元禄無頼:栗本薫

栗本薫のエログロ作品の決定版の一つだと思います。

元禄時代、力はあるのにやる事無くくすぶる旗本の若者達を主人公に、明るい世界への憧れを持ちつつ、しかしドロドロした欲望や邪念の世界に堕ちていく..。そんな作品です。

ドロドロした世界の描写は恐く、気持ち悪く、猥褻で、哀に満ちてます。生きる希望さえ捨てた美青年に次々加えられる虐待と倒錯した愛。幸福をやっとつかんだ女に降りかかる陵辱と狂気。明るく希望に満ちた少女から、その全てが略奪され、闇に棲む者は、その闇から去ること無く、触れるもの全てを闇に呑み込ませていく...。

読後感は極めて嫌な感じでした。でも、そこ、ここのシーンが頭から離れません。それだけ力のある、作品なんだと思います。

エログロOKの方、是非読んで見てください。