名前:スズラン
性能:HP70/知5/技5
スキル
・石人形/0/45/6
・捕縛/20/0/10 封印 防御無視
・斬撃/8/3/2
・岩穿ちの剣/30/0/9 防御無視
・貪る炎/30/0/12 吸収 防御無視
プラン1:捕縛は一度使用したら、二度と使用しない
プラン2:相手の知性が3以下の場合、初手、捕縛
プラン3:相手のHPが60以下の場合、初手、捕縛
プラン4:それ以外の場合、初手、貪る炎
プラン5:相手が防御無視のスキルを構えているならば、斬撃
プラン6:相手が防御0のスキルを構えており、かつ相手の残りウェイト/2(小数点切り下げ)*8>相手現在HPならば斬撃
プラン7:相手が回復スキルを構えており、相手のウェイトが7以上ならば貪る炎
プラン8:相手が防御0のスキルを構えているならば、相手のウェイトが4以下になるまで斬撃
プラン9:相手が攻撃15以上の防御無視でないスキルを構えており、相手の現在ウェイトが4以下ならば石人形
プラン11:相手が防御12以上のスキルを構えており、自分現在HP>(10-相手現在ウェイト)*相手技術なら捕縛
プラン12:相手が防御12以上のスキルを構えており、自分現在HP>(9-相手現在ウェイト)*相手技術なら岩穿ちの剣
プラン13:相手のHPが30以下で自HP>相手の技術*(相手の現在ウェイト+9)なら岩穿ちの剣
プラン14:相手のウェイトが11以上であれば、捕縛
プラン15:相手のウェイトが9以上であれば、岩穿ちの剣
プラン16:相手が構えているスキルによって斬撃によるダメージが3点以上軽減された場合、岩穿ちの剣
プラン17:上記のいずれにも当てはまらない場合、斬撃
設定:
女。
旅人で剣師。フリーランス。
策略家であり自信家でもある。無駄な戦闘を好まず、極力敵を作らない姿勢を持つ。
ただし敵となった相手は、二度と立ち上がる気力が無くなるまで戦う。場合によっては殺す。
常に目立たず、他人の視線を交わす生き方をしている。願いは最強より無敵であること。
そのため、生存上(あるいは戦略上)必要でない限り、人と接点を持たない。
故郷を滅ぼしたことで、生き残りの女に決闘を挑まれ、結果敗北した過去がある。その際、右腕を肩から失っている。
現在はそれらの過去と決別し、一人の剣師として決闘の相手との再戦を考えているらしい。
当面は右腕の代わりになる”新しい技術"の獲得が目標。そのために各地を旅している。
リリオットにあるセブンハウス私立図書館に隠された精霊の秘術書を怪盗から盗み返すため、ヘル・ライオットとコンタクトを取る。
プランEx:捕縛使用時、「動かないで、ね?」とテキストを挿入
プランEx2:石人形構え時、相手ダメージ軽減で「お、ば、か、さ、ん」とテキスト挿入
オーナー:nitoro
URL:馬鹿な!ヤツは死んだはずだ!!
エンカウント:スズラン Written By nitoro
そこは街。リリオット。
とある宿の下にある食事場に一人がいた。
彼女…遠くでは胸の膨らみを確認することが出来ないため、彼と勘違いしてしまうかもしれないが―…は、街頭をガラス越しに眺めながら朝食が運ばれるのを待っていた。
整った中性的な顔立ちに、全てを達観したような眼。極めて普通の、しかし、良く見れば洗練された佇まい。
彼女の姿はけして目立たない。
雰囲気に溶け込んでいる、というわけではないが美的、動的、感覚的、兎に角全てにおいてバランスが良いからだ。
そこには、唯一突出している右腕の欠損ですらかの女神像のように元々ありはしないのだ、そう錯覚させるほどの迷彩力がある。
…それにしても、と彼女は窓から見える街頭の端から端を眼で掬う。
外がやけに騒がしい。ほんの数日前にこの街に着たばかりだが、今日はまるで祭りの騒ぎようだ。
「お待ちどうさま」
ゴトッ、と彼女の目の前に、宿の主である婦人から料理が並べられる。
コンソメスープに魚と野菜をソテーにしたもの、それとパン。シンプルだが、出来立ての湯気が食欲をそそる。
彼女は婦人に一礼した後、外の騒ぎについて尋ねてみた。
「あれは一体何なんでしょうか」
婦人はちょっとだけ口ごもり、困った表情を見せた。
「あれねぇ。どうやら怪盗が現れたらしいのよ」
「怪盗?」
「そう、名前はヘリ…違うわね…えぇと」
「ヘル・ライオットだよ、かみさん」
婦人の声を遮って、宿屋の入り口から男が声を発した。
ビシリ、とした男の服装。一目でわかる、この男は警備の人間だ。
男はつかつかと彼女たちのそばまで歩み寄り、近くのカウンターに無遠慮に腰掛けた。
「これで何件目だ?全く、嫌になるよ。普段はこっちを憎悪の眼で見てくるエフェクティブの連中が、今は大人しいもんだ。
子犬みたいに尻尾を振ってきやがる。調子のいいヤツらだよ」
「それもアンタの仕事だろう、マーク」
マークと呼ばれた男は婦人の言葉に肩を竦め、やれやれと手を広げた。
「愉快犯に振り回されて、どいつもこいつも悲観するか狂乱している。こんなんじゃまともな捜査なんか出来やしない」
そりゃ職務怠慢じゃないのかい、と婦人は彼の対応に満足いかなそうだったが、それよりもこの話の流れを見失っている人物のことを思い出した。
「あぁ、スズランさん、この人はマーク。ウチの常連さ、こんな性格だけど公騎士団の一人なんだよ。マーク、この人は先日からウチに泊まってるスズランさんよ」
公騎士団、一言で言ってしまえば警察である。セブンハウスと呼ばれるこの地の貴族集団が保持している権力の一部だ。
「おっと、失礼。自己紹介がまだでしたね。僕はマーク、どうぞよろしく」
「こちらこそ」
彼女、スズランは緩やかに笑顔を作って対応する。
「話の途中ですが、食べながらでよろしいですか?…それで、怪盗ヘル・ライオットですか?それが何か?」
食事の開始と共に、話の流れをスズランが手繰り寄せる。
「あぁ、最近出没している怪盗…というより愉快犯ですね。
エフェクティブっていうアナーキストの集団から、この街の治安を守る僕たち公騎士団まで誰から構わず迷惑を振りまいて、風のように去る。とんだイカレポンチ野郎だ」
「それで、あのような騒ぎが」
コンソメスープに口をつけながら、スズランは街頭を視線で示した。
「エフェクティブがソウルスミス・・・ソウルスミスってのは、商業団体のことなんですけどね。そこの商人の商品を奪ったりすることはあったりするんですが、今回は誰も彼もですから。皆大騒ぎしてるんですよ」
新参者の彼女にも分かるよう、マークはここの土地柄を噛み砕いて説明した。
なるほど、とスズランは外に目を向けたまま相槌を打つ。
「スズランさんはどうしてリリオットに?」
魚のソテーに手をつけつつ、スズランは答える。
「僕は旅人でして、結構自由に色んな所を行き来しているんです。目的らしい目的なんてのはないですが…」
左腕だけでナイフとフォークをを器用に使い分けつつ、彼女は食事を頬張る。
その様子を見て、初めてマークは彼女の右腕が存在しないことに気付いた。
「失礼ですが、その、腕で、ですか?」
あぁ、これですか、と軽い調子でスズランは返した。
「無いなら無いで意外と普通に暮らす分には問題ないんですよ…旅をしている理由は、この腕のこともあります。
義手を探しているわけじゃないんですが・・・ちょっと探しものをしているんです」
「それは何ですか、もしかしたら、僕が力になれるかもしれない」
存在しない右腕を見て不憫に思ったのか、マークは力強く声を発した。
彼の表情には情と義の念が強く表れている。
「気持ちだけ受け取って置きますね」
「いえいえ、そんな!貴女の様な若くて美しい人が困っている姿をみすみす見過ごせません!」
ふん、とさらに勢いよくマークはスズランに近づいた。その目は仁義に燃えている。
どうやら男として、という部分もあるようだが…
この状況にうんざりしているのは、スズランだけではないらしい。
見れば宿の婦人もこりゃお手上げだ、と呆れている様子。
「はぁ……恐らく、ご存知ないと思いますが意思の剣というものを知っていますか?」
「…石の剣ですか?」
「違います。意思、すなわち、志のことです。一種の魔法みたいなものなのですけど、自分の思い描いた剣をこの世に体現する能力のことです。
僕はこれと似た技術を探しているんです」
「へぇ…聞いたことがないな…それは精霊の力とは違うんですか」
「精霊についてはもう調べました。意思の剣は外部の力ではなく、内部の力なんです。
僕の故郷でも、僕を含めて数名しか使えない秘術みたいなものだったんですが、ちょっとこれの件でその力を失ってしまいまして」
これ、と右腕の方にスズランが視線を送るとマークの顔付きが真剣になる。
「代替となる技術を探しているんです。出来れば同じような力であると助かるのですが」
「…なるほど。大体の事情はわかりました。しかし、一点だけ理解できません。
貴女は普通の生活に困っていないと仰いましたが、それなら何故そんな力を求めているのですか」
まぁ、当然の質問だろう。スズランはわざと視線をマークから外し、左手で掴んだパンを口に含む。
「必要なんです。僕が僕として生きるために」
回答になっていないが、元々解ってもらおうとも思っていない。馬鹿正直に”自分の腕を斬った相手と再戦するためです"と言ったところで、相手から不快なシグナルが送られるだけだろう。
「…解りました。でしたら、僕に出来ることを教えてください。きっと力になれます」
こういうのをありがた迷惑というのだろう、とスズランは窓越しの空をみて思った。
(かといって、断ったら延々と繰り返すんだろうな…これは…)
「そうですね…この街には精霊という存在があるように、僕が求めている力に近いものがある、と直感しています。
おそらく、独特な文明に支えられてきたこの土地なら、そういう技術を記した書物があるはず…そういったものに、覚えは?」
「あぁ、でしたら!」
ぱっ、とマークの顔が明るくなったと思った瞬間、すぐにその顔が地面を向いた。
「…セブンハウスの抱えている図書館に、過去の歴史と一緒に門外不出の精霊加工技術に関する書物があったんですが…えー…」
さっきとは打って変わって、やたら歯切れが悪い。
「知ってるよ、あの図書館ならその…ヘラ…ヘル=ライオットとかいう盗人に入られたんだろう?」
会話を切り開いたのは婦人だった。面目ない、といった様子でマークはがっくりしている。
「そうなんです…僕たちが警備していたのに…ヤツは…貴重な書物を全部…盗んでいったんです…」
「セブンハウスってあのでっかい屋敷に住んでいる貴族ですよね?」
「えぇ、そうです…しかも…あいつは盗まなかった本に落書きまでして…」
マークの嘆きが終わる前に、スズランは食事を終え、フキンで大して汚れていない口の周りをふいた。
「ごちそうさまでした。美味しかったです」
食事における全ての作法が終わると、彼女は立ち上がり婦人とマークの間を遮って外へ向かう。
「ちょ、ちょっとどちらへ?」
「急用を思い出しました。可能な限り迅速に、それを解決しないといけないみたいなので」
振り向いてそう言うと、それでは、と彼女は出て行ってしまった。
残された二人はポカンとしたまま、去りゆく後姿を見続けるだけだった。
…この状況はどちらかといえば好ましい。
貴族お抱えの書物、それを何のコネクションもなしに閲覧することは難しい。
それをわざわざどこかの怪盗が外へ運び出してくれたのだ。
後は、その盗賊を説得するなりブチのめすなりして、書物を手に入れれば良い。
書物は自分が暗記した後、返すなり燃やすなりすればいいだろう。
解りやすいルートだ。
それに"彼女"との決闘を最後に、満足の行く戦いを得てはいない。
もしかしたら、この騒動の中心となる人物が自分を楽しませてくれるかもしれない。
かつては自分が尤も嫌っていた"未知"という敵にスズランは心を躍らせていた。
彼女にとって並の怪盗を相手にすることは、左腕一本で充分すぎるのだ。
夜闇の決闘 Written by N.M
深夜のリリオットの屋根の上。
隻腕の女がそこにいた。
二軒隣の屋根の上。屋根に穴を開け、精霊武器を投げ込もうとしている男に、彼女は声を掛けた。
「あなたが、ヘル・ライオットね?」
「俺によく似た変人がいないならそうだな」
「あなたを、捕まえる」
「みんなそう言って土を食わされたよ」
「今度はあなたの番よ」
「それはどうかな!」
互いに跳躍し、屋根を駆ける。
決闘に相応しい広い屋根。一番近いのはジフロマーシャ邸か。
男女二人が夜闇を駆け抜ける。
怪盗が屋根に着地するのと女が向かいに着地したのはほぼ同時だった。
「名を訊こうか」
「スズラン」
「スズラン、か。我を捕まえてみせよ。さもなくば…」
「「土」」
***
スズランが掌を上に向けると、炎の縄が生成される。
怪盗の投げた針が頬を掠めるが、無視。
「魔法か」
怪盗の仮面が嫉妬に歪む。
怪盗の剣が黒いオーラをまとう。
「動かないで、ね?」
「遅いッ!!」
隻腕を振るい、炎がしなる。
黒の剣が炎の縄を両断し、返す刃で一閃。
「ぐあっ!?」
「さて、小手先の術の時間は終わりだ。剣術のレッスンと行こうか!」
仮面が欲深な表情に変わり、二刀を構える。
「ならば打ち砕くまで!」
強烈な一撃。続く餓狼の如き荒れ狂う斬撃の連打にも構わず強烈な刺突を繰り出す。
怪盗の防御を破り、肩口に一撃。
「けっ、やってくれる!」
針を投げて牽制。
「甘い!」
剣を振るい、たやすく弾く。
「よく左腕一本でここまでやれるもんだな!」
返す一閃。激突する剣。飛び散る火花。
仮面は再びまた貪欲な表情に戻る。
「これでも剣師なものでね! 決めさせてもらうよ!」
再び必殺の突きの構えに入る。だが。
「遅いと言ったろう!」
その隙を見逃さず、怪盗の斬撃は真芯を捉えた。
***
「ふー、全く。最近こういうのが増えてきたなぁ。大歓迎だけど」
剣を鞘に納めぶつぶつぼやく。
「まぁ約束通り土を食ってもらいますか」
気絶しているスズランの体を持ち上げると、
うつ伏せに落下するように道路へポイと放り投げた。
「よく鍛えてるし五体投地になるから死にはしないだろ」
名前:スズラン
性能:HP62/知3/技6
スキル
・水月割り 12/0/5 防御無視
・虚穿 38/15/14 吸収 炎熱
・天地纏星穿之印 96/18/18
プラン1:初手、天地纏星穿之印
プラン2:相手のHPが12以下でかつ相手のウェイトが6以上なら、水月割り
プラン3:相手のHPが12以下でかつ自分現在HP>相手技術*5なら水月割り
プラン4:それ以外の場合、虚穿
設定
プランEx:スズランが勝利した場合、このプランを除くスズランのスペックを非公開にし、オーナーからの投稿があるまで
ストーリーを含むあらゆるテキスト出力をさせない(その場合、このプランをもって、勝利表示とする)。
オーナー:nitoro
URL:とても ねむい
大振りゆえの欠点 Written by N.M
「またお前か」
怪盗が呼びかけた先には隻腕の女性。
「あなたの技はもう見切った。私の必殺の剣であなたを倒す」
「ほぅ? やれるものならやってみるがいい」
そう言いながら針を飛ばすが、スズランは容易く弾き、剣を構える。
「そうそう、見せ損ねたが俺にも必殺剣があってな」
怪盗も剣を構える。
二人が、交錯する。
キィン!!
剣が弾かれる音。
「なーいすきゃーっち」
怪盗の左手にはいつもの短刀ではなく、スズランの剣が握られていた。
「剣師といえど、剣が無くては何も出来まい?」
スズランは、再び土を食う羽目になったのであった。
You Have been slain...
敵は蹂躙しにやってくる Written by N.M
結局のところ、「無敵である」という事はとても難しいことである。
如何に強くあっても、如何に強いという評判がたっても、
それより強く、恐れを知らない者が相手では意味がない。
最強であればそんな問題は生じないが、そもそも最強とは何か。
最も強いという概念も己の既知内のものに過ぎない。未知の中に己を上回るものがいるかもしれない。
意識を取り戻す。口の中に泥の味がする。
体が動かない。だが、足が下に、重力の引く方向にあるのは確かだ。
目を開く。大きな石が並んでいるのが見える。
ありていに言えば、スズランは、花壇に植えられていた。
泥の味がするのも当然である。水に塗れた土を喰わされたので。
スズランの視点からでは見えないが、後ろにはスズラン(植物の)がたっぷり植えられていた。
もちろん怪盗の粋な計らいである。
そこに通りがかるはいつぞやの公騎士である。名は確かマークと言ったか。
「え、あ、その…スズランさんですよね?」
口の中の泥を吐きだして返事をする。
「えぇ…」
「一体どうして……って怪盗ぐらいですよねこんなことすんの」
「しくじったわ…」
「ちょっと相方呼んで掘り出すので待っててください!!」
そう言うと彼は駆けだす。
もうしばらくここでみじめな格好をし続けねばならないらしい。