市民連合が主催する「フェミブリッジ」という運動が話題です。
2025/3/15 10:49 産経新聞 「男は黙れ」新宿フェミ集会、福島瑞穂氏がXで説明「スピーチはあずかり知らない」
市民連合について調査してきたものとしては興味深い出来事だと思うのですが、市民連合とフェミブリッジの件で一つ以前から気になっていることがあります。今回は簡単にこの件について報告します。
フェミブリッジは、2023年7月25日の市民連合拡大運営委員会で「9月23日から31日を『フェミブリッジ(女性の架け橋)アクション期間』として全国に行動を呼びかけることが提起」されたものです。
2023年9月末のアクションのうち、市民連合単体では9月23日の新宿駅東南口での活動があげられます。
市民連合は東京都管轄の政治団体であり、都内および全国にある「**市民連合」や「市民と野党の共闘」を掲げる各種団体とは独立した関係です。市民連合がそれら団体の中央組織でもなければ、団体を傘下に収めているというわけでもありません。市民連合のウェブサイトではフェミブリッジの運動が一覧になっていますが、これら全てが市民連合主催というわけではないのです。
フェミブリッジは2023年11月にも開催されていますが、これもまた、市民連合担当は11月4日の新宿駅東南口での活動です。市民連合ウェブサイトでは「ご自分の地域でもアクションを起こしてください(市民連合にご連絡を)!」とあるように「フェミブリッジ」というタイトルで各種団体が活動したものを市民連合が束ねているように見せているのが正しい理解でしょう。
ちなみに今回問題になっている2025年3月9日の新宿駅東南口での街頭宣伝は市民連合ウェブサイトによれば市民連合が主催するものです。
さて、このフェミブリッジについて、運動開始の令和5年(2023年)の市民連合政治資金収支報告書にて奇妙な記述があります。
市民連合の収入の「機関紙誌の発行その他の事業による収入」の欄で「フェミブリッジプラカード」という項目があり、この金額が240万円なのです。つまり、市民連合は2023年にフェミブリッジで240万円稼いでいることになります。市民連合の主催する街頭宣伝自体は9月と11月で2回だけですから、1回につき120万円。街頭宣伝で100万円近い収入を得るというのは考えにくいことです。
フェミブリッジの経費については「政治活動費」として「11月4日フェミブリッジプラ音響費」として16万5000円が「株式会社レーベン企画」というところに支払われていることが確認できます。また、プラカードについては印刷費が12万9101円、詳細不明の支出が25万839円と計上されています。合わせてフェミブリッジの経費は54万4940円と理解できます。
差し引きして、フェミブリッジの利益は185万5060円、利益率は77.29%です。あまりいい言葉ではありませんが「ボロ儲け」です。
プラカードの販売収入が「240万円」
音響の費用
プラカード作成の費用
この点、気になることがあります。まずはプラカードの販売についてです。
大前提として市民連合はプラカードを直接販売するというアナウンスをウェブサイトを通して行っていません。その代わり、市民連合ウェブサイトでは11月の運動に際して、「セブンイレブンネットプリントで、11月4日 23:39までプリントできるプラカードをご用意しました」とあります。コンビニのネットプリントを利用して収益化したのかと思ったのですが、2023年段階ではこの仕組みで収益を得るのはどうやら難しかったようです。
2024年にシャープがネットプリントを使った新システムをリリースしたのですが、その紹介記事には「これまではクリエイターがネットプリントで印刷できるように用意した作品をコンビニで印刷しても基本的にクリエイターにお金が入ることはありませんでした」とあります。
そうなるとネットプリント経由での収益は見込めませんから、12月に「株式会社ふそう美術印刷」に支払った12万9101円で制作したプラカードの販売実績が240万円ということでしょう。12月に支払ったことを考えるとこのプラカードは11月のイベントで使用されたもの。すでにこの時にはネットプリントでプラカードが入手可能な状態でした。
このプラカード、誰がどのようにして購入したのでしょうか。そしてその誰かはなぜネットプリントを利用せずに市民連合から直接購入したのでしょうか。
次にプラカードの収益性です。240万円の売り上げを得たプラカードの制作費は37万9935円(うち印刷費が12万9101円)です。利益率は84.17%です。A3サイズでパウチ加工したものとすれば、大手格安印刷サービスの「プリントパック」の見積もりで4営業日以内発送1000部で税込9万5,780円です。プリントパックと比較して割高な印刷業者であっても12万円の印刷費だと、やはり、1000枚程度の印刷となるでしょう。240万円の収入を1000枚で割ると1枚の販売価格2400円です。プラカードが2400円というのはかなり高く感じます。
コンビニのネットワークプリントでA3版を印刷した場合、普通紙フルカラーで100円となります。こちらから考えると、1枚につき100円、高くても200円の制作費となると印刷されたのは1万300枚から6500枚となり、これが全て販売されたことになります。1人1枚プラカードを持ったとしたら、当日会場に1万人から少なくとも6000人が参加したことになります。各種写真を見る限り、そのような事態は考えにくいです。
このように考えると、フェミブリッジのプラカードが純粋に宣伝のための印刷物であったというのは考えにくいのです。結局なところ、何者かが割高なプラカードを何らかの目的で市民連合から購入したというのが妥当に思えます。
市民連合ウェブサイトで公開されているプラカードデータ(左のものも)
市民連合については以前から事実上の団体献金(寄付)で資金を集めている疑いがありました。
今回の一件も団体献金の隠れ蓑ではないかという疑いが出てきてしまいます。もし購入者側が明らかに割高な物品を購入した場合、そこには寄付的要素が疑われてもおかしくないでしょう。また、この行為を個人ではなく団体が行っていた場合、事実上の団体献金(寄付)とされても仕方ないでしょう。市民連合は団体寄付を受け取れない政治団体ですから、政治資金規正法に違反することになる可能性があります。立件の可能性が低くとも、自民党の裏金等を批判してきた市民連合は自団体の「カネ」の問題について明確に弁明すべきでしょう。
なお、市民連合は市民連合主催のフェミブリッジについて「フェミブリッジ東京」という組織名を示し、市民連合とは別の組織が行なっているように見せていますが、政治資金収支報告書を見る限り、市民連合と「フェミブリッジ東京」は同一の組織であることは明白です。
公開日:2025年3月24日
原稿作成にChatGPTを用いました