第1回IBSセミナー「 日本の気功、日本の太極拳 2025」
2025/2/8-2/9 関西大学堺キャンパス
第1回IBSセミナー「 日本の気功、日本の太極拳 2025」
2025/2/8-2/9 関西大学堺キャンパス
IBSセミナー(Seminar of Integrated Body Studies and Self-Care)は、「統合的身体研究とセルフケア」をテーマに、実践的な科学研究と解釈的な文化研究、さらに最新の人工知能研究やオンライン通信技術を含む情報科学技術を活用・融合させた学術的な議論と実践の場を提供する市民に開かれた公開イベントです。このセミナーは、2010年代以降、主に関西地域を中心に展開された実存哲学や意識研究の成果に影響を受けた身体研究、および主に関東地方で発展した体育教育分野における養生研究の流れを基盤としています。
実証科学と解釈学的アプローチを最新の情報科学技術のもと統合することで明治時代以降に発展し、市井の人々によって継承されてきた日本の身体技法や養生術の伝統を発掘、学術的に再評価し、新たな視点から議論する場を提供しています。本セミナーは、これらの多様な学問的視座を通じて、身体文化の研究を深化させることを目指しております。
2月8日(土) 日本の気功 関西大学堺キャンパス5階502
日本の気功普及に貢献した「津村喬」を起点に、「日本の気功」の歴史と未来を考えます。津村ゆかりの人々の体験や、アメリカのニューエイジムーブメントとの関係を追い、津村気功の特徴や展開を現代中国気功の最新情報と共に検討します。津村気功を象徴する「スワイショウ」「背骨揺らし」、現代気功体操「スロームーブ」の実習も
----------
11:00 - 12:00 黄信者氏 講演「誇るべき伝統か、排除すべき迷信か:現代中国における気功の揺れる立場」
12:00 - 12:15 石原恒治氏 気功「スワイショウ」
13:15 - 14:15 村川治彦氏 基調講演「Not Religious nor Spiritual but ...」
14:15 - 14:30 石原恒治氏 気功「背骨揺らし」
14:40 - 15:10 石原恒治氏 気功「スロームーブ」
15:20 – 16:20 鼎談
2月9日(日) 太極拳の身体技法 関西大学堺キャンパス1階多目的室
関西エリアで太極拳普及初期から活躍する3人のベテラン太極拳講師をお迎えし、「簡化太極拳24式」を題材に、太極拳における身体の使い方を深く体験的に学びます。講師はそれぞれ異なる流派、経験でありながら、太極拳を単なる競技ではなく、武術、そして身体技法として研究してきたベテラン揃いです。実習では太極拳の他に、それぞれの準備運動、基本功が学べます。
----------
11:00 - 12:00 蒲生諒太氏 講演「日本の太極拳:その始まりと違い」
13:00 - 14:00 第1セッション 松村健市氏
14:10 - 15:10 第2セッション 恒岡正勝氏
15:20 - 16:20 第3セッション 玉森幸一氏
16:30 - 17:30 鼎談
2月2日(日) プレ企画「エビデンス」を超えて-ボディワーカーのための社会科学
13:00 - 15:00 蒲生諒太氏(WEBセミナー)
立命館大学OIC総合研究機構プロジェクト研究員。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程を満期退学。身体教育学や探究学習を専門に研究。日本の太極拳普及史を解明し、10年以上にわたり太極拳・気功の実践を続けている。楊名時太極拳準師範。20年以上茶道を稽古、宗教哲学者で茶道家久松真一の研究も。
村川治彦氏<基調講演>
関西大学人間健康学部教授。専門は、身体学・統合学・宗教学。東京大学文学部卒業(宗教学宗教史学科)、「気功体験の現象学」でカリフォルニア統合学研究所(California Institute of Integral Studies)より博士号を取得.「一人称の身体学」をテーマに東西の身体技法を新たな“知”の在り方に結び付ける研究に長年従事。近年は、“ケアする人のためのセルフケア”にも深くかかわる。カリフォルニア在住が長く、エサレン研究所にも精通している。日本トランスパーソナル心理学/精神医学会元会長。日本GRACE研究会監事。 <身(み)>の医療研究会事務局長。NPO法人タッチケア支援センター特別顧問。近年は大学が立地する堺市浅香山での地域連携活動や和歌山県の熊野の宗教性を活かした地域活性化にも取り組んでいる。
石原恒治氏<気功実習>
津村喬が代表の「なにわ気功クラブ」(前大阪太極気功研究会)に参加し事務局・講師を担当。関西気功協会を経て、1990年代の気功ブームから指導者として活躍する。その後、2000年に大阪市大正区にスタジオ「カルチャースペース元氣!」をオープンし、自らが津村気功や中国気功などのエッセンスをもとに編纂した「スロームーブ」を中心に、現在まで四半世紀近く、地域の健康増進のため、気功を指導している。自分自身では気功・太極拳を通して、いつまでもサーフィンやスキーを続けられる身心を保つことをライフワークにしている。「内の自然(気功・太極拳)」と「外の自然(サーフィン・スキー)」の調和を探求中。
黄信者氏<講演>
立命館大学衣笠総合研究機構 専門研究員。立命館大学大学院国際関係研究科博士課程修了、博士(国際関係学)。専門は文化人類学、中医学、心理学。上海中医薬大学鍼灸学部の必修科目「功法」をきっかけに気功と出会い、大学卒業後に来日。博士課程では文化人類学的アプローチを用い、中国・上海の気功研究所や日本・京都の気功協会を対象とした現地調査を実施。その研究成果を博士論文としてまとめ、さらに単著『〈気〉の人類学―気功現場の身体経験』(世界思想社、2025年2月刊行予定)として発表する予定。現在も、気功を中心に、中国と日本を主なフィールドとした中医学(東洋医学)的実践現場の調査を続けている。特に医療人類学や感覚・情動の人類学の視点から、非生物医学における「治療・治癒」について研究を展開している。
===
松村健市氏<太極拳指導>
健身太極拳倶楽部主宰。楊名時ら太極拳普及草創期の指導者と接点を持ちながら、1980年代には台湾や上海・天津、陳家溝で指導を受けるなど、日本での太極拳普及初期から活躍するベテラン指導員。加えて津村喬の関西気功協会や青木宏之の新体道などに参加するなど、日本のボディワーク史の生き証人の一人でもある。阪神エリアで教室を主宰しながら、現在でも定期的にインドやタイなどを訪れ、心身の探究を継続している。
恒岡正勝氏<太極拳指導>
日中友好協会本部指導員、日中友好協会大阪府連合会常任理事。10代から空手に打ち込み、20代で道場を構える。三浦英夫の講習会で太極拳に出会い、大滝一雄が参与する日中友好協会で本格的に太極拳を学び始める。1980年初期には河北省での第1回楊式国際大会、その後、第1回上海国際武術大会にも参加。大阪を拠点に全国での日中友好・太極拳普及活動に尽力している。
玉森幸一氏<太極拳指導>
楊名時八段錦太極拳師範、NPO法人鞭杆協会指導員。関西における楊名時八段錦太極拳普及の基礎を築いた野村貞三に師事、健康太極拳を武術としての視点からも追求し、日本における中国武術伝承の草分け的存在である楊進のもとで太極拳の理論などを学ぶ。楊名時太極拳・健康太極拳を土台に、武術としての身体の使い方や力の流れを研究し、指導している。また、中国の「杖術」である「鞭杆」を楊進とともに内家拳研究会を主宰する楊崇のもとで学び、鞭杆術の普及と指導活動にも尽力している。
本ウェブサイト掲載の内容は蒲生諒太の個人研究成果です。所属機関等の公式見解ではございません。