名前:夢路
性能:HP86/知6/技4 スキル: ・回避/0/42/7/ ・心臓を狙う/32/0/11/防御無視 ・ぼーっとする/30/0/8/回復 ・肩を狙う/12/0/6/封印 ・銃身で受ける/0/18/3/ ・夢喰い/22/9/9/凍結 プラン: 甲:相手HPを12で割った余りを、《色》とする。 乙:最後に構えた時の自分のHP-自分の現在HPを、《傷》とする。 丙:((《傷》)+経過カウント)を10で割った余りを、《味》とする。 1:戦闘開始時で、《色》が0なら、回避 2:戦闘開始時で、《色》が2なら、心臓を狙う 3:戦闘開始時で、《色》が4なら、ぼーっとする 4:戦闘開始時で、《色》が6なら、肩を狙う 5:戦闘開始時で、《色》が8なら、銃身で防御
6:戦闘開始時で、《色》が10なら、夢喰い
7:《傷》が0以下なら、夢喰い
8:《傷》が1以上で、《味》が0か1なら、回避
9:《傷》が1以上で、《味》が2か3なら、心臓を狙う
10:《傷》が1以上で、《味》が4か5なら、ぼーっとする
11:《傷》が1以上で、《味》が6か7なら、肩を狙う
12:《傷》が1以上で、《味》が8か9なら、銃身で受ける
13:さもなくば、夢喰い
設定:
アラウンドサーティーなエフェクティヴ女幹部。
片腕を無くした元二丁拳銃使いの同僚に拳銃を一丁もらったので最近練習している。好きなものはカレーとシチューとおっぱい。
オーナー:さまんさ
エンカウント:夢路 Written By さまんさ
夢路は激怒した。
必ず、かのなんか邪悪な怪盗をぶん殴らなければならぬと決意した。夢路には難しいことはだいたい全部わからぬ。夢路は、ヤブの占い師である。ホラを吹き、巨乳とたわむれて暮して来た。けれども食べ物に対しては、人一倍に敏感であった。
「はぁ?何いってんの?頭どうかしてんじゃないの、何、これ?」
「……腐ったリンゴです。」
「はぁ?今日の夕食はシチューのはずでしょ?リンゴとかバカじゃないの?もぐもぐ」
「食べてる!!」
「基地長。どうやらシチューを盗んだのは巷で噂の怪盗らしいです。ハラヘリライオンとかいう」
「ヘリウムオットじゃなかったっけ」
「………ゆるせない。」
夢路はリンゴをもぐもぐしながら基地を飛び出した。
怪盗を探し出す。
食べ物の恨みは絶対に晴らしてやる。
まだ使い慣れない相棒もちゃんとジーパンのポケットに突っ込んだ。
正面からの悪意 Written By N.M
とはいったものの、手がかりがない。
見かけ格好はわかっているものの、怪盗は神出鬼没で、
事件を聞いて駆けつけても残念なコトになっている人と残念なコトになった現場が残っているだけである。
仕方ないので夢のなかで探す。獏である夢路には見つけるぐらい造作も無いこと。のはずだった。
確かに見つけるのは造作もなかった。
問題は怪盗が高速で動きまわってとらえどころがないことであった。
普通、人が眠って夢を見ているときは自分の領域からでないものだ。
夢路のように精神網に外部からアクセスしない限りは。
ともかくこれでは夢を喰うことすらままならない。
「まったく!! 何なのあれ、仮面の表情や行動だけじゃなく夢まで狂ってるし!!」
ひとしきり文句をつける。だからといって何が変わるわけでもない。
ともあれ、チャンスを待つことにした。路上での占い稼業。
ちゃんと聞く耳を持てば意外と情報が入ってくるものだ。
行き交う人の話題は怪盗の噂で持ちきりである。
人の通りもまばらになった頃、一人の男が夢路の前に立った。
「占い一回25ゼヌですよー。タダとかでも…」
言いかけて、商売文句が止まる。彼の心臓から垂れる糸。夢の糸。
その糸の色は、黒。あの<シャドウ>ですらここまで黒くはなかった。
男は口を開く。
「じゃあ、お前の運命でも占ってもらおうかな?」
見上げると、そこには狂人の面。それがいやらしい表情に変わるのを、夢路は見てしまった。
***
夢路の頬を針が掠める。
突然のことに夢路は呆然としていた。
脳内で思考がぐるぐる巡る。
(あれ、これって目標発見てやつじゃない?
あ、でもでも狂人の仮面って言ってたしいやらしい顔だし、
でもさっき一瞬イカレポンチ顔してたよね、うん。
だけど人違いだったらやだなー。こいつの夢とんでもなくまずそうだし)
などと考えている間に、仮面は妬みの表情に変わり、怪盗は黒い剣気を夢路に叩きつけた。
「へぶぅっ!」
頭がくらくらになりながらも何とか立ち上がる。
意識が回らない。こんな状況では回避も、心臓を狙い撃つことも出来ないだろう。
「夢の中で俺のこと付け回してたのお前だろ」
どうやらバレていたらしい。夢のなかで捕まえて喰って止めるべきだった。
今からでも遅くはない。少しずつでも夢を喰って忘れさせる。
針が飛ぶ。夢喰い中は多少の攻撃など物ともしない。
だが。
「おら、もういっちょ!」
再び黒い剣気。頭が痛み始める。
喰おうとした夢は仮面が気の抜けた表情になると同時に、するすると遠ざかっていった。
なんとか立ち上がり、銃を構える。
肩を狙うか、夢を喰らうか。
選ぶは夢。だが。
「それ、もういっちょ!!」
今度は腕に剣気。腕が痺れる。
もはや銃を持ち上げるのが精一杯。
夢を喰おうとしても気の抜けた表情とともに遠ざかる。
何度か針を投げられたが効きはしない。
だが。また剣気。銃を落とす。
(でも両手両足折られても食ったことあるもんね!)
針の雨にも負けず、喰おうとあがく。
だが糸は後少しのところで逃げ。
黒い糸が剣気と重なり、
顎を開いた大蛇のごとく、
夢路を、喰らった。
「やれやれ、これで俺の夢を喰おうなどという気は起こすまい」
抜いた剣を鞘に納める。確認のため針で突き、気を失ったふりでないことを確認する。
「起きてますかー? 起きてますかー?」
起きない。
「まぁ念には念を入れるか」
仮面から表情が消え、右拳に力が集まる。
「死して裁かれ天獄地獄。ぶっ飛べ、オラッ!!」
夢路は、ラボタ地区の方まで綺麗なアーチを描いて飛んでいった。
***
「獏か…厄介な相手が来ちまったもんだな…」
看板の25ゼヌを2500ゼヌに書き換えながらひとりごちる。
「やはり、こういう相手は先手必勝だな」
相場が100倍高くなったことに満足しながら、怪盗は姿を消した。
名前:夢路の具なしカレー
性能:HP86/知6/技4
スキル:
・にんじん無し/0/42/7/
・たまねぎ無し/32/0/11/防御無視
・じゃがいも無し/30/0/8/回復
・肉無し/12/0/6/封印
・米無し/0/18/3/
・もぐもぐ/21/9/9/凍結
プラン:
・もぐもぐする。
・さもなくばもぐもぐする。
設定:
夢路はドン、と机を叩いた。
「マーヤ!いつものちょーだい!」
「はーい」
いつもの、とは庶民に優しい食堂であるこの店の最安値メニューである具なしカレーである。もともとはメニューになかったのだが、「カレーは飲み物」と主張する乞食のお姉さんが野菜と米を入れてくれるな、と注文し、さらに彼女が「米がついてないのに普通のカレーと同じ値段なの?」とクレームをつけたことから生まれたメニューである。
ちなみにお姉さんは別に野菜が嫌いなわけではなく彼女が育った家庭ではカレーとはそういうもの、だったらしい。
飲み干すようにカレーを食う夢路の姿を魚柄エプロンのお兄さんがじっと見ていた。
「それ、おいしいんですか?」
「もぐもぐ(食べてる間はいかなるプランも通用しない)」
食文化は多様である。
オーナー:さまんさ
悪意の追い打ち Written By N.M
その日、夢路は怪盗の被害から立ち直り、営業を再開したラペコーナで「いつもの」を頼んでいた。
具も無ければ米も無い、カレーのルーのみである。
彼女がいつものを頼みに来ると他の客のカレーの具が相対的に増えるため地味に喜ばれている。
彼女は<>なので、主食は夢である。カレーはおかずであり、飲み物に過ぎない。
客の夢をちょびちょび食べながらカレーを飲むことにより、美味しくいただけるのである。
ちょびちょびなのは喰いすぎると客が不自然に倒れ無気力となり怪しまれるからである。
だが、その日はいつもと違った。
口に入れた夢の中にどす黒いものが混じっていた。
もちろん怪盗の仕業である。
夢までつけてきた夢路を警戒してもう一度叩き伏せに来たのである。
店の外でたこ焼きを適当に針でさしてつまんで喰いながら、
彼の嫉妬の剣気を夢の糸に載せればこのぐらい容易いことである。
時々だらしない顔になるが夢をまともに喰われる事の回避である。
あまりの不味さに、夢路は気を失ったまま痙攣するより他になかった。
You Have Been slain...
悪夢たる現実 Written By N.M
この結果、夢路はしばらくの間、カレーやシチューなど、濃い汁物を口にすることが出来なくなった。
ついでに、夢も喰う気になれなくなっていた。
心理暗殺士としての用を全くなさなくなり、
薄いお粥を啜って横になるばかりであった。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙…口の中まだ嫌な味がするぅ……」
占い露天に出ることもできなくなった為、そのことを訝しんだヘルミオネにが見舞いに来るほどであった。
「一体どうしたんでしょうか…」
「かれーこわいしちゅーこわいー……」
話にならない夢路の代わりに答えたのは秘書をやってる女性だった。
「なんか数日前昼ごはん食べた帰り以来こんな感じね…」
「やはり、あの怪盗でしょうか」
「かもしれませんね。食事に何か混ぜられたのかも」
「ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙…」
この一件が、夢路の、男への悪意を増大させたことは言うまでもない。