートのところに黄色い花(キバナノレンリソウ)。ゲートのところにたくさん咲いていたが、結局、ゲートのところにしか見なかった。

つづら折りの部分はしっかりしていて車で十分登れそうだったが、車が通ると痛むのかもしれない。ところどころに「奈良代林道」の立派な石標。奥にもう一つゲートあり。GPSの奈良代山へのトレース分岐まであと少しのところで、林道脇に「奈良代山入口」の表示。だが、林の斜面は伐採された木々が折り重なっていて登山道はさっぱり見えない。倒木の群れを避けたり越えたりして登る。尾根にたどりつくとかすかな踏み跡があり、この日最初のピーク、奈良代山に到達。頂上標識あり。林の中の地味な頂上。尾根を北に踏み跡をたどって下ると林道終点の広場が見えてくる。踏み跡の最後の部分は不明瞭だが、尾根末端のやや北西側の斜面を下って林道広場に着く。広場の北西側にシャウゾ山への入口と思われる表示があり、林の中に赤テープの道標が続く。

草の少ない林の中をテープを目印に進む。途中で奥布山の表示があり、ルートを外れたところに頂上標識発見。ここも林の真っ只中だが、御料局三角点と思われる石標あり。シャウゾへも、倒木が少し増えてくるが、淡々と登れる。林が切れて視界が広がり、真っ白な山並を見る。左は御岳に違いないので、右の山並みは中央アルプスだろうか。登っていくと再び御岳が見え、その左に大きな黒い山が見える。たぶん恵那山だろう。シャウゾ山も林の中の頂上だが、広場になっていて、三角点に大きな頂上標識。「奥布山(シャウズ山)」とある。(地理院地図にも「シヤウズ山」とあるが、「静岡県の山」や水窪観光協会サイトにはシャウゾ山とあるので、そちらを採用)

ここからは地理院地図には破線がないが、赤テープは続いている。だが、赤テープ・ルートは尾根から外れてどんどん北に下っていく。これは黒沢山への道ではないのかもしれない、と思い、薄ヤブを登って尾根をたどる。薄ヤブだからたいしたことはないが、ネット情報に「ルートは尾根をトラバース・・・」と書いてあったのを思い出した。やっぱりさっきの赤テープでよかったのか、と思ったが、もう遅い。どこかでまた合流するだろう。増えてきた倒木に苦しめられながら、P4・1,810mに着く。もちろん何もなし。太い倒木が多く、上に上がってスティックでバランスをとって倒木の上を歩く、というのを何度もやった。危なっかしくて落ちそうだが、一度も落ちなかった。東に黒法師岳を見る。

P4からP5に向かうと林を抜け、正面に初めて黒沢山を見る。シャウゾを下ったあたりで樹間に見えていたのはやはりこの山だったようだ。倒木との格闘で疲れ、休憩。ナタをウェストバッグのバンドに止める。いったん下り、次のP5・1,810mに登ると、正面に黒沢山が見えた。黒い巨体がなだらかな稜線の向こうで静かに待っている。ここまで登った価値があったな、と思ったが、この風景は赤テープ・ルートからも十分に見ることができた。P5からの下りはすさまじい背丈の笹ヤブで、なんとかかき分けて進むと、ひょっこり踏み跡に出た。それは赤テープ・ルートで、笹の切り分けがわかりにくいが明瞭に続いている。ここでスティックを収納し、レイングローブをはめるが、歩きやすい切り分けはコル1,780mから登りとなり、スティックなしではしんどい。再びスティックを出す。視界が開けると、南東方向に深南の雄峰が並んでいるのに気付く。すがすがしい気分。

だが、標高点1,867m付近で倒木帯に遭遇。枝と笹がからみあっているのですこぶる越えにくい。スティックを再び収納し、レイングローブで辛抱強く越えていく。倒木帯を苦労して越え、再び赤テープを発見。笹の切り分けをたどる。1,900m付近まで順調に進むが、獣道のような笹の切り分けの分岐を、左の尾根筋が正解のところをやや右の窪んだ斜面を登る。すると左側に黒沢山の南斜面が見えてくる。どこから取付くのだろう。どこからでもいいように見えるが、たどってきた切り分けの先に赤テープが見えたので、そこまで行く。だが、この赤テープは順路から大きく東にはずれたダミー・テープだった。たぶん、六呂場山に行くときのルートなのだろう。何度かいったりきたりし、赤テープ(ダミーテープ)のやや東側から斜面に向かう切り分けをたどる。だが切り分けはすぐに消え失せ、笹を掴んでまっすぐ斜面を登る。スピードは出ず、辛抱強く登っていくしかない。まあ、沢登のときのツメではよくある。

2,000m付近がいちばん傾斜が強く、そこを抜けて2,050m付近の尾根筋に上がったあたりで切り分けに遭遇。そこからは楽になる。背後には再び、深南の雄峰が立ち並んでいた。幅広で少しハゲている不動岳、双耳に見える鎌薙ノ頭と丸盆岳、鋭角ピラミッドが美しい黒法師岳、名前のない2,100m峰。それらの手前に見えるのは六呂場山だろうか。淡々と切り分けを登り、やがて斜面の上に頂上が見分けられるようになり、GPSで残り数百メートルのあたりで、頂上標識が見えた。そしてたどり着いた黒沢山の頂上の三角点はだいぶ土に埋まっていたが、「三等」のところがわずかに見えていた。木に打ち付けられた素朴な頂上標識もあった。苦労した分、格別の瞬間。

頂上は林に囲まれて眺望はなかったが、北側斜面を少し下ると南アルプスの白い山と黒い山が見えた。黒い山の頂上左に見える白い斑点は光石に違いないので、黒い山は光岳、よってその左の白い山は兎岳と聖岳だろう。その左手前にある大きな黒い山は中ノ尾根山だろうか。これらの山が見れたのもよかった。名残を惜しみつつ、帰途につく。因みに、ルート上には赤い「火の用心」標識がいくつもあり、黒沢山頂上にもあった。帰路で一つ一つ写したが、形や場所は違えどすべて赤だった。

帰りはレイングローブとスティックを両方出して歩き、切り分けをたどって2,050m付近の急斜面を下る。急斜面ではスティックを手首にぶら下げ、笹を両手で掴んで下る。順路は黒沢山南斜面の南西側を下っていた。ダミーテープよりもだいぶ東側で1,900m付近の南斜面基部に下り、尾根筋を辿って順路の切り分けに合流。そこからしばらく楽になる。倒木帯では順路を見失うが、とにかく通りやすそうなところを選んで進む。見たこともない変なところに出てへたりこむと、足元に小さな花が咲いていて、思わず腰を下ろして花を撮影(ミヤマカタバミだろうか)。位置をかえたりして何枚が写していると気分が楽になり、長い倒木の上を歩いて何メートルか先で下る。そのうちに切り分けに再会する。

P5の手前から往路を外れて本日初めてのルートとなるが、切り分けが二手に分かれており、トラバースしていると思って北に進むと、間違っていた。途中で強引に南に戻ると、順路の切り分けに再会。腰と肩が痛くなってきており、休憩。P5の北西のあたりから切り分けは明瞭になり、P4の北をトラバースしてゆく。林がなくて開けており、背後にずっと黒沢山が見えていた。なるほど、景観重視のルートだったのか。さすがに腰が痛くなっていて、シャウゾまでは遠かった。やっとシャウゾ頂上に着き、横になって休憩。

奥布山では、GPS表示の最高点まで行ってみるが、明らかにそこは最高点ではなかった(地図が間違っているのか、またはGPS計測誤差)。林道終点まで下り、林道脇の草地の上で最後の休憩。まだ明るいが、もう14時頃だろうか。黄色い小さな花はタンポポじゃないよね(ヤクシソウ?)。奥のゲートから下のつづら折りは、ショートカットをしながら下る。3回目のショートカットはずいぶん長かった。林道に戻るとき、土手が高くなっていないかが重要。高いと下れない。そうしてやっとゲートに着き、登山者ノートに下山時刻を記入。15時半だったから、往復10時間半。そんなに悪くはないだろう。ゲートから駐車地点まではスティックを使ってジョギングで降りたが、長く感じた。途中で背後に見えたのは奥布山?シャウゾ?林道の崖下に白い花(ツルアジサイ)と赤い花(ベニバナツクバネウツギ)。水たまりのあたりからはやや登り返しになっていて、とぼとぼ歩いて駐車地点に到着。ゆっくり着替える。そこの草地にも花(ムラサキケマン)。

R152の通行止めを迂回する瀬尻橋には長い列ができていて、一方交互通行をしばらく待ってから渡る。瀬尻橋に着く前にえらく早い2台に道を譲っていたが、列の前にいた車はほどほどの速度。ところが後の車は早いらしく、ぴったりくっついていた。なんとも走りにくい。この日もやすらぎの湯に入り、やっとくつろいだ気分になれる。倒木帯とダミー・テープで間違えたところ以外は、踏跡や目印テープがふんだんに見つかり、歩きやすかった。花もたくさん。天竜で夕食を購入して再び水窪に向かうと、もう夜になっていて、一方通行規制はなし。対向車に何台か会う。背後から来た車を一台、先に行かせたと思う。

竜頭山登山口に近い、大輪橋を渡ったところにあるトイレ付駐車場に停める。小さいが周囲に民家はなく、落ち着ける。22時過ぎ頃に就寝したと思うが、翌日のアラームは1時なので睡眠時間3時間。ちょっときついかな。

ゲートの登山ポスト

前日20時過ぎ、水窪町奥領家の橋を渡り、水窪ダムに向かう林道を東に向かう。水窪ダムの上には駐車した車の隣に座っている人。釣りだろうか。水窪ダムの少し先の分岐を山側に上がる。まっすぐ川沿いを行くと黒法師や不動の登山口。山側の道は舗装されていて、難なく990m地点まで上がるが、そこからの砂利道は荒れていた。ゲートまで約13㎞のうち5㎞くらい来て、残り8㎞歩いてもいいと思ったがもうしばらく登り、平坦な駐車スペースのところに停める。ゲートまで3㎞。これなら十分だ。暖かく、夏シュラフだけで就寝。

キバナノレンリソウ

3時のアラームで起き、ヘッドランプで歩き始める。ヘルメットにスパッツだが、暖かい(20度)のでレインジャケットはなし。道全体に広がる水たまり。途中で夜が明け始め、谷向こうの主稜線を樹間に見る。ヘッドランプをしまったときにリストバンドとナタを取り出す(結局、ナタの出番はなし)。クマ対策はウォークマン。ホールズワースとジェネシスを聞く。音のよくないブートレッグ。

キバナノレンリソウ

つづら折りの手前でゲートに遭遇。ここまでなら車で来るんだったなと思うが、1,270m付近のヘアピンのところも難所だったから、3㎞手前に置いてきても正解だっただろう。登山者カードの扉が開いていて紙がむき出しになっていたが、書き込むことはできた。記載はなし。登山開始5時。何時間で戻れるだろう。ゲートのところに黄色い花(キバナノレンリソウ)。ゲートのところにたくさん咲いていたが、結局、ゲートのところにしか見なかった。

奈良代林道の石標

九十九折の林道

二つ目のゲート

奈良代山の入口標示

奈良代山頂上

つづら折りの部分はしっかりしていて車で十分登れそうだったが、車が通ると痛むのかもしれない。ところどころに「奈良代林道」の立派な石標。奥にもう一つゲートあり。GPSの奈良代山へのトレース分岐まであと少しのところで、林道脇に「奈良代山入口」の表示。だが、林の斜面は伐採された木々が折り重なっていて登山道はさっぱり見えない。倒木の群れを避けたり越えたりして登る。尾根にたどりつくとかすかな踏み跡があり、この日最初のピーク、奈良代山に到達。頂上標識あり。林の中の地味な頂上。尾根を北に踏み跡をたどって下ると林道終点の広場が見えてくる。踏み跡の最後の部分は不明瞭だが、尾根末端のやや北西側の斜面を下って林道広場に着く。広場の北西側にシャウゾ山への入口と思われる表示があり、林の中に赤テープの道標が続く。

林道終点

林の中の道

奥布山頂上

草の少ない林の中をテープを目印に進む。途中で奥布山の表示があり、ルートを外れたところに頂上標識発見。ここも林の真っ只中だが、御料局三角点と思われる石標あり。シャウゾへも、倒木が少し増えてくるが、淡々と登れる。林が切れて視界が広がり、真っ白な山並を見る。左は御岳に違いないので、右の山並みは中央アルプスだろうか。登っていくと再び御岳が見え、その左に大きな黒い山が見える。たぶん恵那山だろう。

御料局三角点

シャウゾ山と笹斜面

中央アルプス?・・・・・越百山、仙涯嶺、空木岳のあたり?

御岳・・・・・左のピークは継母岳

恵那山

奥布山

シャウゾ山頂上

シャウゾ山も林の中の頂上だが、広場になっていて、三角点に大きな頂上標識。「栃生山(シャウズ山)」とある。(地理院地図にも「シヤウズ山」とあるが、「静岡県の山」や水窪観光協会サイトにはシャウゾ山とあるので、そちらを採用)

シャウゾ山頂上標識

黒法師岳

ここからは地理院地図には破線がないが、赤テープは続いている。だが、赤テープ・ルートは尾根から外れてどんどん北に下っていく。これは黒沢山への道ではないのかもしれない、と思い、薄ヤブを登って尾根をたどる。薄ヤブだからたいしたことはないが、ネット情報に「ルートは尾根をトラバース・・・」と書いてあったのを思い出した。やっぱりさっきの赤テープでよかったのか、と思ったが、もう遅い。どこかでまた合流するだろう。増えてきた倒木に苦しめられながら、P4・1,810mに着く。もちろん何もなし。太い倒木が多く、上に上がってスティックでバランスをとって倒木の上を歩く、というのを何度もやった。危なっかしくて落ちそうだが、一度も落ちなかった。東に黒法師岳を見る。

初めて見えた黒沢山

P4からP5に向かうと林を抜け、正面に初めて黒沢山を見る。シャウゾを下ったあたりで樹間に見えていたのはやはりこの山だったようだ。倒木との格闘で疲れ、休憩。ナタをウェストバッグのバンドに止める。いったん下り、次のP5・1,810mに登ると、正面に黒沢山が見えた。黒い巨体がなだらかな稜線の向こうで静かに待っている。ここまで登った価値があったな、と思ったが、この風景は赤テープ・ルートからも十分に見ることができた。

P5から見る黒沢山

P5からの下りはすさまじい背丈の笹ヤブで、なんとかかき分けて進むと、ひょっこり踏み跡に出た。それは赤テープ・ルートで、笹の切り分けがわかりにくいが明瞭に続いている。ここでスティックを収納し、レイングローブをはめるが、歩きやすい切り分けはコル1,780mから登りとなり、スティックなしではしんどい。再びスティックを出す。視界が開けると、南東方向に深南の雄峰が並んでいるのに気付く。すがすがしい気分。

 P5付近から南東の景観: 不動岳、鎌薙ノ頭、丸盆岳、黒法師岳

P5とシャウゾ山・・・・・・・・・・1,810mと1,836mだからほとんど一体

倒木帯の一端

だが、標高点1,867m付近で倒木帯に遭遇。枝と笹がからみあっているのですこぶる越えにくい。スティックを再び収納し、レイングローブで辛抱強く越えていく。倒木帯を苦労して越え、再び赤テープを発見。笹の切り分けをたどる。1,900m付近まで順調に進むが、獣道のような笹の切り分けの分岐を、左の尾根筋が正解のところをやや右の窪んだ斜面を登る。すると左側に黒沢山の南斜面が見えてくる。どこから取付くのだろう。

古いが正しいテープ

どこからでもいいように見えるが、たどってきた切り分けの先に赤テープが見えたので、そこまで行く。だが、この赤テープは順路から大きく東にはずれたダミー・テープだった。たぶん、六呂場山に行くときのルートなのだろう。何度かいったりきたりし、赤テープ(ダミーテープ)のやや東側から斜面に向かう切り分けをたどる。だが切り分けはすぐに消え失せ、笹を掴んでまっすぐ斜面を登る。スピードは出ず、辛抱強く登っていくしかない。まあ、沢登のときのツメではよくある。

ダミー・テープ・・・・・だいぶ東側に付けてある。六呂場山方面?

2,000m付近がいちばん傾斜が強く、そこを抜けて2,050m付近の尾根筋に上がったあたりで切り分けに遭遇。そこからは楽になる。背後には再び、深南の雄峰が立ち並んでいた。幅広で少しハゲている不動岳、双耳に見える鎌薙ノ頭と丸盆岳、鋭角ピラミッドが美しい黒法師岳、名前のない2,100m峰。それらの手前に見えるのは六呂場山だろうか。

黒沢山頂上手前から南東の景観: 不動岳、鎌薙ノ頭と丸盆岳、黒法師岳、2,100m峰

頂上付近は林の中

淡々と切り分けを登り、やがて斜面の上に頂上が見分けられるようになり、GPSで残り数百メートルのあたりで、頂上標識が見えた。そしてたどり着いた黒沢山の頂上の三角点はだいぶ土に埋まっていたが、「三等」のところがわずかに見えていた。木に打ち付けられた素朴な頂上標識もあった。苦労した分、格別の瞬間。

黒沢山頂上標識

頂上は林に囲まれて眺望はなかったが、北側斜面を少し下ると南アルプスの白い山と黒い山が見えた。黒い山の頂上左に見える白い斑点は光石に違いないので、黒い山は光岳、よってその左の白い山は兎岳と聖岳だろう。その左手前にある大きな黒い山は中ノ尾根山だろうか。これらの山が見れたのもよかった。名残を惜しみつつ、帰途につく。因みに、ルート上には赤い「火の用心」標識がいくつもあり、黒沢山頂上にもあった。帰路で一つ一つ写したが、形や場所は違えどすべて赤だった。

赤い火の用心1

埋まった三角点

赤い火の用心2

中ノ尾根山

兎岳と聖岳

光岳

黒い山の頂上左に見える白い斑点は光石に違いないので、黒い山は光岳

ミヤマカタバミ?・・・・・帰路の倒木帯にて

帰りはレイングローブとスティックを両方出して歩き、切り分けをたどって2,050m付近の急斜面を下る。急斜面ではスティックを手首にぶら下げ、笹を両手で掴んで下る。順路は黒沢山南斜面の南西側を下っていた。ダミーテープよりもだいぶ東側で1,900m付近の南斜面基部に下り、尾根筋を辿って順路の切り分けに合流。そこからしばらく楽になる。倒木帯では順路を見失うが、とにかく通りやすそうなところを選んで進む。見たこともない変なところに出てへたりこむと、足元に小さな花が咲いていて、思わず腰を下ろして花を撮影(ミヤマカタバミだろうか)。位置をかえたりして何枚が写していると気分が楽になり、長い倒木の上を歩いて何メートルか先で下る。そのうちに切り分けに再会する。

赤い火の用心3

黒沢山(トラバース路より)

P5の手前から往路を外れて本日初めてのルートとなるが、切り分けが二手に分かれており、トラバースしていると思って北に進むと、間違っていた。途中で強引に南に戻ると、順路の切り分けに再会。腰と肩が痛くなってきており、休憩。P5の北西のあたりから切り分けは明瞭になり、P4の北をトラバースしてゆく。林がなくて開けており、背後にずっと黒沢山が見えていた。なるほど、景観重視のルートだったのか。さすがに腰が痛くなっていて、シャウゾまでは遠かった。やっとシャウゾ頂上に着き、横になって休憩。

ミヤマカタバミ?

奥布山

奥布山では、GPS表示の最高点まで行ってみるが、明らかにそこは最高点ではなかった(地図が間違っているのか、またはGPS計測誤差)。林道終点まで下り、林道脇の草地の上で最後の休憩。まだ明るいが、もう14時頃だろうか。黄色い小さな花はタンポポじゃないよね(ヤクシソウ?)。奥のゲートから下のつづら折りは、ショートカットをしながら下る。3回目のショートカットはずいぶん長かった。

赤い火の用心4

林道に戻るとき、土手が高くなっていないかが重要。高いと下れない。そうしてやっとゲートに着き、登山者ノートに下山時刻を記入。15時半だったから、往復10時間半。そんなに悪くはないだろう。ゲートから駐車地点まではスティックを使ってジョギングで降りたが、長く感じた。途中で背後に見えたのは奥布山?シャウゾ?林道の崖下に白い花(ツルアジサイ)と赤い花(ベニバナツクバネウツギ)。水たまりのあたりからはやや登り返しになっていて、とぼとぼ歩いて駐車地点に到着。ゆっくり着替える。そこの草地にも花(ムラサキケマン)。

キイチゴの花

キバナノレンリソウ・・・・・結局、ゲートのところのみ

ヤクシソウ・・・・・林道脇。往路では暗くて見えなかった

鎌薙ノ頭と丸盆岳

赤い火の用心5

水窪湖

ツルアジサイ

ベニバナツクバネウツギ

林道の祠

ムラサキケマン

R152の通行止めを迂回する瀬尻橋には長い列ができていて、一方交互通行をしばらく待ってから渡る。瀬尻橋に着く前にえらく早い2台に道を譲っていたが、列の前にいた車はほどほどの速度。ところが後の車は早いらしく、ぴったりくっついていた。なんとも走りにくい。この日もやすらぎの湯に入り、やっとくつろいだ気分になれる。倒木帯とダミー・テープで間違えたところ以外は、踏跡や目印テープがふんだんに見つかり、歩きやすかった。花もたくさん。天竜で夕食を購入して再び水窪に向かうと、もう夜になっていて、一方通行規制はなし。対向車に何台か会う。背後から来た車を一台、先に行かせたと思う。

水窪ダム案内

マタタビ

竜頭山登山口に近い、大輪橋を渡ったところにあるトイレ付駐車場に停める。小さいが周囲に民家はなく、落ち着ける。22時過ぎ頃に就寝したと思うが、翌日のアラームは1時なので睡眠時間3時間。ちょっときついかな。