投稿日: Jul 17, 2009 2:5:11 AM
照射チェック画像の撮り方は簡単です、見たとおりに写ればそれでよいのですから・・・
って、それが一番難しいんですが(^_^;)
(※まだ書き込み途中ですがとりあえずupします、今後加筆修正がかなりはいると思いますのでよろしくお願いします)
最初に考えることはデジカメの特性です、
一般的なデジカメは写真がリアルに写るのではなく綺麗に写ることを主眼にチューニングされています、
そこで照射チェック画像のように綺麗に見える必要が無く、一種の測定器として使用する場合は撮れた写真から「綺麗に見えるためのチューニング」を取り除き、「リアルに描写する」ためのキャリブレーションをかける必要があります。
デジカメの画像は一般的にsRGBと規定されています、sRGBで決められているのはカラースペースの他「ガンマ値」および「モニターの色温度」、そして「モニターを見る部屋の照明の色温度」まで規定されています。
正直言うとこれらを全てクリアするのはかなり難しいので、現実的に出来る範囲でこの理想の環境に近づける用に努力することと、更に自分の環境が理想の環境とどれだけ違うのか知っておけば何とかなる物です(^_^;)
ちなみに私の場合モニターは視野角による色の変化が少ないVAパネルの液晶モニターをHueyというキャリブレーターで調整し部屋の照明は昼白色の三波長タイプの蛍光灯の組み合わせです、更に日中は部屋に外光が入るので厳密なチェック等は行わず夜間に行っています。
写真の観賞やレタッチの事を考えてもこれが今のところ一番安上がりでなんとがぎりぎりの線で最低ラインに引っかかっているんではないかと思います(^_^;)
これ以上の事をやろうとすると費用対効果を考えると難しいし・・・
ガンマ値
コントラストのような物だと思ってください(^_^;)
色温度
説明が大変だ(^_^;)そのうちご説明できれば・・・
人間の目は明るさや色にとても柔軟に対応します、いわゆる慣れというやつですね、
その上CCDでいう画素毎に感度が変化します、下の図の詳細はこちらのサイトから引用したものです、
※コピペでは著作権の問題があるのでリンク先の画像を元に自分で作りました(^_^;)
もっともデジタルではこのようにシンプルな物だと簡単に同じ物が作れちゃうの著作権上重要なのはこの画像じゃなくて
このような画像に決定した作者の方の発想の部分なんですが・・・、作者の方に敬意を表します。
さて、まずは左の図の赤い点に集中してしばらく画像を見てください、その後右の画像で同様に赤い点に集中して画像を見ます。
するといかがでしょう?
本来一面グレーの背景のはずなのに緑色のリングが現れるはずです。そしてよく見ると赤い点の周りは赤紫色になっています。
これは左の画像を見ていると目の一部分が緑に対する感度が下がって赤と青に対する感度が上がり、黒い部分では全ての色に対して感度が上がります。
そしてこの調節にはちょっと時間がかかるので、右の図を見ると感度調整が追いつかずに違った色が見えてしまうわけですね。
次に、
人間の記憶という物はいい加減な物で「不要と判断された物は忘れ、必要な物は何とか憶えているけど、実は自分の都合の良いように記憶する」というとんでもない特性を持ちます(^_^;)
写真をちょっとかじった方ならお分かりかと思いますが、夕焼けは実際より赤く記憶され、海や青空は実際より青く記憶され、花は実際よりも鮮やかに記憶され、好きな女の子は実際より綺麗に記憶され(^_^;)全てが万事この調子です。
したがって、一般的なデジカメはこのいい加減な記憶に従うように現実より鮮やかに写るようなセッティングが施されています。
さて、とすると目の慣れと記憶の特性を考慮しつつ正しい明るさの照射チェック画像を撮影するのは結構難しい問題です。
デジカメで撮りっぱなしで一切の調整をしないなんていうのはもってのほかです、
もちろんライトや画像毎に違った調整を行ってしまっては比較画像の意味をなしません。
そこで、決まったキャリブレーションを行ってなおかつ人間の目の慣れや記憶を考慮しても正しく写るシチュエーションを設定するのです。
それが私の場合あの公園の駐車場のあの画角とあの距離というわけです。
これに関してはデジカメ系の掲示板にも誤解されている方がほとんどですが、思ったような写真が撮れないのをカメラのせいにしている人が多くいます、
しかしそれはカメラのせいではなく、そのような写真が撮れないシチュエーションに問題があるということに気がついていないのです。
目の慣れといい加減な人間の記憶のために撮影者の記憶の中ではどんなシチュエーションでも必ず思ったような映像が記憶されているだけで、
実際にはその瞬間には人間の目にもそのようには映っていないことに気がついていないんですね。
そこで上手なカメラマンはどうするか?主題以外をごっそりはぎ取ってしまうんですね、
まわりに主題以外の物が写っているとそれに惑わされて主題の印象が薄くなったりしまうので。
例えば被写界深度の浅いレンズで主題以外を徹底的にぼかすとか、
派手な発色をするフィルムで主題の色を強調するとか、
もちろん機材にとらわれずに例えば被写界深度の浅いレンズが無くても背景のシンプルな場所で撮るとかは出来るわけです。
で、逆に言えば主題以外の物を写り込ますことにより撮影現場のシチュエーションを再現し、そこから見る人の意志をコントロールすることも出来るわけです。
例えば暗い公園で撮った事が分かる写真なら「ああ、こういう暗い公園ではこのように明るく見える訳か」といった感じで。