守矢ってどんなキャラクター?

 このゲームにおける、理論上は最強クラスのキャラクターです。

 通常技と必殺技共に、優秀な対地上牽制と対空牽制技が揃っており、また超奥義や潜在奥義を絡めない通常連続技の破壊力(剣質『技』)や反撃能力なども素晴らしいです。間合いに優れ隙も少なく、対地対空両面で使える必殺技のは、このゲーム中で最強の牽制兼対空迎撃技で、典型的な対空必殺技の新月、通常技では←+Bによる対空兼牽制、出が早く横に長いジャンプAとの相乗効果により、対空迎撃力は飛びぬけています。どれも空中弾きが可能な技ではありますが、豊富な対空技を使い分けることにより、跳び込む側が全てを弾ける一定のタイミングというものが自然と消滅するので、選択肢の豊富さがそのまま強さに繋がっています。

 さらに、移動必殺技の歩月(AとBでの発動に限り発動後にAC同時押しをすることで隙を軽減可能)の存在が、最強クラスキャラクターの地位を確固たるものにしています。テレポートして一瞬で相手の目の前に移動できる歩月(B)と、一瞬で間合いを離せる歩月(A)の2種類が、「画面全部が守矢の間合い」を作り出す鍵となっています。

 接近戦では、キャンセル可能技であればガードされても歩月(A)で安全に離脱できることを生かした、ローリスクな攻めが可能で、反撃性能が対戦において重要なポイントとなる本ゲームでは、反撃を受け難い攻めが可能な点は非常に有利となります。また、歩月の発動モーションはAでもBでも同じため、相手にとっては、両方を想定した動きか、片方を予測して動くしかありません。適当に歩月を散らすだけでも、相手の動きを抑制する効果がありますし、通常の操作ではダッシュからガードに移行できない本ゲームでは、歩月(A)でこまめに間合いを離す守矢を相手に地上からの接近が非常に難しくなります。守矢側は、特に相手の行動を読んでいなくても、歩月を撒くことと歩月(A)で離れるような間合いから朧を撒くだけで、相当な壁を構築できます。そして、地上から接近しにくい相手は空中からとなるので、前述した豊富な対空迎撃手段がさらに役立つこととなります。

 このキャラクターは、操作はかなり複雑な部類に入ると思いますが、やり込んだだけ結果が返ってくるタイプです。しかも対戦環境に恵まれないプレイヤーでも一人で練習して身につけた技術が対戦で効果的に使い易く、試合の主導権を常に握り続けることで、実戦経験不足からくる硬直短縮を利用した反撃精度が低い場合でも、同キャラや一部を除いた他のキャラクターを使う熟練プレイヤー相手に、互角以上に闘えるキャラクターとなっています。


 剣質『力』では、近距離よりも中~遠距離戦をベースとした立ち回りになるでしょう。徹底して距離を保ち、相手の技の届かない間合いから体力を削っていくのが基本です。→+Bによる牽制の他にも、打点が高く間合いもそこそこ長い立ちAによる牽制、逆に足元を狙ってしゃがみAによる牽制などで相手を動き難くすることができます。それに、歩月(B)からのダッシュ投げを混ぜると、相手はなかなか反応できません。

 逃げなら対空迎撃兼牽制、相手の出鼻を挫くように前へ出て立ちAしゃがみA、アクセント程度に歩月(B)からのダッシュ投げを狙い、相手をイライラさせつつ時間一杯使って勝つのが好きなプレイヤー向けのキャラクターです。


 剣質『技』では、剣質『力』には無い、連殺斬を絡めた強力なラッシュが加わり、守矢使いの殆どはこの剣質の方が使っていて面白いと感じるようです。剣質『力』が、防御に特化した立ち回りとするならば、剣質『技』は、万能型です。単純なダメージ面では剣質『力』より牽制能力が落ちていますが、守りを固める相手を崩す手段は、連殺斬の中に高速中段技の水無月を組み込めることや、連殺斬の途中で歩月を絡めて緩急をつけた攻めを継続可能なことから、より優れています。

 出の早い←+Aからの連続技は破壊力も十分にあり、高い攻撃回避や迎撃性能をもつため、先に連続技を1セット入れるだけでその後の試合が大きく有利に展開できます。大抵のキャラクターは、連続技2セット分の体力差がつけば余裕が出てきますが、相手の攻撃を喰らわない立ち回りが可能な守矢にとっては、1セット差が非常に大きいものとなっています。


守矢の強いところ

 なにがともあれ、攻撃回避性能、迎撃性能、牽制性能です。通常技と必殺技両方とも優れています。超反応のCPUを相手にしているのであれば別ですが、対人戦を考えると、操作ミスさえしなければどんな相手とも互角以上に闘えます。接近して攻撃を仕掛けることに力を注ぐのではなく、相手の行動を封じる動きを意識すると、強さが実感できると思います。

 相手に、「(牽制と迎撃、歩月による回避があるから)ちっとも攻撃に行けない!攻撃があたらない!」と思わせることができたら、勝ちは確定しているようなものです。


 剣質『力』は、極めて高い牽制能力と迎撃能力の他、確定状況こそ弾き成功後しかないものの強力な昇華連続技(月影B×4>昇華して十六夜月華)の存在が強い点として挙げられます。弾きからの確定大ダメージは剣質『技』にも乱舞奥義がありますが、剣質ゲージの溜まり易さと体力点滅時の逆転性、単発攻撃が主体になり相手が反撃しようと手を出してくるポイントを絞り込み易い点から、実戦でのプレッシャーはこちらの方が上だと思われます。


 剣質『技』特有の強い点では、連殺斬をガードされてもガード硬直短縮からの反撃を受けることがない、これに尽きるでしょう。基本的にガードされると不利になるゲームにおいて、安全に攻撃を展開でき、自由に仕切り直しもでき、そして当たれば高威力連続技が確定するというのは、それだけで相手にとって脅威です。


守矢の弱いところ

 投げから追い討ちができないため、一旦大幅なリードを相手に許し守りを固められると、逆転するのに苦労するかもしれません。中段技の水無月を見切れる相手との対戦となると、尚更でしょう。

 しかし、終始試合は守矢のペースで進むはずなので、逆転が困難なリードを許すような状況にはあまりならないはずです。このような状況に陥る原因は、プレイヤー側が操作を誤った結果であることが多いでしょう。

 間合いに合わせて適切な技を選択し、危なくなったら無理せず安全策をとるだけで大きな被害を被る事はないのですが、プレイヤー自身が守矢の動きと相手の動きに伴うスピーディーな状況変化についていけなかったり、暴発し易いコマンドの入力ミスなどによって自滅する可能性のある、「お手軽とは言えないキャラクター」というのが、弱点と言えば弱点かもしれません。むしろ、操作負荷が高いことが最大の欠点でしょうか。

 あと、地上受身のタイミング調整ができない点が、地味ですが欠点です。


 剣質『力』は、超奥義を絡めない通常連続技の威力は高くありません。気絶値を稼げる連続技ですが、慎重な相手は連続して攻撃を喰らうのを避けるよう動くでしょう。また、攻め込む力は剣質『技』に比べて劣るので、攻め崩しての逆転はより厳しいと思われます。

 正しく扱えば逆転を狙う必要はそうそうありませんが、やはりプレイヤーの状況判断力や操作精度によって強さにバラつきが出やすいので、プレイヤーに操作上の高負荷がかかり易いところが、弱点でしょうか。


 剣質『技』の場合、攻防のバランスが取れているので、弱点らしい弱点は無さそうです。一発逆転は難しくても、攻撃を持続することによって相手のガードをこじあけることが可能になっています。

 強いてあげれば、やはり操作精度の問題というところに落ち着きます。なにげに、うっかりミスしてもフォローする手段が用意されているキャラクターで、また、前述したように攻撃を持続してダメージを取り返すことも可能でしょう。が、熟練プレイヤーはミスを逃し難く、そして守矢のラッシュを捌くのにも慣れているため、対人戦というよりも自分自身との戦いとなる傾向があります。

 強さを引き出し難く、「一生懸命練習している割に、なぜか強い人には勝てない、本当に守矢強いのかな?」と諦め易く、強いプレイヤーが生まれ難いところも、弱点というか問題点でしょうか。

 安全に攻め易いキャラクターでも、攻め重視で派手に動いて操作と判断ミスから自滅するようなことを避け、強さの本質は、ひたすら歩月(A)連発も含めて時間をも利用する、「相手に触れさせない守り」である点をしっかりと意識しましょう。