初公開日:2025/6/11
さて前回は作ったPCにLinux Mintをインストールしたところで終わったね。
今回はインストール作業時に作ったアカウントでログインして初期セットアップなどをやっていくよ。
見た目を自分好みに変えるのもそうだけど…そもそもインストールした時点では日本語入力ができないという致命的な欠陥があるからね。
最低限日本語入力ができるようになるまでをしっかりレクチャーしていくのでこれからLinux Mintを使い始める方は一緒にやってみよう!
このページでは「Linux Mint 22.1-Cinnamonエディション」を使って解説します。他のエディション(デスクトップ環境)では見た目が異なりますのでご注意ください。
また今回から説明用の画像は仮想マシンのスクリーンショットを使用します。以前Windowsインストールのやり方を説明した回でも仮想環境のSSを使ってみましたがこちらのほうが直撮りよりも見やすいので今回も採用していくといったところですね。
それではログインして初期セットアップをやっていきましょう!
それでは前回のパートで作成したアカウントにログインしましょう。ログインすると初回は「ようこそ画面」ウィンドウが出てきます。
最初のページに「Linux Mint にようこそ」と書かれていますね。今までWindow歯科触ったこと無い人からしたらまさにLinuxという新天地に足を踏み入れた気分になりますね。
左に各項目がありますがとりあえず真ん中にある「始めましょう!」のボタンをクリックしましょう。
ちなみですがこのようこそ画面ですが起動するたびに出てきます。右下に「起動時にこのダイアログを表示」のチェックマークを外すと以降起動すると出てきません。一応左下のマークをクリックするかキーボードのWindowsキーを押すとアプリ一覧が出てきてその中から「ようこそ画面」のアプリがあるのでそこから再表示可能です。
早速「はじめに」のタブになって様々な初期設定項目があります。表示されている項目はこの4つだけでなく下にスクロールすると色々と出てきます。
色々と設定項目がありますが今回はその中でもこれは設定しておいた方がいいと思うものをメインに紹介していきますね。
他の「ドキュメント」「ヘルプ」「貢献」のタブですが特に初めての方は触らなくてもいいと思います。ドキュメントではインストールしたバージョンの新情報やリリースノート、ヘルプはウェブでフォーラムの確認やチャットで他ユーザーに助言をもらうことができます。
それではここから初期セットアップをやっていきましょう!
まずはなんと言ってもデフォルトの状態だとなんだか味気ないよね。
というわけでテーマカラーを変えてみよう!。
主に「スタイル」「外観」「色」を変えていくことになるよ。スタイルを変えるとアイコンが変わり、外観はダークモードかライトモードかダーク&ライトの混合モードを決めることができ、色は指定されたものから自由に変更できるよ。
ここでは簡易的な設定となるけど「詳細設定」をクリックするとマウスカーソルのアイコンやアプリケーションのタブカラー、アイコンの色や見た目やデスクトップのスタイルををそれぞれ変更できるようになるよ。
さらに詳細設定ならば他のユーザーが作ったテーマをダウンロードして使えるので気に入ったテーマがあるならそれを使うこともできるよ。
せっかくだから背景も変えたいよね。背景はここからでは変更できないのでまずは何もない場所を右クリックしてその中にある「背景を変更(B)」をクリックしよう。
そしたら背景の一覧が出てくるのでそこから選ぼう。ちなみに左のタブにさらにいろんな背景があるよ。
もちろん最初から入っている以外の画像も背景として使えるよ。左下の「+」をクリックして画像が入っているフォルダを指定すればその中の画像を背景として設定できるよ。
…と、このようにいろんな見た目に変更できるので自分好みのテーマを探すのも良いかもね。
とりあえずここから先はこんな感じのテーマで進めていこうと思うよ。
PCを使っていればいずれ何かしらのトラブルが生じるはずだ。今まで普通に使えていたがある日突然調子が悪くなるということも多々ある。
もし何らかのアプリをインストールしたりOSなどのアップデート後に調子が悪くなったら変更前の状態に戻したいと思うはずだ。
そんなタイムマシン的なバックアップシステムはしっかりLinux Mintにも搭載されてある。それが「Timeshift」と呼ばれるアプリだ。
ようこそ画面の「はじめに」の2つ目の項目に「システムスナップショット」から設定できるぞ。なお設定を開始するにはパスワードの入力が求められる。これは他のLinuxディストーションもそうだがセキュリティ強化のためシステム管理に関わるアプリは必ずパスワードの入力が求められるから注意しろ。
パスワードを入力したらセットアップとしてまずは作成するスナップショットの種類が聞かれるが
これはそのまま「RSYNC」で構わん。…というか仮想環境だからこれ以外は設定できないな。
一応ヘルプをクリックすると詳細がわかるぞ。
次にスナップショットの保存場所を決めることになる。今回は仮想環境だから仮想HDDに保存するが
通常は実機環境だからPCに接続しているSSD/HDD一覧が表示される。保存場所はどこでも構わないが基本的にOSが入っているストレージ"以外"に保存するのがベストだな。もしOSが入っているSSD/HDDに何かしらの障害が発生してしまったら復元ができないからな。
場所を決めたら「次へ」をクリックだ。
次にスナップショットの保存間隔の設定だな。デフォルトでは毎日にチェックが入っているがさすがにそこまではいらないな。というかスナップショット作成中は少し重たくなるからな。
基本的に毎週、もしくは毎月に作るのがベストだ。もちろん指定された間隔じゃなくても手動でスナップショットを作成可能のためOSアップデート前にスナップショットを取ってから行うというなら毎月1回スナップショットを作るというやり方が良いかもな。
保持数はその名の通りスナップショットを保持できる最大数だ。多ければ復元できるポイントが増えるがその分容量を使うことになる。ストレージ容量が少ない場合は保持数を少なくしたほうが良いぞ。
あとはスナップショットの保存対象を設定するところだがこれもそのまま「次へ」で大丈夫だ。
これで設定は完了だ。設定したタイミングで起動後10分後に自動的にスナップショットを作成するようになるぞ。
「完了」をクリックしてセットアップウィザードを閉じたらTimeshiftのメイン画面が表示される。特にいじるところは無いからそのウィンドウも右上のバツを押して閉じて終了だな。
次に「ドライバーマネージャー」の設定だね。これは主にグラボのグラフィックドライバやその他周辺機器でオープンソース以外のドライバ(公式が配布しているドライバなど)が使用可能であればそちらを使うということができるよ。
仮想環境では使えないので実機環境のSSになるけど例えばNVIDIAのGPU(グラボ)を使っているならNVIDIA公式のドライバを選択できるようになるよ。
最初はオープンソースのものが使われているけどグラボの性能をフルで活かしたいなら公式のドライバに変えることをオススメするよ。一番上のものが選択可能なものの中では最新版になるよ。
ちなみにですがWindows用のドライバとバージョンが異なります。NVIDIAのドライバの場合はWindowsでは576.〇〇ですがLinuxの場合は現段階では570.〇〇しか使えません。
NVIDIAのドライバインストーラーはLinuxでは使えないので注意してください。ドライバのバージョンを変えたい場合はドライバーマネージャーから変更してくださいね。
次は「アップデートマネージャー」の設定ですね。タスクバーの右下にある盾のマークがアップデートマネージャーとなっています。これをクリックしてもアップデートマネージャーを開くことができますよ。
初めて開くとようこそ画面が出てきます。アップデートマネージャーはセキュリティやアプリケーションなどのアップデートを全てこの画面で一括で行うことができる便利なアプリですね。
「OK」を押して先に進みましょう。
…と、するといきなりアップデートマネージャー自体にアップデートがあるそうですねwここは「アップデートを適用」をクリック更新しましょう。
その前に「近くのローカルミラーに切り替えますか?」と表示されているのでこのタイミングで設定しておきましょう。ちなみにパスワード入力が求められます。
ローカルミラーというのはいわゆるミラーサイトというものです。大本となるサイトからダウンロードするとなると海外にサーバーがあるため通信速度が大幅に落ちてしまいます。そこで日本国内にあるミラーサイト経由でダウンロードすれば通信速度が早くなります。
新たなウィンドウ「ソフトウェアソース」が開きます。ここで「ミラー」の項目に現在どこからアップデートを取得するかが書かれてあります。
現在ではメイン(xia)がアメリカから、ベース(noble)がイギリスから取得する感じになってますね。これでは日本からあまりにも遠すぎるため両方とも設定しましょう。
URLをクリックするとミラーサイト一覧のウィンドウが出てきます。その中でしばらくすると右側に速度が表示されるのでその中から一番早い(数字が大きい)サイトを選択します。
両方とも通信速度が早いサイトに設定したら「ここをクリックしてAPTキャッシュを更新します」をクリックしましょう。これでミラーサイトの設定は完了です。
キャッシュ更新が終わったらソフトウェアソースのウィンドウを閉じちゃいましょう。
それではアップデートマネージャー自体のアップデートをします。「アップデートを適用」をクリックしたらパスワード入力が求められますので入力してください。
しばらくするとアップデートマネージャー自体の更新が終わって自動で利用可能なアップデートを探してきます。初回アップデートということでかなりの数のアップデートがありますね。
基本的にアプデ可能なものは全てチェックが入っているのでそのまま「アップデートをインストール」をクリックしてパスワードを入力してアプデを開始しましょう!時間がかかるので完了するまで電源を切らずにしばらくお待ちください。
アプデがインストールされると場合によっては再起動してくださいというメッセージが表示されます。できるだけ早めに再起動しておきましょう。
より細かい設定は「システムの設定」アプリから可能だ。ようこそ画面アプリから設定できない項目が多数あるから必要に応じてここから細かな設定が可能だな。
全部紹介するとキリが無いからどんな設定内容かは各自でチェックするんだ。ちなみに先程までやっていたソフトウェアソースやユーザー管理など一部の設定項目はパスワードが必要になるぞ。
というわけでここまでが基本的な初期セットアップだったね。他にもファイアウォールの設定やシステムレポートに関する設定もあるけどそれは後からでもできるよ。
それよりもまだこの段階では肝心な日本語入力ができないから初期セットアップラストは日本語入力をするための設定をやっていこう!
「システムの設定」アプリ内もしくはアプリ一覧から「入力方式」というアプリを開くとこのようなウィンドウが出てくるよ。
まずはようこそ画面が出てくるので右から「日本語」をクリックしよう。
クリックすると…日本語入力を始めるための手順が書いてあるだけなんだよね。
流石にこれだとわかりづらいので一つずつ説明していくね。
まずは「言語サポート」のパッケージをインストールするところから始まるよ。というのもこれがないとアルファベット以外の文字が入力できないからね。「インストール」のボタンをクリックしてパスワードを入力したらダウンロード&インストールを開始するよ。
インストールが完了したら次はタイトルバーの「入力方式フレームワーク」を「なし」から「Fcitx」もしくは「iBus」に変更するよ。どちらでも良いけどここは手順に従ってFcitxに設定しておこう。
変更したら一旦ログアウトしないといけないよ。ログアウトは左下のボタンをクリックするかWindowsキーを押すとアプリ一覧表…すなわち「スタートメニュー」が表示されるのでそこから黒い横向きの電源マークである「ログアウト」をクリックしよう。
クリックすると画面真ん中に確認ウィンドウが出てくるので赤い「ログアウト」をクリックしてログアウトしよう。
ログアウトしたらログイン画面に戻ってくるのでパスワードを入力して再びログイン。
するとタスクバー右下に先程まで無かったキーボードのアイコンが出現しているよ。
ここから先程の入力方式アプリではFcitxの設定がどうたらこうたら書いてあるが…実はもうこの時点で日本語入力ができるようになっているんだよね。
試しに日本語入力ができるかどうかのチェックだね。文字入力できるアプリ「テキストエディタ」を使ってみよう。テキストエディタはアプリ一覧の中にあるよ。
…しかしそのままでは英語入力になってしまう。というのも右下のアイコンがキーボードのマークだと英語入力になってしまうんだよね。
そこでキーボードの「半角/全角」キーを押すと…先程までキーボードのマークだったのが「あ」と書かれたアイコンに変身!
これこそLinuxで日本語入力するのに必須となる「Mozc」というアプリ!。ちなみにMozcは「Google日本語入力」というアプリのオープンソース版だね。
この状態なら日本語入力が可能!
半角/全角キーを押すとMozcのボックスが出てくるからこれでついに日本語入力ができるようになるね。もちろん予測変換できるよ。ただ本家Google日本語入力(Gboard)と比べると予測変換のデータが更新されていないため最新の単語には対応していないね。わかりやすいのがプリキュアでGboadだと最新作キミプリの初期メンバーまでのプリキュアが収録されているけどMozcだとハグプリの追加戦士までのプリキュアしか収録されていないね。
トハイエとりあえず一番の懸念点だった日本語入力問題はこれにて解決!。ユーザー辞書やレイアウトの設定などはFcitxの設定アプリで設定できるけどそれは慣れてからでもいいよ。
というわけで無事に日本語入力ができるようになりましたでしょうか?
ここまでの初期セットアップが完了すればようやくこのLinux Mintを本格的に使い始めることができますね。
次回はLinux Mintを使っていろんなことをしていきましょう。ブラウザを使ったネットサーフィンだったりソフトウェアマネージャーからアプリをインストールしていろいろなことをしたりと…できることは無限大にあります。
もちろんLinuxなのでターミナル(端末)を使ったCUI操作にも慣れることも重要ですね。最初のうちは難しいですが慣れるとGUIに頼らなくてもアップデートやアプリインストールなどがコマンド入力だけでも行えるようになりますよ。
とりあえず今回はここまでです!。また次回いつ公開になるかわかりませんがひとまずここまで見ていただきありがとうございました♪