ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』

読書さとう

私はこの本を高校2年のときに読んでいました。筑摩書房で小沼文彦の訳でした。

私はいつも友人たちに、「この兄弟は何人だ?」という問いをして、ドミートリ、イワン、アリーシャをあげると、いつも「もう一人、スメルジャコフがいるじゃないか」と言ってきたものでした。

父親のフョードルが殺害されて、その犯人が長男のドミートリということになります。だが彼は無罪を主張します。その裁判の中で物語は進みます。

大学で、よく同級生と話したものです。本来なら、3男のアリーシャが人気があるはずですが、でも次男のイワンに魅力を感じる女性が多かったものです。でも判決の前日にスメルジャコフが自殺してしまいます。これは一体何なのでほうか。

だが実は、この小説はそれまでが第一部で、さらに第二部が考えられていました。あれだけで長大な物語なのに、驚いてしまいます。作者の死により、第一部だけの作品になってしまいました。長大だというと、私はトルストイの『戦争と平和』(これは退屈です)も思い出しますが、この『カラマーゾフの兄弟』は実に息もひそめるほど一心に読んでいくものです。

老僧ゾシマとアリーシャとの莫大な会話など、実に感激なのでしょうが(私は退屈です)、それ以外は実に長い小説が実に短く感じるものです。

もう私の生涯の中では、読み返すことはない作品でしょうね。