ブル中野『金網の青春』

読書さとう

私はプロレスが好きで、いつも見ていたのでしたが、子どもは二人の女の子だったのでした。それでいつもプロレスを見ていたのですが、だんだんと血だらけになる男子プロレスを怖がるようになり、でも女子プロレスは好きで見ていたもので、私もファンになったものでした。ときに悪役であったこのブル中野のことが好きになっていったものでした。彼女は1968年1月8日生まれですから、思えば私が大学1年の頃生まれたのですね。ちょうど佐世保闘争の頃です。私が王子や三里塚で戦っていた頃、赤ちゃんだったのですね。

私がこの本を書店で買って読み始めたときから、すぐに私は涙を流していたものでした。まだ彼女がプロレスを始めた頃はまだ女子プロレスは、プロレス世界の古典という感じで興行していました。彼女のこの本にミゼットプロレスのプリティ・アトムの言葉が書いてあります。

彼女がクラッシュギャルズのファンから石を投げられ、それでそのときのファンの心ないやじに涙を流しているときです。

髪を刈った頭から血が流れている。そんな痛みならがまんできる。しかし、さすがにこの時ばかりは心の痛みが大きかった。そんな時、ミゼット・プロレスのプリティ・アトムさんが「ヒールだから、仕方ないんだヨ! こんなことはがまんしなくちゃ。これからもっともっと辛いことがあるんだからナ」。そう言ってくれた。私はその言葉のあたたかさに涙が止まらなかった。

私はいつも阿呆ですから、今もここを読んで涙が浮かびます。今でも私はブル中野が大好きです。