暗黒作家列伝 高橋葉介
出会い
高橋葉介作品を最初に見たのは、『帝都大戦』のコミック版でした。でも、第一印象は「グロい絵だなあ」と言うものでした。前作の『帝都物語』は藤原カムイが絵を描いてました。それと単純に比較したせいもあるでしょう。
その数年後、高橋葉介作品集を読む機会があり、『夢幻紳士 怪奇編1・2』を読んでハマリました。その後、立ち読みが主でしたが作品集を読破し、『夢幻紳士(アニメージュコミック版)』で、その幅の広さが気に入りました。
アニパロなどを積極的に取り込むこともあれば、じっくりと怪奇的作品を描くこともできる、実力派の作家だと思います。
作品の傾向
基本的に怪奇、猟奇、恐怖などの作品です。モチーフには、日本では乱歩や夢野久作、荒俣宏。海外ではポーやラブクラフト、ラフカディオ・ハーンなどの作品が使われてるようです。
絵的には、私の第一印象は、“グロい”でした。今見ると、“コミカル”にも感じます。キャラクターが丸みを帯びて太目の線で描かれ、なんとなく手塚治虫を思い出します。
ネタ的に幅が広く、安心して読める童話的なものから、スプラッタ、ミステリ、冒険浪漫なども手がけてます。
ホラーなどを描く時、他の作家だとえてして暗く重く描かれることが多いですが、氏の場合、怖く描きながら、どこか 軽やかで、殺人者も、妖怪達も憎めないものとして描かれてるようです。
お薦め
怪奇物が苦手な人
アニメは好きなら、夢幻紳士のアニメージュコミックの方(少年探偵編)が良いでしょう。前半は真面目な話も多いですが、後半はどんどん壊れていきます。アニメ作品のパロディも随分出てきます。
怪奇物でもあまりドロドロしたのは嫌と言う人
少年チャンピオンに連載してる、『学校怪談』はどうでしょう。シリーズ物ですが、基本的に一話完結で、割と気軽に読めます。他の作品に比べ、あまりグログログチョグチョしてない作品が多いです。
かっこいい人がいないと嫌と言う人
やはり、『夢幻紳士 怪奇編』と『夢幻外伝』でしょう。とにかくかっこいい妖魔的探偵です。とても、少年探偵の時と同じ人物とは思えない。ちなみにこの人は、『学校怪談』でもたまに出てきます。
『ヨウスケの奇妙な世界』朝日ソノラマ:マンガ文庫:現在十六巻
『学校怪談』秋田書店:少年チャンピオン・コミックス:現在十三巻
この2シリーズが比較的入手しやすいと思われます。