竹内好を吉本隆明が語る

2010/10/25

ニュースさとう

毎日jp

にこの記事がありました。

60年安保の時、全学連を率いた島成郎さんは「いわゆる進歩的な知識人の中で共感できるのは、竹内さんと鶴見俊輔さん、吉本さんの3人だ」と話していました。進歩系の中でもちょっと変わったところのある3人が、彼らの考え方には合う感じがあったのでしょう。島さんたちは従来の学生運動家とは違うタイプで、日本の左翼インテリの型にはまらなかったですから。

私は吉本隆明さんは、昔から信頼して、いつもどうようなことを言われるのかということを気にしてきていました。この竹内好に関しては、どのような話をされるのだろうかと興味があったものです。竹内好は、魯迅をすべて訳されているわけで、私たちは竹内好を通してのみ魯迅を知ったものです(ただし、私には太宰治もまた魯迅の世界に迫っていたと思っています)。それであんなつまらないとしか思えない毛沢東も、竹内好には別なものが見えているのではないかと思っていたものでした。

それで竹内好と吉本隆明の対談は、実に興味をもって読んだものでした。だが私には、この二人の対談は実にあっさりと進んでしまいました。吉本さんの鋭い切り込み方を竹内さんがあっさりはずされて、それででもなんだか納得してしまう私がいたものでした。

もし今も竹内さんが生きていれば、現代の中国には失望するだけだとしか思えないのですが、今ではそれを何も語れない時になってしまいました。時間の経過だけを感じているものです。

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再見・竹内好:生誕100年/上 吉本隆明さんが語る