社交ダンスのマナー

 ヨーロッパにおいて上流階級の紳士・淑女の守るべき行動規範というものが、騎士道や宗教の影響を受けながら確立されてきました。現在では弱者である婦女子をほう助すべきというレディーファーストの考え方を含めたマナーが一般の中に浸透しております。マナーにも様々なマナーがあり、ビジネスマナー、交通マナー、テーブルマナー、冠婚葬祭マナーなどとありますが、これらは人間関係の潤滑油としてだけではなく人の信用、安全にも影響を及ぼします。根底にあるのは他人への思いやりです。

 では男性が女性を同伴して、ホテルで催される社交ダンスパーティーへ出席する場合を例に、時系列でマナーを確認してみましょう。ドレスコードは、インフォーマル(平服)で、男性はダークスーツで、女性はドレッシーなワンピースです。ただし、主賓の場合はこの限りではありません。


 以上のマナーは一つの例ですが、その都度、T(Timeタイム)P(Place場所)O(Occasion 場合、行事 )を考えて行動することが大事です。最近では気軽に誰とでも踊れるパーティーが公民館を中心に開かれておりますが、特定の人とだけ踊ったり、ダンスを教える行為はよくありません。ほかにはエチケットとして、清潔感のある身だしなみ、体臭、口臭、汗に気を配ることが大事です。最後に、現在のコロナ禍の状況においては特別なマナー、エチケットも加味されます。特に厚労省が提唱する「咳エチケット」は人の健康にかかわることですので最も重要です。最低限、ハンカチとティッシュを持ち歩きましょう。


付録 社交ダンスにおける言葉の例

1. 男性から女性へ

   ① 「お相手願えませんか」「踊っていただけませんか」

   ② 「踊りやすいですね」「本当にお上手ですね」

   ③ 「下手ですみませんでした」「緊張してうまくリードできず済みませんでした」

   ④ 「まだ日が浅く、うまく踊れず申し訳ありません」

   ⑤ 「またお願いします」「ありがとうございました」

2. 女性から男性へ

   ① 「ええ、喜んで」「はい、お願いします」

   ② 「あなたとなら軽々とついて行けました」

   ③ 「踊りずらかったでしょう。済みませんでした」「重かったでしょう」

   ④ 「気持ちよく踊れました」「ありがとうございました」