第16号

2004年03月06日発行

第16号

会員寄稿

留学生の物語

第16号編集後記

◎今冬の瀋陽は雪も少なく比較的過ごしやすいとはいえ、コートもマフラーも無しに外出が気軽にできる温かい静岡県の沼津で過ごした五週間の後とあれば、ここに戻ってくるにあたって気合を入れないと気持ちが切り替えられない。

後期が始まって一週間たったころ、留学生はみな一週間後に引越しをしなければならないという噂を聞いた。建物全体に漏水などの問題が多く、修理が必要とのことだった。それがまさか私たち外国人教師にもおよぶ話だとは思わなかった。何でも直前になって伝えられるのがこの国の流儀だということは、前任校でも経験してきたことではあるが・・。引越し先は、去年新築した新入生の寮の一角に既に用意されてあるところを見ると、突然持ち上がった話でもなかろうが、とうとう最後まで正式な話しがないままに、一枚の張り紙によってことは進行していく。いくら仮の住まいだとはいえ、引越しとなれば夫婦二人分の生活必需品の量は半端じゃない。授業やりながら一週間後に移れとは無理な話だ。

という訳で、この間は学生に助けてもらっててんやわんやのうちに積みあがった箱や袋で、今私の部屋は足の踏み場もない状態になっている。その中を潜り抜けつつ、「日本語クラブ」の発行に向けて寄稿者に連絡をとり、文をPCに打ち込み、写真の催促をし、教師会の先生方、とりわけ山形先生御夫妻とメールで何度も連絡を取り、最後はいつものようにみんな山形先生にお任せして今年の第二号(通巻第16号)が出来上がった。この号も、きっと一生手元から離せないだろうな。

(中道 恵津)


◎3月4日、日本へ転送されてきた山形先生からのメール、ありがとうございました。「瀋陽日本語クラブ」のことを、どばあーっと思い出しました。12月のクリスマス交換会以来でしたから。

もう春の陽気の日本です。

中国の生活で感化され考えることに”多岐亡羊”という故事などがあります。今回の帰国からの自分の状況の変化は、このことばが言いあらわしているように思います。二人目の孫の誕生が近いという目出度さが、予想もしなかった日本滞在というハプニングを私に課したと分別します。

孫の面倒でまごまごしている昨今ですが、瀋陽で日本語学習に懸命な学生達の力になれない思いも胸に去来します。

皆様、ご苦労様です。

(中道 秀毅)


◎私の本業(というのもおかしなことですが、この教師の会の中の話ですよ)はHPの係です。十数年の年季の入ったMac遣いですがWindowsは初めてなのでHome Page Builderで苦労をしています。それならよせばよいのに物好きにも「日本語クラブ」のお手伝いをしています。公式の編集委員ではないので資格はありませんが、せめて後記くらい書かせて下さい。

この号がでる頃にはその日本人教師の会のHome Pageは、前任の森岡先生の制作によるHP以来初めて更新されているはずです。http://www.geocities.jp/kyoshikai_shenyang/ のです。離任された河野美紀子先生のご努力のたまものです。

春節休みは大学の前期と後期を仕切る長い休みなので、日本に戻って骨休めの時期でした。蕎麦とフランスパンを食べ続けて、瀋陽滞在で4kg痩せた身体が直ぐに元に戻りました。

今回は留学生特集でいこうというアイデアで、私たちが関係した留学生からは手回し良く留学記を集めることが出来ました。でも全体が集まるには時間がかかり、ほとんどは3月に入ってからで、しかも3月4日までは6日の発行予定でしたので、結構きついことでした。結局最後にまだ届いていない1篇を入れることになり1週間発行延期となりました。

編集委員の一人である中道秀毅先生は今回帰国されたまま家庭の事情で瀋陽に戻っていらっしゃいませんでした。秀毅先生は、毎月の定例会でご存じの通り、まわりの人たちに元気を与えて下さいます。今年の定例会でも編集時でも秀毅先生の元気な謦咳に接することが出来なかったのは実に残念なことでした。

せめて何かを書いて皆を元気づけて欲しいと思い要望したところ直ぐに原稿が届きましたので、高山先生の旅行記、峰村先生の瀋陽こぼれ話に続き、会員寄稿欄としました。会員からのこのような寄稿を随時載せたらよいと思いますが、この次の第17号は否応なしの全員の顔見世興行だそうです。

中道秀毅先生からは編集後記も届きました。こういう楽しい仲間があることは大いに嬉しいことです。

(山形 達也)

 

◎3月の教師会は13日だとばかり思っていた私は、6日が定例会と知ってあわててしまいました(12月の定例会は二人とも体調が悪くて休んでしまったのでした)。

原稿がいつ、どのくらい集まるのか分からず心配しましたが、先生がたのご協力で沢山の留学生たちからの原稿が集まり、良い特集になったのではないかと喜んでいます。

その上、会員の寄稿はとても嬉しく、これが日本語クラブの本来あるべき姿ではないかと思います。これからもどこかへ旅行なさったとき、あるいは何か鮮烈な経験をなさったとき、みんなに何か話したいときなど、ぜひ寄稿して下さい。

結局予定していた定例会での配布は1週間ほど遅れてしまいましたが、楽しく読んで頂ければ、多くの時間を使って協力してくれた達也も苦労の甲斐があると思います。

皆様のご協力に感謝します。

次号の原稿はお早めにどうぞ。

(山形 貞子)