今回メディアについてこれまでの語ってきたこと、明らかにしてきたことのうち、2つについてまとめて、改めて強調しておきたいと思います。
兵庫県知事選挙や参政党に関する報道をめぐり、SNS上のリベラル系政治アカウントの一部では、TBS「報道特集」が一種の英雄のように語られています。私自身は、これらの報道についての評価はここでは控えます。というのも、「報道特集」には過去に浅からぬ因縁があり、その報道姿勢には大きな疑問を抱いているからです。
以下に、すでに公表済みのレポートの内容を要約してお伝えします(レポート公開当時村田さんについては未成年である可能性があったためMさんとしていました。成人卒業をしているであろう現在、当時報道されていた本名を記載します)。
元になったレポート
今夜も赤坂から死臭が漂う(「可哀想な大学生」の作り方、教えます)
FREE高等教育無償化プロジェクトと日本共産党の関係について
・TBS「報道特集」(2021年2月13日放送)は、「コロナ禍における大学生の苦悩と孤立」をテーマとした特集の中で、中央大学の学生「村田くるみ」さんを取材対象として中心的に扱った。番組は彼女を軸に構成されていた。
・村田さんは、取材当時、日本共産党系の学生政治団体「FREE」のコーディネーター(幹部)を務めていたが、この点は伏せられていた。
・FREEは、2020年春以降、「授業料減免要求」「学生支援の不備批判」などを掲げて活動しており、SNS・メディア戦略に注力していた団体である。
・実は2020年冬ごろ、FREEは「対面授業の要求」を掲げてメディアに登場している。
・番組の趣旨は「学生の声を大学が無視している」「オンライン授業によって生活が破綻している学生が多数いる」「学生は置き去りにされている」というもので、「大学は感染が拡大する中であっても対面授業を再開すべき」という方向に世論を誘導するものだった。その象徴的被害者として村田さんの取材映像が用いられた。
・しかしながら村田さんはコロナ禍精力的に活動しており、「オンライン授業のせいで引きこもって可哀想な大学生」像からかけ離れていた(2020年5月 AbemaTVにFREEの代表として出演、2020年7月 東京都知事選で宇都宮健児を「大学生」として応援メッセージ/宇都宮氏とのZoomトークショーに登壇、2020年8月 FREEによる文科省への要望書提出に同行、2020年9月 福島瑞穂(社民党)のYouTubeチャンネルに出演/官邸前でFREE主催のデモに参加、2021年4月 FREEと9政党の国会議員とのトークセッションに参加)。
・FREEヘの問い合わせの結果、TBSから「大学生を取材したいから探して」と要請され探したが適任者がいなかったのでFREEの幹部の村田氏が取材を受けた。肩書や所属を隠したのはTBSであって、FREEはそのことは感知していない、との返答。
・FREEはそのことに抗議をしておらず事実上、容認。
上記内容についての問題点としては、「政治団体の幹部を『一般学生』として扱うことで、視聴者に中立的な声だと誤認させ、特定の政治的要求に共感を誘導していること」、「報道機関が政治団体を利用しながら(それも利害関係を隠しながら)、視聴者の感情に訴えるストーリーを用いて、政策や世論の方向性を意図的に操作する危険があること」でしょう。このような報道姿勢の番組を評価するのは難しいです。
なお、上記内容についてTBSに問い合わせを行いましたが返信はありませんでした。
以前、YouTubeチャンネル「虎ノ門ニュース」に出演したことがあります。この件については、戸田市議の事件をきっかけに、一部の野党系リベラル活動家やカウンター系の活動家たちから、私に対して「虎ノ門に出た信用できない人物」「ネトウヨ」などとレッテルを貼られ、そのような評価が拡散されました。
興味深いのは、私が番組で語ったのは、リベラル勢力の中核にある団体の「政治とカネ」の問題であり、もとになったレポートでは、市民連合という野党共闘の要となる団体、そして、自治労や立憲民主党をはじめとする野党の、資金の流れに関する矛盾した主張や態度を告発していたという点です。
そのような「リベラル」にとって都合の悪い内容を、なぜ彼ら自身が積極的に拡散しているのか、まったく理解できませんでした。しかも、そうした浅薄な批判をしている人々の中に、名の知れた大学の教授が含まれていたことを知ったときには、さすがに絶望的な気持ちになったことを覚えています。
出演を引き受けた動機としては、番組の取材を担当された須田慎一郎さんから、東京の新左翼動向についてのお話を伺いたかったこと、そして単純に「ビジウヨ」の極北ともいえる「虎ノ門ニュース」の実態を一度見てみたいという関心がありました。
前者については、有益な情報が多く得られたため、裏どりを進めながら、いずれ市民連合に関わる東京の新左翼事情としてまとめたいと考えています。後者についても、それはそれで興味深いものでした。詳細はまたどこかで語れればと思いますが、私が語ったことについては、おかしな編集も誇張された加工もなく、そのまま放送されたことは書き記しておきます。
今回は、「虎ノ門ニュース」で語った内容、同時期、週刊誌『FLASH』でも報道された内容、そしてそれらのもとになったレポートについて、概要を以下にまとめました。ご参考になれば幸いです。
元になったレポート
・市民連合の組織運営上の不透明性:責任者や会計の情報を開示せず、外部からの問い合わせにも文書での回答を避ける。提出されている規約は雛形に近く、会員制度や財務管理体制が不明確。運営メンバー間でも共通認識が薄く、責任の所在があいまいなまま活動が行われている。
・野党が批判してきた資金調達方法:市民連合の資金源の多くは「総がかり行動」による政治資金パーティーのパーティー券購入であり、その利益率は90〜95%に達する場合もある。購入主体が団体であることから、立憲民主党の江田憲司議員が国会で問題視した「高利益率かつ団体購入=違法性のある実質的寄付」の構図に抵触する。また、共産党の田村智子議員も「高利益率で対価性に乏しいパーティーは実質的寄贈」と指摘しており(市民連合のパーティーはYouTubeで公開していた)、市民連合は野党が批判してた資金調達を行なっているにも関わらず、立憲民主党も共産党も市民連合から支援を受けており、両党は政治倫理上の矛盾に直面している。
・政党との距離と独立性:野党共闘を調整する市民団体としての立場でありながら、立憲民主党や社民党、共産党と特定の政党から資金的・人的な支援を受けている可能性があり、独立性への疑念が生じている。
・若手活動家への支援構造:元SEALDs関係者らへの報酬支出も確認されており、各種団体から集められた資金で若手政治活動家を人的・経済的に支援している構図が見られる。
・自治労との組織的接続:市民連合の会計責任者や事務局は元自治労幹部や関係団体の出身者で構成され、人的にも構造的にも自治労との結びつきが深い。市民連合で見られた資金調達方法は自治労関連の政治団体でも見られた。
・鬼木誠・江崎孝両氏の事例:立憲民主党の鬼木氏や元議員の江崎氏による政治資金パーティーは極めて高い利益率であり、チケット購入者の多くが自治労系団体。共産党機関紙『赤旗』も過去に「脱法的献金の疑い」として指摘していた。
・自治労系団体の役割とスキーム:各地の「自治フォーラム」や「自治労サービス」などがチケットを購入しつつ運営費も受け取るなど、収支の両側に関与。組織的な資金移動の中継地点として機能している疑いがある。
・政党のダブルスタンダードとコンプライアンス意識の欠如:上記示したように立憲民主党は国会質問では高利益率の政治資金パーティーを違法性のある法性のある実質的寄付として批判しながら、同様の方法で資金調達した政治団体から所属議員が支援を受けている。また、共産党も同様の批判を以前は自治労系議員に行なっていたにも関わらず、野党共闘以降、この批判を行わず、同様のケースである自民党議員のみを批判している。
公開日:2025年8月7日
原稿作成にChatGPTを用いました