十三ってどんなキャラクター?

 典型的な「投げキャラ」です。他の格闘ゲームでよくみられる投げキャラと同じく、投げの性能が高いのは勿論のこと、単発の打撃性能もなかなか良い代わりに、連続技に恵まれていません。ジャンプBしゃがみC立ちAダッシュ上段攻撃などで相手を押さえ込み高威力のコマンド投げ(ぶんナゲとその派生)を狙う形と、逆に、ぶんナゲを狙うと匂わすだけで打撃により地道に体力を削る形を、試合のなかで上手く使い分けていく面白さがあるでしょう。

 空中戦用の技、対地上牽制のジャンプ攻撃、地上での牽制技、攻撃の基点となる技は一通り揃っています。しかも、備えているコマンド投げの種類には、上手くプレッシャーを掛けて相手を跳ばせた場合に効果を発揮する、対空用の投げまであります。実は、全体的な立ち回り上では弱点らしい弱点の少ないキャラクターです。が、キャラクターの当たり判定が大きいため、一部のキャラクターの昇り小ジャンプ攻撃に対して、とてもとて~も苦しい思いをすることになります。

 本ゲームでは珍しく、示源と同じくキャラクター間の相性によって戦力差が広がり易いキャラクターらしく、勝てる相手には勝ちやすく負ける相手には負けやすい傾向が極端に現れやすいと思います。


 剣質『力』は、投げ技のぶんナゲから出せる超奥義、ほうむラン!の決定力が高く、逆転性にも優れたキャラクターです。剣質『力』ゆえ単発打撃技の重さもあり、打撃で相手の体力を削って、溜まった剣質ゲージを使用してほうむラン!で試合を終わらせる、まさに投げキャラの綺麗な勝ちパターンが狙えます。また、追い込まれて体力ゲージが点滅していても、いつでも逆転可能と言っても過言ではない強力なガード崩しと攻撃力を備え、逆に相手に対して強いプレッシャーをかけることができます。


 剣質『技』は連殺斬が使えるので連続技そのものは剣質『力』に比べ数多くなります。しかし、ダメージを優先させて鉄アタマで締める連続技には、あまり連殺斬は絡みません。しかも、この威力重視の連続技は、当てた後でも相手に反撃されます。酷い場合は与えたダメージ以上を喰らうハメになります。

 連殺斬と並び剣質『技』の特徴である乱舞奥義は、特定の技との相打ち後など、特殊な条件を満たさなければ連続技に組み込めず、全キャラクターで共通する、弾きからのみの確定となります。連殺斬から発動して二択をかけることも、まずできません。乱舞奥義の存在が強烈なアドバンテージになるとは思えません。

 また、ぶんナゲの間合いが『力』に比べて狭くなっています。そのため、折角得た打撃による横圧しを活かして投げるという戦術が、『力』に比べて遥かに容易になる、とは言い難いです。

 『力』よりも戦術幅を広げなくては勝てず、単調なゴリ押しが難くなりプレイヤーへの負担が大きくなります。投げの追撃タイミングを覚える以外に多くの練習が必要な「テクニカルな投げキャラ」を使いたいというプレイヤーには、使い込む面白さを感じ易いでしょうか。


十三の強いところ

 投げを狙う布石として相手を地上に押さえつけるため技は揃っています。空中での競り合いにもジャンプAジャンプCが使え、対地に向くジャンプBしか使えないということはありません。投げに目が行ってしまうかもしれませんが、空中戦には強い部類のキャラクターです。

 近距離地上戦でのジャンプ抑止には、立ちAが使えますし、出の早いしゃがみCで足元をしつこく狙うこともできます。遠距離からはダッシュ上段攻撃がジャンプ抑止技として機能します。本ゲームではダッシュ攻撃が全体的に使い難いのですが、十三のそれはとても優秀です。

 ぶんナゲの間合いは通常投げより広く、適切な間合いで出せば投げ返されることはありません。強烈な投げ技が最大の強みです。

 また、キャラクターの防御力が高く、実質的に体力量が多いのも見過ごせません。


 剣質『力』は、広いぶんナゲ間合いが光ります。間合いの広さは、相手に打撃連係で圧されているときに、割り込んで反撃する際に重宝します。また、ぶんナゲからの追撃を含め、攻撃力も高いです。なにも、威力が高いのは、超奥義のほうむラン!だけではありません。かットバシふットバシ↑+Bによる追い討ちまでの1セットも、他のキャラの通常状態基本連続技に引けを取らないダメージ(例えば、『力』楓の←+A×3>立ちA空牙(B)高空牙(その後ダウン追い討ち含む)より高威力です)があります。もっとも、投げキャラですから、打撃連続技の代わりにまとまったダメージを与える手段が投げからなければなりません。そう考えると妥当なところでしょうか。

 やはり、空中戦とぶんナゲの間合いの広さが強い点です。


 剣質『技』特有の強い点は、特に見当たりません。連殺斬や乱舞奥義が使えることよりも、剣質ゲージが溜まりやすくぶんナゲとその派生を含めた単発攻撃力が高い『力』の方が遥かに強く、投げキャラらしい試合の組み立てもし易いでしょう。


十三の弱いところ

 特定キャラクターの昇りジャンプ攻撃が厳しく感じると思います。また、十三の近距離地上牽制技(立ちAしゃがみC)の外から小技で牽制して横押しが可能なキャラクターに対しては、打撃で圧し返せず、本来は十三側が立ちAで相手のジャンプを引っ掛けるはずが、逆に十三の方が引っ掛けられてしまいやすく、動き難くなるでしょう。勿論、ぶんナゲの間合い外なので、強力な投げでの割り込みも不可能です。

 中間距離から圧してくるキャラクターへの対抗が、投げに行くために必要な工夫のしどころとなるでしょう。


 剣質『力』は、上で述べた点以外、大きな弱点はありません(投げが強力なキャラなので、高威力の打撃連続技が無いのを大きな弱点とは考えません)。が、残念なことに、本ゲームでの上位キャラクターは、相性的に十三や示源に勝ち易いです。そのため、十三はトップクラスの性能を誇るキャラクターとはなりません。


 剣質『技』の場合、打撃と投げのバランスが良くなり、色々とやれることが増えるのですが、その代わりに決定力が剣質『力』より劣っています。なによりも、ぶんナゲの間合いが『力』程広くない点が大きく響いています。  一応、剣質『技』で、さらに空中戦が弱い相手キャラクターと闘う場合には、通常技の性能で圧せますが、それ以外の相手に勝つには、強引にほうむラン!をぶち込むなり、意地でも弾きから乱舞を決めなければならないでしょう。