Photo by ChatGPT
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1 はじめに
これまで行った2つの調査について、項目ごとの相関分析を進めていきます。まとまった考察はできませんが気づいたことを書いておきます。
2 全体分析
まず、「2024年東京都知事選挙後の政治・社会運動への意識調査」について相関分析を行います。ここでは特に各党への投票希望との相関を見ていきます(弱い相関 r=0.2以上のセルを強調しています)。
以下、わかりやすく言い切りで表現していますが、相関なのであくまでもそのような傾向があるということです。また、強弱もありますが、ケースによって基準となる係数の値が違う場合もあります(表全体を見て傾向が掴みやすい基準で設定しているため)。
(1)政治的立場と各党への投票希望の相関
政治的立場と各党への投票希望には以下のような関係が見られます。
- 「保守」という意識が高い人が支持しやすい政党は「自民」「維新」「国民」です。
- 「中道」という意識が高い人が支持しやすい政党は「維新」です。
- 「リベラル」という意識が高い人が支持しやすい政党は「立民」「共産」「社民」「れいわ」「教育」です。
特に注目すべき点は「立憲」と「共産」は「リベラル」という同一ベクトル上にある一方、「立憲」と「国民」は「リベラル」と「保守」という逆ベクトルに位置していることです。
(2)社会運動への認識と各党への投票希望の相関
次に、社会運動への認識と各党への投票希望の相関について見ていきます。
- 「LGBTQ(運動)」「フェミ(運動)」「大学無償化(運動)」を支持する人が投票したい政党は「立民」「共産」「社民」「れいわ」「教育」「公明」です。
- 「国民」「参政」は「LGBTQ支持」との相関は見られませんが「フェミ支持」「大学無償化(運動)支持」をする人が投票したいと考えています。
- 「DS(ディープステート)実在」という考えを強く持つ人が投票したい政党は、「参政」「れいわ」「社民」「教育」「共産」「公明」「立民」であり、特に「参政」との関係が強い傾向(r=0.35)にあります。
*「政治参加」をしている人ほど、「自民」「公明」を除く全ての党と弱い相関がありますが、その中でも特に「参政」「社民」「教育」「共産」「れいわ」との相関が高いです。
(3)候補者応援と投票希望政党
この表については、正の相関(r=0.4以上)に注目します(赤いセル)。
- 「共産(党が)応援(する)」候補に投票したいと考える人は、「共産」「社民」「れいわ」「立民」「教育」に投票したいと考えています。
- 「立民応援」候補に投票したいと考える人は、「立民」「社民」「共産」「れいわ」に投票したいと考えています。
- 「自民応援」候補に投票したいと考える人は、「自民」「公明」に投票したいと考えています。
- 「公明応援」候補に投票したいと考える人は、「公明」「教育」「自民」「参政」に投票したいと考えています。
気になるのは「国民」の相関係数で、これらは「立民応援」(r=0.28)、「共産応援」(r=0.21)よりも「自民応援」(r=0.35)、「公明応援」(r=0.34)の方が大きいです。
(4)政治・社会運動について
政治・社会運動に関する相関についてみておきます(表なし)。
-「保守」・「中道」・「リベラル」の政治的立場について、自分が当てはまるかそれぞれ尋ねました。
- 「保守」と「リベラル」は負の相関ではなく、r=0.09で無相関でした。
-「保守」(r=0.35)も「リベラル」(r=0.39)も「中道」と弱い相関を持っています。「自分は保守だと思う人」、「自分はリベラルだと思う人」ともに「自分は中道だ」とも思っているようです。
- 「リベラル」と「フェミ支持」(r=0.50)、「LGBTQ支持」(r=0.55)、「大学無償化支持」(r=0.45)はそれぞれ正の相関があり、つながりが見られます。
さらに、これらの運動支持は相互に相関しています。
- 「フェミ支持」と「大学無償化支持」の相関はr=0.47です。
- 「フェミ支持」と「LGBTQ支持」の相関はr=0.62です。
- 「大学無償化支持」と「LGBTQ支持」の相関はr=0.50です。
これらの結果から、「リベラル」は「保守」に対になる政治ポジションというよりも、特定の「運動」クラスターの総称になっているように見えます。
(5)選挙手法と希望投票政党
選挙手法と希望投票政党の間にも興味相関があります(表なし)。
- 「強く批判」候補への投票希望は「れいわ」(r=0.43)、「社民」(r=0.43)と正の相関があります。
- 「フェス型選挙」への投票希望は「参政」(r=0.45)、「教育」(r=0.44)、「れいわ」(r=0.43)、「社民」(r=0.43)と正の相関があります。
つまり、誰かを強く批判する手法は、れいわ新選組、社民党に投票したいと考える人に、フェス的な集会を行う選挙手法は参政党やれいわ新選組、社民党などに投票したいと考える人に、それぞれウケが良いのです。
3 政党間の連携と投票希望政党
「2024年東京都知事選挙後の政治・社会運動への意識調査」データのうち、無党派層の回答を抽出し、「無党派層の政治・社会運動への意識調査」データと接合しました。以下、無党派層に関する相関分析です。
(1)「立憲共産」vs「立憲国民」投票
- どちらの組み合わせも「立民」「社民」投票希望層とは相関しており、「立民」層は投票します。
- ただし、「立憲国民」の場合、「共産」「れいわ」投票希望層の投票行動がやや弱くなる可能性があります。
- 「国民」投票希望層は「立憲共産」では投票希望が低く、「立憲国民」でも弱い相関にとどまります。
(2)「自公」投票
- 「自民」投票希望層は「自公」に投票しますが、「公明」投票希望層はやや弱いです。
(3)「非既存(既存政党以外の候補)」投票
- 「石丸投票希望」とは弱い相関があり、さらに「選挙(に)必ず(いく)」層とも弱い相関があります。これは無党派層の中でも、選挙に行く層が既存政党とは異なる候補者を求めていることを示しています。
公開日:2024年8月3日
このレポートの作成にはChatGPT4oを利用しています