初公開日:2025/10/15
それではこのページではFedoraのインストール方法を紹介していきます!
まず下準備として以下の4つが必要となります。
使用可能なPC(OSイメージインストール&インストールメディア作成に必要)
インターネット環境(OSイメージのダウンロードに必要)
USBメモリ(インストールメディアにしても大丈夫なもの)
FedoraをインストールしたいPC(※デュアルブートしたいならパーティションを別けるかもう1台SSD/HDDを用意)
FedoraのOSイメージをダウンロードしたりダウンロードしたOSイメージをUSBメモリに書き込むのにインストールしたいパソコンとは別の使用可能なパソコンが必要になります。そのため本作業はまず前提としてすでに何かしらのパソコンを所持していることが必須です。
WindowsでもMacでもLinuxでもとにかくOSが入っていて普通に使えるパソコンが必要だね。
もしこのサイトにある「#7 ラファンでもわかる自作PC組み立て講座」シリーズを見て初めてPCを組んだという人はおそらくインストールメディアを作る手段が無いはずだから
その方たち向けにWindowsのインストールや初期設定方法をまとめてあるからまずはWindowsを用意した方がいいかもね。WindowsPCを組んだ上で2台目以降のPCのOSとしてLinuxを導入するのが一番望ましいね。
もちろんMacを持っているならそっちでもいいし僕みたいにPCが2台以上あるならすぐにOSダウンロード作業から始められるよ。
それでは最初にFedoraのOSイメージ(isoファイル)をダウンロードするところからだな。コチラのサイトにアクセスするとトップページが開き、そこからダウンロードしたいエディションを選ぶことになる。
今回は「KDE Plasma Desktop」を選択するが基本的にはそれか「Workstation」を選べばいいぞ。違いはデスクトップ環境ぐらいだけだからな。
他にも「Fedora Spins」というデスクトップ環境が別のものに置き換わったものもあるからまずはサイトを一通り見て回って気になったものをダウンロードしてみるのも良いかもな。
「もっと知る」をクリックするとそのエディションの情報が表示され、「今すぐダウンロード」をクリックするとダウンロードページが開くぞ。
ダウンロードページを開いたらどれをダウンロードすればいいか悩むはずだ。
だが心配しなくていい。というのも基本的にPCは「Intel」もしくは「AMD」のCPUを使っているはずだ。そのためダウンロードするものは
「Intel と AMD x86_64 システム向け」と書かれたものでOKだ。ボタンが2つあるがそのうちの右のボタンがダウンロードボタンだ。
…そうそう言い忘れていたがFedoraは「64ビット版」しか無いぞ。64ビット版OSが動かない古いPCでは動かせないから注意しておけ。
一応ダウンロードが完了したらダウンロードしたイメージファイルが本当に正しいかどうかをチェックしておけとページをスクロールしたら出てくるはずだ。
個人用途として使うのであれば別にチェックしなくてもいいが仕事などで使う場合は念のためやっておいた方が良いかもな。ちなみにこの作業のことを「チェックサム」というぞ。
次はダウンロードしたisoファイルをUSBメモリに書き込んでインストールメディアを作成しますね。
インストールメディアを作成するアプリはいろいろあります。
主にこの3つが人気だと思います。以前ステラさんがLinux Mintを入れた際にルーファスを使っていましたね。その時のやり方はコチラに載ってありますのでルーファスを使って作成する場合はそちらを参考にしてみるのもいいかもしれませんね。
またFedora公式が「Fdora Media Writer」というアプリを配布しています。
これを使うと先ほどのFedoraのOSイメージのダウンロード及びインストールメディア作成をこのアプリ内で行うことができる他、それ以外のOSイメージもこのアプリを使ってインストールメディアを作成することもできます。
WindowsやMac、Linuxに対応していて無料で使えますのでもしインストールメディア作成アプリを探すのが面倒という方は使ってみてはどうでしょうか?
当然ですがインストールメディアの作成に使うUSBメモリに保存されたデータは作成の際に全て削除されます。
もし大切なデータが入っているのであれば先に別のストレージにデータを移してから作成作業を始めてくださいね。
それでは役者は揃ったということで
いよいよPCにFedoraをインストールしていこう!
まずは作成したFedora入りUSBメモリを接続してからPCの電源ボタンを押してね。もし電源ボタンを押しても画面が出てこないなら
電源ユニットのコンセントは挿してあるか
主電源スイッチをオン(「|」)になっているか
モニターの電源が入ってあるか
映像出力ケーブルがしっかりモニターとPCに接続されているか
マウスとキーボードが繋がっているか
を確認してね。特に主電源は小さいケースだとアクセスできないような位置になる場合もあるから基本的に主電源スイッチは入れっぱなしでもいいかもね。
すでに他のOSがインストールされている場合はおそらくそのままだとインストールしたOSが起動するはず。その場合は起動する際にロゴが出るけど出ている間に特定のキー(※)を連打することでUEFI(BIOS)画面にアクセスできるから
(※マザーボードのメーカーによってキーが異なる。大抵はF2キーかDELキーで入れる)そこから「ブートメニュー」で挿しこんだUSBメモリを選択すればインストールメディアを起動できるよ。
インストールメディアを起動するとこのようにLinuxのブートローダーである「GRUB」の画面が出てくるぞ。以前まではセキュアブートをオンにしていると青い画面が出てきていたがバージョン43からはそれがスキップされたみたいだな。
その中から「Test this media & Start Fedora-(エディション名)-Live」もしくは「Start Fedora-KDE-Desktop-Live」を選択するとライブ環境が起動するはずだ。デスクトップ画面が出てくるまで少々時間がかかるがまあそう焦らずに待て。
起動してしばらくするとデスクトップ画面が出てきます。Fedora43のデフォルト背景はスペースシャトルということでなんだか懐かしいですね。
LinuxではWindowsとは違ってOSをインストールする前にそのOSをお試しできる「ライブ環境」モードが始まります。ここでOSがそのPCで動くかどうかを本番環境と同じようにテスト可能のためいわゆるゲームの体験版だと思ってください。そのためライブ環境でいろいろとデータを作ったり削除したりしても終了すると初期化されますのでもしスクリーンショットを撮ったり何かファイルを作ったりした場合はインストールメディアとは別のUSBメモリや外付けSSD/HDDを接続してそちらにコピペしてください。
デスクトップ画面が出ると画面中央にウェルカムウィンドウが出てきますので真ん中にある「Install to Hard Drive」をクリックするとインストーラーが起動しますよ。
それではいよいよFedoraのインストール作業を始めていきます!今回のインストールですが実はAlma LinuxやBazziteといったほとんどのFedora派生のディストリビューションも同じインストーラーとなっています。そのためゲーミングPCを組んでOSにBazziteを採用する場合はFedoraと同じ方法でインストールが可能です。ちなみにBazziteの場合はライブ環境が無いのでいきなりインストーラーが起動します。
バージョン43からはインストーラーが刷新されてよりわかりやすくなりました。バージョン42までと比べるとインストールに必要な設定項目をどこから設定し始めるかを自由に選べなくなりましたが必要な設定が順番に行えるので初心者でもわかりやすくインストール作業が行えると思います。
まずは言語及びキーボードの設定からですね。言語ですがデフォルトでは「English(英語)」になっていますのでこれを「日本語(Japanese)」にしましょう。なお先にインターネットに接続しておくとデフォルトの言語が住んでいる国に合わせて自動で設定されるそうです。
キーボードの方はデフォルトだと「英語(US)」になっています。大抵皆さんは日本語配列キーボードを使っていますので…
スクロールすると日本語キーボードが出てきます。これをクリックしてインストール画面左下の方にある「次へ」のボタンをクリックしてくださいね。
さっきチラッと出てきたがインターネットの話だな。接続しなくてもインストール自体は可能だがライブ環境の段階から接続しておけばインストール後の初回起動からインターネットに接続された状態で始めることができるぞ。
インターネットへの接続だが主に有線(LANケーブル)と無線(Wi-Fi)の2通りがある。有線ならただケーブルを繋げればいいだけだが無線ならネットワーク設定を開く必要があるぞ。
とはいえやり方は簡単だ。Plasmaデスクトップエディションなら画面右下のシステムトレイに無線通信の項目があるからそれをクリックし、表示されたWi-FiのSSIDが表示されるから接続したいSSID名の右にある「Connect」をクリックしてパスワードを入力して再度「Connect」をクリックすると接続完了だ。
…なおデスクトップPCの場合マザーボードにWi-Fi機能が付いている場合は要注意だ。仮にWi-Fiのチップがインテル製なら特に問題はないと思うがもし「MediaTek」製なら大抵はLinux向けに出しているドライバーは無いため使用不可(※)だ。ステラのメインPCもメディアテック製Wi-Fiチップを搭載していてマザーボードのWi-FiがLinuxでは使えなかったからな。
(※チップによっては有志の人が作ったドライバーを入手して手動でインストールすれば使えるが…ターミナル使用必須なので初心者にはハードルが高い)有線接続ができればベストだが部屋の関係上でどうしてもWi-Fi接続をせざるを得ないシチュエーションがあるだろう。対策としてUSBのWi-Fi子機を買って取り付けておけばとりあえずはインターネット接続が可能となる。少々費用がかかるがWi-Fiしか使えない環境でWi-Fi接続ができないなら用意しておく必要があるぞ。
お次は時刻とタイムゾーンの設定ですね。インターネットに接続している場合は住んでいる国や地域に応じて自動的に設定されます。接続していない場合は手動で設定することになりますね。
ちなみに余談ですがWindowsとデュアルブートする場合、どうやらWindows側の時刻設定がズレるという問題があります。時刻設定を同期するコマンドがありますが…Fedoraの場合はインターネット接続していると「NTPサーバー」に自動接続するようになりこれによってWindowsとのデュアルブート構成でもWindows側の時間がズレなくなりますしコマンド入力で時刻同期するという手間が省けます。
次はFedoraをインストールするディスク(ストレージ)の選択だね。この状態ではまだ何も選ばれていないので
「インストール先を変更」をクリックしよう。
そうすると現在接続しているディスクの一覧が出てくるよ。
ディスクの名前の他、容量にNVMe接続のディスクかどうか、更にはWindowsで使っているかどうかも判明できるよ。
この中からインストールしたいディスクを選択しよう。選択したディスクにはチェックマークが付くよ。複数のディスクを選択できるけど基本的にはディスクは1つだけ選んだほうがいいと思うよ。
インストールしたいディスクを選択したら「選択」ボタンをクリック。そうするとそのディスクに対してどのようにFedoraをインストールするかどうかを聞かれるよ。
今回は何もパーティションも入っていないまっさらなSSDを選んだので選択肢は「ディスク全体を使用」だけになっているよ。この状態で「次へ」ボタンをクリック!
もしインストールしたいディスクの中にWindowsや別のOSが入っていた場合はこのような選択肢が出てきます。
「他のオペレーティングシステムとディスクを共有」の場合は1つのディスクでデュアルブートできるようにパーティションを割り振りします。ただしパーティションの操作は知識が無いと下手にいじってしまうと最悪すでに入っているOSが起動できなくなる危険性がありますので上級者向けとなります。
「ディスク全体を使用」は選択したディスクの中身をすべて削除してそのディスクにインストールすることになります。当然中身はすべて消えてしまいますので行う際は必ずバックアップを取ったりライセンスが必要なアプリでコンピューターにライセンスを紐付けしている場合は事前に解除してからインストールを行うようにしてください。
「マウントポイントの割り当て」ですが…これも上級者向けです。ひとまず初心者の方は「Linux用にSSDを用意してその中にインストールする」ということを覚えておくと面倒なトラブルにならずにスムーズにインストールができますよ。
次はストレージの暗号化の設定だな。…これは別にしなくてもいいぞ。
確かに暗号化したほうが万が一盗難や紛失にあったときに暗号化されているため情報漏えいのリスクが軽減されたり不正アクセスを受けても被害を最小限に抑えられるが
暗号化すると毎回起動時にパスワードを入力して復号化する作業を行う必要がある。ましてやパスワードを忘れてしまって復号化ができなくなるとその時点で中のデータが消えたも同然になるからな。
オマケにパフォーマンスの低下があるからゲーマーにとってはあまりいいことは無いだろうな。一般ユーザーは暗号化の設定は無視してさっさと次の項目に進めるんだな。
それでも業務の都合上やセキュリティを強化したいがために暗号化したい場合は「データを暗号化する」にチェックを入れる。そうすると起動時のキーボードレイアウトとパスフレーズ(パスワード)の設定画面が出るぞ。キーボードレイアウトはよほどの事情が無い限り日本語キーボードになっているからそのままだな。
パスワードだが6文字以上必須だ。ましてや中には情報漏えいしたらマズいデータを入れるわけだから強固なパスワードが必要だ。パスワードの大まかな強さは可視化されるからそれをもとに強固なパスワードを設定するんだ。
確認のため同じパスワードをもう一度入力する。あと設定したパスワードをメモする場合は誰にも見られない場所かつ紛失しないように厳重に保管しておけ。
Windows11だと新規インストールの時点で勝手に暗号化(BitLocker)が有効化になっちゃうからね。回復キーは自分のマイクロソフトアカウントのページかコントロールパネルで確認できるけど多分初めてパソコン使う人にとってはもはや罠を通り越してランサムウェアの領域なんだよねw
Linuxならディスクの暗号化は勝手に行われないというのがいいところだな。暗号化したいならしたい人だけやればいい「オプトイン方式」なのも自由度の高さの一つだな。
Windowsはユーザーの了承も得ずに勝手にインストールや有効化してユーザーは手間暇かけてアンインストールしないといけない「オプトアウト方式」というのが実に終わっている点だな。
さてインストール作業も終盤戦ですね。いよいよユーザーアカウントを作成していきます。
デフォルトでは「Use local account」にチェックが入っています。このチェックは外さないようにしましょう。ここで作成されるアカウントはシステム全体の変更を行うことができる「管理者権限」を使うことができる一般ユーザーになります。通常時はなんの権限を持たないユーザーですがアプリをインストールしたりシステムに変更を加えるようなアプリを使ったり、ターミナル(端末)で「Sudo」コマンドを使う場合はパスワードを入力して一時的に管理者の力を得ることができます。
アカウントの作り方ですが簡単です。「フルネーム」にあなたの名前を入力します。なおインストール時点では日本語入力はできないため必ず英語名になります。インストール後に日本語入力環境を整えたらフルネーム部分を日本語で設定可能ですのでまずは一時的な名前にしておきましょう。
「ユーザー名」は設定したフルネームから最初の1文字目が小文字になったものを使用します。こちらも後から変更可能ですがフルネームとは違って日本語名にはできません(※)ので注意してください。なおこのユーザー名はシステムにログインする際や操作を行う際の個々のユーザーを識別するための名前に使われます。
(※一応日本語で設定できるが…文字化けとかが起こり得るので非推奨)そしてパスフレーズ(パスワード)の設定ですね。ログインするときや管理者権限が必要な場面で使いますのでしっかり覚えるかメモを取るようにして管理しておきましょう。
ちなみに「rootアカウントを有効化」にチェックを入れるとroot専用アカウントが作成されます。ユーザー名は「root」です。パスワードもrootアカウント専用のものをここで設定します。
rootアカウントというのは先程説明した「管理者権限が使える一般ユーザー」とは違って常に管理者権限が使えるユーザーとなります。そのためシステムのほぼ全てにアクセスできるrootユーザーで作業し続けるのはセキュリティ的にも極めて危険です。特にLinuxを構成する大事なファイルを消せてしまうためうっかり操作を誤るとLinuxが起動できなくなったりデータが消えてしまうリスクがあります。更に万が一rootユーザーの状態で不正アクセスを受けて乗っ取られてしまったら…もはや大変なことになってしまいますね。
そのため可能な限りrootユーザーは作成しないほうがいいです。もちろん管理者権限が使える一般ユーザーであっても不必要な管理者権限一時取得は危険ですので必要なとき以外は使わないようにしましょう。
アカウントの設定が完了したらいよいよインストール前の最終確認!
最終確認として言語やキーボードレイアウトを間違えていないか、インストール先のディスクを間違えていないか、ログインに必要なパスワードをしっかり覚えたorメモしたかを確認してから下の「データを消去してインストールします」をクリックしよう。クリックするともう後戻りはできないので注意!
インストールは自動的に進んでいくよ。その間に休憩するなりスマホをチェックするなりして気長に待とう。
当然だけどインストール中にインストールメディアUSBを抜くと最悪壊れるのでくれぐれもUSBには触れないように!
ゲージが満タンになるとインストール完了!
利用開始するには再起動が必要だからまずは「ライブデスクトップに戻る」をクリックしてこのウィンドウを閉じて次にスタートメニューなどを開いて「シャットダウン」もしくは「再起動」を選択してライブ環境を終了しよう。
ともあれインストール作業お疲れ様でした!
インストール後に再起動するとログイン画面が出てくるので先ほどの設定で決めたパスワードを入力してログインしましょう。
ログインするとようこそセンターが開きますのでこれでようやくインストール作業が終了したことになりますね。
ちなみに「Workstation(Gnomeデスクトップ環境)」の場合は初回起動時に初期設定ウィザードが表示されます。もしそちらのエディションをお使いの場合は画面の指示に従って設定を進めましょう。
さて次のパートではインストール後最初にやることとしてアップデート作業と日本語入力環境を整えることですね。…ですが実はすでに日本語入力環境自体は入っています。
ただ初期設定だと半角全角キーを押しても日本語入力にはできないためちょっと設定が必要ですね。その辺を含めて次はそちらの設定をしていきます。
ともあれまずはいったんここで一区切りですね。ここまでお読みいただきありがとうございます♪