学習可能要素からみる初心者向けキャラクター

(元記事作成:2007年3月3日)

今回の話題は、「月華の初心者が、応用力に繋がる月華の対戦基礎を学習し易く、また、自分より強い相手に対して、より早く読み合いの勝負を演出し易いキャラクターは誰か?」です。ちょっと長めの記事になっています。


結論から言えば『力』響をお勧めしたいです。私が最初に選択したキャラだから、闇落ちさせると可愛いから等の贔屓目を除いても、

  • 比較的簡単な操作で使えて、月華で必須となる共通システムの技術要素を習得できる

  • 二幕で加わった強力な新システムである空中弾きとの相性が比較的良く、性能の良い強攻撃でダメージを稼げる

  • 被ダメージ時に、その原因が戦術要素的にわかり易い

と考えられるからです。以下に、より具体的にポイントとなる点を書いていきます。


①めくり性能の高いジャンプBを持つ

格ゲーそのものの経験があるプレイヤーであれば、めくりで飛び込んだりまとわりつく戦術は有効だと考えるでしょう。その動きを試し易いです。


②ジャンプBから立ちBへ繋ぎ易い

他のキャラクターを使うと体感的にわかりますが、響のこれは比較的繋ぎ易いので、①に加えて厳密な打点調整が不要となり初心者に優しいと考えます。


③立ちB攻撃キャンセル遠間or神気の連続技が安定する

初心者が最初に覚えることになるのは、B攻撃キャンセル必殺技の連続技でしょう。①と②からも、B攻撃を攻撃の第1手とする頻度が高いからです。間合いに関係なく安定して命中します。目押しを覚えない段階では、B攻撃キャンセル必殺技の次には、自然と昇華の練習に進むことになるでしょう。

また、立ちBを地上でガードされた場合に、相手の上段攻撃による反撃を防ぐために居を合わす也を仕込むことにより、弾きのある本ゲームにおける、当身技の利用方法を学習できます。


④通常投げから追い討ちが可能で威力が高い

投げが有効な攻撃手段となるので、ダッシュして相手に近づき、レバーを入れてBなどではなくCD同時押しの投げ操作と、\+Bの追い討ち操作を自然と学習できるでしょう。


⑤出の速い→+B攻撃を持つ

空対空弾き後の追撃として使え、空中で弾いた後は自分の方が先に着地すると知り、「空中で攻撃せずに着地してから威力の高い単発攻撃を当てる戦術」を学習し易いでしょう。威力の高さもあり、空中弾きの便利さを学習でき多用するようになるでしょう。

また、地上で、初心者特有の振り方が、実は、ある程度以上にやり込んでいる人間にとっての意識外のタイミングとピッタリ重なる場合があります。これは、ビギナーズラックでもなんでも、とりあえず重い一撃を与えて「上手く大技を振って攻撃を当てられた!」という満足感に繋がり易いと思います。ポツポツとこの攻撃を受けた方は嫌でも意識せざるを得なくなるので、読み合って闘っている感を楽しめるようになります。


⑥1ボタン対空の立ちBを持つ

頑張って昇竜拳コマンドを入れる必要がありません。立ちBによる地対空迎撃は、初心者同士の対戦では特に効果を発揮する戦術ですし、他の格ゲーをやっていたプレイヤーの中には、「まるで完全対空ではないか?」と思えるような太刀筋ですから、とっさに反応してボタンを押すという迎撃戦術の重要性を学習し易いです。

潰される怖さや弾かれる怖さを知らない初心者が相手の飛び込みに毎回反応して出していた場合、「立ちBはリスクが高いからあまり出してこないはずだ」と考えているプレイヤー相手に結構なダメージを稼げる場合があります。⑤と似ていますが、相手プレイヤーの意識に立ちBを刷り込ませ、読み合いの勝負に持ち込めます。


⑦硬直短縮しなければ反撃が難しい

立ちBは比較的出が速く(②にも関連します)、折角覚えた立ちBキャンセル必殺技の連続技を反撃で使いたくなると思います。しかし、確実に反撃するにはどうしてもガード硬直短縮操作を意識する必要も出てきます(私の体感的なものですが、本ゲームの立ちB攻撃の中で、そのままで振ったら反撃が間に合わなくても、硬直短縮して振ると間に合う場面が多い方だと思います)。

相手の小技に対してなど、立ちBでの反撃が無理で、代わりに小技で反撃を試みるようになってくると、小足ではなく←+Aを反撃に使い「しゃがみガードから素早く立って(硬直短縮して)←+Aで反撃する」という、本ゲームでの、小技による反撃の基本形を学習できるようになります。


 さて、次に、被ダメージ時の学習(特に、ある程度以上に月華をやっているプレイヤーと対戦した場合)についてですが、ここまで書いてきた番号に対応して書きます。


①'地上の小技で落とされる

意外とまとわりつくのが難しいと感じられるようになり、「月華では高性能なめくりジャンプ攻撃を持つことが特別なアドバンテージになるというわけではない」点を学習できるでしょう。また、ダメージを受けることにはならないものの、空中ガードで捌かれて攻撃がなかなか当たらず、「月華は空中ガードが強い」点を学習できるはずです。


②'めくりジャンプ攻撃をガードされたあと投げられる

 ジャンプ攻撃に対しても、ガードしたら無意識のうちにガード硬直短縮するのが基本で、投げは打撃を(見た目)吸えてしまうことを学習できるでしょう。「完全密着を避ける飛び込みが望ましい」、また①'に関連して、やはり「めくりは思っていたほど強力ではない、それよりも横に長い間合いのジャンプ攻撃の方が強そうだ」と考えるようになるでしょう。


③'B攻撃が当たらなかったり、連続技の後で起き攻めできない

ガードされて反撃されることが多くなり、だんだんと、小技の重要性に気づくでしょう。また、当てても不利になる連続技が基本のキャラクターでもあり、「このゲームは、とにかく転ばして起き攻めでハメるようなタイプのゲームではない」ことも早期に学習可能でしょう。

 さらに、連続技の威力に物足りなさを感じてくるでしょう。


④'確定で反撃される

ステージ端で特定キャラを相手に投げから\+Bで追い討ちすると、不利どころかその場起き上がりから確定で反撃を貰います。追い討ちを立ちCに変える必要があり、攻撃を当てた後の有利不利状況を気にして戦術選択する重要性を理解できるようになるでしょう。


⑤'空中弾きの隙をつかれたり、→+Bを上手く飛び越えられる

対戦機会が増えれば、そのうち空中弾きを空振りした着地後に高威力連続技の始動技を喰らうこともあると思います。①'に関連しますが、先読み空中弾き付きで前に飛び込むと、垂直ジャンプ空中ガードの手堅い選択をした相手に、痛い攻撃を貰うことになり、ますます空中ガードの強さが学習できます。また、②'に関連しますが、横に長い間合いのジャンプ攻撃先端を引っ掛けるタイプの飛び込みが、綺麗に→+Bを飛び越えてくる場面も経験し始めると思います。


⑥'弾かれたり潰されたりする

便利な立ちB対空を弾かれると、迎撃に成功したときに与えるダメージの数倍の被害を受けることになり、「空中弾きは強い」点と、「飛ばして落とす作業が基本のゲームとは違う」点を学習し易いでしょう。また、⑤'に関連しますが、浅めの飛び込みに対しては機能しにくいことも分かってきます。ますます、「このゲームの強い飛び込み方は、ジャンプ攻撃の先端を当てる形」であると理解できるでしょう。


⑦'反撃しようとしても届かない

小技による反撃を覚えてくると、今度はだんだんと、間合いの短さが気になってくるでしょう。しっかりガードしていてダメージは受けなくても、なかなか反撃できなくて困る場面が増えてくるはずです。硬直短縮で理論上ほぼ全ての技に確定反撃できる本ゲームにおける立ち回り上の注意点が「できるだけ反撃技の届かない間合いを維持する」点であり、「密着で中段と下段のラッシュをかけるゲームではない」と理解でき、また「小技の発生速度と間合いがキャラクターの総合的な強さを決定する要素として重い」点も理解することができるようになるでしょう。


以上です。

『力』響で学習しにくい点としては、しゃがみBや遠間にて斬る也の間合いが長いこともあり、ガード硬直短縮から少しダッシュして間合いをつめて反撃する戦術の学習が行いにくいです。また、相手の地上受身を想定した攻撃持続戦術も学習不可能です。


連殺斬や乱舞を覚えるためには剣質『技』を使う必要がありますが、『技』の場合、響ではなく別のキャラクター(『技』楓)を選択する方が良いとの意見を聞いたことがあります。この部分については、私ではなく別のプレイヤーが書く方が正確な記述が可能だと考えています。