「野党共闘」の研究①

「市民連合」への問い合わせー

注:詳細を公開しました(2024年4月17日)

「野党共闘」の研究③:「市民連合」の政治資金について


1 はじめに

 これまで「コロナ禍の大学」をめぐる学生運動や政治動向について調査を進めてきました。その中でコロナ禍の社会運動、あるいは社会運動一般について興味を持ち、有名な団体の資料を読んでいました。

    目に留まったのが「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(以下「市民連合」)の政治資金収支報告書です。2015年の安保反対運動以降、日本の国政における野党共闘をリードし、各政党への要望及び実質的な候補者調整を行っている各地の団体の中心的な存在が東京都選挙管理委員会管轄の「市民連合」です。

   「市民連合」の政治資金についてはSNS上で疑問を投げかける投稿が散見されていますが、特に「高橋健太郎」さんのものが最もまとまっています(下)。

    これら投稿を参考にしつつ「市民連合」に2024年4月1日に問い合わせを行いましたが返答はありませんでした。

    疑問に思い、国会図書館等を使い過去の政治資金報告書を調査してみました。すると新たにいくつか不明点が湧いてきました。

    今回(4月13日)、これらについて問い合わせをしてみようと思うのですがWebサイトのフォームの不具合で前回うまく送信できなかったのではないかと疑い、フォームからの送信と合わせて、関係者の目にまればと思い、このWebサイトに質問内容を掲載することにしました。

   「公開質問状」というわけでも無いのですが、上記理由とともに「市民連合」の収支について疑問を持たれている方もいらっしゃるようなので、やり取りを公に残し疑念を晴らす一助となればと思い、このようなかたちをとりました。

  最初の「問い合わせ」


*2024年4月1日送付。以下、強調はWebサイト掲載のため新たに行った。適宜改行やスペースも変更している

市民連合ご担当さま
お世話になります、立命館大学でプロジェクト研究員をしております、蒲生諒太と申します現在、コロナ禍の社会運動について調査して、その一環で各種団体の政治資金収支報告書を調べております
貴団体の収支報告書についても目を通していたのですが2点ご質問があり、メールいたします
【1点目】
2020-2022年の間に「市民連合政治講演会」というタイトルで「連合会館」にて催し物を開催されているかと思います
こちらについて貴団体のウェブサイト等では広報されていないと思うのですがどのような形態の講演会だったのか、どういう方が登壇され、どういう形[注:「どういう方」の間違いです]を対象に実施されてものかご教示いただけないでしょうか
というのはコロナ前の2020年2月26日開催のものとそれ以降のコロナ規制が変動する中での開催でも収入が毎回150万円と数字が綺麗に揃っており同規模のイベントと思われるのですがどのように実施していたのか気になりまして・・・
また、日程についてですが以下のものが報告書記載ですがお間違い無いでしょうか2020/2/26・2020/8/26・2020/9/25・2022/1/20・2022/5/19・2022/6/15・2022/10/24・2022/12/9
【2点目】
2021年度(令和3年度)にパンフレットやガイドブック、ビラ、桃太郎旗を作成し販売されているかと思いますパンフレットやガイドブックはわかるのですがビラや宣伝用の旗を販売するというのがいまいち、理解できずにおります
ウェブサイトを拝見しますと宣伝用の旗を用いて貴団体は街頭宣伝をされているかと思いますが使用済みの旗をどなたかにコレクターズアイテム的に販売されたということでしょうか?あるいは市民連合の旗をビラとともに別の団体等に販売してその団体が街頭宣伝で用いたということでしょうか?
収入内容と活動との関係性が見えずに疑問に思いまして失礼な質問でしたら申し訳ありません
突然のお問い合わせで恐縮ですが何卒ご協力よろしくお願いいたします
蒲生

  2回目の「問い合わせ」


*上記問い合わせへの返答がないため、疑問に思い、2024年4月現在一般では入手ができない、市民連合立ち上げの2016年から2019年までの政治資金報告書を国会図書館等で閲覧し資金の動きを確認した。その上で不可解な点が浮かんだので追加で4月13日に質問を送る。
市民連合ご担当さま

お世話になります、立命館大学でプロジェクト研究員をしております、蒲生諒太と申します
先般のメールでの質問について、ご回答が得られませんでしたので気になって過去の政治資金収支報告書を確認させていただきました
新たに疑問が浮かびまして、やや抽象的なもので恐縮ですがご教示いただけますと幸いです
*数値等については引き続き精査中ですので暫定的な理解になっております。間違い等ございましたら、ご指摘くださいませ
【1点目】
2016年以降の政治資金パーティーについて以下の日付と場所でお間違いないでしょうか。
2016/4/26 プラザ・エフ 2016/6/14 プラザ・エフ2016/6/20 連合会館 2016/10/13 プラザ・エフ2017/2/15 プラザ・エフ 2017/4/25 プラザ・エフ2017/8/24 プラザ・エフ 2017/12/21 プラザ・エフ2018/3/26 連合会館 2018/6/26 連合会館2018/10/25 連合会館 2018/12/18 連合会館2019/4/23 連合会館 2019/10/23 連合会館2020/2/26 連合会館 2020/8/26 連合会館2020/9/25 連合会館 2022/1/20 連合会館2022/5/19 連合会館 2022/6/15 連合会館2022/10/24 連合会館 2022/12/9 連合会館

【2点目】
2017年、社民党は市民連合に対して10万円の「分担金」を支払ったと政治資金報告書に記載しています一方で市民連合の政治資金報告書では同年、「政治団体からの寄附」はゼロであり、そのほかの項目でも当該収入の記載がないように思われます社民党側の誤記か、あるいは該当する項目を私が見つけられていないだけなのか・・・
ご教示いただけますでしょうか

【3点目】
上記、社民党からの支払いも念頭にして・・・
・2016-2017年の間、「平和フォーラム」が7回分のパーティー券総額で約600万円超分を購入しています 「平和フォーラム」については該当する2ヵ年だけで100万円超、社民党が分担金を払っております
2016-2022年の間、「総がかり行動実行委員会」は20回分のパーティー券総額で約2500万円超分を購入しています 「総がかり行動実行委員会」の3つある構成団体の1つには「戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター」がありますが、 同センターには同期間総額で1000万円超、日本共産党より「会費・拠出金等」という名目で支払いがありました
・「総がかり行動実行委員会」の別の構成団体には「解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会」がありますが、その団体のさらに構成団体として「憲法改悪阻止各界連絡会議」があります。この「憲法改悪阻止各界連絡会議」に2016-2022年の間、総額で1000万円超、日本共産党より「会費・拠出金等」という名目で支払いがありました
市民連合が「総がかり行動実行委員会」や「平和フォーラム」の資金の流れを完全に把握することは難しいと思いますが(「総がかり」については住所や役員で重なる部分が多いですが)、各野党に要望を出し、事実上の候補者調整を依頼する立場として政党への独立性は重要だと思うのですが、ご見解を教えていただけますでしょうか
【4点目】
2016-2022年の間で22回の「政治資金パーティー」が実施されたことを把握しておりますこれらの収益率[注:「利益率」の間違いです]について計算すると平均して93%近くで95%を超えるものも複数回ありました
収益率[注:「利益率」]の高い政治資金パーティーについては立憲民主党の江田憲司議員が以下のように指摘し、政府に対して質問を行なっています
>>極めて利益率が高い派閥や政治家個人のパーティーについて、パーティー券のほとんどを企業・団体が購入している場合、>>その利益は事実上、本来、禁止されている企業・団体献金とみなすことができ、政治資金規正法第二十一条第一項違反に当たるのではないか。

市民連合としても利益率の高い政治資金パーティーを実施されていることを念頭にこの江田議員の指摘に対するご見解を教えていただきたいです。


なお、前回のお問い合わせへの返答がないことを考えまして、もしかしたらWebサイトのフォームからメッセージが届いていないのではという疑念もございます
そのため、今回の質問及び前回の質問について、私のWebサイト上に掲載させていただき、関係者の目に留まるように工夫させていただきますのでこの点、ご了承くださいませ
よろしくお願いいたします

蒲生

4  おわりに

 上記質問内容について、読者の方はやや唐突な感じがするかもしれません。ひとまず、返答を待ちつつ、順次、稿を改めてご説明できればと思います。引き続きよろしくお願いいたします。


追記:2014年4月16日回答がありました。

「野党共闘」の研究②:「市民連合」からの回答

公開日:2024年4月13

*一部誤字を修正

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