オネアミスの翼-王立宇宙軍-:山賀博之(監督)

ガイナックスというと、まあエヴァだけが有名ですがガイナックスが誕生したのはこの作品からでした。

凝りに凝ったアニメ映画で、「オネアミス王国」という架空の小国が、隣国との兵器開発競争のために人類初の有人宇宙飛行を目指すが、国民は特に望んでなく、本人達もそんなに本気ではなかった。それが、ひょんなきっかけからどんどん本気になって行き、遂に宇宙飛行を実現してしまうというストーリーだけだととてもハリウッドな作品です。

でも、これの少し前に公開された『ライトスタッフ』というアポロを題材にしたハリウッド映画より数倍良い。何が良いって、かっこいい奴が一人もおらず、失敗やら後悔やら妥協やらを散々しまくり、それでもしょうがないじゃないかと開き直ってほんとの馬鹿を貫く姿がかっこいい。隣国がロケットを狙って進軍してくる中、炎の柱を立てて飛び立つロケットの姿は感動的です。

これを観て、当時中学だった私は宇宙飛行士になりたいと思いました。(でも数学が苦手であきらめました。)