2022911

試験審査員勉強会レジュメ

講師:平田 篤

テクニックブックと競技用テクニック

テクニックブック≒社交ダンスと考えて勉強した方がいいと考える。

  いろいろな娯楽、趣味、習い事はあるが長く愛されているものほど指導方法が体系化されている。

 基礎、応用。誰が習っても基本はこう(指導者はここを押さえておく必要がある)であり、その先は好みによって発展させればよい。

  ただし、テクニックブックの内容をこれが正しい内容だからといって全ての人に強要してしまうと

 娯楽、趣味としての楽しみを奪う可能性がある。「本来はこうすることが望ましいが、今はこうしましょう。」という柔軟な考え方も必要です。高齢者や足が悪い人に正しいフットワークを強要するなど。

テクニックブックが刊行された時代と現代の競技ダンスとの変化

  20数年前はクラシックバレエを取り入れるとバレエっぽいと評価が分かれることがあった。現代はむしろクラシックバレエ等の基礎や身体能力が培われていない状況では競技会で活躍することが難しくなっている。世界的に観ても差が顕著に表れている。

また、クラシックバレエ界においても、根性論ではなく解剖学の研究、ダンサーの怪我防止のためのアイデア、他のジャンルのテクニックを取り入れる、筋力トレーニング取り入れるなど以前の考え方(ダンスの筋肉はダンスの練習で鍛えた方がいい)と比較するとものすごいスピードでバージョンアップしている(トレーニングをメインにするのではなく、補完するという考え方)。



テクニックブックで深く学ぶといいと思う内容

 とはいえ、現代の競技ダンスの外見をいきなり真似るのではなく、その元となるテクニックブックならではの知識を学ぶ価値は高い。とある元統一全日本チャンピオンが引退してからテクニックブックを慌てて熟読し、もっと早く学んでいれば…と言っていた話。

 ・音楽(ビートバリュー)リズミック・インプレッション 足が先(1/2)、体重が後(1/2or11/2

・ポイズ(ポスチャー)

 ・足の位置 ツートラック(足はボディの下を通る)

 ・足のターンアウト 1/161/8

競技用テクニック(競技会で高評価を得るためのテクニック)

 表現の幅を出すため、解釈の自由度を増やす。

 ・音楽(ビートバリュー) リズミック・インプレッション 短くする。長くする。止まる。

 ・ポイズ(ポスチャー) 真っ直ぐの概念を崩す

 ・足の位置 ツートラックにこだわらず、アクロス気味でウォーク

 ・足のターンアウト 回転量を増やす

 ・フリーアーム 

 ・フットワーク ボール → トゥ 送り足を残さずにスライドするなど

上記表現等を増やすために必要なこと

 ・関節の可動域(ターンアウト)特に股関節

 ・柔軟性

 ・筋力

 ※ クラシックバレエの5番ポジションからのタンジュ

振付としての例

 例)チャチャチャのニューヨーク

 ・タイミングとビートバリュー

必ずしもカウント2にこだわらない。先行フィガーとの関係性

 ・ポスチャー

上体の傾き。視線。

 ・足の位置

前の足の位置。先行歩の回転量を増やし、アクロス気味に前進する。

 ・足のターンアウト

後ろ足のターンアウト。テクニックブックではターンインしてニュートラルに戻すが、敢えてターンアウトしたままでポーズとする。

 ・後続フィガー(ロンデシャッセ)

  チェックバックした後サイドシャッセにつなぐ流れをロンデシャッセや、同方向に再びニューヨークという流れにする。女性だけニューヨークするなど。