長期研究プロジェクトから学ぶ社会科学の探究方法論
長期研究プロジェクトから学ぶ社会科学の探究方法論
INQ-006
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本報告書は、2020年から2024年にかけて実施された「コロナ禍の大学をめぐる検証・研究プロジェクト」をもとに、その研究方法を横断的に整理・総括したものである。
本プロジェクトは、感染拡大期に大学現場で起きた変化を実証的に記録し、学生・教職員・社会・行政がどのようにその状況を経験したのかを多角的に明らかにすることを目的としていた。
研究は、①全国規模のアンケートによる量的分析、②文部科学省資料や国会答弁を用いた行政調査、③Twitterデモを対象とするSNS分析、④報道番組・新聞記事の制作過程を追跡するメディア分析の4つのアプローチで構成された。
それぞれの章では、記述統計からモデリングに至る量的分析の進化、公文書の開示と答弁比較による行政言説の構造分析、APIによるSNSデータ収集と拡散構造の可視化、そして報道の生成過程を追う質的メディア分析の手法が詳述されている。
本報告書は、これら一連の実践を通して、社会的出来事を「全体的な構造」として把握しようとした研究の到達点を示すものである。
本ウェブサイト掲載の内容は蒲生諒太の個人研究成果です。所属機関等の公式見解ではございません。