J.フィクス.R.バロン『ハーバード流経営士官教本』

読書さとう

昨日(2000.05.09)ある若い友人と飲んでいまして、「もっとあなた自身が迫力をつけな」なんて話の中で、この本の内容を少し話しました。今の今になっては、この本を薦めたとしても、あまりどうかなということもあるのですが、思えば大昔に書いたことがありましたので、以下載せてみます。

現在の日本の経済情況の中で、どのように企業が闘い抜いていくのか大変興味深いところです。そして、各経済、経営の識者はどう判断するのか、各分野のコンサルタントはどうしていくのか、さまざまな経営コンサルタントはどうコンサルティングを展開するのか、いろいろ問われるところですね。

80年代に日本のいくつかの企業にはいり、一応成功を収めたといわれるボストン・コンサルティンググループなんか、この時期どう指導していくのだろう。お手並拝見といったところです。

そのボストンコンサルティング・グループの出身ハーバード・ビジネススクールのハーバード流成功術の入門書(といっていいのかな)見てみましょう。もっともちょっともう古いんじゃないという意見もあるかもしれない。でも私はまだまだこの本も読んで、充分役に立つところが多々あると思うのです。

私は、例えば、大学卒業で就職について相談受けたりするとき、随分この本を紹介しました。もちろんその彼、彼女が行こうとしている業界についての入門書とか、読むべき新聞雑誌なんかは教えてあげるのですが、そうではなく全般的な就職への自己武装みたいなものは、この本がなかなかいいと思います。いや新卒でなくとも、充分役に立つと思いますよ。事実私は何人かに紹介して、感謝されました。

自己武装術のレジュメ(経歴書)の書き方のところ(これは自分の履歴書の書き方です)なんか実に参考になります。

そのほか、「企業参謀学の基本とケース・スタディ」のところでは、「プッシュ戦略とプル戦略」、「シェアマトリックスによる分析」など、たいへんにわかりやすい説明がしてあります。まあこれは、「経営学」とか「販売管理」とかやると必ずでてくるところですね。個々の例を自分で考えて頭に描くと非常にわかりやすいと思います。

しかし、いつも思うのですが、このボストンコンサルティングGの「シェアマトリクス分析」だが、どうしてBOY、STAR、TREE、DOGの並び方が時計の向きと逆なのだろう。時計の向きにすれば、パソコンなんかで簡単に分析分布させやすいじゃないかと思うのですがね。誰かそんなソフト作りませんか。この分析のソフトで馬鹿高いのはあったと思いますが、時計回りにすれば、簡単にいくと思うんですが。

これから就職のかた、これから経営の立場から営業の前線に立たれる方、お読みになると少しはやくに立つと思います。(1992.08.25)

ここの経歴書(履歴書)の書き方のコンセプトを身につけることは大事だと思うのです。人間は形から入っていっても、それでやりきるときに、必ずいろいろなものが(例えば迫力ね)がついてくると思うのです。

この本は、前田俊一、野宮博の訳でダイヤモンド社から発行されていました。(2000.05.10)