初公開日:2025/11/15
2025年10月28日にFedoraのバージョン43がリリースされました。
このバージョンからはこれまでのFedora及びFedora派生ディストリビューションのインストール画面が刷新されています。そちらのインストール方法(+isoファイルのダウンロード及びライブUSBの作成方法)はコチラにまとめています。
このページではバージョン42までのFedora及びFedora派生ディストリビューションのインストール方法について説明しますね。ちなみにエディションはKDE Plasmaデスクトップエディションを使っていますがインストール画面自体は他のエディション(デスクトップ環境)やFedora派生のディストリビューション(BazziteやAlma Linuxなど)でも同じです。
さてセキュアブート環境をオンにしている状態でバージョン42のFedoraのインストールメディアを起動するとこのような画面が出るはずだ。これが出た場合はまずどこでもいいのでキーを押すんだ。押さないと勝手に再起動するからな。
どこかキーを押したら選択肢が3つ出てくるがその中から「Continue boot」を選択すると次に進めるぞ。
先に進めたらLinuxのブートローダーである「GRUB」の画面が出てくるぞ。ちなみにセキュアブートをオフにしている場合は先ほどの画面は出ずにこの画面が出るぞ。
その中から「Test this media & Start Fedora-(エディション名)-Live」を選択するとライブ環境が起動するはずだ。デスクトップ画面が出てくるまで少々時間がかかるがまあそう焦らずに待て。
起動してしばらくするとデスクトップ画面が出てきます。
LinuxではWindowsとは違ってOSをインストールする前にそのOSをお試しできる「ライブ環境」モードが始まります。ここでOSがそのPCで動くかどうかを本番環境と同じようにテスト可能のためいわゆるゲームの体験版だと思ってください。そのためライブ環境でいろいろとデータを作ったり削除したりしても終了すると初期化されますのでもしスクリーンショットを撮ったり何かファイルを作ったりした場合はインストールメディアとは別のUSBメモリや外付けSSD/HDDを接続してそちらにコピペしてください。
デスクトップ画面が出ると画面中央にウェルカムウィンドウが出てきますので真ん中にある「Install to Hard Drive」をクリックするとインストーラーが起動しますよ。
それではいよいよFedoraのインストール作業を始めていきます!このインストーラーはバージョン42の内容となっています。バージョン43の新インストーラーはコチラからご参照ください。
まずは言語の設定からですね。デフォルトでは「English(英語)」になっていますのでこれを「日本語(Japanese)」にしましょう。日本語表示になったら右下の「続行」をクリックしましょう。ちなみに言語を設定後は自動的にキーボードの配列とタイムゾーンも設定した言語のものになります。
言語を設定するとメインメニューが出てきてインストールに必要な項目一覧が出てきます。このページを軸に様々な設定を行うことになります。順番は他のディストリビューションのインストール作業と違って好きな項目から行うことができますね。
「地域設定」の2項目は最初に言語を設定した際に自動的に設定されていますので再設定する必要はありませんがもし何らかの事情で日本語配列キーボードではなく英語配列キーボードを使っている場合は設定する必要があります。
インストールを開始するには注意マーク及び赤文字がある項目を全て設定する必要があります。まずはインストール先のディスクの設定からですね。
ここでは接続しているディスク(SSD/HDD)の一覧が表示されます。ディスクが1つしか無い場合はそのままでも良いですが2台以上のディスクが接続している場合は選択をミスしてしまうとインストール開始すると元に戻せなくなってしまいますのでよーく確認して選びましょう。
今回の場合はSSDは1つしかありません。なのでこのまま画面左上の「完了」をクリックします。もし1台のSSDでWindowsとデュアルブートする場合はパーティションを別ける必要がありますのでその場合は「ストレージの設定」からカスタムにチェックを付けてパーティションを別けてください。
もしもインストール先のディスクの中にすでにファイルシステムなどが入っていた場合、このままではインストールすることができません。まずは不要となったファイルシステムを削除する必要があります。画像では…またテラさんったら例の破壊コマンドでOSを壊したそうですね。直前までエンデバーOSを入れていたのでそれの残骸が残っています。
ファイルシステムなどが入っていた場合はこのようなウィンドウが出てきますので削除してもいいなら「すべて削除」をクリックして
このように「アクション」の部分が全て「削除」になったら「領域の再利用」をクリックして先に進めるようになります。
ちなみに本当にデータの削除やパーティションの変更が行われるのは「インストールの開始」をクリックしてからとなります。まだこの段階ではディスクに変更が加わっていませんので間違えた場合はインストールを開始する前であればやり直しすることが可能です。
次はインターネット接続ですね。すでに有線接続をしている場合はインターネットに繋がっていますのでそのまま次へ進んでもいいですが
中には有線接続が使えない方もいると思います。その場合はWi-Fi接続で繋げることになりますが接続するのはインストールウィザード内ではなくタスクバーにあるWi-Fiマークをクリックして表示されたSSIDを選んでパスワードを入力して接続することになります。接続できたことを確認したら「完了」をクリックしましょう。
ちなみに今回はKDEデスクトップ環境での解説ですが他のエディションもほとんど同じ感じです。なおライブ環境が無いBazziteの場合はインストールウィザード内にWi-Fi接続するための設定があるのでそちらから行います。
そろそろインストール前の設定も終盤になってきましたね。次はrootアカウントの設定となります。
rootとはLinuxにおける「管理者」というものでしてシステム全体に対してほぼ全ての操作が可能な特別なアカウントとなります。アプリのインストール/アンインストールや各種アップデートの実行などシステムに変更を加えるようなことをするのに必要なアカウントですね。
当然ですがシステムを含む全てに触れるアカウントになるためこれを有効にしたままだと万が一パソコンが乗っ取られた際に非常に危険な状態となります。従ってここでの設定は「rootアカウントを無効」にチェックを入れましょう。デフォルトですでに無効の方に入っていますのでそのままで大丈夫です。
rootアカウントが作られないためセキュリティ的にいいですがこのままではアプリのインストールなどができませんね。そこで最後の項目ですね。
最後はユーザーの作成となります。ここでようやく一般ユーザーの作成に入りますね。
フルネームを入力すると一緒にユーザー名が入力されます。なおフルネームの方で大文字を使うとユーザー名の方は自動的に小文字になりますので注意してください。ちなみにインストール後に後で名前を変更することが可能です。
ここで2つチェックボックスがありますがそのうち上の「ユーザーアカウントに管理者権限を付与する(wheelグループに加える)」のチェックが入っているかどうかを必ず確認しましょう。というのもチェックを入れないとrootアカウントが無い状態だと誰一人アプリのインストールなどができない状態になってしまうからです。wheelグループに加わったユーザーであればアプリのインストールやアップデートを行えるようになったりコマンドで「sudo」という一時的に管理者権限になれるコマンドが使えるようになるからです。デフォルトではチェックが入っているのでクリックしないようにしましょう。
ついでにすぐ下の「このアカウントを使用する際にパスワードを要求する」にもチェックを入れましょう。オフにするとパスワードを入れなくてもログインできるようになりますがセキュリティ強化やパスワードが必要な場面でパスワードを忘れてしまって詰まないようにするため面倒ですが日ごろからパスワードを入力する癖を身に着けておきましょう。
最後にパスワードの設定ですね。…まあ自分が覚えやすいパスワードでもいいですが基本的には
パスワードの桁数は10桁以上を推奨
文字種は数字、英字大文字小文字、記号の混在
サービスごとに異なるパスワードを使う
ノートなどにメモしてもいいけど誰にも見られない場所に保管すること
を心がけた方がいいですね。特に自分の個人情報(誕生日など)を含めたり「password」や「123456」とかすぐに破られるパスワードはダメですからね?
パスワードがどれだけ強いかどうかはゲージで表示されますのでできれば「強い」評価を目指して入力するのがベストですね。
全ての項目の設定が完了したらいよいよインストールができるようになるね。
最終確認としてインストール先のディスクを間違えていないか、ログインに必要なパスワードをしっかり覚えたorメモしたかを確認してから右下の「インストールの開始」をクリックしよう。クリックするともう後戻りはできないので注意!
インストールは自動的に進んでいくよ。その間に休憩するなりスマホをチェックするなりして気長に待とう。
当然だけどインストール中にインストールメディアUSBを抜くと最悪壊れるのでくれぐれもUSBには触れないように!
ゲージが満タンになるとインストール完了!
右下にかかれているけど利用開始するには再起動が必要だからまずは「インストールの終了」をクリックしてこのウィンドウを閉じて次にスタートメニューなどを開いて「シャットダウン」もしくは「再起動」を選択してライブ環境を終了しよう。
ともあれインストール作業お疲れ様でした!