2013年度 定例会議事録

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2013年度 瀋陽日本人教師の会 第3回研修会

2014年3月29日 於東北育才学校

【テーマ】中国の日本語教育現場における試験と評価の方法について

【発表者】多田州一先生(瀋陽航空航天大学)

【流れ】

3.試験

試験が学生にとって学んできた日本語を復習する機会となってほしい。

試験直前の授業では、試験範囲の復習を授業でするが、これをしないと学生が試験に向けて準備できないという現実もある。

不正行為を防ぐためにもいくつかの種類の問題(穴埋め、記述式、下線部に対する設問など)を用意している。

記述問題では、学生が日本人と全く同じような日本語を書くことは難しい。そのため、細かい文法の正誤よりも内容に対する理解ができているかどうかを重視するよう気を付けている。

作文の試験では学生が必ず知っていて、いろいろな内容が構成できそうなものをテーマにするように している(「家」、「学校」など)。

4.評価

瀋陽航空航天大学では、「優・良・中・合格・通過・不合格」が設けられている。

外国人教師の授業で平均点が70点台であると、厳しいと受け取られるため、平均点が80点台前半くら いになるように設定している。

成績は学生の人生に影響するということも考慮しなければならない。(留学・奨学金など)

A巻の試験(期末試験)でほとんどの学生が合格する。もし不合格となれば、次学期の初めにB巻を受ける。→すなわち不合格の場合は追試を受ける。しかし最終的には合格するようになっており、追試は「儀式」とも揶揄されている。不合格の場合は再履修(再受講)になる日本の大学のほうが厳しいのではないだろうか。

5.ワークショップ

配布資料:ワークショップ資料(『走れメロス』の抜粋)

テーマ:配布資料の内容を題材として試験問題を作るとしたら、どのような問題を作る

のが効果的か

計25点:「暴君」「無二」の読み方、「人間の心」を題材として300字以内で作文を書

きなさい。(宇野先生)

王様は「とんでもない嘘を言うわい」と言いメロスのことを信じていないのに、どう

して「願いを聞いた」と言ってメロスの願いを聞いたと思うか書きなさい。(吉川先生)

なぜメロスに対し王様は「遅れてこい」と言ったか書きなさい。(先生)

「逃がした小鳥」は誰のことでしょうか。(中村先生)

以前、別の研修会では「劇をさせる」や「『嘘を言うわい』や『馬鹿な』といった表現には何が含まれているか問う」といった意見が出た。

6.その他

各種活動の紹介:勤務校で開催された行事(中日韓比較文化研究国際学術シンポジウム、カシオ杯日本語弁論大会など)、『一番日本語』誌上で「日中文化交流史」を連載中。

・インターネットでの発表:①ジャスロン(日本語学習サロン)のHP上で「瀋陽日本語学習サロン」を定期的に連載。また、②大連日本語教師会HPの会員エッセー欄に「日中友好の歴史を伝えたい」を投稿。

現在、瀋陽と大連二つの日本語教師会及び北海道日本語教育ネットワークなどに所属。

時間の都合上、十分な時間をとってワークショップをすることができなくて残念。

・別添資料:pptあり。 (文責:花岡

1.自己紹介 2.担当科目 3.試験 4.評価 5.ワークショップ 6.その他

【内容】

1. 自己紹介 2.担当科目

陝西省延安市(延安大学)にて中国での日本語教育を始める。延安では日本語教育に関する情報がなかなか入ってこないような状況であった。その後、湖南省長沙市に移る。長沙市で勤めた学校では、会話とビジネスマナーを教授。思ったような活動ができていないと感じている中で、現在の勤務校から誘いを受ける。瀋陽では日本文学、日本文学史、会話などの授業を担当。

#別添資料# 元NHKアナウンサー・有本忠雄氏ご夫妻の延安訪問。右から三番目が有本氏(2010年12月11日撮影)

有本氏は西安日本語弁論大会の審査員であり、その年12月12日の大会前に、延安で講演及び市内観光をされた。 

2013年10月11・12日、第一回中日韓比較文化研究国際学術シンポジウム右写真は12日、別府大学の松本泰丈教授(中央)らと「瀋航一号」前で

日本語教育に関心のある方はどなたでも参加できます

第2回日本語教育研修会(ワークショップ)のご案内

瀋陽日本人教師の会研修部

皆様、明けましておめでとうございます。 春節を前にしたこの時期は皆様には成績の処理や後期の授業計画などで忙しくなさっておられることと思います。3月に入って新学期早々の15日に第2回の研修会を予定しています。 つきましては、日本語教育に関心をお持ちの皆様に、今研修会の案内を差し上げますので、ぜひご参加いただきたく、ご案内申し上げます。 なお、第3回目として6月頃に国際交流基金の日本語教育アドバイザーからお話を頂く計画を立てています。

2013年度 第2回日本語教育研修会(ワークショップ)

Ⅰテーマ:「中国の日本語学習現場における試験と評価の方法について」

◎発表者

瀋陽航空航天大学外国語学院日語系 多田州一先生

◎内容

本研究会では、これまで五年にわたる中国での日本語教育をつうじて、自分自身が模索してきた「中国人の日本語学習者に対する効果的な試験及び評価方法」についてお話しします。

その上で、「日本文学」の授業で扱っている文学作品の一部を配布し、ワークショップとして参加者の皆様に「試験問題」を考えていただき、それをもとに意見交換をしたいと思います。

Ⅱテーマ:「中国の高中校における日本語教育現場からの声」

◎発表者

東北育才外国語学校副校長 彭雪飛先生

◎内容

日本の大学留学者を毎年数多く送り出している本校で取り組んでいる日本語教育の現状と中国人日本語教師として現場でぶつかる問題や悩みについてお話しします。その後、皆さんの質問に対する一問一答形式で進めたいと思います。

Ⅲ場所:瀋陽市図書館一階研修室 (地下鉄2号線図書館駅A出口東側徒歩3分)

Ⅳ日時:2014年3月15日(土)

13時50分 開場

14時00分~15時20分 研修Ⅰ・多田先生

15時30分~17時00分 研修Ⅱ・彭先生

17時30分~懇親会(参加いただける方だけで結構です)

尚:会場や資料の都合がありますので、参加いただける方はできるだけご連絡ください。

Ⅴ連絡先:メール zhongu-fe@hotmail.co.jp   日本人教師の会代表 中谷豊

瀋陽日本人教師の会12月定例会

議事録

日 時:2013年12月14日(土)14:00~15:00

会 場:瀋陽市図書館会議室

参加者:中谷、林利彦、林径子、三枝、宇野、吉村、多田、花岡、李凌云、川上

議題

1 代表挨拶

来週日曜に山下さんと共に大連に行き、大連教師会の様子について伺って来たい。瀋陽教師会の人数が減少している。組織編成について考え直さなければならない。日本人会の文化交流部に属しているが、その中での編成、役割について考えたい。

所定の勤務先以外での仕事をしているという疑いを持たれた、という話を聞いた。万一ということもあるのでパスポートは常時携帯を。国内事情からの動きといえる。次回の研修会に3月15日に行いたい。講師に白先生(東北育才外国語学校)と多田先生(瀋陽航空航天大学)にお願いする。

2 各係からの報告

≪広報≫

多田:『日本語クラブ』第40号が出来上がった。会員と各学校の日本語教師、掲載された学生に配布する。第41号は6月に発行予定である。

≪日本語文化祭≫

宇野:来週学生・生徒の打ち合わせを行う。2014年5月25日(日)13:00~18:00までとしたい。会場は瀋陽市図書館ホール(300人収容)入場制限が必要だと考えている。qq内で学生連絡を行う。(詳細は別紙資料参照)

運営費用

中谷:今年度も国際交流基金に申請する。3月に外弁から届けてもらう予定。金額については未定。

交通費

宇野:バス、地下鉄などの公共交通機関については負担する。

多田:学校のバスに乗ってきた。領収書をもらって今年は清算してもらったが、次回はどうか。

宇野:分配金の中から処理してほしい。

請求日項目

宇野:飲食費は各参加校で負担してもらう。

開催回数

中谷:同じ年度に2回開催するということになると、日本人会からの協賛金に関係であまり無理はできないということであった。秋の開催については今のところ見送る方針である。

運営方針内容

宇野:2演目、15分ということを来週伝える。コンテスト形式でよいか。

山下:国際交流基金からの援助を受けるに当たり、コンテスト形式にしてほしいということであった。

≪資料室≫

吉村:移設から今までに120冊の貸し出しがあった。6割が補習校の生徒。2割が教師会の先生、その他は国潤学校の生徒が占め、各学校の学生からの希望が少ない。もっとたくさんの利用を求めたい。

≪弁論≫

吉村:弁論大会に、大連や長春の日本人教師会から審査員を招聘したい。18名の審査員でやっているが、日本人会との関連をどうするかが課題だ。

中谷:中国人の専門家はすでに担当してもらっているが、日本人の日本語教育の専門家が入ってもらうことが必要ではないかと考える。審査の権威づけのためにもよいはずだ。

三枝:予算に限りがあると思うが、往復の交通費となると大きいのではないか。

吉村:大連、長春は往復500元×2となる。予算的には確かに厳しい。まずは皆さんの意見を伺いたい。

林:日本人の専門家も必要だ。実際に指導に当たった先生を審査員に加える方が指導との関連ができてよい。審査員の人数が6~7人いるのだから、公正性を確保するためには最高点、最低点をカットする方法をとればよい。審査員になれるのなら教師会に入ろうという人も出て来るのではないか。

山下:審査員にかかる費用については日本人会幹事会社とも連携を取った方が良い。

3 その他の議題、提案、連絡事項など

4 予算案(経費が必要な方はお申し出ください)

次回は2014年3月8日(土)の予定。