初公開日:2025/10/15
さて前回のパートではOSのインストール作業まで進めましたね。
次はインストール後に最初にやる作業としてアップデート作業と日本語入力環境を整える作業となります!
特に日本語入力できるようにしておかないとLinuxで文章作成する際に苦戦してしまいますので一緒にやり方をマスターしていきましょう♪
それでは一番最初にやる作業ですが…「アップデート」作業となります。
というのもFedoraですがインストール作業中は初期設定でインターネットに接続することは可能ですがインストール時に更新データも一緒にインストールはしてくれないためインストール直後はバージョンがリリースされた時点の内容しか含まれていません。
このままインターネットに接続してネットサーフィンなどしようものなら脆弱性が修正されていないためウィルスに感染したりサイバー攻撃を受けるリスクが高いです。
…従ってまずはOSを最新の状態に更新するところから始めましょう。
OSをアップデートする方法として以下の2種類があります。
ストアアプリを使って更新(GUI環境)
ターミナルでアップデートコマンドを入力して更新(CUI環境)
Linuxに慣れている方であればターミナルを使って直接コマンドを入力した方が早いですが初心者の場合はいきなりコマンド入力は少しハードルが高いかもしれません。というわけでマウスをポチポチするだけでもできるストアアプリを使ってOSを更新してみましょう。
今回は「KDE Plasma Desktop」エディションを例に説明します。Plasmaデスクトップ環境では「Discover」というストアアプリがプリインストールされています。ここから各種アプリのインストールや更新、また設定から「リポジトリ」といういわゆる倉庫を登録することでインストール可能なアプリを増やすことが可能です。
タスクバーに青い紙袋のマークのアイコンがありますのでそれが目印ですね。
ちなみに他のデスクトップ環境をお使いの場合はストアアプリが違うものになっています。ただ大まかな使い方は同じですのですぐわかるはずです。
それでは更新のやり方ですね。左のメニューバーに「更新」というのがありますのでそれをクリックすると更新データの有無を確認してくれます。更新データがある場合はこのように結果が出てきますので
チェックが入っていることを確認したら上の方にある「すべて更新」をクリックしてください。クリックするとパスワードの入力が求められます。これはシステムに変更が加わるため管理者権限が必要になるからです。
OSインストール時にrootアカウントを作っている場合はそのパスワードを使い、rootアカウントが無い場合は今ログインしているユーザーのパスワードを入力することで更新データのダウンロードとインストールを開始します。
ちなみに初回更新時のデータ容量ですが時期にもよりますが画像では約5GBもあるみたいですね。
ダウンロードが終わると更新をインストールするためにいったん再起動が必要になります。Discoverの画面に再起動するボタンがありますしスタートメニューから再起動することも可能です。
再起動の確認画面が出たら「更新をインストールして再起動」をクリックすることで再起動が始まり、更新データのインストールが始まります。インストール中は絶対に電源を切らないでくださいね。無事に更新データのインストールが完了すると再起動してログイン画面が表示されますね。これで更新は成功となります。
さて次は日本語入力環境を整えるところだね。Linuxと言えばこの作業がまあディストリビューションによって簡単難しいが変わってくるからね!w
…とりあえずFedoraの場合はデフォルトの状態では「全角/半角キー」を押してもIMEの切り替えができない(=日本語入力に切り替えができない)のでまずはそれをどうにかするところからだね。
スタートメニューもしくはタスクバーに「KDE システム設定」というアプリがあるのでまずはそれを開こう。ちなみに大抵の設定や壁紙や見た目の設定はここから行うことになるので自分好みのデスクトップにしたいなら隅々まで要チェックだね。
まずは左のメニューから「キーボード」を選択しよう。そうするとキーボードレイアウトのページが出てくるけどここは特にインストール時に言語を日本語に設定していれば自動的に日本語配列キーボードなっているはずだよ。このページは特に変更する設定は無いね。
設定するのは「仮想キーボード」の項目。
ここでFedoraは最初から「Mallet」が選択されているけどそれをすぐ隣の「IBus Wayland」を選択して右下の「適用」をクリックしてね。
IBus(アイバス)というのはLinuxにおける多言語入力をサポートするための入力メソッドフレームワークのことでこれをオンにすることで初めて英語以外の言語(日本語や中国語など)を入力できるようになるんだよね。過去にLinux Mintの日本語入力環境セットアップを紹介した時に「Fcitx(ファイティクス)」が出て来たけどこれも入力メソッドフレームワークだね。どちらも同じ入力メソッドフレームワークだけど両方ともオンにすると干渉しちゃうからどちらかをオンにしてね。
Fedoraでは最初からIBusがインストールされているけどFcitxはインストールされていないのでもし使いたいならアプリストアから探してインストールするかコマンドを入力してインストールしてね。今回はIBusでのセットアップになるよ。
IBusを適用するとタスクバーに「JA」という青い文字が出てくるようになるよ。
次は出て来た「JA」を右クリックして設定をクリックしよう。
こうするとIBusの設定画面が出てくるよ。まずは入力メソッドの切り替え(=IMEオンオフ)のキーを登録するところからだね。
「次の入力メソッド」の右にある「…」をクリックしよう。
現在ではキーボードショートカットが「<Super>space」となっていて
これだと「Super(Windowsキー)とスペースキーの同時押し」で英数字入力とローマ字入力を切り替えることになるんだよね。…流石にこれじゃあ使いづらいよね?
そこではキーボードショートカットを追加するために「キーコード」の隣にある「…」をクリック。そうすると「キー(もしくはキーの組み合わせ)を入力してください」という別ウィンドウが出てくるので
最初に「無効」と書かれた部分をクリックして「新しいアクセラレータ」に切り替わったらIMEをオンオフを切り替えたいキーを押そう。押したらウィンドウが閉じてキーコードの部分に押したキーが反映されるので下にある「追加」ボタンを押して一覧に追加できるよ。
僕の場合はこのように設定したよ。最初からある「<Super>space」を削除して
新たに「全角/半角」「無変換」「変換」の3つのキーを登録したよ。ちなみにちょっと困るのがWindowsみたいに「無変換」キーでIMEオフ、「変換」キーでIMEオンということはできずどのキーを押してもWindowsの「全角/半角」キーを押したような挙動になっちゃうだよね。FcitxだったらうまいことWindowsみたいにできるけどIBusはそれが今のところできないのはちょっと残念💦
まあともあれこれでIMEの切り替えができるようになったね。
さてお次は日本語入力に必要な日本語入力メソッドですね。
…ですが実はなんと最初から日本語入力メソッドが入っているそうです!
IBus設定の「入力メソッド」のタブを開くと現在の入力メソッド一覧が表示されます。そこには
日本語 - Anthy
日本語 - 日本語
があります。下にある「日本語 - 日本語」はややこしいですがいわゆるWindowsでいうIMEがオフになっている状態(英数字入力)のことですね。
注目したいのは「日本語 - Anthy」ですね。これがWindowsでいうところのIMEがオンになっている状態(ローマ字入力)ですのでこれで日本語入力が可能になるわけです!
あ…あれ?もずくちゃんじゃないぞ!?
もずくちゃん?
…あぁ「Mozc(モズク)」のことですわね。テラジローの方が余計ややこしいですわ(#^ω^)
ず…随分辛辣だねw
Mozcというのは名前だけだとわかりづらいですが
かの有名な「Google 日本語入力」のオープンソース版がこのMozcですね。本家Google日本語入力と比べてサジェストの更新が遅れている(※)けど
(※特にプリキュアの名前で感じることが多い。最新のGoogle日本語入力だとキミプリ(2025年放送)の初期メンバー3人のサジェストは出るがMozcだとデパプリ(2022年放送)ぐらいまでしか出てこない)それでも変換精度が高かったりリアルタイム変換が可能などほぼGoogle日本語入力と同じ感覚で使えるため非常に使い勝手が良いIMEとなります。
ところでAnthyの方はどうなんですか?
一方のAnthy(アンシー)ですがこちらは最も古いオープンソースのIMEとなります。名前の由来はアニメ『少女革命ウテナ』の主人公の一人・姫宮アンシーから来ているそうです。
その古さ故に変換精度が低かったりサジェストが出てこないなど普段使いにはかなり厳しいかもしれません。その代わり軽量で動作が軽いためパフォーマンスを求めたりmozcが動かない環境ではこちらが使われることがあるそうです。
ただ完全に使えない子というわけではないみたいだ。
調べてみると辞書を強化できる他、よく変換精度を確かめるのに使われる文章でmozcよりも変換精度が高い場合もあるみたいだ。
特に余計なサジェストが出てこない分こちらの方がスッキリして使いやすい場合もあるそうだ。
う~ん…でもやっぱりMozcを入れたいな~
…インストールできるよね?
そりゃLinuxだからな。ターミナルを使えばすぐにインストールできるぞ。
ターミナルアプリだがこれまたデスクトップ環境によって異なるぞ。Plasmaデスクトップ環境の場合は「Konsole(コンソール)」という名前になっているぞ。コンソールの正しいスペルは「Console」だがKDEのアプリは頭文字に「K」が付くことが多いからおそらくダジャレだろうな。
ターミナルを開くと黒い背景にポツンと「(ユーザー名)@(ディストリビューション名):~$」と表示される。この「$」マークの後にコマンドをキーボードを使って入力していくぞ。
まずは小手調べにターミナルを使ったパッケージのアップデート方法だな。パッケージ管理には「dnf」というコマンドを使う。これはFedora及びその派生ディストリビューションにおけるパッケージ管理コマンド(※)というわけだ。以前Linux Mintを使ったときはUbuntu(Debian)派生だったためパッケージ管理コマンドは「apt」となっていたがこのようにベースとなったディストリビューションによってパッケージ管理コマンドが変わるぞ。
(※ただしBazziteはdnfコマンド使用不可(使おうとするとブラウザが起動してドキュメントが開かれる)。代わりに「rpm-ostree」を使う)それではコマンドの入力だな。パッケージのアップデートには
「sudo dnf upgrade」
と入力するんだ。「sudo」は一般ユーザーを一時的に管理者権限に昇格するためのコマンドでこれを使う場合はパスワードの入力が必要だ。パスワードは今使っているアカウントにログインするためのパスワードだからな。「dnf」は先ほど説明したFedora系におけるパッケージ管理コマンドで「upgrade」はパッケージの更新を確認してあるなら更新するかどうかを聞くコマンドだな。更新するならキーボードの「y」キーを押し、しないなら「n」キーを押すんだ。
これならわかりやすそうかもですね!
パッケージの更新コマンドを行ったらいよいよMozcのインストールだな。…ただしMozcには2種類ある。それは「IBus用のMozc」と「Fcitx用のmozc」だ。今回はIBusを使っているためIBus用のMozcをインストールすることになるぞ。
そのコマンドだが
「sudo dnf install ibus-mozc」
と入力するんだ。「sudo」と「dnf」はさっき紹介したはずだ。「install」はそのままの意味でパッケージをインストールするコマンドだ。「ibus-mozc」はインストールしたいパッケージの名前でこの場合は「IBus用のMozc」を指している。つまり「IBus用のMozcをインストールしてこい」という意味だな。
正しいパッケージ名が入力されているならインストールするかどうかを聞かれるからインストールするならキーボードの「y」キーを押し、しないなら「n」キーを押すんだ。またインストール中にキー登録するかどうかを聞かれるためそちらもyキーかnキーで答えるんだな。
これもとてもわかりやすそうですね!
しっかりインストールできたならまずはいったんログアウトか再起動を行うんだ。じゃないとインストールが反映されない可能性もあるからな。
ログアウトまたは再起動したら再度ログインし、再びIBusの設定画面を開いて入力メソッドのタブを開くんだ。そして右側にある「追加」をクリックすると別ウィンドウが開いてそこで追加したい入力メソッドの言語(今回だと日本語)を選択し、その言語の入力メソッドの一覧に「Mozc:A」「Mozc:あ」「Mozc」というのが追加されているはずだ。
い…一気に3つも追加されたらどれを選べばいいかわかりません💦
今回は日本語入力(ローマ字入力)を使いたいのでこれは「Mozc:あ」を選択することになるぞ。
検証してみたところ「Mozc」だと英数字入力になってしまうからこれでは使えないからな。日本語入力目的で使うなら「Mozc:あ」と書かれたメソッドを選ぶことになるぞ。
追加に成功したらこんな感じになっているはず。…そうこのままではIMEオン状態のものが2つもあることになっているからねw
Mozcを入れたのでAnthyを現在有名中の入力メソッド一覧から「日本語 - Anthy」を選択した状態で右の「削除」ボタンをクリックすると削除できるよ。
ちなみに削除といってもこのパソコンからアンインストールするわけではないから使いたいとなったら追加ボタンから登録できるよ。
削除するとこんな感じになるね。
こうなっていれば成功だよ!
では実際に日本語入力ができるかどうかテストしてみましょう。
今回はテキストエディタを使ってテストしてみます。入力メソッド切り替えキーを押して「Mozc:あ」になったらキーボードで文字を入力してみると…
はい!無事に日本語入力ができましたね!
しっかり変換もできていますのでこれでFedoraにおける日本語入力環境のセットアップは成功です!
Mintの時と比べるとちょっと手間が増えて面倒ですけど
それでもArch系と比べたらまだかなりマシな方ですわね。
あっちは環境変数ファイルを作らないといけないしそもそも入力メソッドフレームワークすら入っていないという不親切仕様ですわ(#^ω^)
ま…まあArch系は結構クセがあるディストリビューションだからねw
それに本家Arch Linuxなんて最小限を突っ走り過ぎてインストールは全部CUI環境でやるものだから入力メソッドフレームワークも自分でインストールしてねということだからね。
さて次のパートはせっかくグラフィックボードを積んだゲーミングPCですしLinuxでゲームを遊びたいですよね♪
…しかしグラボの性能を最大限に活かす「ドライバー」のインストール作業でセキュアブートの弊害が出てしまったそうです!?
かつてないほどの大ピンチにどう立ち向かうテラさん!?