初公開日:2025/5/21 最終更新日:2025/9/17
それでは早速作業開始…と行きたいところですが…
残念ながらここから先はLinuxをインストールしたいPCとは別のPCが必要となります。
というのも新しいPCにOSを入れるためにはインストールメディアUSBが必要となります。インストールメディアを作るには使用可能なパソコンが1台必要です。
なのでもしこのサイトにある「#7 ラファンでもわかる自作PC組み立て講座」シリーズを見て初めてPCを組んだという人はおそらくインストールメディアを作る手段が無いはずだから
その方たち向けに前回のアステラ・プラスの続きからという意味合いでWindowsのインストールや初期設定方法をまとめておくよ♪
WindowsPCを組んだ上で2台目以降のPCのOSとしてLinuxを導入するのが一番望ましいね。
今回はLinuxをインストールしますので予めWindowsPCが手元にあることを想定しての話となります。
それを踏まえた上でご覧ください♪
それではまずOSのイメージファイルのダウンロードからですね。OSというのは「ISO」ファイルという形式で配布されています。ISOというのは国際標準化機構の定義した光ディスク用のアーカイブファイルのことだそうです。アイコンはそのままCDやDVDと同じです。
Linuxにはいろんなディストリビューション(OS)がありますが…今回は「Linux Mint」をインストールするという流れでやっていきます。まずはLinux Mintの公式ページにアクセスしましょう。画像をクリックするかコチラのリンク先からでもそのページにアクセスできます。
アクセスしたら英語ですが…Chromeをお使いの方はページを日本語に翻訳することが可能です。英語が苦手な方は翻訳しながら進めるのをオススメします。今回は翻訳せずに原文のまま進めていきます。
次にトップページにある「Downlord」と書かれた白いボタンをクリックするとエディションの説明があります。標準の「Cinnamon(シナモン) Edition」と軽量の「Xfce(エックスエフシーイー) Edition」「MATE(マテ) Edition」があります。
エディションはインストールしたいPCのスペックに合わせて選びましょう。そこそこのスペックのPCならシナモンエディションでも十分動きます。昔のノートPCなどの低スペックPCだとシナモンエディション以外を選んだ方がいいかもしれませんね。
なお現行バージョンのLinux Mintは64ビット版しかありませんのでCPUは64ビット対応のものじゃないと動きません。まあ最近のCPUなら大丈夫ですが…数十年以上も前のCPUはちょっと怪しいかもしれませんね。
インストールしたいエディションを選びましたら「Downlord」と書かれた黒いボタンをクリックしましょう。
エディションを選びましたらどこのミラーサイトからダウンロードするかを選びます。ダウンロードするものはどのサイトでも同じですが…国境をまたいでダウンロードするのは通信速度が大幅に低下してしまうからです。
幸いスクロールしていくと日本のミラーサイトがあります。日本国内なら十分ダウンロード速度は出せる(※)のでお好きなサイトを選んでダウンロードしてください。ちなみにダウンロードサイズは約3GBですね。
(※もちろんダウンロード速度はお使いの環境にもよる)保存場所を選ぶとダウンロードが開始され、時間が経つと完了しますね。もし完了しない場合は…ミラーサイトが日本国内のサイトになっているかを確認したり時間帯によってはネットが混雑しているかもしれないので混雑していない時間帯に再チャレンジしてみてください。
さてLinux MintのOS本体を入手したわけだが…このままではiso形式のファイルのためそのままでは使えない。
次はこれを使って「インストールメディア」を作成することになる。Windowsの場合はパッケージ版という選択肢があってインストールメディアを作成可能なPCが無くても付属のUSBでインストール可能だったが…Linuxは基本的にパッケージ版で販売されているということは全くないからな。
インストールメディアの作成に必要なものは以下の通りだ。
使用可能なPC(Windows/Mac/Linux)
少なくとも8GB以上の容量を持ったUSBメモリ
インストールメディア作成ツール
以上の3つだ。Windowsとは違ってインストールメディア作成用のツールが必要となる。Linuxには予め起動可能なUSBメモリを作成するアプリが入っている(※)がWindowsはデフォルトでは入っていない。
(※ディストリビューションによっては無い場合もある。ちなみにLinux Mintはプリインストールアプリとして入っている)まずはその作成ツールを探すところから始まる。ちなみに今回はWindows環境での紹介となるため別のOSでは対応していないアプリがあるから注意しろ。
調べてみると様々なソフトウェアがあるはずだ。例を挙げるなら
Rufus
Balena Etcher
が人気どころだな。今回はその中でも有名な「Rufus(ルーファス)」を使うことにする。ちなみにRufusはWindows専用だから注意しろ。Macの場合は「Balena Etcher」で代用することになるぞ。
検索してトップに出てきたページかコチラのリンク先からRufusのホームページにアクセス可能だ。
ツールの簡易説明が書かれていてスクロールするとダウンロードできるリンクがあるぞ。基本的に一番上で大丈夫だがもしお使いのPCがArm(※スマホに搭載されているCPU)系Windows11の場合は4つあるうちの一番下を選ぶんだな。まっ…Arm系Windowsを使っている人がいるかどうかさておきだが…
ダウンロードしたら「Rufus-(バージョン名).exe」というアプリケーションファイルができているはずだ。これをダブルクリックして実行。ユーザーアカウント制御が出てくるが「はい」で許可するんだ。
初回起動時はアップデートの自動確認機能を有効にするかどうかを聞かれるが…どっちでもいい。どちらかのボタンを押すとメイン画面が出てくるぞ。
ではここからインストールメディアの作成に入る。まずはデータを削除しても構わないUSBメモリをPCに接続し、「デバイス」の項目から接続したUSBメモリを選択する。USBメモリは書き込むOSによって容量が変わるが…最低でも8GB以上が必要だ。
しかし世の中には8GBと書いてあるが実際は7.○○GBしか無いUSBメモリが多い。これでは要件を満たせないためできれば16GB以上のUSBメモリがあれば余裕を持って書き込み可能だ。
USBメモリを選択したら次は書き込みたいISOファイル(.iso形式)を選択する。「ブートの種類」の横にある「選択」をクリックして先ほど入手したLinux MintのISOイメージファイルを選択するんだ。選択するとそのファイルが選ばれるぞ。青いチェックマークがでたら準備完了だ。
その他の項目はISOイメージファイルを選んだ時点で勝手に入るはずだ。下手にいじらずにそのままの状態にしておけ。
後は「スタート」を押して書き込み開始だな。
LinuxOSのインストールメディアを作成する際はこのような注意ウィンドウが出る。これはRufusのアプリケーションとISOイメージファイルで「Syslinux」のバージョンが違うということらしい。
インターネットから2つのファイルを追加でダウンロードしないと書き込みができないためここは「はい」をクリックして続行だ。
そして画像を撮り忘れたが最終確認としてUSB内の全てのデータが削除されるという警告が出る。「はい」を押せば後戻りはできないぞ。もし書き込み前にUSB内のデータを別のSSDやHDDに移し忘れたならこれが最後のチャンスだからな。
書き込みが開始したら後は待つだけだ。下に現在の書き込み進捗が出るため緑のバーが最大になったらインストールメディアの完成だな。
完成したらRufusは閉じてもいいぞ。
それでは役者は揃ったということで
いよいよサブPCにLinux Mintをインストールしていこう!。今回はバージョン22.1を使っているよ。
まずは作成したLinux Mint入りUSBメモリを接続してからPCの電源ボタンを押してね。もし電源ボタンを押しても画面が出てこないなら
電源ユニットのコンセントは挿してあるか
主電源スイッチをオン(「|」)になっているか
モニターの電源が入ってあるか
映像出力ケーブルがしっかりモニターとPCに接続されているか
マウスとキーボードが繋がっているか
を確認してね。特に主電源は小さいケースだとアクセスできないような位置になる場合もあるから基本的に主電源スイッチは入れっぱなしでもいいかもね。
起動したらマザーボードのメーカーロゴが出てくるのでその間特定のキーを連打してUEFI(BIOS)画面に入ろう。メーカーによって連打するキーが違うので説明書などを見てね。ちなみに何もOSを入れていない状態なら勝手にUEFI画面に入るはず。まあこれもメーカーや設定によって変わるかな。
UEFI設定画面で「起動(ブート)メニュー」をクリックすると起動可能なブートローダー一覧が出てくるのでその中からLinux Mintが入っているUSBメモリを選択してね。
選択するとこのように黒い画面に白い文字が映っている画面になるのでこのまま
「*Start Linux Mint (バージョン名 エディション名) 64-bit」が選ばれているのでそのままエンターキーを押してスタート!
起動してしばらくするとデスクトップ画面が出てきます。
…そうです、Windowsとは違ってLinuxではOSをインストールする前にそのOSをお試しできる「ライブ環境」モードが始まります。ここでOSがそのPCで動くかどうかを本番環境と同じようにテスト可能のためいわゆるゲームの体験版だと思ってください。そのためライブ環境でいろいろとデータを作ったり削除したりしても終了すると初期化されますのでもしスクリーンショットを撮ったり何かファイルを作ったりした場合はインストールメディアとは別のUSBメモリを接続してそちらにコピペしてください。
ちなみにライブ環境ですがほとんどのDebianベースのLinuxはあるはずです。Linux Mintではいきなりライブ環境になりましたがUbuntuやZorin OSは先にインストールウィンドウが出て言語設定をしてからインストールするかライブ環境に入るかを選択する形ですね。
では今回はSSDに何もOSが入っていないことですし
早速Linux Mintのインストール兼初期設定を始めましょう!
まずは言語設定ですね。これは日本語でOKです。なぜか日本語が一番下にあるので探してクリックして表示が日本語になったら「続ける」ボタンをクリックしましょう。
次にキーボードレイアウトですね。ここまではWindowsと同じですね。
キーボードレイアウトの方ですが…これはまず左の一覧で「Japanese」が選択されていることを確認します。皆さんは大抵JIS配列のキーボードを使っているためこれでいいはずです。もしUS配列のキーボードを使っているならちょっと変更した方がいいかもです。
次に右の一覧に同じ日本語キーボードでも複数種類あります。…が、これもそのまま「Japanese」を選択してください。違うものを選ぶと動作がおかしくなるかもしれませんので下手に変更しない方がいいかもしれませんね。
下のテキストボックスに試し打ちができますので念のため記号を入力してみて大丈夫であれば続けるをクリックしてください。
次に写真を撮り忘れてしまいましたがインターネット接続の設定を行います。ちなみにWindowsとは違ってスキップが可能ですのであとで設定しても大丈夫です。
有線LANケーブル接続の場合はすでにインターネットに接続されている状態なので次の項目に行きますが、Wi-Fi接続の場合は接続したいアクセスポイントを選び、パスワードを入力して接続します。
なおもしお使いのパソコンにWi-Fi機能が付いているけどドライバをインストールしないと接続できない場合は…かなり苦戦することになります。ノートパソコンやUSBで接続タイプの無線Wi-Fi子機であればすぐWi-Fiが使えますがデスクトップPCのマザーボードに搭載されているWi-Fi(及びBluetooth)の場合は別途ドライバをインストールする必要があります。
残念なことに…マザーボードメーカーから配布されているドライバのインストーラーはWindows専用のものとなってしまいます。Linuxでは使用不可のため違うやり方でインストールしなければなりません。しかもやり方は結構初心者には難しいためこれは素直に無線Wi-Fi子機を買うか有線LAN接続にしましょう。
インターネット接続が完了したらマルチメディアコーデックをインストールするかどうかを聞かれます。
マルチメディアコーデックというのは動画・音声ファイルの再生やウェブサイトを正しく表示させるためのものですね。これはチェックを外すとスキップ可能でスキップした場合は後でインストールすることができますが…普段使いするのであればこのタイミングでインストールしてしまいましょう。
なおBIOS(UEFI)設定でセキュアブートをオンにしている場合はマルチメディアコーデックのインストールするのであればセキュアブートのパスワードをここで設定することになります。設定したセキュアブートのパスワードは再起動後に入力する画面が出てきます。こちらの外部サイトからインストール時に設定したセキュアブートのパスワード入力方法が載ってありますのでそちらを見ながら進めてください。
さていよいよインストール先の選択ですね。今回OSが何も入っていないSSDのため選択肢が2つしかありません。パーティションを作ってインストールするなら下の「それ以外」を選択していろいろと設定しますが、パーティションを分けるといろいろと面倒なことになりますので初心者の方は上の「ディスクを削除してLinux Mintをインストール」を選択してインストールを開始しましょう。
もちろんインストールするということは対象のSSD内のすべてのデータが削除されますのでもし中にデータが入っている場合はいったんPCの電源を切ってからSSDを他のPCと接続してデータをバックアップしてから再度戻ってきてインストールを開始してくださいね。
ちなみにだがすでに他のOSが入っている場合は選択がもう一つ増えるはずだ。これを選択するとマルチブートとなってPCを起動した際にどちらのOSを起動するかを選択することが可能だ。
…ただし1つのSSDでWindowsとLinuxのマルチブート環境を構築するのはあまりオススメはしない。というのもWindowsが入っているSSDにLinuxをインストールする場合はブートローダーが「Windowsブートマネージャー」から「GRUB」に置き換わる。もしWindowsのアップデートでWindowsブートマネージャーが復旧されるとGRUBが無くなってLinuxが起動できなくなるからな。1台のPCで複数のOSを使いたいのであれば面倒だが1つのSSDに1つのOSをインストールするのが無難だな。
インストール先を決めたら次はタイムゾーンの設定ですね。これは基本的に「Tokyo(東京)」が設定されていますのでそのままでいいです。
…多分このサイトを見ている方の中にはいないと思いますが…違う国に住んでいるならその国に設定し直してください。一応言語設定で日本語を選択するとタイムゾーンはデフォルトでは東京が選ばれているはずです。
その後はいよいよインストール前の設定も終盤ですね。Linuxにログインするためのユーザー名とパスワードを設定していきます!
まず「あなたの名前」ですがこれはアルファベットしか使えない感じです。ちなみにここで入力した名前ですがその下の「コンピューターの名前」と「ユーザー名の入力」に自動的に入力されます。個別に変更したい場合はそれぞれのテキストボックスから編集してください。
次にパスワードを入力します。パスワードはログインなどをするのに必要なので忘れないように覚えるかメモを取って流出しないようにしっかり保管してくださいね。パスワードは自由ですが…あまり短すぎるとすぐ破られてしまいますのでできるだけ強いパスワードにしてください。パスワードの強さは入力すると表示されるのでそれを目安にしながら決めてください。
ログインする際に「ユーザー名」と「パスワード」が必要になります。またLinuxではセキュリティ強化のためにアプリのインストールやアップデートなど権限が必要な場面では毎回パスワードが求められますので注意してください。
ちなみにデフォルトではログイン時する際にパスワードを入力する必要がありますが「自動的にログインする」という選択肢もあります。便利な反面権限が必要でパスワードを入力する場面でパスワードを忘れてしまわないように注意してくださいね。
ユーザー名とパスワードを決めたらついにインストール開始です!
インストールが完了するまで時間がかかりますので気長にお待ちください。ちなみに画面ではLinux Mintの紹介スライドショーを見ることができます。初めての方は一通り見ておくことをオススメします。
このウィンドウが出たらインストールは完了です!。ひとまずここまでお疲れ様です♪
このまま「今すぐ再起動する」をクリックしてインストール後の本番環境を始めることができますが再起動するまではライブ環境のままですのでもうちょっと体験版を続けたいなら各自で再起動もしくはシャットダウンをしてください。
ちなみに再起動やシャットダウンをするとロゴと「Please remove the installation medium, then press ENTER:」という文字が出てきます。これが出たらインストールメディアUSBを抜いてからエンターキーを押してください。インストールメディアを挿しっぱにするとPCを起動するとまたライブ環境が起動してしまいますからねw
さてインストールが終わってUSBを抜いてから起動するとログイン画面が出てくるね。
Linux Mintの場合はインストール作業時に登録したユーザー名が最初から入力されてあるから後はパスワードを入力すればログインできるよ。自動ログインを有効にした場合はこの画面は出ないよ。
そんなわけで次回はインストール後の最初のセットアップから説明してこうと思っているよ!
実はこのOS…デフォルトでは日本語入力ができないからそれを有効化すべく本格的に使い始める前にいろいろと設定をしないといけないんだよね。
まあ複雑そうに思えるけど見ながらやれば割と簡単!。というわけで簡単にできるように解説を作るつもりなので次回の更新もお楽しみに✨