名前:ボンバーちゃん
性能:HP56/知識4/技術6 スキル: 厄避け 102/60/30 [炎熱] キック 6/0/1 鈍重で血塗れたバールのようなもの(振り切り) 64/30/17 [封印] 鈍重で血塗れたバールのようなもの(振り上げ) 64/30/17 [吸収] プラン: 1:経過カウント700を超えても決着がついていないなら「厄除け」 2:相手の知識が4以下かつ自HPが半分以上なら「鈍重で血塗れたバールのようなもの(振り切り)」 3:初手は「キック」 4:{相手のHP+(相手の構えスキルの防御力×相手の構えスキルのウェイト)}-(相手の構えスキルのウェイト×6)<0 ならば「キック」 5:それ以外は「鈍重で血塗れたバールのようなもの(振り上げ)」 設定: おとぎばなしの存在、通算3度目の襲来である。 少し前にリリオットでぶらぶらしてたら孤児だと勘違いされて親切なヘレン教会の人達に保護された。 それなりに保護生活をエンジョイしてる。でもまた悪戯と血に飢えてきたのでそろそろこの街も出て行こうかと思ってる。
最近はライオットに紛れてたがこの子も相当数のドアをぶちのめしていたに違いない。
オーナー:ざるそ
エンカウント:ボンバーちゃん Written By ざるそ
怪盗ヘル・ライオットが教会を襲撃してから数日。教会の若者達は怪盗対策本部を作っていた。
「今こそ私達が立ち上がる時!!弱者の平和を守るために、あのイカレ野郎を徹底的に追い詰めてぶちのめすべきだ!!!
既に上層部でも動きがあるらしいが教会で待機中の若年インカネーション部隊と、
それにシスターだけど体力のある私らでもヘル・ライオットを追跡する!!!」
「いや、私は専守防衛というか、またあいつがここに来ないとも限らないから、
やはり私や何人か戦える者が教会に残らなければいけないと思うんだが……。」
「甘い!!!シャスタあんたは甘いんだよ!!!
そんな引きこもりがちな思考だから!!あんたは大したエフェクトをおこせなかったんだよおおぉぉぉ!!」
「うあ、そんな、怒らなくてもいいじゃないか……。」
「あの後みんなはライオットに黒髪の髪の毛を投げ込まれたことを怒ってたけど、
あんたはライオットが髪の毛を取るためだけに黒髪の人を傷つけたことに怒ってた!」
「………。」「そういう!!デキた発想ができることを!!もっと外に発信しろっていうんだよ私はああぁぁぁ!!!」
「わ、わかった。わかったから落ち着いて。」
「なんでミレアンさんあんなに怒ってるの?」「行き着けの食堂が例の人に荒らされて休業しちゃったらしくて……。」
「でもミレアンさんの言うとおり、ここにいるみんなシャスタさんみたいに人に迷惑をかけるライオットさんを許せないって人だよ、ねーみんな!」
「私は外に出るの怖いけど、やっぱり彼のやってることはよくないことだと思う……。」
「清く正しい清掃員のマスターの魂が!!『ガラス広範囲に散らばすとか壁突き抜けるとかカレーだのシチューだのコンソメスープだの
ぶちまけるとか地味に掃除が面倒なんだよ人のこと考えろよ死ね!!』と叫んでいます!!許すわけには行きません!!」
「わたくしも、みれあんせんせーのいけんに、さんせいです!」
「……ん?」
ひじょうにおぼつかない言葉でミレアンは違和感を感じる。
見ると並んでいる若年層の最後列、ひょこんと金髪が覗いていた。
その正体は教会で暮らしている孤児の一人だ。標語ポスターを仮面にしたシュールな子だ。いつの間にか紛れ込んでいたのだった。
「なにやってんのさイタズラっこ!これは結構大切なことだからおねーさん達だけで解決するの、君はあっちいってなさい。」
「こどもといったら、ねいびーさんたちも、さんかしてるではありませんか。」
「若年インカネーション共はあんたより歳上だし、ちゃんと戦う技術があるの!ほれ、みんなと遊んできなさい!」
「しんぱいごむようなのです、じつはいままでかくしていましたが、わたくしはにんげんでは……」
「はいはい!!ごっこ遊びはあとで付き合ってあげるから!!」「ぬ、ぬあー。たすけてーしゃすたせんせー!」
「ごめんね、後でお話してあげるから、外で大人しくしててね。」
ぺいっ。金髪っ子は対策本部の部屋から追い出されてしまった。
だがしかし、それしきのことで金髪っ子はくじけてはいなかった。
「ひとつきちかくのごはん、おふとん、ごらくなど、いまこそきょうかいのかたがたに ごおんをかえすときです。
おとぎばなしのそんざいは、ぎりがたいのです、そこそこに!」
そんなこんなで編成された教会対ヘル・ライオット部隊
……とは別行動で金髪の子供が駆け回っていた。
夜中にこっそり誰もみてない隙に、ぺたぺた、ひたひた、そしてついに。
「そこのかいとう!!」「……あぁん?」
大量のズタ袋を抱えた怪盗ヘル・ライオットが振り返るとそこには子供がいた。
良い子どころか悪い子だって寝付いてる、新月の深夜のことだった。
「おいおい君ぃ。こんな時間に出歩いてたら、悪い奴に攫われちまうぜ?危ないじゃないか。」
「らいおっとしっているか、みんなをこまらせるあくやくは、ものがたりのさいごに、めったんぎったんにされるものだ!」
かくして子供は得物を握った。それがどこから出てきたのかなんて誰もわからない。
ただ一つ言えることは、それはバールと呼ぶにはあまりにも巨大で、あまりにも歪で、あまりにも血生臭かったということだ。
その子は人間ではなかった。
現実の壁 Written by N.M
現れた子供はすばしっこく足元に近づき、脛に蹴りを入れてきた。
「あぶねっ!」
針を投げつけ、牽制する。互いに数歩離れる。
小柄な体に似合わぬ鈍器といい、人体の急所への蹴りといい、この子供が只者でないと直感する。
「しかたないですね。いたいのはいっしゅんですから、あんしんしてください」
子供は巨大な鈍器を腰だめに構える。
怪盗も剣を抜いて腰だめに構えて迎撃の姿勢を取る。
「お前は『物語』では悪役は最後にやられると言ったな? 一つ間違いがある」
「なんですか」
「これは、紛れも無い『現実』だということだ!」
怪盗の仮面がドヤ顔になる。
返事は鈍器。高速で振り上げられた鈍器は。
思い切り打ち上げられ、
怪盗が跳躍し、
空中でキャッチした。
そのまま着地し、バールのようなものを突きつける。
「さてさて、お仕置きタイムだな? ん?」
現状に満足できない欲深な表情。
「あ、あ、あ…」
腰を抜かす。逃げられない。
標語の書かれた紙からでは表情を読むことは出来ないが、
この先を運命を鑑みるにどんな顔をしているか、想像に難くない。
「現実に『勧善懲悪』など存在しない。『憎まれっ子、世にはばかる』ってな!」
掬い上げるようなスイングが、ボンバーちゃんの胴をまともに捉え、遥か北の大教会までふっ飛ばした。
「おらっ、忘れもんだぞ」
自分で取り上げて忘れ物もないだろうと思いつつも、主の後を追うようにバールのようなものを投げつけた。
「まぁ俺を例えて言うなら『完全超悪』ってところか! ハッハッハ!」
などとふざけながら、夜闇にその姿をかき消した。
自己同一性の証明 Written by ざるそ (タイトル:N.M)
「びにゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ぶっ飛ばされた××××は夜の空を飛んでいく。
どこまでも速く、強く、空気を切りながら突っ込んだ先は教会の屋根だった。どっかん。
「婦長ー!!空から女の子がー!!」「婦長って呼ぶなー!!」
「ついでにバールのようなものがー!!」「ようなもの、ってなんなんだー!!」
「あれーきえてるー!?」「ねぼけてんじゃねーかー!!いそがしいんだよおおおぉぉぉこっちはよおおぉぉぉぉ!!」
後に被害者はこう語る。
「わりとひじょうしきなせかいにくらしてきましたが、なまみでそらをとぶというのも、なかなかないけいけんでした。」
***
教会で借りたお風呂からあがった、ヘレンという女の子が、親の目を盗みつつ少しの間ひとりで教会の中をうろついていた。
他の子供達はシスター達を振り回しながら元気に遊んでいるようだった。
だがそこで彼女の目を引いたのは、部屋の隅でぼんやりとしている金髪のちっちゃい子だった。
何故か顔に標語ポスターのようなものを貼り付けている。緑の髪留めで手遊びしてるその子の表情は伺えないが、酷く落ち込んでいることはよくわかった。
「なにしてるの?」
「なやんでいるのです、わたくしについて……。」
「?」
「ときに、わたくしはおんなのこなの?おとこのこなの?どっちなのってきかれるのが、とてもきらいです。
そんなだいしぜんのゆうだいさ、せかいのしんぴ、ひろがるしきさいにくらべればささいなことに、なぜよのひとびとはこだわりぬくか……?
なにもおんなのこのはずはない。それは、はこのなかのねことおなじく。」
「?」
「わかりませんか。まーそれはいいんです、にのつぎです。
ときに、あなたは【あんでぃってぃー】のことを、かんがえたことはありますか?」
「よく、わからない。」
「そのひとがそのひとであるための、きょうじ、びがくのようなものです。
つよいひとなら、つよいことがそのひとの【あんでぃってぃー】になりえるのです。
わたしは、それをいま、うしないかけている。それは、わたしにとって、いないといっしょになってしまう……。」
ヘレンはしたったらずのその子の言葉を聞いて、じっとくびをかしげてその子のいいたいことを考えていたが、
結局よくわからなかったので、自分の思いだけをしたったらずに口にすることにした。
「げんきだして。こんど、おやつとかもってこようか?」
彼女は見ず知らずでも落ち込んだ相手のことを、心配するいい子に育った。そしてその子も彼女に答える。
「ありがとう。でも、わたくしは、まだあきらめたわけではありません……。
だからかならずたちなおってみせますから。」
「もー。ちょっと油断するとどっかいくんだから。」「ごめんなさいー。」「………。」
彼女は連れられていった。
***
教会の怪盗対策本部の戦績はかんばしくなかった。
あるモップ使いはボロボロのドブ水塗れになり「清く正しい清掃員のマスターの魂が叫んでいます!
『やべぇ服の洗濯代とブラシの洗浄代どうやって捻出しよう教会払ってくれんのかなぁ
女の子泥まみれにするとかマジ死ねよあいつ許さん』と!」いいつつバタンとぶっ倒れ、
ある心優しいシスターは障害物にぶつかりながら「眼鏡がァ!!私の眼鏡が怪盗に持ってかれてしまったよぉぉぉ!!」
とキャラ崩壊を起こしつつ大いにオロオロし(ちなみに眼鏡は帽子の後ろ側に接着剤でくっつけられていた)、
もういっちょ別のねこっぽいシスターは頭に鍋をローブにスープを染み渡らせでいいにおいをさせながら
「もうやだー!!ミルミサーモンしばらく食べられないよー!!!」と泣きながら帰って来たのだった……。
ちなみに教会の銭湯は大盛況だった。ある種の時間帯はパラダイス。
そして、怪盗がその子供と会ったのはまたしても深夜のことだった。
新月の頃は過ぎ、カミソリのような薄さの月が晴れ渡った空に浮かんでいた。
ついでに怪盗は丁度自分に喧嘩売ってきた複数人を文字っぽく壁にめり込ませて現代アートを作り終わったところだった。
「りべんじにきたぞ、かいとう。」
「ずいぶんちっこい奴が来たなぁオイ、こんな夜中に……なんだっけ、そういや一回みたことあって覚えてる格好だな。」
「かいとう。おまえはさまざまなあくじをもんどうむようではたらいてきたが、
まだひとをころしたとはきいたことがない。それはなぜ?」
「そうだなぁ、人なんぞわざわざ殺さなくとも俺の目標は達成できるぜ?そういうのはバカな奴等が勝手にやるさ。」
「そうか。ではそのかめんのしたはなんだろうな? かめんとはしられたくないほんしょうをかくすもの。おまえのほんしょうとはなんだ?」
「んなもんわざわざ説明する義理もないな。」
怪盗の仮面はドヤ顔に変化して答えるが、その子の仮面は標語の紙がゆらめくばかり。
「わたくしはうぞうむぞうのうわさばなしが、なんのぐうぜんがあったのかうごきまわってるというだけのそんざいだ。
そのうわさばなしも、いまやしっているのはすくなくなってきた。ひとびとはもんどうむようで、わたくしのことをわすれていく。」
「……なんだって?」
「おまえも、わたくしのどうるいかとおもっていたのだ。かめんをはがせば、たねがばれれば、こどもがおとなになってしまえば、
そのそんざいなど、もろくもはかなくきえていく。それは、かなしく、おそろしい。
わたくしたちのおはなしを、わすれさられてしまうこと。
あるいは、わたくしたちのもくひょうがたっされないこと、えんでぃんぐにとうたつできないこと。
それは、わたくしたちにとって、しぬことと、いっしょなのだ。
おまえも、そういうものだとおもったのだ。みてたら、ちがうかのうせいがたかいようだが。」
小さな手の中にバールのようなものが出現する。血塗れた凶器。だが人を殺したことはない。
締め切られた玄関のドアを叩いて、自分は「ここにいる」と主張する。叩いてダメなら、ドアを壊す。
それでも認めてもらえないなら、人をぶん殴って自分を認識させてきた。忘れ去られないようにしてきた。
その子の主張はとても不器用でひじょーに迷惑だった。
しかし、今の怪盗の所業はその悪戯をも上書きする勢いだったのだ。
その子がそんなことまで考えて、彼に挑んだのかはわからないが。
「おまえにいっぱつぶちこめないなら、わたくしもいるいみがない。それだけはさけたいところだ。
なにがあっても、きょうかいのひとのためのあだうちができなくても、
さいしゅうてきにわたくしがまけても、いっぱつだけはぶちこんでやる。せんげんしよう。」
バールのようなものの先端は植物のように広がっていく。
ぐちゃぐちゃのわけのわからない、とにかく質量を伴ったものがどんどん湧き上がっていくのだった。
噂話の、空想の向こう側のように。
名前:ミッシングちゃん
性能:HP50/知識5/技術6 スキル: 厄避け? 12/0/5 [防御無視] 鈍重で血塗れたバールのようなもの(跳ね上げ) 2/33/4 鈍重で血塗れたバールのようなもの(撃ち落し) 2/60/7 キック 6/0/1 仮面(顔)を狙う一閃 30/0/8 [防御無視] プラン: かいたはいいけどプランがみづらいので以下 鈍重で血塗れたバールのようなもの(跳ね上げ)は 跳ね上げ と表記、 鈍重で血塗れたバールのようなもの(撃ち落し)は 撃ち落し と表記、 仮面(顔)を狙う一閃を 一閃 と表記します。 :初手 相手が技術6か5かつ知識4以上 一閃 :初手 相手が技術4以下 あるいは 知識2以下 キック :お互い何も構えていない 自分前回使用スキルが跳ね上げ 相手現在HP>自分現在HP 経過カウント30以上 キック :お互い何も構えていない 自分前回使用スキルが跳ね上げ 相手現在HP>自分現在HP 経過カウント60以上 厄除け? :お互い何も構えていない 自分前回使用スキルが一閃 相手前回使用スキルがウェイト7以下の封印 一閃 :お互い何も構えていない 自分前回使用スキルが一閃 相手前回使用スキルが効果30以上の回復 厄除け? :お互い何も構えていない 跳ね上げ :{相手のHP+(相手の構えスキルの防御力×相手の構えスキルのウェイト)}-(相手の構えスキルのウェイト×6)≦0 ならばキック :相手の防御6以上ウェイト9以上 あるいは ウェイト8(自分現HP-相手攻撃力)>(相手現HP-30)かつ(相手現HP-30)≦0 一閃 :相手の防御6以上ウェイト6以上 あるいは ウェイト5(自分現HP-相手攻撃力)>(相手現HP-12)かつ(相手現HP-12)≦0 厄除け?
:相手の攻撃が防御無視や回復ではなくウェイト4以下攻撃力34以下 跳ね上げ
:相手の攻撃が防御無視や回復ではなくウェイト7以下攻撃力(60+自分現在HP)以下 撃ち落し
:相手の防御が5以下 キック
:一閃
顔面一閃 Written by N.M
針が飛んでくるがそれにはかかずらってられない。
怪盗の仮面が嫉妬に変わる。
仮面への一閃と黒い剣気が叩き込まれるのはほぼ同時だった。
髪飾りが吹っ飛ばされる。
「ふー、仮面がなかったらぐちゃぐちゃになるところだったぜ」
もう一撃下せば、仮面を割ることができるだろう。
再び、顔面を狙った一閃を放つため駆けだす。
再び針が飛んでくる。ここまでは想定通り。
だが、怪盗が浮かべた表情は暴食。
跳躍し、振り切る直前で、ミッションちゃんは地面に叩き落とされた。
「あっぶねーあっぶねー。後もうちょっと体力があったらやられてたな」
You Have Been Slain...
忘れられない恐怖 Written by N.M
「一撃入れてやるとは言ってたけどなぁ…」
脇腹に何回か蹴りを入れる。
「一撃入れた後どうなるか考えてなかったの? ん?」
思いっきり蹴り飛ばす。小さな体が転がり、壁にぶち当たる。
「忘れられるのを怖がるなら、どうやらお前は都市伝説の妖怪かなんかの類のようだな」
近づき、顔に張られた標語を破り捨てる。その顔には何も無い。のっぺらぼうではない。「何も無い」のだ。
「それなら、みんなに覚えてもらわないとな?」
***
朝。
孤児が一人行方不明ということでシスターたちは夜通し探し回っていた。
成果は芳しくない。
もはや皆くたくただった。
朝食の用意などもあるため、一度シスターたちは教会に戻ることにした。
礼拝堂。そこには、探していた子供がいた。
問題は、その子がぐるぐる巻きに縛られ、天井から吊り下げられているという事と、
もう一つは、顔が、無いことだった。
教会は阿鼻叫喚の渦に巻き込まれたのであった。